必要カロリーの算出 <Harris-Benedictの公式を用いて> 平成27年11月16日 NST委員会 Harris-Benedictの式の歴史 1979年にLong LCらが発表したものである。 日本で使用されるようになったのは、日本静脈 経腸栄養学会(JSPEN)のTNT(total nutritional therapy)プロジェクトが1999年に活動を始めて からである。 必要カロリーの算出 REE=BEE×活動係数×ストレス係数 REEとは安静時エネルギー消費量 (resting energy expenditure) ①BEEとは基礎エネルギー消費量 (basal energy expenditure) ②活動係数とは活動度 ③ストレス係数とはストレス度 必要カロリーの算出(BEE) ①BEE(基礎エネルギー消費量)の算出 男性:66.47+13.75(W)+(H)-6.76(A) 女性:655.1+9.567(W)+1.8(H)-4.68(A) W:体重(kg)、H:身長(㎝)、A:年齢(年) 必要カロリーの算出 (活動係数、ストレス係数) ②活動係数 ベッド上安静 1.2 ベッド外活動 1.3 ③ストレス係数 術後(合併症なし) 1.00 長幹骨骨折 1.15~1.30 癌 1.10~1.30 腹膜炎・敗血症 1.10~1.30 重症感染症・多発外傷 1.20~1.40 多臓器不全症候群 1.20~1.40 熱傷 1.20~2.00 ※まず、主観で行ってみましょう 留意点 • BEEは生存に最低限必要なエネルギー量である。 実際に必要とするエネルギーを算出するためには、活動係数 やストレス係数と呼ばれる値を乗じて算出する必要がある。 また、もともと欧米人を対象として作られた計算式であるため、 これを日本人に当てはめた場合には実際の値よりもやや高め に算出される可能性がある。 • 小児、85歳以上には向かない。 • ストレス度を過大評価すると必要カロリーが過剰になりやすい。 栄養投与開始時の設定は低めの方が代謝負荷にならず無難 である。 • 病態別に必要カロリーが異なることを考慮する。 (慢性肝疾患、慢性腎不全、慢性閉塞性肺疾患など)
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