THE LEGENDARY SAXOPHONISTS COLLECTION

THE LEGENDARY SAXOPHONISTS
COLLECTION
The LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION of Vintage Saxophonists,
Legendary Virtuosos, Great Artists and Extraordinary Saxophonic Entertainers sets the
benchmark both for scholarship and for high-resolution picture and sound.
これらの記録は、世界中の信頼ある情報源から収集したものです。クラシカル・
サクソフォンの演奏スタイルが、どのような歴史を辿ってきたかということを知
る上での重要な手がかりとなることと思います。それぞれの音源のリマスタリン
グの質は、記録として残せるようなクオリティを誇ると確信しています。復刻の
元となったディスクは、Conn の James “Jake” Gardner や Charles “Doc”、
Julius Steinberg といった彫刻家が描き出すような美しさを湛えています。
全ての DVD と CD で、デジタル処理された高品質な hi-fi オーディオを楽しむこ
とができます。
クラシカル・サクソフォンの歴史を辿る上で、Marcel Mule と Sigurd Rascher の名
前を外すことはできないでしょう。1920 年代ころから、その 2 人のヴィルトゥ
オーゾは平行してキャリアを積み重ねていきました。しかし、これまでに彼らの
功績が詳細に知られているとは言えません。The LEGENDARY SAXOPHONIST
COLLECTION は、サクソフォンという楽器を芸術の一端として位置づけようと
する、ミュールやラッシャーの精神や情熱といったものを知る手がかりとなりま
す。彼らの努力や探求といったものを感じてもらえれば幸いです。
これらの歴史上の演奏は、現代に生きるサクソフォン奏者にとっても、ある種の
指針となることでしょう。
NOTICE: Some selections on these DVDs and CDs contain offensive opinions, politically incorrect language or
racially derogatory material. Any views or opinions expressed in interviews or commentary are those of the individuals
speaking and do not necessarily represent the views or opinions of the author. These are included here for their musical
and historical significance, and their content and appearance does not reflect the views held by THE LEGENDARY
SAXOPHONISTS COLLECTION
1
We Proudly Present High Resolution VIDEO DVDs
ビデオ DVD はデジタル技術を使用したフォーマットです。我々はアナログのソ
ースから、映像・音声共に高クオリティでのトランスファーを行いました。
DVD Audio/Video ディスクは、家庭用の DVD プレイヤーやパソコンを使用する
ことで再生できます。DVD ディスクの耐久性は、今後 50 年に渡って保障される
ものです。また、ケースのフロントカバーには中性紙を採用し、劣化を防ぐこと
ができます。
これらミュール、ラッシャー、ヴィードーフらの映像と音声は、今までごく限ら
れた一部にのみ、知られていたものです。
MARCEL MULE
MULE Video DVD 35 and CD 36
MULE Audio CD 37
INTERVIEWS I and II: MAITRE
FIRING LINE: THE ROUNDTABLE DISCUSSION
MULE Video DVD 38 FILM SCORE
two DVDs and two CDs
この DVD でミュールは、時に雄弁に、時にユーモア
を持って、自身のキャリアについて語っています。
オーケストラやオペラでのサクソフォン演奏、同じ
サクソフォン奏者や作曲家との邂逅…ラヴェルが作
曲しようとしていた「サクソフォン四重奏曲」につ
いて語られています。また、サクソフォンの練習、F
管ソプラニーノ、指揮者、サクソフォンの音色、音
楽批評、レコーディングスタジオでの体験、ジャズ
バンドなどについても触れられています。チャーリ
ー・パーカーとの関係にも話が及んでいます。CD に
は、そのほかのインタビューの英訳を収録しました。
CD37 には、未放映・未編集の放送用の録音を収録しました。マルセル・ミュー
ルとともに、フレデリック・ヘムケ、ジャン=マリー・ロンデックス、マルセ
ル・ジョセ、セシル・リースンがサクソフォンについてそれぞれ語り、またディ
スカッションを行っています。
DVD38 は、「CRONACA DI UN AMORE」という 1950 年のモノクロイタリア映
画を収録したもので、Giovanni FUSCO 作曲の映画音楽を、ミュールが吹いてい
ます。ミュールはミヨーやイベールの作曲した映画音楽で演奏を担当しると言わ
れていますが、実際に現存するものは多くありません。
2
SIGURD RASCHER
RASCHER Video DVD 39
RECITAL, MASTER CLASS AND CONCERT I
RASCHER Video DVD 40
QUARTET RECITAL AND MASTER CLASS II
RASCHER CD 41
TRANSLATION of DVD 40 & INTERVIEW (English)
two DVDs and one CD
DVD39 は、Bouscher 製作のレクチャーフィルムデジタル化したものです。フィ
ルムの中でラッシャーは、奏法についてのレクチャーを行い、デモンストレーシ
ョンとして吹奏楽団と共に Maurice C. Whitney の Adagio and Samba を演奏して
います。また、晩年のワークショップの映像…ソプラニーノからコントラバスま
でを使用したサクソフォンオーケストラの映像も収録されています。DVD40 に
はラッシャー四重奏団の演奏とインタビューを観ることができます。内容につい
ては、CD41 に英訳して収録してあります。
RUDY WEIDOEFT
WEIDOEFT Video DVD 40
SORCERER: MOVIE SHORTS & BIOGRAPHY
WEIDOEFT Audio DVD 41
RAGTIME SAXOPHONE I
WEIDOEFT Audio DVD 42
RAGTIME SAXOPHONE II
three DVDs
1920 年代のサクソフォン界最大のスター…ルデ
ィ・ヴィードーフ(ウィードフト)は、まさにサク
ソフォン黎明期最大の名手といっても良いでしょう。
これらの DVD では、ヴィードーフの驚くほどの守
備範囲の広さ…ラグタイム、ポピュラー、ワルツ、
ブルースや、無声音楽のためのライト・ミュージッ
クなどを聴くことができます。サクソフォンアンサ
ンブルのためにアレンジされた賛美歌もまた、ポピ
ュラー音楽と同等の印象を残すものばかりです。
1920 年代というサクソフォン黎明期にもかかわらず、ヴィードーフの演奏はフ
レージングやテクニックの点を初めとして見事というほかありません。そして注
目すべきは、彼が使用する特殊奏法。ルディのサクソフォンは、歌い、すすり泣
き、そして大声で笑うのです。彼のサクソフォンはジャズとして使用されている
というわけではありませんが、ここにはそのジャズの源流を見て取ることができ
るのではないでしょうか。もちろん、クラシックの演奏もすばらしい。
3
1920 年は、アメリカの歴史において実にユ
ニークな時代です。このころ人々は、急速に
ライフ・スタイルを進化させていったのです。
個性的な生活様式の拡がりは、もちろんサク
ソフォン界にも…演奏法や楽器のデザインと
いう点において影響を及ぼしました。この
DVD では、ルディは The Clown of the
Saxophone と呼ばれた名手の Bernie Kruger と
ともにデュエットを披露しています。Kruger
は、サクソフォンを演奏しながらカクテルを
作ったり、タバコをふかしたりといった芸で
一躍注目を浴びた奏者です。そのほか、ルディ・ヴィードーフサクソフォン 5 重
奏団の演奏の模様も収録されています。ここでルディは、高さが 25 フィートも
あるサブ・コントラバスサクソフォンのオブジェのとなりで吹いたり、Buescher
が作成したストレート・バリトンサクソフォンを吹いたりしています。Henry
Burr を始めとする共演者の顔ぶれも豪華で、ルディのサクソフォンとよく溶け
合う歌声は一聴の価値があるでしょう。また、クラシック界のピアノの名手であ
る Oscar Levant との 1926 年の共演録音も収録されています。当時これほどのレ
ベルでサクソフォンが演奏されたということは驚異的です。
Bonus! ラグタイム・ミュージックはこの時代の大衆向け音楽の
一つで、主にピアノによって演奏されていました。ボーナストラ
ックとして、1916 年に記録されたピアノロールの演奏を収録し
ています。これは「メイプル・リーフ・ラグ(1897)」という作
品で、演奏はスコット・ジョプリンです。スタインウェイの
Model-C を模して復刻されたピアノによる演奏です。
Bonus! サクソフォン奏者であり研究家の Dr. Cecil Leeson が、ル
ディ・ヴィードーフの妹にインタビューをしたときの記録です。ルディの、1920
年代の生活について語られています。
4
Fantastic! on C-Melody (C-Tenor) and also C-Soprano, Eb Alto and Bb Clarinet
WEIDOEFT CD 00000 LIVE RADIO PROGRAM
(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)
ヴィードーフは、彼の最後のレコード「La
Golondrina」への吹込みを 1927 年の 12 月に行いまし
た。その後ヴィードーフがサクソフォンを手にしたか
どうか、という証拠は、長きに渡って失われていまし
た。このセッション・レコーディングが、彼の最後の
録音だと思われていたのです。
Andy Jackson は、このレコーディングをロシアの知人
から譲ってもらったそうです。その知り合いのさらに
知り合いは、シベリアの刑務所に勤務しており、夜毎
に「Mighty Like A Rose」を流すことで、心の暖をとっていたそうです。その音源
はなんと、1933 年の 6 月 8 日ライヴ・コーディングであり、Bennie Kruger と
Rudy Vallee、そして Rudy Wiedoeft による演奏、とクレジットされています。
ヴィードーフの演奏は、実に魅力的です。このレコーディングは、放送用のショ
ウなどで観られる彼のパフォーマスウと共通するものがあると思います。セッシ
ョン・レコーディングとは違った、音楽のドライヴ感、そして聴き手を動かさず
にはおけないような …美しさ。この演奏が、厳しい耳を持つプロフェッショナ
ルのサクソフォン奏者や、アマチュアのサクソフォン奏者の双方にインスピレー
ションを与えることは、間違いないでしょう。
しかしながら、ここでルディは彼らしくないことをしています。彼は、演奏中に
ミスを犯しているのです。クラシック・ギター奏者のジョン・ウィリアムズが、
アンドレアス・セゴビアの演奏について語ったことを思い起こさせます。ウィリ
アムズ曰く、セゴビアのギターでのミスは、実に音楽的であると。数多のギタリ
ストのミスのない演奏よりも、ずっと価値があるものだと語っています。ここで
のヴィードーフも、瞬間的なターンによってもとの音符へと駆け戻っています。
このとき彼はすでにアルコールが原因による病魔に襲われていたようです。彼が
なくなったのは、この数年後…1940 年 2 月 18 日のことでした。
このディスクの聴き所はそれに留まりません。Bernie Kruger は、良くコントロー
ルされたスラップタンギングで、まるでハワイアン・ギターのような音色を奏で
ています。そして一連のパフォーマンスの後には、3 重奏を披露していますが、
この中にあってのルディのヴィルトゥオジティは、実に見事なものです。
ルディはそのキャリアの初期に、Eight Popular Victor Artists というコンサート
グループを結成し、ツアーを行っていました。そのグループの最初の吹き込みは、
1925 年 2 月 26 日でした。彼の独奏のキャリアは、そのグループを去って後、本
格的に開始されたものです。
5
We Present HIGH DEFINITION AUDIO CDs and DVDs
ビデオ DVD はデジタル技術を使用したフォーマットです。我々はアナログのソ
ースから、映像・音声共に高クオリティでのトランスファーを行いました。CD、
DVD Audio/Video ディスクは、家庭用の DVD プレイヤーやパソコンを使用する
ことで再生できます。CD, DVD の耐久性は、今後 50 年に渡って保障されるもの
です。また、フロントカバーには中性紙を採用し、劣化を防ぐことができます。
これらのレコーディングは、サクソフォンの名手たちの知られざる録音を現代に
蘇らせるものです。
EDWARD LEFEBRE
LEFEBRE CD 0
THE POTENTIATE
(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)
19 世紀最高のサクソフォン奏者
コンサート・バンドのセクションリーダー…1873 – 1892 に
はギルモア・バンドに、 1893 – 1894 にはスーザ・バンドに
所属していた奏者です。ここで聴かれる録音は、どれもが
貴重なものです。トーマス・エジソンは、1877 年にフォノ
グラフと呼ばれる録音機を発明し、サウンド・エンジニア
のテオドール・ワングマンとともに個人的にギルモア・バ
ンドのレコーディングを行いました。1891 年 12 月 17 日、
ニュージャージーのオレンジでのことです。このレコーデ
ィングこそが、おそらく世界で初めてサクソフォンが録音
媒体に記録された瞬間だったのだろうと思われます。その
最初のレコーディングは、長きに渡って失われたと思われ
ていました。しかし、25 年に渡る探索の後、Andy Jackson によって発見される
こととなりました。一つは、トルコのイスタンブールの地下のセラーで発見され
ました。もう一つ場、アリゾナのトゥームストーンで発見されました。幸いなこ
とに、音声が記録されたシリンダーは無傷でした。
エドワード・ルフェーブルはアドルフ・サックスとヨーロッパのオーケストラの
伝統、そしてサクソフォンの 20 世紀における隆盛と広がる認知…
この 2 つをダイレクトに結ぶ存在です。ギルモア・バンドのバンド
マスターであったパトリック・ギルモアは、自身のオーケストレー
ションに際してアドルフ・サックスの発明品であったサクソフォン
を取り入れました。これはおそらく、エドワード・ルフェーブルの
ヴィルトゥオジティと情熱に突き動かされてのことだったのです。
木管・サクソフォン・金管という編成は、バンドに対してよいバラ
ンスをもたらしました。また、サクソフォンはバンドに対して色彩
感、輝き、時には大音量をも、もたらしました。
6
エドワード・ルフェーブル Edward Lefebre は、フランス人の両親を持ち、オラ
ンダの La Hague に生まれました。 ヨーロッパでは、シャルル・グノーやリヒャ
ルト・ワグナーにその才能を認められ、1871 年にアメリカに渡ります。ルフェ
ーブルはアドルフ・サックスのよき友人でした。実際、彼のサクソフォンはアド
ルフによって作製されたものです。ルフェーブルはアドルフ・サックスに対して
このように誓ったと言います…「クラリネットを捨て、サクソフォンを手に取ろ
う。そして、サクソフォンがいかに優れた楽器、価値のある楽器であるかを、世
界に知らしめようじゃないか」まさに彼は、その言葉通りのことを成し遂げたの
です。彼はアメリカにわたった後、Ferdinand August Buscher と親しくなります。
ブッシャーはルフェーブルの楽器を参考にしながら、1885 年か 1889 年に初めて
のメイド・イン・アメリカのサクソフォンを製作しました。ここで聴かれる録音
は、1800 年台のもので、ラグタイムの源流、コンサート小品、マーチ、大学歌、
戦争歌、オペラのアリアなどが演奏されています。
また、1892 年のギャルド・レピュブリケーヌの演奏も収録されています。サク
ソフォンを導入することで、軍楽隊よりもリッチなサウンドを奏でていることが
判る問い思います。ギャルドがサクソフォンを導入した影には、ギルモア・バン
ドの影響があったことは間違いありません。1900 年代のサクソフォン独奏の録
音…M.Lelievre の録音も収録しました。
Bonus! James Robjohn (1843 – 1920)はキャロル・フロリオのメロディを使い、3
つの作品を、ルフェーブルのために作曲しました。1879 年のことです。四重奏
曲、アルトサクソフォンとオーケストラのための 3 つのテーマと変奏、ピアノ五
重奏曲です。これらの作品は失われてしまいましたが、彼の次の作品を収録しま
した。1885 年には John Philip Sousa が「Belle Mahone 」という序奏と変奏の形
式のサクソフォンとバンドのための作品を書きましたが、それも同じくして失わ
れています。
また、1908 年の Steve Porpora の演奏も収録しました。彼は 1898 年から 1902 年
にかけて、ニューヨークにその昔実在した、グランド・コンセルヴァトワール・
ニューヨークの教授職についていたそうです。かれはルフェーブルと同じ時代を
生きたサクソフォン奏者です。ルフェーブルは 1896 年から 1900 年までニューヨ
ーク近郊のブルックリンに位置するコーン・コンセルヴァトワールの教授でした
から、彼らの間に親交があったことは間違いないでしょう。
これらのヴィルトゥオーゾの演奏の記録は、アドルフ・サックスとその後のサク
ソフォン・ルネッサンス期をつなぐ資料の一つだと考えています。
7
JEAN H. B. MOEREMANS
MOEREMANS CD 1 MARINE BAND SOLOIST
ピアノとのデュエット、あるいはクラリネットやフ
ルートとのデュ
オ・リサイタル
1894 年から 1905
年にかけてスー
ザ・バンドのソ
ロイストであっ
た Moeremans は 、
ベルギー生まれのサクソフォン奏者です。彼
は、最も早い時期にレコーディングを行った
サクソフォン奏者の一人で、ギルモア・バン
ドとスーザ・バンドに所属していたルフェー
ブルをお手本とした演奏を展開していました。
この録音を参照することは、アドルフ・サッ
クスの意図を垣間見ることにつながります。
Moeremans のサウンドは、フルートのような
純粋さを持ち、そして時には暖かくてメロウ
な、まるでホルンのようなサウンドを奏でます。収録した作品の中には、ポルカ、
セレナーデ、ノクターン、そしてスティーヴン・フォスターの作品があります。
そのほか、名人芸的なカデンツァを伴った主題と変奏の作品…これは、アメリカ
海兵隊のクラリネットの名手であった、Jacques L. van Poucke と、フルーティス
トの Frank Badollet と共演した演奏です。
Bonus! もっとも最初期と言われる、テナーサクソフォンの録音(1899 年ころ)
Bonus! ラグタイム以前に、楽器や歌で演奏されるポピュラー音楽
というものが存在しました。これらは欧米で発達したものですが、
たとえばスティーヴン・フォスターの作曲した「OId Folks at
Home」のアレンジ版…声と小編成アンサンブルのためのものを
収録しました。ここで聴かれるサクソフォンは、声のトーンと非
常に良く似たサウンドを奏でています。残念なことに、この時代
の声楽やサクソフォンのレコーディングは多くは残っていません。
アコースティックの録音においては、レコーディング・エンジニ
アは、よりエッジのはっきりとしたサウンドを持つシロフォンや
ピアノといった楽器を好んだようです。
フォスターの楽曲は、そもそも生粋のアメリカの音楽として作曲されたものであ
り、この時代では「もっともアメリカ的な」プロダクトであったと考えられます。
彼は、ほかの国の音楽を模倣するような作曲家を嫌いました。この時代、シンシ
8
ナティ、ピッツバーグ、ミシシッピでは黒人の歌い手が隆盛の兆しをみせていま
したが、フォスターはその下で働いていたのです。そんなことも、彼がオリジナ
ルな「アメリカ的な」ものを作ろうとおもったきっかけであったのでしょう。フ
ォスターの作品は、現在、数ある楽曲のなかでも、もっとも米国人の心に染み入
る作品ではないでしょうか。
フォスターが亡くなったときの彼の持ち物は、たった 38 セントしか入っていな
い財布と、「Dear Friends and gentle hearts」とだけ書かれた紙切れだったそうで
す。この紙切れに書かれた言葉こそが、この時代のアトモスフェールを表してい
るものなのではないでしょうか。
CLAY SMITH AND G.E. HOLMES
SMITH and HOLMES CD 00
PERFORMERS
THE FERVOR OF THE BROWN TENT
(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST
COLLECTION)
PEDAGOGUES AND PERFORMERS OF THE
CHAUTAUQUA AND LYCEUM TOURING
CIRCUITS 1904 - 1930 すでに軍楽隊やバンドの
中ではクラシックのサクソフォン奏者が活躍し
ていましたが、彼らはそういった場所以外でサ
クソフォンをクラシックの楽器として演奏した
もっとも最初期のプレイヤーです。Clay Smith
と G. E. Holmes はアメリカ全土をツアーとして
周り、数多くの作品をサクソフォンのために編
曲し、サクソフォンのための多くのコラムを書
きました。ラジオが普及する以前に、
Chautauqua や Lyceum で演奏とレクチャーを行う
こととで、アメリカ中の文化的な発展をも促し
たと考えられています。彼らはまた、プロフェ
ッショナルなサクソフォン四重奏団” The Apollo
Quartette”を結成しました。
9
H. BENNE HENTON
HENTON CD 2 BAND IN THE PARK VIRTUOSO
SOLOS WITH CONCERT BAND AND CONCERT BAND
WITH STRINGS
Bohumir Kryl バンドの
バンド 1906 年シーズンの主席奏者であ
り、またスーザ・バンドにも 1919 年から 1920 年まで在
籍しました。注目すべき点は、初めてフラジオ音域の演
奏を達成したアメリカ生まれのサクソフォニスト、とい
うことです。これは、その H. Benne Henton が残したレ
コーディングをすべて網羅したディスクです。疑いの余
地なく。忘れられざるべきサクソフォン奏者であり、サ
クソフォンの詩人とも形容できるのではないでしょうか。
彼の奏法のアプローチは、当時の偉大なオペラ歌手やヴァイオリン奏者に近づこ
うとするものです。豊かなヴィブラートに、まるで声のようなサウンド…彼のサ
ックスは、たとえオーケストラをばっくにしても眼前に浮かび上がってきます。
また、良く知られた彼のレコーディング以外に、1910 年の演奏を収録しました。
ここでヘントンは Laverne - Waltz Caprice を演奏しています。バンドのサウンド
は薄く、その中でもヘントンはたっぷりと歌い上げています。さらにこのディス
クには、スーザが指揮を振ったスーザ・バンドの演奏も収録しました。
Bonus! サクソフォン研究家でもあった、セシル・リースン Cecil Leeson 博士へ
のインタビュー。ここでリースンは、ヘントンと、サクソフォンの黎明期につい
て語っています。
THE SIX BROWN BROTHERS
BROWN BRS CD 3 1911-1919 SAXOPHONE CIRCUS & THE MINSTREL SHOWS
BROWN BRS CD 4 1919-1920 VAUDEVILLE CIRCUITS & EARLY BROADWAY
BROWN BRS CD 5 THE PRIVATE RECORDINGS
BROWN BRS CD 000 SIX BROWN BROTHERS VIDEO
This is the only existing video made in 1923. Of extreme rarity.
(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)
10
SAXOPHONE SEXTET Six Brown Brothers は、その名が示す通り、実際の肉親
関係にありました。メンバーは、Tom, Fred, Alex, Verne, Bill, Percy の 6 人でし
た。ここに収録した 3 つのディスクは、彼らが残したすべての音源です。CD1
と CD2 は商業用録音であり、CD3 はプライヴェートレコーディングです。この
録音は彼らが最も活躍した 1910 年代に記録されたものであり、実に楽しい音楽
を聴くことができます。Six Brown Brothers は始め、Ringling Brothers Circus と
いうサーカス団に属し、Blackface Ragtime Minstrel Saxophone Show というショ
ウに出演していました。Steven Foster は、この団体のために作品を書いたと伝
えられています。ルフェーブルやヴィードーフとともに、彼らはサクソフォンの
黎明期を支えたといえます。彼らのたったひとつの競合団体は、The Musical
Spillers Saxophone Ensemble というサクソフォンアンサンブルでした。彼らは、
アフリカン=アメリカンの一座であり、ラグ・ミュージックを演奏していたと伝
えられています。同アンサンブルは、Tom Turpin や W.C. Handy と親交があっ
たと伝えられています。また、 Scott Joplin は「Pineapple Rag」を The Musical
Spiller に献呈しています。
メンバーの一人であった Tom Brown のコレクションを探索することで、長きに
わたって忘れ去られていた貴重な音源を数多く発見することができました。
「Rosey Cheeks」では、トム・ブラウンがアドルフ・サックス自身の製作による
ソプラノサクソフォンを吹いているのです!しかし、最も貴重であろうメディア
は、「The Original Six Brown Brothers Saxophonic Jazz Masters and Orchestra」とい
う Vitaphone フィルムのオーディオトラックに収録された録音でしょう。それは、
このようなものです…Andy Jackson の言葉:「in the middle of which Tom, in a
bridal veil, portrays a colored pregnant negro fiancée who has been abandoned at the
church and who carries on a musical "conversation" with the others. Incredibly, you can
hear Tom "talking" through his saxophone. The backgrounds include dramatic, death
defying,」
Bonus! サクソフォン研究家でもあった、セシル・リースン Cecil Leeson 博士の
インタビュー。ここでリースンは、C. L. Brown に当時の様子を聞いています。
CLYDE DOERR
DOERR Audio DVD 6 EARLY RADIO DAYS
SOLOS WITH CONCERT BAND and RECITAL WITH
PIANO Doerr は彼の音楽的キャリアを San Jose
Symphony Orchestra.で開始しました。1910 年代、
彼はポピュラー音楽のサックス吹きとして、またセ
ッション・レコーディングの現場における名手とし
て名声を築き上げます。商業上の成功によって、彼
は 1920 年代には最高のサクソフォン奏者として名を
馳せました。Doerr はレコード、ライヴ、トーキー映
11
画、放送などのメディアに登場することにより、サクソフォンの認知に貢献しま
す。彼の見事なテクニックは、ヴァイオリン奏者のボウイングからヒントを得た
ものだったようです。また、喉でかけるヴィブラートを操り、実にユニークなサ
ウンドを持っていました。
Special Bonus! Included is his SAXOPHONE ORCHESTRA. 1920 年代、ラジオやト
ーキー映画などで流れるサクソフォンによるアンサンブルの音を想像してみてく
ださい。ソプラノ、アルト、テナー、バリトン、バスの 5 種類のサクソフォンが、
溶け合い、えも言われぬ響きを創り出すのです。それぞれのトラックは、マルデ
カクテルやシャンパンのような豊潤な味わいにあふれています。
Bonus! サクソフォン研究家でもあった、セシル・リースン Cecil Leeson 博士の、
Doerr に対するインタビューの様子。
DOERR Video DVD 0000
EARLY TALKIES FILM SCORE of the 1920s
(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)
この時代、多くのサクソフォン奏者が映画録音のために吹き込みを行いました。
何年も前は、私たちは活気ある 20 世紀のことを、このように考えていました:
20 世紀は、社会的通念を通してつまらないものとなり、真実は捻じ曲げられ、
成果は侵食されてしまうと。そこで、私たちはこの時代の音楽とフィルムを復刻
しようと思い立ったわけです。そこで我々は、多くのフィルムに対して調査を行
います。目的は、当時の文化の大転換期
を代表するような、そしてその空気を現
代につたえるようなフィルムを探すこと
です。一方では女性の社会的地位向上を
見せ、戦争の戦争における暴力の悲惨さ
を見せ、アメリカにおけるヨーロッパ文
化のルートを辿る…というものですが、
もう一方においては性社会の乱雑さ、ア
ルコールの過剰摂取、文化の融合を見せ
る…というものです。不幸なことに、フ
ィルムの中では、これらの事象を風刺す
るか、良く見せるかのどちらかにとどま
っています。”大衆の時代”における精
神・思想の変化や科学技術の発展という
ものは、一般的にすべて芸術に反映され、
それは音楽も例外ではありません。1920
年代、Rudy Weidoeft と Clyde Doerr の
2 人はどちらも、社交場での演奏を多くこなしていました。おそらく、小説家の
F・スコット・フィッツジェラルドが出席していたパーティでも演奏していたこ
12
とでしょう。フェッツジェラルドの代表作の一つ、「グレート・ギャッツビー」
の中には、サクソフォンに関する記述が登場します。批評家のレナード・フィー
ザーによると、フィッツジェラルドの紋章の絵柄は、2 本のアルトサクソフォン
とライオン、そしてカクテルシェーカーであったと回想しています。
私たちは、1920 年代に作成されたあるサイレント・フィルムを発見しました。
そこでは、フラッパー(1920 年代に自由を求めて服装・行動などで慣習を破っ
た女性たち)や情火に燃えた若い世代の行動が、ドラマチックに、しかし同時に
リアルに描写されていました。このフィルムは、セクシーな描写を含んだフィル
ムであると同時に、時代の真実をもしっかりと映し出しています。そのフィルム
を入手して数年後、研究を続けるうちに、このサイレント映画と一緒に作られた
Vitaphone ディスク(蓄音器用のディスク)があることが判明しました。その音
楽は、Clyde Doerr によって作曲され、演奏されているものだということでした。
しかし、そのディスクは一体どこにあるのでしょうか?そして、どんな音がする
のでしょうか?世界中を探し回りましたが、数年後、ついにあきらめることとな
りました。しかし、さらに数年後のことです。わたしの隣人が亡くなり、地所が
売りに出されていたときに、その家屋の中で 1920 年代の黄色く変色した新聞を
発見しました。その新聞を手に取ったとき、固い感触がしました。何かが中に包
まれているのです。驚くべきことに、それは Clyde Doerr の Vitaphone のディス
クだったのです。
当時の若者の興味はヨット、ゴルフ、そしてパーティとお酒でした。1920 年代
のファッションは、ハイ・ソサイエティと呼ぶにふさわしいものです。女性は服、
靴、バッグ、髪を着飾り、そして男性のステータスは Brooks Brothers ブランド
のジャケットやズボンでした。
1920 年代は、ほとんど誰もが裕福で、誰もが猛々しい時代でした。この時代の
人々は、自分が得た富を、とにかく自分が楽しむために使うことが普通でした。
そして、フラッパーがダンスをする傍らには、必ずサクソフォン奏者がいたので
す。彼女たちはスマートで美しく、繊細で現代的でした。彼女たちは酒を飲み、
煙草を吸い、そして音楽が始まるとスカートの裾を持ってテーブルの上で踊りま
した。豪勢な車を運転し、正装を脱ぎ捨てて公共の噴水で泳いだのです…そう、
F. Scott Fitzgerald の妻、Zelda,もまた、そうしたように。
第一次世界大戦(1914 - 1918)ののち、若者たちは勝利に沸きました。それから
の 10 年間は、「ジャズの時代」と呼ばれます。ジャズ=Jazz は、Jass とも綴ら
れ、ポピュラー音楽の新しい形として登場しました。それまでは、ポピュラー音
楽と言えばせいぜいオペラの一種や、ライト・クラシック、そしてある種のフォ
ークというところでした。このフィルムは、1920 年代の規範・道徳がどのよう
なものであったかを、一般向けに少し大げさに脚色し、視覚的に良く表していま
す。この時代、富を得たものたちは、1800 年代の厳格さから解放され、大多数
が性の自由と快楽主義の許容を楽しんでいたのです。このフィルムが取り上げて
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いるのは、特に 1928 年に起こった出来事が中心となります。この時代、女性の
役割は、常に流動的でありました。若い女性たちは、常に「ふさわしい」古今井
を、自らのなかではなく外部に目を向けることで探そうとしたのです。1920 年
代の女性たちは、モダンであろうとしました。それまでに常識とされていた観念
…伝統や格式を重んじ、よき妻、よき母となるためだけの人生を良しとしなかっ
たのです。ところで、そういった方向性は、女性の評判を落としたのでしょう
か?この、1920 年代のヒロインのモラルに関するジレンマは、この時代のサク
ソフォンの変遷に当てはめることができます。この時代、サクソフォンはオーケ
ストラからジャズやポピュラー音楽へも飛び出していき、次第に人々の認知を受
けるようになったのです。サクソフォンが、オーケストラ内部の楽器として最も
新しいものであることは確実です。フラッパーたちが徹底的に現代的であろうと
したこと、そしてサクソフォンがクラシック音楽から飛び出したことの間には、
共通点を感じずにはいられません。そこで、1920 年代に関する疑問が浮かびあ
がります:たとえばサクソフォンが、クラシックに留まりつづけていたら…、威
厳のあるオーケストラの席に、ほかの音楽ジャンルを寄せ付けずにしがみつこう
とし続けていたのなら(アドルフ・サックスが意図したように!)、果たしてサ
クソフォンは、現代まで残っていたのでしょうか。これほどまでの聴衆を獲得す
るに至っていたのでしょうか?これは未だに、解決されていない問題です。
この音源は、1920 年代に 2 人存在した本物のサクソフォン奏者の内のひとり、
Clyde Doerr によって演奏されています。彼は、1920 年代の優れたメロディメー
カー、そしてスコア書きでもありました。楽曲は、みずみずしいメロディライン
で埋めつくされています。時折変化するテンポや雰囲気、そしてオーケストレー
ションは見事としか言いようがありません。このオーケストラの中には、サクソ
フォンのトリオのほかに、トランペット、トロンボーン、ピッコロ、フルート、
クラリネット、弦楽セクション、ハープ、ピアノ、ベース、ヴィブラフォン、ド
ラムス、ソプラノとテナー(声楽)、ヴォーカルアンサンブルが含まれています。
Clyde Doerr はソプラノサックス、アルトサックス、バリトンサックスを持ち替
えて独奏しています。彼の音色が弦楽オーケストラと良く溶け合っているのを、
聴くことができると思います。また、彼はコンサートマスターとして、時折指揮
を振っていると思われます。
14
CECIL LEESON
LEESON CD 7
The Years of Paul Creston
LEESON CD 8
String Quintet
LEESON CD 9
Violin Trios
LEESON CD 10
Sonatas I
LEESON CD 11
Sonatas II
LEESON CD 12
Sonatas III
Six CDs
RECITAL WITH PIANO H. Benne Henton や Rudy Weidoeft をお手本としたクラ
シック・サクソフォン奏者… セシル・リースンは、1930 年代に全盛を誇りまし
た。モリッツのソナタ、そしてポール・クレストンのソナタを、作曲者自身のピ
アノ伴奏で聴くことができます。リースンはカスタムキーを伴った Martin を使
い、美しく、清潔なサウンドを奏でています。彼のために書かれたいくつかのソ
ナタの他に、弦楽四重奏とサクソフォンのための作品、Jaromir Weinberger の
サクソフォンとオーケストラのための協奏曲を収録しています。指揮をしている
のは、Daniel Sternberg です。
Great straight-ahead virtuosity!
on Alto
15
MARCEL MULE
サクソフォン史上、もっとも優れたヴィルトゥオーゾ、魅力的な芸術家
MULE Audio DVD 13 ORCHESTRAL SOLOS
ORCHESTRAL SOLOS WITH SYMPHONY ORCHESTRA
モーリス・ラヴェル自身が指揮を振り、マルセル・ミュールがソ
プラノサクソフォンを吹いた「ボレロ」カザルスが指揮を振り、
ミュールがトランペットパートをソプラノサクソフォンで吹いた
「ブランデンブルグ協奏曲第 2 番」。また、オットー・クレンペ
ラーが指揮を振った同曲の録音では、ミュールはソプラニーノサ
クソフォンを吹いていると伝えられています。そして、ドビュッ
シーの「ラプソディ」、クリィタンスが指揮を振った「アルルの女」第一組曲、
第二組曲。どの録音を聴いても、ミュールの音楽家としての素晴らしさがわかり
ます。
Spellbinding!
on Sopranino, Soprano and Alto
MULE CD 14
CONCERTOS LIVE GOD and BOSTON
MULE CD 15
CONCERTOS STUDIO
two CDs
CONCERTOS LIVE! WITH SYMPHONY ORCHESTRA
シャルル・ミュンシュ指揮のボストン交響楽団と共に、イベールの「コンチェル
ティーノ・ダ・カメラ」、そしてトマジの「バラード」を演奏しています。これ
ぞ、マルセル・ミュールがアメリカを征服したときの貴重な記録!ミュールがオ
ーケストラと共に素晴らしい演奏を繰り広げている様子をお聴きください。
Bonus! Live recording! 新たに発見された、モーリス・デュリュフレの「Trois
Danses」から、「Tombouin」の録音。マルセル・ミュールが、スラップタンギン
グを使用している様子を聞き取ることができます。スラップタンギングの名手と
いえばシガード・ラッシャーが思い浮かびますが、ミュールはスラップタンギン
グにおいても、彼自身の美音を響きに残しながら吹いています。
2 枚目の CD は、マルセル・ミュールの協奏曲のスタジオ・レコーディングです。
1937 年録音(フィリップ・ゴーベール指揮)、そして 1953 年録音(マニュエ
ル・ロザンタール指揮)のイベール、ヴェローヌの「協奏曲ヘ長調より”アンダ
ンテ”」、そして、力強いボザの「コンチェルト」です。これらが、ミュールが
録音した協奏曲のすべてです。
The definitive portrait of a great and important artist!
on Alto
16
MULE CD 16 THE EARLY QUARTETS
1930s FRANCE : YEARS OF THE GARDE REPUBLICAINE
ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団内の、音楽的に充実
した環境や団員間の友情は、自然にギャルド・レピュブリ
ケーヌサクソフォン四重奏団 Le Quatuor de la Musique de
la Garde Républicaine の結成を促していきました。そして
この四重奏団は、急速にレパートリーを開拓していくので
ス。ヴェローヌ、グラズノフ、ボザらが、この四重奏団の
ためにオリジナルの作品を提供したほか、数多くの編曲作
品の演奏をも行いました。また、当初は Cuesnon の楽器を
使用していましたが、後にセルマー社製のサクソフォンとマウスピースを使用す
るようになったそうです。そのころのセルマー社のサクソフォンは、アドルフ・
サックスのデザインに比較的近かったと言われています。そして、ここで聴くこ
とのできる音楽は、まさにサクソフォン四重奏の黎明期のそれであります。しか
しこの圧倒的なヴィルトゥオジティからは、この編成が発足して 10 年も経って
いないことなど、想像がつきません。最初のトラックでは、どうやらノンヴィブ
ラートでの演奏スタイルが貫かれているように思われます。その後の演奏ではヴ
ィブラートが使用されていますが、初期のころには、注意深く使用されていきま
した。そして 1932 年の録音以降、この四重奏団はついにヴィブラートを正式に
取り入れ、表現の幅を飛躍的に拡げたのです。
Bonus! Rimsky-Korsakov の「くまんばちの飛行 Flight of the Bumble Bee」は、曲
がりくねった山道を急速に蛇行しながら進むスポーツカーのような演奏です。
MULE CD 17 THE MIDDLE QUARTETS
PROPHECY REVEALED: THE MULE QUARTET
セルマー社は、アドルフ・サックスの工房を買
収し、本格的にサクソフォン作りに乗り出しま
した。
マルセル・ミュール四重奏団 Marcel Mule
Quartet は、さらに”現代的”な音色の方向性を
実現した、セルマー社製の新しいサクソフォン
とマウスピースを使用しています。それは、ラ
ッシャー四重奏団の人の声のようなサウンドの
アプローチとはまったく異なるものです。この
ディスクには、さらに後になって作曲されたサ
クソフォン四重奏のためのオリジナル作品…アブシル、ボルサリ、シュミットら
の作品が含まれます。また、後期ロマン派の作品からの編曲であるチャイコフス
キーや、スペインの作曲家であるアルベニス、スカルラッティ/ピエルネ編曲の
17
「3 つの小品」などの録音が含まれます。どの演奏も、アンサンブルを行ううえ
で手本とすべき、素晴らしいものです。
この、デリカシーとパワーの素晴らしいバランス感覚は、デューク・エリントン
楽団のサクソフォンセクションと並んで、賞賛すべきものではないでしょうか。
MULE CD 18 THE LATE QUARTETS
PHOPHETIC BLOSSOMING: THE MULE QUARTET
マルセル・ミュール四重奏団は、さらに後期の楽器を使
用しています。ミュール自身がセルマー社のテスターと
なり、楽器とマウスピースの開発に参加しています。
この CD には、20 世紀の作曲家(アブシル、リヴィエ、
ピエルネ、デザンクロ)によるオリジナル作品が収録さ
れています。マルセル・ミュール四重奏団の演奏は、ど
こまでもエレガントであり、それは誰にとっても手本と
すべき演奏です。また、これらの著名な四重奏曲を、完
全にスタンダードな解釈として提示しているのは驚くべ
きことです。
マルセル・ジョセ Marcel Josse は、16 歳の頃から Sakharoff Ballets の主席チェリ
ストであり、その数年後にパリ・オペラコーミクのバリトンサクソフォン奏者と
しての活動を始めました。彼のエレガントなバリトンサクソフォンの扱いは、チ
ェロ奏者としての音楽性が存分に発揮されたものです。
MULE Audio DVD 19
AMERICAN RECITAL LIVE
RECITAL LIVE! WITH PIANO Live recording. 1958 年、ミュールがアメリカツ
アーの最中にインディアナ州のエルカートに位置するセルマーの向上に立ち寄り、
トークを交えながらリサイタルを開きました。この CD は、その時に演奏された
楽曲をすべて収録したものです。サクソフォンのための著名なオリジナル作品を
多く演奏しており、貴重な記録です。ミュールの、温かい音楽性を感じ取ること
が出来ます。
グラズノフの「協奏曲」、一部にフラジオ音域を含んだイベール、そしてチェレ
プニンの「ソナティネ・スポルティヴ」や、愛すべきバッハの小品「フルート・
ソナタ」他が収録されています。
Spend an afternoon with the Master!
on Alto
18
MULE CD 20 YOUNG and PARIS
RECITAL I WITH PIANO このディスクは、マルセル・ミュール
のキャリアの初期の頃の演奏を聴くことができます。若き日の演
奏とは言え、彼の芸術的センス、技術の高さをはっきりと聞き取
ることができます。キャリア初期のこの時期にあって、彼の行く
手を阻むものは、何もないようにさえ感じられます。収録されて
いる作品は、主にミュール自身が編曲したクラシックの小品です。
ここで彼は、どこまでも自然で美しく、フレーズを歌っています。
Bonus! マルセル・ミュールの才能を発掘したギャルド・レピュブリケーヌ吹奏
楽団のサクソフォン奏者、フランソワ・コンベルの 1905 年の演奏を、2 つ収録
しています。
Passionate!
on Alto
MULE CD 21 STORY TELLER
RECITAL II WITH PIANO クレストンの「ソナタ」における、誰の耳をも納得
させる解釈、モーリス「プロヴァンスの風景」における際限のないテクニック、
そして、ランティエ「ユースカルデュナーク・ソナタ」の普通でないアプローチ
や、マシスの無伴奏作品「カプリス」の見事なヴィルトゥオジティ。
Graceful virtuosity!
on Alto
MULE CD 22 MOVEMENT & ANIMATION
RECITAL III WITH PIANO デュボワの「ディヴェルテ
ィスマン」、トマジ「ジラシオン」、そして無伴奏のボ
ノー「ワルツ形式のカプリス」、そのどれもが、楽しさ
に満ちたものです。マルセル・ミュールはサクソフォン
を愛し、まさに人生を楽しみながら幸せに過ごしていた
のでしょう。彼は、ひとたび楽器を手にすると、「物語
の語り手」となりました。ひとつひとつのストーリーは
短いですが、様々な感情がその中では表現されていました…笑い、悲嘆、威厳、
決意…。
Effortless fluency!
on Alto
19
SIGURD RASCHER
Surely one of the greatest virtuosos and most fascinating artists in the entire history of
saxophone playing.
RASCHER Audio DVD 23
RADIO INTERVIEW & TRANSCRIPTIONS
RADIO INTERVIEW and TRANSCRIPTIONS 1987 年のラジオにおけるインタビ
ューで、シガード・ラッシャーは自身のサクソフォンのキャリアについて語って
います。その道は、成功と悲嘆の入り混じったものだったといいます。知られざ
るストーリ、事実も語られており、資料価値の高い音源です。
Tremendously fascinating!
on Soprano, Alto, Tenor, Baritone, Bass and Contrabass
RASCHER Audio DVD 24 THE CLASSICAL CONCERTOS LIVE !
CONCERTOS LIVE! WITH SYMPHONY ORCHESTRA オーケストラとのライヴ
レコーディング…イベール「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」、マルタン「バ
ラード」、ウォーレイ「クレアモント・コンチェルト」、カウエル「アリアとス
ケルツォ」。いくつかの個所で、リップスラーを使用した驚異的なベンドを聴く
ことができます。そして、ラーション「コンチェルト」とグラズノフの「コンチ
ェルト(2 種類の録音)」。ラーションやイベールにおける素晴らしいこのヴィ
ルトゥオジテはどうでしょう!ラッシャーは、世界のサクソフォンの限界を根底
から覆し、作曲家に対してサクソフォンの有能さを知らしめたのです!
A magnificent and important artist at his peak!
20
on Alto
RASCHER CD 25 THE DAHL CONCERTO
CONCERTOS I WITH SYMPHONY ORCHESTRA オリジナルバージョンのイン
ゴルフ・ダール「協奏曲」と、エルランド・フォン=コックの「サクソフォンコ
ンチェルト」。物理、情緒、知性…この三者をバランスよくコントロールしたの
は、シガード・ラッシャーをおいてほかにありません。
1953 年、ダールは他のどんなサクソフォン奏者もこの曲を演奏できないと考え、
改訂を行いました。
on Alto
RASCHER CD 26 FROM MELODIOUS TO MICROTONAL
CONCERTOS II WITH SYMPHONY ORCHESTRA この CD は、ラッシャーの挑
戦的な側面と、受け入れやすい側面、両極端なものを収録しています。一つ目は、
ハーバーの「ソナタ」。いわゆる”現代音楽”ではありますが、音色の微妙な変
化や微分音が使われながら、無伴奏の世界を構築しています。ここで聴くことの
できる音色は、ラッシャーの様々な録音のなかでもベストと言うべきものではな
いでしょうか。もうひとつは、ヘンリー・ブラントの「協奏曲」。ユーモアたっ
ぷりのこの作品は、まるでチャップリンの喜劇映画音楽のようにコミカルです。
驚くべきことに、ラッシャーはブラントの「協奏曲」において 4 オクターブにわ
たる音域を自在に扱っています。
荒々しくもあり、そしてメロディアスでもあり、そしてときにはユーモアも…。
on Alto
RASCHER CD 27 MOODS & LANDSCAPES
CONCERTOS III WITH SYMPHONY ORCHESTRA フランク・エリクソンの
「協奏曲」、ドビュッシーの「ラプソディ」、ハーバー「協奏曲」…そのどれも
が、さまざまな情景を呼び起こすものです。ウォーレン・ベンソンの「コンチェ
ルティーノ」の中間楽章では、ラッシャーの、何かに対して祈りを捧げるような
崇高にして美麗な演奏を聴くことができます。
The quintessence of poetry!
on Alto
21
RASCHER CD 28
SAXOPHONE QUARTET I
RASCHER CD 29
SAXOPHONE QUARTET II
RASCHER CD 30
SAXOPHONE QUARTET III
PATRIARCH: THE RASCHER QUARTET
Sigurd Rascher がアルト、Carina Rascher がソプラノ、
Bruce Weinberger はテナー、Linda Bangs はバリト
ンを吹いています。これは、ラッシャー・サクソ
フォン四重奏団 Rascher Saxophone Quartet の発足当
時のメンバーによって演奏された音源です。彼ら
は、ブッシャーの楽器とマウスピースを使用して
演奏していますが、これはサクソフォンの発明者、
アドルフ・サックスが意図したサウンド・コンセ
プトを目指しているためです。この音色は、マルセル・ミュールの四重奏団とは、
まったく異なるものです。ここで彼らは、ルネッサンス期の音楽からバロック、
古典、ロマン派、近現代までの作品を吹いています。それぞれの作品が、その時
代の適切な”スタイル”で演奏されています。ダイナミクスの幅や、テンポの変
化、アタックに音色の陰影といった技術面も、素晴らしい。
Endless manifold incidental beauties!
on Soprano, Alto, Tenor, Baritone
RASCHER CD 31 GOLDEN SYMPHONY
SAXOPHONE ENSEMBLE VOLUME I AND VOLUME II ラッシャ
ー・サクソフォンアンサンブル Sigurd Rascher Saxophone Ensemble.
Sigurd Rascher の発足当時のメンバーによる録音であり、ラッシャー
自身は指揮とコントラバスサックスを担当しています。Carina
Rascher はソプラニーノとソプラノ、Bruce Weinberger はテナー。そ
して Linda Bangs がバリトンを吹き、そのほかに David Bilger がバス、
John Worley テナー、Lawrence Gwozdz がアルトを吹いています。そ
のほかにも、著名な奏者がたくさん参加しています。ラッシャー指
揮のもと、美しいアンサンブルを繰り広げています。初めてサクソ
フォンのために書かれたオリジナルのアンサンブル作品である Jean-Georges
Kasner の 1844 年の作品や、Bach, Greig, Handel, Beethoven, Mendelssohn, Vivaldi
いった作曲家の作品をトランスしたもの、そして、ラッシャー・サクソフォンア
ンサンブルのために書かれたオリジナルの作品も収録しています。編成は、8 人
~20 人とさまざまです。
An angelic sounding ensemble!
on Sopranino, Soprano, Alto, Tenor, Baritone, Bass and Contrabass
22
RASCHER Audio CD 00000
1930S EUROPE : VIRTUOSO IN SEARCH OF A REPERTOIRE
(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)
サクソフォンの研究のため、オーストラリアに滞在していた祭、1930 年
代に建設されたある坑道の話を聞きました。その坑道内には、Australian
Broadcasting Company の過去の放送録音のテープが収められている可能性があり
ました。私は地元のパブに行き、この坑道についてもっと良く知っている人物を
探しました。そして、私はある一人の巡査を見つけました。彼は灰色の長い顎鬚
をたたえ、椅子にもたれかかってお酒を飲んでいました。自己紹介をし、その坑
道について調査に協力をしてくれないかとお願いすると、彼はその願いを聞き入
れてくれました。(翻訳不可能:Although seemingly avuncular I noticed a large and
lethal roscoe at his side, which gave me the idea that there was more to this man than met
the eye.)彼は、南シナ海を放浪する汽船のキャプテンが、バリトンサックスを
吹くことで海賊の脅威による恐ろしさを克服した、という話をしてくれました。
彼は、バリトンサックスで「たゆとう小舟」や「大きな古時計」のメロディを吹
き、気持を落ち着けた、ということでした。坑道に関しては、答えよりも疑問点
のほうが多くなってしまい、彼は周りの知人に訊いてみると約束してくれました。
数日ののち、私は滞在先のホテルで暇をつぶしていたときに、ドアをノッ
クする音を聞きました。ドアノブを回すと、そこには先日の男性のほかに 17~8
人の男が集まっており、ボランティアとして坑道の調査に協力してくれるとのこ
とでした。集まった人間のうちほとんどが、Australian Broadcasting Company や
そこで放送されていたラジオショウに関わった人と、比較的近い関係にあったと
いうことでした。
私の調査の結果、「Department of Structures & Buildings」という本に、そ
の坑道の青写真(1930 年代のもので、うっすらと光が差し込んでいる)が示さ
れていることが突き止められました。写真を見る限り、光が差し込んだトンネル
は、およそ深さ 6 フィート程度の位置にあると考えられます。この手がかりから、
真夜中の調査はあまり好ましくないように思われました。私たちは、地面に穴を
掘り始めました。最初に声をかけた男性は、後に引き連れてきた男性たちがこの
過酷な作業に従事することに責任を負いました。彼はバリトンサックス奏者とし
ては熟練していました…彼は自分の芸術が崇高であることを、誰に対しても誓っ
ていたとも言えるでしょうか。彼の”言葉”は、温かく、それは持って生まれた
才能でした。坑道を探し当てることは困難を極めましたが、最終的には、
Miss.Smyth 女学校の地下に張り巡らされていることがわかりました。Miss.Smyth
女学校は、新旧 Australian Broadcasting Company のスタジオのうち、旧スタジオ
側になります。
私はさっそく、Miss.Smyth 女学校事長である Miss.Brianna Spencer にコン
タクトをとりました。彼女は驚くほどの美貌と仁徳を兼ね備えた人物であり、わ
れわれの申し出を快く受け入れ、調査のための時間を割いてくれました。われわ
23
れが学校に到着したとき、ちょうどパーティが行われており、笑い声やおしゃべ
りに交じって音楽が演奏されているのが聴こえました。美しいドレスに身を包ん
だ女性たちが、フランスの香水の香りを放ちながら、パーティを楽しんでいます。
その華やかなパーティの裏で、われわれの調査は進行していました。順調に掘り
進んでいくと、ブロックで構築された壁に突き当たりました。これが入口だと睨
んだわれわれは、その壁を破壊しました。すると驚いたことに、大量の水があふ
れ出したのです!Miss. Spencer は、すぐに電話で彼女の兄を呼び寄せてくれまし
た…彼は英国海軍のダイバーだったのです。彼に、Australian Broadcasting
Company 放送音源の箱を引き揚げてもらうように頼みました。数分ののち、彼
は一つの箱を引き揚げてきました。開封すると、ほとんどが価値のないディスク
ばかりではありましたが、その中についに宝が姿を現したのです。それが、オー
ストラリアのみで放送されたラッシャーの録音だったのです。
これらの演奏は、1930 年代半ば、パリとロンドンにおけるラッシャーのサクソ
フォン奏者としてのキャリア最初期を捉えたものです。商業盤としてはリリース
されず、オーストラリアで放送されたのみでした。イベールの「コンチェルティ
ーノ・ダ・カメラ」が完成するのは、この録音の直後のことです。この録音は、
そのころラッシャーが敢行したオーストラリアツアーの一環として、放送された
ものであるようです。
サン=サーンス「白鳥」における演奏解釈は、不思議なもの
です。ラッシャーは、アドルフ・サックスが夢にも思わなか
ったほどのサクソフォンのコントロールを達成しました。美
しいことはもちろんのこと、あるときにはどこまでも柔らか
な音色を生み出し、またあるときには極小の音量世界を表現
しています。私は、ルーヴル美術館でモナ=リザの絵を観た
時のことを思い出しました。ぱっと見た感じでは、比較的簡
素な絵に観えるのですが、じっくりと観察し始めると絵画の
詳細な部分(服、髪の毛、スフマート)が丹念に計算されて
描きこまれていることに気づいたのです。そこには、ストロ
ークを使って走り描いた部分は、まったく見られませんでした。まさに、言葉で
は言い表せない感動を、そのレオナルド・ダ=ヴィンチの絵に対して抱いたので
す。
グレウィッチの「カプリツィオ」では、ラッシャーはハイフェッツの領域に達し
ています。すべてのサクソフォン奏者に先駆けて、この楽器で何をすることがで
きるかということを示したのです。それは、単なる技術の完璧さ、ヴィブラート
のコントロールなどではなく、「聴き手の心に染み入る音楽を演奏する」という
ことです。ラッシャーのこれ以降の協奏曲の録音は、すべてがこの録音よりも希
薄に聴こえることでしょう。この録音が知られずに、他の協奏曲やピアノとのデ
ュオの演奏ばかりが聴かれていたことは、端的に言ってしまえば罪なこととも言
えるのです。
24
RASCHER CD 32 RECITAL I WITH PIANO
THE 1940s : THE SCANDINAVIAN LANDS IN NEW YORK
このディスクは、アメリカでのラッシャーのキャリアの、
ごく初期の演奏を捉えたものです。1932 年、Edmund con
Borck の「サクソフォン協奏曲」をベルリン・フィルと演
奏したラッシャーは、一躍ドイツを代表する音楽家として
認知されるようになりますが、この録音を聴けば、ラッシ
ャーが当時からどれだけ優れた音楽家であったか、という
ことが良く分かります。この時期において、すでにラッシ
ャーの技術にあいまいな部分は見られず、解釈の面におい
ても作曲家が要求したスタイルを見事に表現しています。
1940 年代のピアノとのデュオの録音であり、まずはバロ
ック作品のトランスが聴きものです。そして、ジョージ・ガーシュウィンの「前
奏曲」における、叙情性をたたえたブルースの演奏、さらに「”ヴェニスの謝肉
祭”変奏曲」におけるブレスコントロールと高速なフィンガリング、そしてフラ
ジオ音域のコントロールは現代にあってもなかなか聴けないほどのものです。
Spirited and virtuostic!
on Alto
RASCHER CD 33 BOUQUET OF FOREST FLOWERS
RECITAL II WITH PIANO 様々なスタイルの音楽が演奏されています。シュー
ベルトの「蜂」では、循環呼吸を使わずに長大なフレーズを吹ききっています。
そのほかに、モーツァルトの小品、ホイットニーのオリジナル作品などを収録し
ています。
Lovely pastiche!
on Alto
RASCHER CD 34 DRAMAS & SONATAS
RECITAL III WITH PIANO I 多数のソナタ(エックレ
ス、クレストン、ハイデン他)を収録しています。
Bonus! ハイデンの「ソナタ」では、ラッシャーのテナ
ーサクソフォンの演奏を聴くことができます。
Dramatic art!
on Alto and Tenor
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これら “The Legendary Saxophonist Collection”のコンプリートボックスには、A.
Jackson により編纂されたフルカラーの写真付き資料が付属します。
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The LEGENDARY SAXOPHONISTS COLLECTION
A Critical Analytic Guide
to the Developmental Performance History of the Classical Saxophone
26