一般社団法人 全国交通信号工事技術普及協会 平成27年度 講習会用レジメ原稿 2015年5月25日 住友電工システムソリューション株式会社 ITS開発センター長・岩本 1 自動走行とは? ①単独のシステム(レベル1) ACC、衝突被害軽減ブレーキ、レーンキープアシスト等により、加速、 操舵、制動のいずれかの操作を自動車が行う運転 ②システムの複合化(レベル2) ACCとレーンキープアシストとの組み合わせ等により、加速、操舵、制動 のうち複数の操作を一度に自動車が行う運転 2017年度以降の実用化を目指す ③システムの高度化(レベル3) ②のシステムを更に高度化することにより、加速、操舵、制動を全て自動車 が行う運転 2020年代前半の実用化を目指す ④完全自動運転(無人運転)(レベル4) 加速、操舵、制動を全て自動車が行う運転(これのみ、緊急時も自動車対 応) ※ACC(Adaptive Cruise Control):自動で車速や車間を制御する装置 2 自動走行の技術的背景 3つの技術要素 ①認知(センサー) ②判断(人工知能) ③操作(アクチュエーター) 支える技術 ①正確な自車位置の検知 ②高精細なディジタル地図 ③ITS先読み情報(インフラ(路)センサ-での先読み) ④路車間/車車間通信 ⑤自律(車載)センサー 3 路車協調による安全運転支援 インフラ(路)と車の協調を通じて安全運転支援を実現するシ ステムの研究開発/実用化が進められている。代表的なプロ ジェクトとして、DSSS、AHSがある。 ①DSSS(Driving Safety Support Systems、 安全運転支援システム) ドライバーが視認困難な場所にいる自動車、二輪車、歩行者 を各種センサーで検知し、車載装置等で注意喚起することに より、事故の発生防止を目指すもの。 ②AHS(Advanced Cruise-Assist Highway System、 走行支援道路システム) ドライバーの発見の遅れ、判断の誤り、操作の誤りなど事故 直前の行動に対して、情報提供、警報、操作支援などにより、 効果的に事故の発生防止を目指すもの。 4 路車協調と自動走行 SIP(戦略的イノベーションプログラム)の中の「自動走行 システム」というテーマで研究開発がスタート。 ・2014年度からの5カ年計画。 ・2010年代半ばを目途に、準自動走行システム(レベル 2)を、2020年代前半を目途に、レベル3を市場化する。 さらに、2020年代後半以降には完全自動走行システムの 市場化を目指す。 ・研究テーマ [Ⅰ]自動走行システムの開発・実証 [Ⅱ]交通事故死者低減・渋滞低減のための基盤技術の整備 [Ⅲ]国際連携の構築 [Ⅳ]次世代都市交通への展開 5 路車協調と自動走行 SIP自動走行システム 研究テーマ [Ⅰ]自動走行システムの開発・実証 ・地図情報の高度化技術 ・ITSによる先読み情報の生成技術 →インフラセンサ/通信 ・センシング能力向上技術 ・ドライバーモデル生成技術 ・システムセキュリティの強化技術 [Ⅱ]交通事故死者低減・渋滞低減のための基盤技術の整備 ・死者低減効果見積もり手法&国家共有データベース他 [Ⅲ]国際連携の構築 ・国際的に開かれた研究開発環境の整備と標準化推進他 [Ⅳ]次世代都市交通への展開 ・地域マネジメントの高度化 ・次世代公共道路交通システムの開発 ・アクセシビリティの改善と普及 6 まとめ ・自動車交通による負の遺産の解消目指して、自動走行の 実用化研究は国内外で精力的に進められる。 ・キーテクノロジーは、人工知能、路/車センサ、地図、通信。 ・我が国では、SIP SIPにおいて研究が進められている。 SIP ・研究成果は、ITS世界会議や東京モーターショー (ビッグサイト)、CES(ラスベガス)、CEATEC (幕張メッセ)、SIP関連の報告会等で公開。 ITS世界会議 第20回(2013年) 第21回(2014年) 第22回(2015年) 第23回(2016年) CES(http://cesjapan.org/) 東京 デトロイト ボルドー メルボルン 7
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