校内研修の活性化に向けた取り組みの工夫について ~鴫野小学校の取り組み「若手教員の育成」「研究討議会充実の工夫」~ ◎はじめに 鴫野小学校では、 「あたたかい人間関係を基盤にして子どもたちをつないでいく」ことを めざし、教職員一同が共通理解を図りながら、取り組みを進めています。 今回は、鴫野小学校の取り組みについて、 「若手教員の育成」 「研究討議会充実の工夫」と いう視点から研修・研究の一端をご報告します。 ◎研究テーマに沿った授業研究会~若手教員を巻き込み、研究を進める!~ ◆みんなで話し合い、研究主題と研究の視点を作る 本年度の研究主題:国語科「効果的な交流活動のあり方を探る~読むことを通して」 これは、鴫野小学校で昨年度から 2 年かけて取り組んでいる研究主題です。研究主題や研 究の視点を作る際、研究部長が一方的に提案するのではなく、研究推進委員会で何度も話し 合いを重ねるようにしました。その際、特に意識した事は、「子どもや地域、学校の課題を 明らかにし、教職員がその課題を共通理解しながら研究を進めることができているか」と いうことです。みんなで話し合った結果、初めの 1 年は、実践から課題を明らかにし、研究 の視点を設定する。次の 1 年は研究の視点を意識して実践を行い、課題解決をめざす、と言 うものでした。 昨年度は、教職員それぞれが実践を出し合い、研究討議会で課題を明らかにする作業を行 いました。その際、ベテラン教員はもちろん、若手教員にもどんどん意見を求め、研究の視 点を作り上げるようにしました。そして、視点となりそうな項目ごとに、チーフとなる若手 教員を任命し、 「論」をまとめる作業を、彼らに任せるようにしていきました。 今年度の初めには、1 年間話し合った内容から研究の視点を定め、研究部長とチーフとな る若手教員を中心にプレゼンテーションを行い、「今年度、何を大切に研究を進めていくの か」について、全教職員で共通理解を図ることができました。 ◆みんなが分かる研究討議会 本校の研究討議会は、授業の中で参加者が思ったことや質問したいこと等を付箋に書き、 観点別に整理・集約したものを、討議会が始まる前に印刷して、全教職員に配布するように しています。これにより、討議の柱立てが予め明らかになり、意見が整理しやすくなります。 参観者は、授業の中で気が付いたことを 1 枚の付箋に 1 つの内容について書くようにし て、どんどん専用の紙に貼っていきます。その際、必ず小見出しを付けてもらいます。 (別添資料①をご参考ください。) これにより、参観者は自分が授業を見る際の視点を明確にもつことが意識できるようにな りますし、討議会では誰がどんな視点で授業を見たのかが視覚的に明らかになるというメリ ットがあると考えています。あまり経験の無い若手教員にとって、どのような視点で授業を 見れば良いのか、とても参考になっているようですし、実際、討議会では若手教員から活発 に意見を述べることができていました。 ◎若手中心の研究・研修~若手のニーズを拾い、ベテランの知識・経験を活かす~ ◆ステップアップ研修会 若手教員が、自分たちの資質向上の為に行う研修会を「ステップアップ研修」と呼んでい ます。毎年、夏休みの初めの頃(比較的みんなが集まりやすい時期)に開催されます。若手 教員から学びたい内容を聞き取り、それに応えるようにすることと、ベテラン教員の知識や 経験を伝達する場としても位置付けています。その内容は、「児童理解」や「保護者対応」 から、「指導技術向上」に資するものまで、多岐にわたります。参加は自由なので、若手か らベテランまで都合が付くものが参加しています。いつも和やかな雰囲気の中で研修会が行 われています。(別添資料②をご参考ください。) ◆若手教員による授業研究会 若手教員が研究授業をする際に、指導案検討会・研究討議会を、メンターを中心とした若 手教員で運営するようにしています。全体授業と比べると参加者は少ないですが、授業に参 加した者は先述の付箋を活用するなど、必ず授業者に意見や感想が伝わるようにしています。 ◎最後に 鴫野小学校では、どの学年も若手教員とベテラン教員がうまく協調しあっています。研究 授業の際は、担任個人の授業と言うより、学年全体で取り組むと言う意識が強く働いていま す。プレ授業においても、いくつかのパターンで学習過程を進め、検証された後に本時を迎 える学年が多く見られます。これら教職員の姿勢の基盤には、初めに述べた「子どもと地域、 学校の課題」について常に話し合っていることがあると同時に、若手教員からベテラン教員 に対するリスペクトの念を感じますし、ベテラン教員は若手教員に対して「やってごらん。 フォローはするよ。」という温かい目線を感じます。学級経営と同じく、教職員集団におい ても、良好な人間関係を築き上げていくことが大切であることを、強く感じています。 (資料①) 授業研究会→討議会での意見交流について 今年度の授業研究会とその後の討議会では「意見カード」を活用します。意見カードの概要については以下 のようなものです。意見カードを授業参観時に持って行くようにお願いします。 ①この授業で学べたこと 授業を見て良かった点や学べた点について 黄色の付箋紙 たくさん書いてください。授業者や授業学年は 本時を迎えるに準備や研究を積んでいます。そ のエッセンスを少しでも引きだし、みんなの共 通財産になるようにしましょう。 ②授業者・授業学年に対して質問したいことや、改善点 赤色の付箋紙 授業を見て質問したいことや、この授業をよ り良くするための改善点として挙げられるこ となどを書いてください。建設的な意見を出し 合うようにして、授業者・学年自身の学びにな るようにしましょう。 ③研究視点との関連についての意見 水色の付箋紙 指導案に書かれている「研究の視点との関連」につ いて意見を書いてください。授業の中身や指導案の内 容から指導方法や指導計画に関して効果的であると感 じたところやもうひと工夫加えればさらに…といった ところについて書いていくようにしましょう。チーフ の方々もネタがたくさん集まると嬉しいはずです。 ※授業を見ながら付箋紙に意見を書いていくようにしてください。 ※授業中や授業後、教室前に置いてある付箋紙貼付用紙に貼りつけるようにしてください。 ※1 枚の付箋紙に1つの意見を書くようにしてください。 ※付箋紙はたくさん用意してあります。必要な枚数を取って書き足してください。 (資料②) ○ステップアップ研修会(2013 年度) 日 7 月 22 日(月) 7 月 23 日(火) 7 月 24 日(水) 時間 特別水泳練習(10:00~10:50) 15:00~16:30 15:00~16:30 「プール水泳」 内容 特に、泳ぎが苦手な子どもの 指導方法について 国語科「アニマシオン」 子どもが生まれながらにもって いる読む力を引き出そうと開発・ 体育科「体育のいろは」 体育科授業の中で使えるネ タをいくつか紹介する 体系化した読書指導メソッド 場所 プール 多目的室 講堂 講師 ◎◎先生 校長先生、◎◎先生 ◎◎先生、◎◎先生ほか ○ステップアップ研修会(2014 年度) 日 7 月 22 日(火) 7 月 23 日(水) 7 月 24 日(木) 時間 15:00~16:30 15:00~16:30 15:00~16:30 「メンターによる研修会」 内容 「保護者とうまく話すために」 「読み聞かせで学級は変わる」 5 年目までの教職員を対象 保護者の方々とうまく話すため 読み聞かせの仕方や本の紹 に、研修を行います。内容につ のポイントを、ロールプレイしな 介から、絵本の作り方などにつ いては未定です。 がら考えます。 いて行います。 場所 多目的室 多目的室 多目的室 講師 ◎◎先生 ◎◎先生 ◎◎先生 ステップアップ研修会は希望者の方です。ご予定のつく方はご参加ください。
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