消費者支援機構福岡発 2015-006 号 2015 年 5 月 1 日 株式会社ドワンゴ 代表取締役社長 荒木 隆司 〒812-0011 様 適 格 消 費 者 団 体 特定非営利活動法人消費者支援機構福岡 理 事 長 朝 見 行 弘 福岡市博多区博多駅前一丁目 5 番 1 号博多大博通ビルディング 8 階 (本件に関するお問い合わせ先)担当者 司法書士 稲毛 翔平 TEL 092-517-4289 / FAX 092-215-1202 ビンゴブレイクオンライン利用規約等に関する申入書 拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 さて,当機構は,貴社が 2015 年 4 月 30 日現在使用されている「ビンゴブレイクオンライン利 用規約(URL:http://hoget-12.com/web/kiyaku.html,以下「本件規約」といいます。)」の条項を 検討した結果,それらの内容の一部につき,消費者契約法等に抵触するか又はその趣旨に照らし 疑義の生じる点がありましたので,貴社に対し,下記のとおり申入れを行います。つきましては, 本申入れに対する貴社のご回答を,2015 年 6 月 8 日までに,書面にて当機構事務局までご送付い ただきますようお願い申し上げます。 なお,本申入れは公開の方式で行わせていただきます。したがって,本申入れの内容及びそれ に対する貴社のご回答の有無とその内容等,本申入れ以降のすべての経緯・内容を当機構のウェブ サイト等で公表いたします。また,本申入れの対象とする事項以外の点について正当であること を意味するものではありませんので,その点も含めご承知おきください。 仮に,貴社が本件規約や画面表示等の改定を予定されている場合には,改定される時期をお知 らせいただくとともに,改定後の同規約等をご送付くださいますよう,お願いいたします。 敬具 記 1.本件規約第 14 条(情報の削除)第 2 項について ①申入れの趣旨 本件規約第 14 条第 2 項について,削除するよう求めます。 ②申入れの理由 本件規約第 14 条第 2 項は,以下の点において消費者契約法第 8 条に違反して無効である と考えられます。 まず,本件規約第 14 条第 2 項は,同条 1 項に規定する場合に,消費者がサービス上に記 録した文章やデータ等が消失等し,消費者に損害が生じた場合でも,貴社が一切責任を負わ ないと規定しています。この規定は,その文言からして,データ等の消失等につき貴社に債 1 務不履行あるいは不法行為があった場合であっても,貴社が消費者から当該損害についての 一切の責任追及を受けないと定めているものと解されます。それゆえ,この規定は,事業者 である貴社の債務不履行あるいは不法行為により消費者に生じた損害賠償責任の全部を免 除するのと同様の趣旨の規定であると考えられます。 したがって,本件規約第 14 条第 2 項は,消費者契約法第 8 条第 1 項第 1 号及び同条項第 3 号に該当するものとして,無効であると考えます。 したがって,申入れの趣旨記載のとおり求めます。 2.本件規約第 17 条(準拠法及び分離性)第 2 項について ①申入れの趣旨 本件規約第 17 条第 2 項後段について,削除するよう求めます。 ②申入れの理由 当該一文は,「当該無効とされた条項は,当初意図された経済的目的が可能な限り達成で きる有効な条項に当然に置き換えられるものとし,利用者はこれを予め承諾するものとしま す」というものですが,「当初意図された経済的目的」は貴社が意図した目的であると思料 されるもので,曖昧で判然とせず,消費者にはどういう内容かを覚知し,理解することがで きません。さらに,その「目的が可能な限り達成できる有効な条項」というのも条項の内容 は具体的には何も示されていないため,消費者はその内容を覚知し,理解することができま せん。 契約は申込みと承諾という意思表示の合致によって成立するものですが,上記内容では, 何ら条項の内容が判然とせず,その内容も分からず,理解もできないのに,消費者が予め承 諾することを意味するものであり,その内容は,一方的に消費者の権利を制限又は義務を加 重し,信義則にも反するものであり,消費者契約法第 10 条に基づいて無効であると考えま す。 したがって,申入れの趣旨記載のとおり求めます。 以上 2 (別紙) ビンゴブレイクオンライン利用規約(一部抜粋) 第 14 条(情報の削除) 1.次のいずれかの場合、利用者に事前に通知されることなく、アイテム並びに利用者が本サービ ス上に記録した文章やデータ等(以下「記録データ」といいます)の一部又は全部が消失、削除、 変更又は移動等されることがあります。 (1)記録データが本規約、niconico 規約、アプリ規約のいずれかに違反している場合 (2)理由を問わずアカウントが削除された場合 (3)本規約第 8 条に定める禁止行為のいずれかに該当する場合。 (4)その他、ドワンゴが本サービスの運営及び保守管理上必要であると判断する場合。 2.ドワンゴは、本条に定めるアイテム及び記録データの消失、削除、変更及び移動により利用者 に損害が生じたとしても、一切責任を負いません。 第 17 条(準拠法及び分離性) 1.本規約に関する準拠法は、 日本国法とし、本規約は日本国法に従って解釈されるものとします。 2.本規約の条項の一部が、法令上無効であるとされた場合であっても、他の条項の有効性に影響 を与えないものとします。この場合、当該無効とされた条項は、当初に意図された経済的目的が 可能な限り達成できる有効な条項に当然に置き換えられるものとし、利用者はこれを予め承諾す るものとします。 3
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