有機化学1 練習問題(2015 年度版-3B) 学籍番号 問1 PC20 - 氏名 ヨウ化アルキル A の SN1 反応と、その反応におけるエネルギーの変化を下に示した。以下の問いに答えなさい。 SN1 C I + CH 3OH CH 3 CH2CH 3 A C B (1) 立体化学を含めて化合物 A を英語で命名しなさい。 E G (2) 上の反応式に中間体 B を立体化学を考慮して書きこみなさい。 F エネルギー (3) 右図で中間体 B に相当する記号を○で囲みなさい。 (4) 右図で遷移状態に相当する記号を△で囲みなさい。 (5) 上の反応式に生成物 C を書きこみなさい。 (6) 右図中に化合物 A から生成物 C が生じる過程における D H 活性化エネルギーEa を両矢印(←→)で示しなさい。 (7) 上記の反応は発熱、吸熱のどちらかを答えなさい。 反応の進行 (8) この反応で化合物 A の濃度を半分に、メタノールの濃度を2倍にすると、反応速度は元に比べてどう変わるか答えなさい。 問2 以下の求核置換反応に関する文章の空欄[ ]には当てはまる化学式を、( )には数字を書き込みなさい。また、□の中 から適当なもの一つを○で囲みなさい。問題文中の化合物 A~E の構造は以下を参照しなさい。 SN1と SN2反応に代表される求核置換反応の起こりやすさは、①立体的な要因,②カルボカチオン中間体の安定性,③脱離基の 脱離しやすさを考えることで説明できる。SN2反応は求核試薬 Nu が脱離基 X の結合している炭素原子に、C-X 結合と( の角度で接近するため①の影響を大きく受ける。このため、脱離基が 2 sp 、sp 3 )° 炭素に結合している場合は、SN2反応は進行し ない。一方、SN1反応は求核試薬 Nu が反応する前に脱離基 X が自発的に脱離するため②に大きく影響される。カルボカチオン中 間体は 四面体、平面、三角錐、折れ線、直線 構造をもつため、環状化合物 A~C のうち、 の SN1反応は進行し A、B、C ない。③は SN1と SN2反応の両方に関係する。例えば、化合物 D と E の SN2反応における脱離基は、各々[ であり、その共役酸は[ ]と[ ]である。SN2反応における優れた脱離基は ア二オン(弱塩基)を生じるので、優れた脱離基の共役酸は 役酸の pKa が 化合物 大きい、小さい CH 3 強塩基、弱塩基、中性、強酸、弱酸 強塩基、弱塩基、中性、強酸、弱酸 ] の となる。つまり、脱離基の共 ほど優れた脱離基であることがわかる。以上のことから、化合物 D と E の SN2反応を比べると、 D の方が、E の方が、D も E も同じくらい H 3C ]と[ H 3C 反応が起こりやすいことが分かる。これは、SN1反応でも同じ傾向にある。 Br CH2CH 3 CH 3 Br CH 3 A B CH 3 CH 3 CH 3 Br Br CH 3 H 3C Br C OH D C CH 3 Br CH 3 H H 3C CH2CH 3 H H 3C C I E
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