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光学/波動光学
セット番号: UE4030350
ニュートンリング
セット番号: UE4030350
基本原理
ニュートンリングは日常生活でも観察される現象です。ほぼ平行に
評価
近い二面の表面間に生じた隙間を満たす空気(エア・ギャップ)の,
上端と下端の境界部分で反射される光の間で生じる干渉によってこの
ゆがみを考慮に入れて,多数の測定値の平均を取る必要がありま
現象が発生します。干渉が最大になる条件は光の波長に依存するので,
す。レンズの倍率も考慮しなければなりません。
2
白色光を使用する場合この現象によって色のついた干渉環が発生しま
測定値は勾配が
す。
ニュートンリングを精密に発生させる際には,平らなガラス板と大
きな曲率半径を持つ球体状ガラスとを備えた実験装置を使用します。
球体が平らなガラス板に接すると,両者の間にエア・ギャップが生じ
0
の直線上に並
ます。これは約 45 m という値になります。球体をガラス板状に
0
の値は,1 マ
イクロメートル未満になります。
ます。単色の平行光が装置に対して垂直に入射すると,ガラス板と球
体との接点を中心として明暗が交互に並ぶ同心円が発生します。暗い
干渉環は,光が互いに弱め合うように干渉を起こした結果生じたもの
であり,明るい干渉環は,光が互いに強め合うように干渉した結果生
じたものです。球体と空気との境界で反射した光波は,平らなガラス
板と空気との境界で反射した光波との間で干渉を起こします。干渉環
実験の手順
• 単色光を実験装置内に透過させ,そ
の際に発生するニュートンリングを
観察します。
• ニュートンリングの半径を計測して,
球体の半径を求めます。
目的
は,反射光と透過光のどちらでも見られます。ただし,透過光の場合
には入射光の波長によらず,干渉は常に干渉環の中心で,光の強度を
単色光を使って,ニュートンリングを観察すること。
強め合うように作用します。
干渉環の間隔は一定ではありません。ガラス板と球体との間に生じ
r
まとめ
ニュートンリングの観察は,平らなガラス板と大きな曲率半径を持つ球体とを備えた実
ら,次のことが分かります。
する単色光を使って,ニュートンリングを観察します。この光の波長が分かれば,干渉に
(1)
R 2 = r 2 + (R - d )
d
図 1:凸レンズと平らなプレートの間に生じるエア・ギャップの概略図
験装置を使用します。平行な単色光が器具に対して垂直に入射すると,ガラス板と球体と
の接点を中心として明暗が交互に並ぶ同心円が発生します。本実験では実験装置内を透過
• ガラス板に球体が押しつけられた結
果生じる,器具の変形の度合いを測
定します。
R
R-d
2
r² / mm²
= 578 nm
200
= 546 nm
式が当てはまることを意味します。
r2
λ
= ( n − 1) ⋅
2 ⋅R
2
このことから,明るい干渉環の半径は,以下の式で与えられます。
(2)
必要機器
応用実験
数量
d=
品番
品名
U10300
光学台,1000mm・D 型
1
U103111
光学キャリア・D 型,幅 5cm,軸さや高 9cm
6
U21905-115
スペクトル管用制御ユニット
1
U8476870
スペクトル管・水銀(Hg)
1
U17101
凸レンズ,焦点距離 +50mm,絞り 50mm
1
U17102
凸レンズ,焦点距離 +100mm,絞り 50mm
1
U17010
絞り
1
U22018
光学台用ニュートンリング
1
U22010
光学部品ホルダー
1
U22021
干渉フィルター・578nm 黄
1
U22019
干渉フィルター・546nm 緑
1
本実験では,干渉フィルターを使って単色光にした水銀灯からの透
U17130
投影スクリーン
1
過光を使って,ニュートンリングに関する実験をします。干渉パター
U13265
支柱用台座
1
U10073
ポケット巻尺・2m
1
●仕様は予告なく変更されることがあります。
● 品番・品名をクリックすると製品仕様ページ(外部サイト)が開きます。
(3)
100
r 2 = (n − 1)⋅R ⋅λ
実際には,球体はガラス板との接点で僅かに変形している可能性が
あります。その場合には,明るい干渉環の半径は(2)式を変形した
0
0
以下の式で与えられます。
2
r2
2
( r ≥ 2 ⋅R ⋅d0 の場合)
− d0 ,
2 ⋅R
したがって,明るい干渉環の半径は以下の式で与えられます。
(4)
d=
(5)
ri 2 = (n − 1)⋅R ⋅λ + 2 ⋅R ⋅d0
5
n -1
と,連続して並ぶ干渉環の番号
n との関係
ンは,対物レンズを使ってスクリーン上に合焦させます。
図 3:黄色光で生じたニュートンリング
3 B S c i e n t i fi c ® E x p e r i m e n t s
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