塩ビがダイオキシンの元凶との誤解 ダイオキシンには構成元素として、塩素が含まれます。塩ビ樹脂にも塩素が含まれる ため、塩ビ樹脂がダイオキシン生成の元凶のように扱われた時期がありました。しか し、焼却時のダイオキシンの発生は、燃焼させるものによるのではなく、燃焼条件に 依存することが分かり、環境省作成のパンフレット(2009 年版)においても、「塩化ビニ ルなどの塩素を含むごみの影響は相対的に少なく、燃焼状態や排ガス処理の状況な どの方がダイオキシン類濃度に大きな影響を及ぼす」と記されています(パンフの 21 ページ参照)。 これまでにとらえた施策により、焼却炉の改良と運転管理の改善が行われ、ダイオキ シン類の生成量は劇的に削減されました。廃棄物焼却施設由来のダイオキシン類排 出量は、現在(2008 年)では 1997 当時の約 1/70 となっており、大気中の濃度(平均 値)も環境基準値の約 1/20 となっています。 ダイオキシン類排出インベントリー(廃棄物処理分野) 一般廃棄物焼却炉 産業廃棄物焼却炉 小型廃棄物焼却炉等 8000 排出量(g-TEQ/年) 7000 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 なお、空気中には微量ながら塩分があり、それはダイオキシン生成には十分です。約 8000 年前の大阪湾の地層をはじめ、南極の土や火山灰等からもダイオキシン類は検 出されていることから、太古の昔から幾度となく繰り返された火山の噴火や山火事な ど自然界の現象によってもダイオキシン類は生成していたのです (詳細は上記パン フレット http://www.env.go.jp/chemi/dioxin/pamph/2009.pdf でもご覧になれます)。
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