プレスリリース - AlixPartners

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市場規模が過去 10 年間横ばいで推移する中
主要外食チェーンの業績は二極化
好業績企業は市場動向や消費者の嗜好の変化に合わせ柔軟・迅速に
収益モデルを変化させていることが明らかに
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日本の外食・食品サービス市場は、過去 10 年間横ばいで推移している。
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数多くの外食チェーンの売上成長率・営業利益率が低位にとどまる中、高い売上成長率
(5%以上)や営業利益率(5%以上)を示す外食チェーンも存在している。一方で売上成
長率・営業利益率ともにマイナスの企業も存在しており、主要外食各社の業績は二極化し
ている。
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都市部消費者、地方の 18~24 歳、郊外の 25~34 歳の各セグメントの外食頻度は高く、半
数以上が週 1 回以上外食している。また都市部は外食頻度・1 人あたり単価ともに高い。
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レストラン選定理由は居住エリアや利用頻度の高いレストラン業態によって異なると同時
に、重要と考えられる選定理由が年々変化している。
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好業績各社は、M&A・積極的な出店・新業態への転換等、市場動向や消費者の嗜好の変化
に合わせて柔軟かつ迅速に自社の収益モデルを変化させる打ち手を講じている。
【2015 年 11 月 24 日:東京】-日本の外食・食品サービス市場は過去 10 年間ほぼ横ばいで推移し
ているが、2011 年~2014 年の 3 年間は年平均 2.3%で成長していることがコンサルティング会社
のアリックスパートナーズが実施した最新の調査結果で明らかになりました。パブ・居酒屋、ファ
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ストフードの市場規模が縮小していますが、ディナーレストラン・ファミリーレストランや中食が
市場規模を拡大させており、これが近年の市場成長を支えています。
主要外食企業の業績は二極化
多くの外食企業の業績は、足元の原材料費・人件費の上昇や競争環境の激化等を受けて悪
化していますが、こうした環境下で業績を改善している会社も存在しています。ドトール・
日レスやサンマルク、クリエイト・レストランツ、アトムなどは 5%を上回る売上成長率・営業利
益率を示しています。一方で、日本マクドナルドやワタミなどは売上成長率と営業利益率がともに
マイナスとなっているなど、主要外食企業各社の業績は二極化しています。
消費者調査について
アリックスパートナーズは今回、国内の 18 歳以上の成人 1,017 名を対象に、2015 年 9 月にアンケ
ート調査を実施し、外食の頻度・好みのレストラン業態や外食先の決定動機などについて調査を行
いました。2013 年に実施して以来、本年で 3 回目の調査となります。本プレスリリースおよび関
連資料におけるすべての数値、参照、事実、統計及び意見は「2016 年
日本の外食・食品サービ
ス業界見通し」に記載されています。
消費者調査結果
本調査では消費者の外食利用頻度・レストラン選定理由等について、興味深い結果が明らかになり
ました。
1) 国内全体の外食頻度は横ばいである。コンビニと高級レストランでの外食頻度が増加する一
方、ファストフード・カジュアルダイニングでの外食頻度が減少している。
2) 都市部 54 歳以下の消費者、地方の 18~24 歳、郊外の 25~34 歳の各セグメントは外食頻度が
高く、半数以上が週 1 回以上外食している。地域・エリア別にみると、ばらつきはあるもの
の、都市部は外食頻度・1 人あたり単価ともに高い。
3) レストランの選定理由は毎年変化している。昨年との比較では、価格・メニューの豊富さや
雰囲気(音楽・インテリア等)を重視する消費者が減少した一方、レストランのサービス全
般・場所・社員と知り合いであるといった個人的関係を重視する消費者が増えた。また健康
的なメニューがあることを重視する消費者が増えた。
4) レストラン選定基準は居住エリアや利用頻度の高いレストラン業態により異なっている。例
えば、都市部の消費者がサービス全体・食品特別ニーズ(ベジタリアン・低脂肪・グルテン
フリー等)への対応を重視している。
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5) 都市部消費者が外食支出の増加を想定していること、持帰り・デリバリーニーズが高まって
いること、インターネットメディア活用領域が拡大しているなど、一部領域では市場の拡大
が想定される。
海外における消費者調査
アリックスパートナーズは、アメリカ・中国・韓国においても日本と同様の消費者調査を実施しま
した。例えばアメリカではミレニアル世代(1980 年~2000 年に生まれた世代)が、健康重視・コ
ストパフォーマンス重視等の消費スタイルの変化に大きく影響を与えていること、韓国では市場規
模が年率 6%で拡大する中で味・品質志向がますます強くなっていること、などが明らかになりま
した。
収益改善の機会
アリックスパートナーズが発表した調査レポート「2016 年日本の外食・食品サービス業界見通し」
によれば、好業績各社は、「積極的・継続的な M&A、新規出店を実施することで大幅な売上増を
実現する」、あるいは「積極的な出店・好業績ブランドへの業態転換やメニュー改善を通じて収益
率の改善を図る」、さらに「スマホアプリ等の活用といったシステムの高度化を通じて販促・CRM
効果を上げ収益改善を図る」、といった施策を講じており、柔軟に自社の収益モデルを変化させて
います。
アリックスパートナーズの伊藤
隆 ディレクターは「外食産業は、短期的には円安等による原価
(F 値)の上昇や人件費(L 値)の増加、中長期的には国内市場の縮小など、収益確保が難しい状
況です。ところが業界環境が厳しい中でなお、好業績・高成長を実現している企業が存在していま
す。厳しい環境を自社のビジネスモデルを高度化・進化させる絶好のチャンスと積極的に捉え、好
業績企業をベンチマークし自社と客観的に比較して自らの改善点を抽出すること、あるいは消費者
調査等により消費者の傾向を把握することなどにより、低成長環境下においても収益改善を図るこ
とが可能です。」とコメントしています。
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アリックスパートナーズについて
アリックスパートナーズは世界的なビジネス・アドバイザリー・ファームで、企業のライフサ
イクルのあらゆる段階での価値創造と業績改善を専門とする、結果重視のプロフェッショナル
集団です。当社は、企業が陥っている難局において大きな力を発揮し、企業の再生や成長の加
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速を支援してきた豊富な実績を有しています。当社のクライアント企業は、業績不振企業や破
綻企業だけでなく、健全体の企業も数多く含まれます。1981 年の創業以来、当社は、独自の
シニア・プロフェッショナルチームが結果重視のアプローチを行うことで、企業の取締役会や
経営陣、法律事務所、投資銀行、投資家などが抱える重要な課題の解決を支援してきました。
詳しくは当社のホームページwww.alixpartners.comをご覧ください。
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