3Dプリンター成形用樹脂フィラメントとして用いる新規複合材料の研究

3Dプリンタ成形用樹脂
フィラメントとして用いる
新規複合材料の研究
指導教授:
田中 達也 教授
理工学研究科
機械工学専攻
応用材料工学研究室
荒木邦紘
浜辺剛至
Applied Materials Engineering Lab.
研究背景・目的
熱溶解積層方式(FDM)3Dプリンタ
<造形方法>
Extruder
熱可塑性樹脂
Gear
Nozzle
熱で溶融,糸状
一筆書きのように積層
Printing table
Filament
spool
Product
図.FDM方式3Dプリンタの造形プロセス
材料となる
樹脂フィラメントの機能性
目的:
影響大
製品の機能性
高機能性の3Dプリンタ用フィラメントを製造し,
従来の加工方法では作製し得ない製品を提供すること
今年度  二軸押出機によるフィラー添加複合材料フィラメントの作製・調査

3Dプリンタ成形パラメータが成形品の機能に与える影響の調査
Applied Materials Engineering Lab.
PLA/MWCNTナノコンポジット
材料
マトリックス:ポリ乳酸(PLA)ペレット(80℃24h乾燥)
フィラー:多層カーボンナノチューブ(MWCNT) 0.5 / 1.0 / 2.0 wt%
二軸押出機 [バレル温度180℃, スクリュ回転数150rpm]
試験片
射出成形機 [スクリュ回転数100rpm, 射出圧150MPa, 保圧70MPa,
作製方法
シリンダ温度200℃,保圧時間30sec, 冷却時間60sec]
図.体積抵抗率測定結果 図.PLA/CNT1.0wt%
(SEM)


図.PLA/CNT1.0wt%
(TEM)
MWCNT添加による導電率発現が観測されたが,期待値には及ばず
画像観察の結果,ミクロ分散は良好であるが,マクロ分散は不良であった
Applied Materials Engineering Lab.
成形パラメータと成形品強度
材料
成形用装置
市販のPLAフィラメント
FDM方式3Dプリンタ SCOOVO X9
プリント条件 主要な成形パラメータ: L8直交表(2水準6因子)に従い作製
表.成形パラメータの6因子
因子1
引張試験結果
因子2
冷却カバーの レイヤーの
因子3
因子4
因子5
因子6
メッシュの
継ぎ目の
試験片の
造形
水準
有無
高さ
良し悪し
補正
密度
速度
+1
有
0.4
きれい
無効
1
初期値
-1
無
0.2

粗い
有効
0.3
半分
成形パラメータによって
約1.5倍
の引張強さ・弾性率の差を確認
分散分析による
有意因子調査

図.引張試験結果
引張強さ・弾性率の双方に関する
有意因子は密度及び造形速度
であった
Applied Materials Engineering Lab.
射出・3Dプリンタ成形品強度比較
成形用装置
 射出成形機
or
 FDM方式3Dプリンタ SCOOVO X9
プリント条件  L8直交表(2水準6因子)より得られた最適条件を用いた
引張試験結果
図.射出成形品・3Dプリンタ成形品の引張強度比較結果


射出成形品と比べて,3Dプリンタ成形品は引張強さ・弾性率が減少
パラメータ設定次第で1割ほどの減少に抑えられることを確認
Applied Materials Engineering Lab.
成形方法の違いと強度
材料
市販のABSフィラメント
成形用装置 FDM方式3Dプリンタ SCOOVO X9
作製条件
引張試験結果
 作製条件:parallelの
場合においても強度の
向上は見られなかった
 強度発現には,樹脂同
士の接着強度の影響が
図.作製条件による引張強度比較結果
大きいと推測される
Applied Materials Engineering Lab.