中村 輝石 (京都大学 高エネルギー物理学研究室) • 暗黒物質のイントロ • 暗黒物質探索 • AXEL for 暗黒物質探索 • まとめ 小研究会@ 島根大学 2015/01/10 • つくば出身です • 院:京大宇宙線にてNEWAGE実験で暗黒物質探索 • 今:京大高エネにてAXEL実験で0νββ探索(暗黒物質探索?) A Xenon Electro Luminescence detector experiment 市川さん「自分の実験 で0νββ見つけるぞ!」 M2石山 PD中村 中家さん「応援し ます!」 M1栁田 M1羽田 M1潘 タンデム 廣瀬さん 東大神岡 関谷さん A Xenon Electro Luminescence detector experiment 市川さん「自分の実験 で0νββ見つけるぞ!」 M2石山 PD中村 中家さん「応援し ます!」 M1栁田 M1羽田 高圧XeでDMや りたい! M1潘 タンデム 廣瀬さん 東大神岡 関谷さん A Xenon Electro Luminescence detector experiment • 高圧XeガスTPC for 0νββ探索 • 電離電荷とシンチレーション光の両方を取得 • 詳細は潘・栁田の講演で ・エネルギー分解能:0.5%(FWHM) ・質量:1トン ・ピクセル読み出し:7.5cmピッチ e- γ Ionization Scintillation 天の川銀河 • 回転曲線が外側でも落ちない • 銀河ハローに光らない質量の 存在を示唆 太陽系の回転曲線 光のドップラー効果で 回転速度を測る 銀河系の回転曲線 PASJ 64 (2012) 75 1kpc~3*1019m 銀河団「Bullet Cluster」 ガスプラズマ分布(X線) ↑ 重力レンズの原理 ↓ 重力レンズの見え方 質量分布(重力レンズ) 銀河団が衝突した後・・・ • ガスは相互作用をして遅く • 質量はすりぬけている 銀河団に付随するダークマターのより直接的な証拠! • 宇宙全体にバリオンの約5倍のダークマターが存在 宇宙論パラメータへの制限 宇宙のエネルギー組成 Planck以前⇒ 銀河 銀河団 宇宙論スケール に暗黒物質 しかし、正体は不明 求められる性質 • 非相対論的(CDM) ← 初期宇宙の大規模構造を乱さない • 非バリオン ← バリオンと相互作用しない(不可視) • 散乱断面積が小さい or 数密度が低い ← 未発見 axion μeV sterile neutrino meV ADM keV mirror matter GeV TeV WIMP crypton 1012GeV Q-ball 10-3g(1030eV) 特に、WIMPは標準理論の次の階層の理論が元となる • WIMPの3性質 • 質量がある • 安定 • 相互作用をほとんどしない ⇒暗黒物質の有力候補 • WIMPにも色々ある • ニュートラリーノ by 超対称理論 • カルツァ=クライン粒子 by 余剰次元モデル • ヘヴィーフォトン by リトルヒッグスモデル neutralino consists of these particles 対生成 WIMP クオーク 散 乱 直接検出 対消滅 DM 間接検出 DM DM 散乱 銀河中心や太陽など 質量のあるところ 対消滅 検出器 γ 線 ニュートリノ 反物質 検出器 加速器実験 • これらの探索は相補的 • 直接検出:高感度化が難しい • 間接検出:高感度だが仮定が多い • 加速器実験:宇宙のDMとは言えない 加速器 DM p 対生成 p DM • ダークマターを見つけるには? • 原子核をじっと見つめて、弾性散乱するのを待つ • しかし、エネルギースペクトルには特徴がない • ダークマターによる弾性散乱だと主張するためには? • なるべく静かなところで探す & 統計を上げる • 銀河に付随するダークマターの特徴を使う WIMP 原子核との弾性散乱 予想されるエネルギースペクトル 原子核 target:19F σSD=1pb We observe recoil nucleus 夏と冬で計数率が変わる • 変化:数% • 環境も季節変動するのでシステマティックの見積が困難 銀河と太陽系の運動 event rate [counts/keV/kg/days] 予想されるエネルギースペクトル 2 σSD=1pb M=100GeV target:F 1 Few % of the annual modulation 0 0 100 recoil energy [keV] 200 NaI イベントレートの季節変動 Eur. Phys. J. C (2010) 67: 39–49 • 1.17ton・year(9.7kg*25=250kg、11年)@グランサッソ(3500m.w.e.) • イベントレート • 季節変動が一年周期のcos分布に乗り、6月に極大 • 低エネルギー側(2~6keV)、single-hit事象のみ季節変動 • ⇒暗黒物質発見・・・? エネルギーごとの 季節変動 single/multiの 季節変動 • DAMAは10GeVでかろうじて(加速器では未発見だが) • 世界最大の観測(250kg×11year)で得られた季節変動ですら否定 されてしまう?(LUX2013で118kg×85.3days) SI断面積の制限曲線 Phys.Rev. D89 (2014) 023524 • DAMAがなかなかグランサッソ以外で実験をしないので・・・ (きれいなNaIの作り方も企業秘密とのこと) • NaIによる追実験 • PICO-LON(徳島大の伏見さん主導) • DM-Ice(南極の氷の中:南半球) • 結果がPositiveでもNegativeでも楽しみ DM-Ice17のインストール • DAMAは10GeVでかろうじて(加速器では未発見だが) • 世界最大の観測(250kg×11year)で得られた季節変動ですら否定 されてしまう?(LUX2013で118kg×85.3days) SI断面積の制限曲線 Phys.Rev. D89 (2014) 023524 • DAMAは10GeVでかろうじて(加速器では未発見だが) • 世界最大の観測(250kg×11year)で得られた季節変動ですら否定 されてしまう?(LUX2013で118kg×85.3days) • ニュートリノのバックグラウンドに到達しそう SI断面積の制限曲線 Phys.Rev. D89 (2014) 023524 暗黒物質の風向き • 原子核の飛んだ方向を見る • 前後方向非対称性:数倍 • 白鳥座方向は一日・一年を通して変わる Nucleus DM θ 予想されるcosθ分布 太陽系は白鳥座 方向に運動中 σSD=1pb M=100GeV target:F 100-120keV Large difference in forward to back 銀河と太陽系の運動 cosq • 方向感度の暗黒物質探索の人達の集まり • 2年ごとで、英⇒米⇒仏ときて前回は日本(富山@2013/6/10-12) • 方向感度の暗黒物質探索の人達の集まり • 2年ごとで、英⇒米⇒仏ときて前回は日本(富山@2013/6/10-12) • 方向感度の暗黒物質探索の人達の集まり • 2年ごとで、英⇒米⇒仏ときて前回は日本(富山@2013/6/10-12) MPGD 400mm • 反跳原子核の“飛跡”を検出 • 100keVの原子核の飛跡長 • 固体中・・・数十nm 短すぎ • ガス中・・・1mm弱 見える? • 低圧ガス・・数mm 見えそう! • 低圧ガス検出器μ-TPCを使う 30cm TPC WIMP 電子 原子核 (※)エマルジョンやDNAもある • MWPC (2mm pitch) • First started directionsensitive method • Underground • Low background • Large size (1m3) 1m DRIFT(UK) 30cm • m-PIC (400mm pitch) • Only NEWAGE obtained direction-sensitive limit • Underground NEWAGE(JPN) MIMAC(FR) 25cm • CCD • 2D image • Identification of head-tail • Reading to underground DM-TPC(USA) 10cm • Micromegas (~400mm pitch) • Measured quenching factor in detail • R&D at surface • 低圧ガスは質量が足りない • SDにのみ感度(CF4ガス) (SIの感度はXeとか重い原子核が適するが、diffusion大きい) NEWAGE2013(F) red : directional method blue : conventional method green : solid, liquid detector • エマルジョンを使った暗黒物質探索@名古屋(名称未定) • 地下で赤道儀に乗せる • エネルギースペクトルが描けない(閾値のコントロール) • うまくいけば「方向感度+質量」の両立 • DNAをぶら下げてナノメートルトラッカーに • ~10eVで切れる(イオン照射で実験済み) • 落ちたDNAを解析して読み出す • 大型化に難あり 微細加工技術 ・10nmピッチ DNAの塩基 ・0.7nm間隔 ・250基 ・100~200nm Au板(5-10nm厚) 一本鎖DNA astro-ph.1206.6809v1 • 電離電荷とシンチ光の比から、飛跡の向きを知る • 重要なのは“高圧ガス”⇒大質量 電離電子が多い シンチレーション光が多い (再結合により) 0νββとの共通点 • 高圧XeガスTPC • 電離電荷とシンチレーション光を取得 • 低バックグラウンド • 大質量 ・エネルギー分解能:0.5%(FWHM) ・質量:1トン ・ピクセル読み出し:7.5cmピッチ e- γ Ionization Scintillation Onsager Radius ~70nm track length ~1um • 本当に再結合するのか? • やってみないと分からないところはある • 計算するなら分子シミュレーションが必要 • 磁場で電離電子を留まらせる(~μmには収まる) • 光量は足りるのか? • 発生光子数:100keV ⇒ 3000photon(ガス中) • 検出光子数:Ω=10%, QE=30% ⇒ 100photon • ギリギリ? • 難しいとは思うけど • 試してみる価値はある! • 暗黒物質@宇宙 • 銀河・銀河団・宇宙論スケール • 暗黒物質@素粒子 • WIMPかなあ 有象無象の可能性もある • 暗黒物質探索(直接探索) • 方向感度なし • DAMA、LUX、XMASS、CDMS・・・ ほぼ全部 • 方向感度あり(決定打を打つならこっち!) • 低圧ガス:DRIFT、NEWAGE、DM-TPC、MIMAC • 固体 :エマルジョン、DNA • 高圧ガス:AXEL(質量がないとね!) 方向感度と大質量を両立するAXELは暗黒物質発見に最も近い?!
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