感染症について - 富士見小学校

感染症について
富士見小学校 内科学校医 滝 正彦先生
感染症法の対象疾患
エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱
一類 (追加)…重症急性呼吸器症候群(病原体がSARSコロナウイルスであるものに限る)、痘そう(天然痘)
急性灰白髄炎、コレラ、細菌性赤痢、ジフテリア、腸チフス、パラチフス、高病原性鳥インフルエンザ
二類 中東呼吸器症候群(MERS)
三類 腸管出血性大腸菌感染症
ウエストナイル熱(ウエストナイル脳炎を含む)、エキノコックス症、黄熱、オウム病、回帰熱、Q熱、狂犬病、コク
シジオイデス症、腎症候性出血熱、炭疽、つつが虫病、デング熱、日本紅斑熱、日本脳炎、ハンタウイルス肺症
四類 候群、Bウイルス病、ブルセラ症、発しんチフス、マラリア、ライム病、レジオネラ症
(追加)…E型肝炎、A型肝炎、サル痘、ニパウイルス感染症、野兎病、リッサウイルス感染症、レプトスピラ症
(変更)…ボツリヌス症(「乳児ボツリヌス症(四類全数)を変更」
(全数報告)アメーバ赤痢、ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く)、クリプトスポリジウム症、クロイツェ
ルト・ヤコブ病、劇症型溶血性レンサ球菌感染症、後天性免疫不全症候群、ジアルジア症、髄膜炎菌性髄
膜炎、先天性風しん症候群、梅毒、破傷風、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症
(定点報告)咽頭結膜熱、インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザを除く)、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、
感染性胃腸炎、急性出血性結膜炎、クラミジア肺炎(オウム病を除く)、細菌性髄膜炎、水痘、性器クラミジ
ア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、手足口病、伝染性紅斑、突発性発疹、百日咳、風しん、ペニシリ
五類
ン耐性肺炎球菌感染症、ヘルパンギーナ、マイコプラズマ肺炎、麻しん(成人麻しんを含む)、無菌性髄膜
炎、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、薬剤耐性緑膿菌感染症、流行性角結膜炎、流行性耳下腺炎、
淋菌感染症
(変更)…バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症(全数)、RSウイルス感染症(定点)、尖圭コンジローマ(定
点)(「尖圭今次ローム」から変更)、急性脳炎(ウエストナイル脳炎及び日本脳炎を除く)(定点把握から全数
把握に変更)
平成27年度 学校で予防すべき感染症及び出席停止期間の基準
種別
第
一
種
感染症の種類
エボラ出血熱/クリミア・コンゴ出血熱/痘そ
う/南米出血熱/ペスト/マールブルグ病/
ラッサ熱/急性灰白隨炎/ジフテリア/重 治癒するまで
症急性呼吸器症候群/中東呼吸器症候群
/特定鳥インフルエンザ
インフルエンザ
(特定鳥インフルエンザを除く)
百日咳
麻しん
第
二
種
流行性耳下腺炎
風しん
水痘
咽頭結膜熱
結核/髄膜炎菌性髄膜炎
第
三
種
出席停止の期間
発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日
を経過するまで。
特有の咳が消失するまで。または5日間の適
正な抗菌性物質製剤による治療が終了する
まで。
解熱した後3日を経過するまで。
ただし、症状
により学校医
その他の医
師において
耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫脹が発現 感 染 の お そ
れがないと認
した後5日を経過し、かつ全身状態が良好に
め た とき は 、
なるまで。
この限りでは
発しんが消失するまで。
ない。
すべての発しんが痂皮化するまで。
主要症状が消退した後2日を経過するまで。
症状により学校医その他の医師において感染のおそれがな
いと認めるまで。
コレラ/細菌性赤痢/腸管出血性大腸菌感
染症/腸チフス/パラチフス/流行性角結 症状により学校医その他の医師において感染のおそれがな
いと認めるまで。
膜炎/急性出血性結膜炎
*その他の感染症
*その他の感染症;溶連菌感染症、マイコプラズマ感染症、流行期の感染性(ウイルス性)胃腸炎 他
(学校保健安全法施行規則より)
エボラ出血熱
病原体:エボラウィルス Ebola Virus
好発時期:通年
好発年齢:特になし
性差:なし
分布:アフリカ中央部(スーダン、コンゴ民
主共和国、ガボン、コンゴ共和国)およ
び西アフリカ(象牙海岸)
どうやってうつるのか?
エボラウイルスに感染し、症状が出ている患者の体液等(血液、
分泌物、吐物・排泄物)や患者の体液等に汚染された物質(注射
針など)に十分な防護なしに触れた際、ウイルスが傷口や粘膜か
ら侵入することで感染します。一般的に、症状のない患者からは
感染しません。空気感染もしません。
症状・治療
エボラ出血熱は、エボラウイルスによる感染症です。
エボラウイルスに感染すると、2~21日(通常は7~10日)の
潜伏期の後、突然の発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、咽頭痛等の症状
を呈します。次いで、嘔吐、下痢、胸部痛、出血(吐血、下血)等
の症状が現れます。
現在、エボラ出血熱に対するワクチンや特異的な治療法はないた
め、患者の症状に応じた治療(対症療法)を行うことになります。
デング熱
病原体:デングウィルス dengue virus
好発年齢:特にないが、好発地域では小児に
多い
好発時期:5~9月だが、それ以外の月にも発
生することがある
性差:なし
分布:熱帯・亜熱帯地域
デング熱を疑う目安
海外のデング熱流行地域からの帰国後、あるいは海外渡航歴
がなくても、ヒトスジシマカの活動時期に国内在住者において
Aの2つの所見に加えて、Bの2つ以上の所見を認める場合に、
デング熱を疑う。
A
●突然の発熱(38℃以上)
●急激な血小板減少
B
●皮疹
●悪心・嘔吐
●骨関節痛・筋肉痛
●頭痛
●白血球減少
●点状出血(あるいはターニケットテスト陽性)