VOL.121 平成 27 年6月号 マイナンバー制度について マイナンバー制度とは マイナンバー制度とは、住民票を有する全ての方(外国籍の方を含む)に 1 人 1 つの番号を付け、社会保 障、税、災害対策の分野で効率的に情報管理を行うための制度です。また、期待される効果としては、以下 の 3 つが挙げられます。 【1】所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けるこ とを防止するとともに、本当に困っている方にきめ細かな支援を行えるようになります。(公平・公正な社会の実現) 【2】 行政機関や地方公共団体などで、様々な情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減さ れます。複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されるようになります。(行政の効率化) 【3】 添付書類の削減など、行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されます。また、行政機関が持っている自分の 情報を確認したり、行政機関から様々なサービスのお知らせを受け取ったりできるようになります。(国民の利便性 の向上) いつから始まるのか? 平成 27 年 10 月以降 12 月までに、各個人の住民票上の住所にマイナンバー通知書が送付される予定です。 また、手続きなどで必要となるのは、平成 28 年 1 月 1 日以降となります。社会保険労務士業務の分野では、 平成 28 年 1 月 1 日以降に雇用保険の被保険者としての資格取得(加入)または資格喪失(脱退)手続きを行 う方から対象となります。今までの記入事項に加え、手続き対象の方のマイナンバーを記入することになりま す。健康保険及び厚生年金保険(社会保険)の手続きについては、1 年遅れで平成 29 年 1 月 1 日以降の手続 きからマイナンバーが必要になります。 また、税務関連では、平成 28 年 1 月以降、扶養控除等申告書や源泉徴収票等に給与支払い対象者のマイナ ンバーの記入が必要となります。 企業としての必要な対応は? 前述の各種法定書類を作成するためには、マイナンバーが必要となるため、原則、役員・従業員を問わない 全員のマイナンバーが必要となります。また、成りすまし防止の観点から、各企業は、各人から提示されたマ イナンバーについての本人確認を行う義務が生じてきます。企業規模によっては、相当の時間や労力を要する ことが想定されます。また、従業員等のマイナンバーを取得する必要があることから、就業規則や個人情報保 護規程の改正も必要になると思われます。 その他、業種や職種によって、業務上でマイナンバーを取り扱うか頻度などは異なると思いますが、それぞ れ必要に応じて、従業員教育も必要となるでしょう。 いずれにしても、不正にマイナンバーを取得したり、提供してしまった場合など、マイナンバーに関連する 違反があった場合、最高で懲役 4 年または罰金 200 万円以下(併科の場合もあり)の刑事罰の対象となり得ま すので、十分な注意が必要です。 最後に、まだマイナンバー制度については、詳細な部分においては公表されていない部分もあるため、また 時期をおいて、把握している情報については提供してまいります。当事務所では、お客様の大切な個人情報を より適切に取り扱うため、プライバシーマーク(Pマーク)の取得に向けて取り組みを始めておりますので、 ご安心いただければ幸いです。 (文責 T.I) 社会保険労務士法人 横浜中央コンサルティング(併設:飯塚行政書士事務所・労働保険事務組合港都労務協会) 〒231-0047 横浜市中区羽衣町 3-55-1 VORT 横浜関内 BLD 4F Tel045-231-8023 Fax045-231-8028 E-Mail: [email protected]
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