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第1学年2組 算数科学習指導案
指導者 山下 さおり
1
単元名
なんばんめ
2
単元について
(1)単元観
■該当する学習指導要領の内容
〔A 数と計算〕 A(1)
数の意味と数の表し方
(1) ものの個数を数えることなどの活動を通して,数の意味について理解し,数を用いること
ができるようにする。
イ 個数や順番を正しく数えたり表したりすること。
〔C 図形〕
(1)
C(1)
図形についての理解の基礎
身の回りにあるものの形についての観察や構成などの活動を通して,図形についての理
解の基礎となる経験を豊かにする。
イ 前後,上下,左右などの言葉を正しく使ってものの位置を表すことができる。
前単元では,0 ら 10 までの範囲で,集合の要素の個数を正しく数えたり,数詞を正しく唱えた
りして,集合数としての数を理解できるようになってきている。
本単元では,ものの個数を数えようとするとき,集まりを明確にとらえることが大切である。
例えば,数える対象が 7 個のりんごの集合の時に,最初のりんごの集合のときに,「いち,に,さ
ん,し,ご,ろく,しち」という数詞を順番に 1 対 1 に正しく対応させて唱え,対応が完成した
ときの最後の数によってものの個数を表す。
一方,順番を表す面からも数についての理解を図ることが重要である。順番を調べる対象に,
順に数を対応させていき,その対応する数によってその順番を知ることができる。例えば,ねこ
→犬→ねずみ→くま→きつね→うさぎの順番に動物が並んでいるときに,1 番にねこ,2 番にねず
みというように順番に対応させていくと,6 番にうさぎが当たる。このとき,最後の順番を表す数
(6 番目の)6 は,個数を表す数(6 個の)6 と一致することになる。このように具体的に操作するこ
とにより,順序数としての 6 と集合数としての 6 の違いを具体的に操作する。
(2)単元の系統
第1学年
1)なかまづくりとかず
・集合数の概念(集合,対応)
・10までの数(集合数)
・数系列における数の位置,順序の理解
2)なんばんめ
・順序数の意味
・集合数と順序数の統一的な理解
↓
6)10よりおおきいかず
・40までのかず
↓
15)おおきいかず
・120までの数
↓
17)ずをつかってかんがえよう
・順序数の加法,減法
第2学年
1)ひょうとグラフ
・数を用いて,ものごとを整理して
表すこと
5)3けたの数
・1000までの数
13)4けたの数
・10000までの数
第3学年
8)大きい数のしくみ
・1億までの数
3
子どもの実態(男子 11 人
女子 14 人
合計 25 人)
(1)関心・意欲・態度について
番号
アンケート項目
している
ともだちに わかってもらえるように,さんすうブロックをつかっ
7人 (28%)
たり,ずやえをかいたりして おはなしをしていますか。
ともだちのかんがえと じぶんのかんがえの おなじところや
②
5人 (20%)
ちがうところを かんがえながら きいていますか。
すすんで じぶんのかんがえを はっぴょうすることが できま みんなの前でできる
③
すか。
14人 (56%)
①
だいたいしている
あまりしていない
あてはまらない
5人 (20%)
4人 (16%)
9人 (36%)
9人 (36%)
3人 (12%)
8人 (32%)
4~6人の前でできる
2人 (8%)
2~3人の前でできる
0人 (0%)
できない
9人 (36%)
本クラスでは,発表の際,算数ブロックを使ったり,図をかいたりすることが増えてきている。し
かし,アンケートを行った時点では,それほど算数ブロックを使ったり図をかいたりすることはな
かった。そのため,①の質問では否定的な意見が肯定的な意見を上回ったのではないかと考えられ
る。
さらに③の質問では,肯定的な意見が否定的な意見よりも上回っている。これらのことから,発
表することに対しては意欲的な子どもが多いが,相手に分かりやすく伝えられるように発表する
仕方を学んでいる段階であることが分かる。しかし,「発表することができない」と回答した子ど
もが 9 人と 36%もいるため,全体の場で発表をする前にペアトークを取り入れ,自分の考えを相手
に伝える経験をたくさん積ませ,子どもが自信をつけられるようにしていきたい。また,2 つの考
えを対比させながら学習する場面を積極的に設定して,自分の立場を明確にして意見を述べられ
るようにしていきたい。
(2)実態調査について
(ⅰ)既習問題について (以下正答率)
1
2
いくつ ありますか。
答え 4
①25 人(100%)
答え 7
②25 人(100%)
答え 10
③23 人 (92%)
答え 5
④25 人(100%)
□に かずを かきましょう。
答え 3・5・8
25 人(100%)
(ⅱ)未習問題について
(以下正答率)
1
➀ まえから 5だいめの じどうしゃを
○で かこみましょう。
正解 17 人(68%)
誤答 4 人(64%)
無回答 4 人(20%)
② まえから 4だいの じどうしゃを ○で かこみましょう。
正解 4 人(16%)
誤答 16 人(64%)
無回答 5 人(20%)
2
どうぶつが かけっこを しています。
しかは まえから なんばんめ ですか。
答え 2 ばんめ
正解 4 人(16%)
誤答 14 人(48%)
無回答 7 人(20%)
既習問題については1の③を除いては全員が正解している。まだ,数字を書き始めたばかり
で,10 は数えられても,逆さ文字を書く子も1人いた。9 と数えた子は図にチェックしながらも
数え間違えていたので,現段階では,個数が多くなると数えるのが難しいということもわかる。
しかし,2の問題の正解率は 100%ということで,数の大きさや並び方は理解しているといえ
る。未習問題については3の①の「なんばんめ」の自動車を丸でかこむ問題では,68%と比較的
多くの子どもが正解している。これは,日常生活の中で,徒競走の順位や列の順番など順序数を
験する場面は多いことから,体験的に理解できたことだと分かる。しかし,4のような問題では
「2」という数はわかってもいても,「○ばんめ」という正確な言葉で表すことは難しいという
ことが分かる。また,3の➁の「前から○台」を丸で囲む問題は わずか 16%の子どもしか正
解することができなかった。子どもたちにとっては,順序数と集合数の区別が難しいということ
であろう。
本単元では,順序数,集合数について知り,数についての理解を深めていく。本時の学習活動
としては,順序数と集合数をそれぞれに理解するだけでなく,その違いについても考えを深めら
れるように指導していきたい。
4
研究仮説,めざす子どもの姿との関連
(1)研究仮説
自分の考えと友達の考えを結び付ける場面を設定すれば,
算数的な表現力を高めることができるだろう。
(2)本単元でめざす子どもの姿
順序数と集合数の違いを理解し,「なんばんめ」や「なんにん」を言葉と図を結び付けて,表現
することができる。
(3)本時でめざす子どもの姿
本時で育てたい算数的な表現力
自分の考えと友達の考えを結びつけるための手だて
☆「○ひきめ」と「○ひき」の違いを全体やペア
★2 つの考えを取り上げて,対比しながら考えられ
トークで話し合うことができる。
るようにする。
☆「○ひきめ」と「○ひき」のちがいを理解して, ★言葉と図を結びつけながら,違いを考えるよう
図に丸をつけることができる。
に声をかける。
前単元では,0 から 10 までの範囲で,集合の要素の個数を正しく数えたり,数詞を正しく唱えた
りして,集合数としての数を理解できるようになってきている。
本単元では,これらの学習活動を基にして,数には順序を表す意味としての使い方(順序数)もあ
ることを知らせ,数についての理解を一層深めていく。
本時では,順序数と集合数を比べていく。まずは,順位を言わせることで,1 番,2 番・・・など
数を使うと順位を表現できることを確認する。 次に,子どもから出た解答「前から 4 匹め」と「前
から 4 匹」のものをとりあげ,2 つの考えのどこがちがうのかを発表しあいながら考え,比べてい
きたい。丸でかこんだ動物を確認することで, 「前から 4 匹め」は 1 匹のみが該当するが,
「前か
ら 4 匹」は 4 匹が該当することに気づくようにし,順序数と集合数の違いを視覚的にとらえさせて
いく。さらに,適用問題でも丸でかこむ活動を通して,順序数と集合数の違いを確かなものにし,
理解を深めていきたい。
5
単元の目標
【関心・意欲・態度】 ものの位置を表す方法を進んで生活に役立てようとしている。
【数学的な考え方】
方向や位置に関する言葉と数を用いて,ものの位置を正しく表す方法を考え
ている。
6
【技能】
個数や順番を正しく数えたり表したりできる。
【知識・理解】
順序数と集合数の違いを理解している。
指導と評価の計画(3 時間)
小単元
主な学習内容
時
評価の観点
関 考 技 知
数は順序や位置を表す際にも用いられることを知り,前後に関 わ
1
○
◎
る順序の表し方を理解する。
ものの順序や位置を進んで表わそうとしている。
なんばんめ 順序数と集合数の2通りの数の表し方を適切に使い分けることがで
2
◎
きる。
(本時)
上下,左右など平面の位置の表わし方を考えている。
3
◎ ○
基準になる言葉と数を適切に使って位置を表すことができる。
7
本時の指導(2/3)
(1)目標
・順序数と集合数の 2 通りの数の表し方を適切に使い分けることができる。〈技能〉
(2)本時で育てたい表現力
・順序数と集合数の違いを考えて,表現することができる。
(3)展開
(☆育てたい算数的な表現力 ★自分の考えと友達の考えを結びつけるための手だて)
過程
問
学習活動と内容
1 素材を知る。
支援と評価
備考
・テレビ画面に素材を映す。
題
把
握
5
分
まえから 4 ひきが,のうとをもらえます。
4 ひきはだれでしょう。
○場面を考える。
・かけっこをしている。
・ぶたが1ばんだよ。
・りすが最後だよ。
○どんな順序で走っているか確認する。
・順番に動物を貼らせる。
2 学習問題を設定する
もらえるのはだれかな。
○学習問題をワークシートに書く。
・ワークシート
3 自力解決をする。
<予想される子どもの考え>
①4 ひきめに丸をつける。
★なぜ 4 匹に○をつけたのか理由を尋
ねる。前時との違いを考えたり,言葉
と図を結びつけたりできるよう声を
かける。
自
力
☆「○ひき」と「○ひきめ」のちがいを
②4 ひきに丸をつける。
解
理解して,図に丸をつけることがで
きる。
決
★2 つの考えを取り上げて,対比しなが
3
ら考えられるようにする。
分
★言葉と図を結びつけながら,違いを
考えるように声をかける。
比
4 お互いの考えを発表し,話し合う。
較
○2 つの考えを提示し,
「○ひきめ」と「○ひ
検
討
き」のちがいについて話し合う。
<予想される子どもの考え>
・4 ひきめだから,ねこだと思う。
・4 ひきは,ぶたとたぬきときつねとねこ
12
分
だと思います。
・のうとをもらえるのがねこだけなのはお
かしい。
・前時の「なんばんめ」の学習を想起さ
せる。
・1 番のひとがのうとをもらえないのはお
かしい。
・そうしたら 2 番のたぬきときつねもねこ
より速いからのうとをもらえるんじゃな
いかな。
○「○ひきめ」と「○ひき」のちがいについ
て確認する。
・○ひきめは 1 ぴきだけ。
・○ひきは 4 ひき全部。
・こたえは,ぶたとたぬきときつねとねこで
す。
適
用
10
6 適用問題を解く
○をつけましょう。
①まえから 3 だい
分
〈技能〉
順序数と集合数の 2 通りの数の表
し方を適切に使い分けることができ
る。
②まえから 3 だいめ
〈算数的な表現力〉
③うしろから 5 だい
集合数と順序数の違いを考え,表
現することができる。
ま
7 本時のまとめをする
と
4 ひきめ → 1 ぴきだけ
め
4 ひき
5
→ 4 ひきぜんぶ
○まとめをノートにかく。
分
(4)板書計画