西南学院大学法学部 自習課題確認テスト兼問題集(サンプル) ○問題のレベル 初級 本文を一通り読んでいれば正解できるレベルの問題です。これが一つでも不正解であ れば学習していないものとみなして、例外なく再受験させることを推奨します。 中級 本文を読み込んで、概念操作ができる程度の理解ができていれば正解できるレベルの 問題です。このレベルが全問正解していなければ、十分なレベルの理解ができていま せんので、再受験させることが望ましいです。 上級 相当程度の現代文の学力、一定の知識を持ち合わせていれば正解できるレベルの問題 です。参考書内の表現や知識で正解できますが、知識のみでは正解できない程度の難 易度になっています。再度、本文を読み返すきっかけとなる問題として位置づけてい ます。 ○学習の作法 学習のスタイルとしてお勧めする方法を記しておきます。 ≪1≫問題を解く ≪2≫問題を解く際には、 ・正解の選択肢は根拠を他の人に説明できる程度に指摘する。 ・誤りの選択肢は「どこが間違っているか」 「どうするべきか」を他の人に説明できる 程度に明確に指摘する。 ※声に出すか、メモするかして、必ず言語化してください。 (例) 以下の選択肢の中から適切なものを一つ選べ ①自然法は、たいていの六法に収録されている。 「たいていの六法に収録されている」が間違い、明文化されて収録されているのは実定法 の方。 ③権利の実現には裁判所の介在が常に必要なのですべての法律は手続法に分類できる。 「すべての法律は手続法」が間違い、民法など権利の発生・変更・消滅などを規定する実 体法と訴訟手続きなどを定める手続法とに分類できる。 ≪3≫上記≪2≫の根拠などが合っていなければ、「どう違っているのか」「どうすれば次回 から間違わないか」を説明できる程度に考える。 以上 試行版 伊藤真(2007)『伊藤真の憲法入門 講義再現版第 4 版』日本評論社 序章:法律を学ぼう 初級 1.② 1.以下の選択肢の中から適切なもの一つを選べ。 法律は価値観のあらわれで ①法律とは自然法則と同じ「こうである」というものであ あり自然法則とは異なるた る。 め①ではない。また、法律 ②法律とは「べきである」というものである。 と道徳は強制力を持つか否 ③法律と道徳は全く同じである。 かにより異なるため②では ない。(pp.8-16 参照) 2.以下の選択肢の中から適切なものを一つ選べ ①自然法は、たいていの六法に収録されている。 2.④ ②法律は明快に書かれているので、解釈の必要は無い。 ①:六法に収録されている ③権利の実現には裁判所の介在が常に必要なのですべての 明文化されている法は実定 法律は手続法に分類できる。 法である。②:法律の文言 ④上記①②③のうち、適切なものはない。 はしばしば多義的であり解 釈が必要であるからこそ司 法府が存在する。③:実体 法と手続法とで分類できる。 (pp.22-24 参照) 中級 1.以下の選択肢の中から、 「法」又は「法律」に関する理 1.③ 解として適切でないものを一つ選べ 憲法は法律とは区別され、 ①法には憲法以下すべての法規範を総称する意味があると 法体系の中で最高の位置を いわれる場合がある。 占める。 ②法律は、国会の議決を経て制定されるものであり、国民 に対し制約を伴う場合がある。 ③国会の議決を経て改正される憲法は、法律に含まれる。 ④道徳と法は重なる部分がある。 2. 「民法」に関して述べた以下の選択肢のうち、適切なも 2.③ のを一つ選べ。 ①:性質上認められうる権 ①日本国民にだけ限定的に適用される特別法である。 利は外国人にも認められ、 ②財産権という天賦の権利を規定する自然法である。 法人にも適用される。また、 ③私人の間の関係を規定する私法である。 一般法である。②:民法は ④複数の当事者における権利義務関係を規定する公法であ 実定法である。③:私人間 る。 の権利義務関係を規定する ほうは私法である。公法は 個人と公権力との間の関係 を規定する法律である。民 法は前者。(pp.22-24 参照) 上級・最上級 1.以下の選択肢のうち、適切なものを一つ選べ。 1.② ①憲法は統治関係を規定する公法であり、権利義務の発生 ①:特別法は適用対象の限 を規定する実体法であり、日本国民にだけ限定的に適用さ 定いかんでの分類ではない。 れる特別法である。 ③④:訴訟法は手続法であ ②民法は私人の間の関係を規定する私法であり、権利義務 る。(pp.22-24 参照) の発生を規定する実定法であり、一般法である。 ③民事訴訟法は私人の間の関係を規定する私法であり、個 人の権利義務の発生を規定する実定法である。 ④刑事訴訟法は統治関係を規定する公法であり、身体の自 由を代表例とした権利義務の発生を規定する実体法である。 2.法的三段論法に関連して、以下の選択肢のうち、本文 2.③ の記述と照らし一番適切と思われるものを以下のうちから ①:結論ありきで判決する 1つ選べ ことになり不適当。②:裁 ①法的三段論法とは、 「こうあるべき」と思われる判決を出 判所規則とは裁判所内部の すことを決定し、その後に法律解釈や事実認定を順次行う 規則や訴訟手続きを定めた プロセスであり、 「判決→法律解釈→事実認定」という順に 規則のこと。④:目的論的 実施していく。 解釈は一般的に行われてお ②法的三段論法をおこなうとき、法律解釈を行うが、これ り合憲。(pp.18-24 参照) を「規範の定立をする」とよぶことがある。判決において 裁判官が規範の定立を行うことがあるが、これにより創造 された法を裁判所規則という。 ③法律解釈は一般に解釈のテクニックを学べば機械的に実 践できるようなイメージがあるが、実際には解釈を行うも のの価値観が一定部分ではいる余地がある。 ④解釈を行う際に条文の言葉以外の要素により、法律解釈 が左右されることは法的安定性をそこなう恐れがあるため、 目的論的解釈は憲法上禁止されている。 3.以下の製造物責任法第一条を基に以下の選択肢の中か 3.① ら適切なものを1つ選べ。 製造物責任法は一般法であ ※製造物責任法第一条 る民法の中に規定のある不 この法律は、製造物の欠陥により 人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における 法行為責任に関する特別法 製造業者等の損害賠償の責任について定めることにより、 である。 被害者の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経 済の健全な発展に寄与することを目的とする。 ②:自然法は明文化されて ①製造物責任法は、民法に定められている損害賠償責任を、 いない。③:民法の特別法 製造業者等を対象に特別な責任を定めた法律であるから、 であり、製造物責任法第一 民法の特別法といえる。 条にあるように私人間の権 ②人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合につい 利義務関係を規定する私法 て規定しているから、人の生命、身体、財産を守る意味で である。④: 「損害賠償の責 は憲法と同じである。よって、製造物責任法は自然法であ 任について定める」とある るといえる。 のみであるから、訴訟手続 ③国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与する きに関しての方ではないと ことを目的とする法律であるから、製造物責任法は公法で 推測できる。(pp.22-24 参 ある。 照) ④被害者保護を図る意義を持つから、被害者(個人)の権利実 現をはかる意味で手続法である。 ※実際の 実際のテストは テストは 50 問で構成さ 構成されていま ていますが、サンプル版 ンプル版 では序章の 序章の問題の 問題のみ掲載し 掲載しており ております。
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