Page 1 Page 2 バイ フ, ラザール・ ド 『ラザール・ ド ・バイ フ学説彙纂へ

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バイフ, ラザール・ド 「ラザール・ド・バイフ学説彙纂
への注解」
徳井,淑子
文化女子大学図書館所蔵欧文貴重書目録 : 解題・目録 : 開
館50周年記念 (2000-03) p.7
2000-03-20
http://hdl.handle.net/10457/1765
Rights
http://dspace.bunka.ac.jp/dspace
Baif, Lazare de
Lazari・Bajvゾii annotationes加L. IL de cαptivis, et postli,〃1in io reversis, i n qvibvs
tractatvr de re navali.
Parisiis, Ex OMcina Rob. Stephani,1536.4vols. in L illus.(wood).21×15cm.
〈KO45−B>文献番号1−ll
Hiler p.59 Lipper.99
バイフ,ラザール・ド『ラザール・ド・バイフ学説彙纂への注解』
16世紀フランスの人文主義者であり外交官であったラザール・ド・バイフ(1496?−
1547)の三部作r航海術』『衣服論』r容器論』に,イタリアの文献学者アントニオ・テレ
ージオ(1482−1534)の『色彩論』を付録として加えたラテン語の著作である。『衣服論』
は1526年の,『容器論』は1531年の初刊で,「航海術』を加えた本書は1536年に出版され
た後,1540年代までパリのロベール・エティエンヌ書店とバーゼルのフローベン書店で再
版が繰り返されている。三部作はローマの法学者の学説集成『学説彙纂』の注解というか
たちをとっているが,古代についての考古学の著作ともいえる。「色彩論』は1528年にヴ
ェネツィアの初刊で,色彩に関する近代最初の論考といわれる。三部作の著者バイフは法
学を修め,ローマに留学した後,フランソワ1世の顧問やヴェネツィア大使を務めている。
古典古代の作品の翻訳家として第一線で活躍し,プルタルコスの伝記の翻訳や,ソフォク
レスの「エレクトラ』の韻文訳などが知られている。庶子アントワーヌはプレイヤッド派
の詩人として名高い。
難灘灘 繍
『衣服論』は21章からなり,古代服飾に関するこ
膓
とばが多くの古典の作品から引用され解説されてい
{
1
る。ストラ,トゥニカ,パノレラ,トガ,スユンテシ
ス,パルーダーメントゥム,クラミュス,バリウム,
サグム,ラケルナなど今日の服飾史でよく知られて
灘
いることばはもちろん,絹や古代紫(パープル)な
]
遜
ど織物や色彩,その表徴機能にいたるまで実に多く
のことが網羅されている。引用の作家はプルタルコ
{
ス,ヘロドトス,プラトン,ヴェルギリゥス,プリ
§
ニウス,マールティアーリス,タキトゥス,テオフ
ラストゥス,キケロ,ホメロス,ホラーティウス,
毒
ストラボンに及び,古典に通じた人文主義者の面目
ヨ
躍如たるものがある。初刊本には挿絵はなかったが,
本書では衣服論に木版画3図が含まれている。右図
は簡単な説明のついた最初の図である。(徳井)
一7一
ローマに現存する最古の建造物より
着衣の女性像