学校法人会計の特徴や企業会計との違い等を説明している資料

4.(2)⑥ 学校法人会計の特徴や企業会計との違い等を説明している資料
平成26年度 財務情報
ⅰ)学校法人会計の特徴
学校法人は文部科学省が定める「学校法人会計基準」という会計処理のルールに従って計算書類を作成す
ることになります。
この計算書類とは…
☆資金収支計算書
当該会計年度に行った教育研究等の諸活動に対応して発生するすべての資金の収入および支出の内
容を明らかにします。
☆消費収支計算書
会計年度中の消費収入および消費支出の内容を明らかにします。
消費収支の均衡状態を明らかにします。
☆貸借対照表
決算日における資産および負債、基本金、消費収支差額の内容を明示し、学校法人の財務状況を明
らかにします。 の3つになります。
また、学校法人に対する収入は「学生生徒等納付金が」大半を占めているので、非常に固定的で制約的だ
と言えます。そのため学校法人が教育事業に資金を投下していくためには、長期的な計画が必要となってきます。
この計画を達成する仕組みとして、予算制度を重要視していることも学校会計の特徴と言えるかもしれません。
「資金収支計算書」は収入と支出のバランスをみる家計簿のようなもので、
「消費収支計算書」は企業会計でいうとろの損益計算書に当たるものなんだね!
ⅱ)企業会計との違い
学校法人は企業のように、「モノ」を生産・販売することで投下した資本を回収したり利益を生み出すといった
生産経済体とは違い、支出が増加したからといって収入の増加を図ることが難しい非弾力的な構造を持つ消費
経済体です。
下の表は学校法人会計と企業会計のその他の主な違いを示しています。
学校法人会計
企業法人会計
学校法人会計基準
会計処理のルール
企業会計原則
教育や研究活動
事業の目的
利潤追求のための経済活動
消費経済体
財政の構造
生産経済体
資金収支計算書
消費収支計算書
貸借対照表
キャッシュフロー計算書
作成する書類
損益計算書
貸借対照表
学校法人会計基準の改定が改定されました(文部科学省令第15号【平成25年4月22日】)
学校法人会計基準の一部を改訂する省令が平成27年4月1日に施行され、平成27年度以降の計算書
類に適用されます。
今回の改正により、学校法人が作成するべき書類が次のように変更となりました。
平成26年度以前
平成27年度以降
☆資金収支計算書
☆資金収支計算書
資金収支内訳表
資金収支内訳表
人件費支出内訳表
人件費支出内訳表
活動区分資金収支計算書
☆消費収支計算書
☆事業活動収支計算書
消費収支内訳表
事業活動収支内訳表
☆貸借対照表
☆貸借対照表
固定資産明細表
固定資産明細表
借入金明細表
借入金明細表
基本金明細表
基本金明細表
改正点
1)資金収支計算書について、新たに活動区分ごとの資金の流れがわかる「活動区分資金収支計算書」
を作成する
2)従前の「消費収支計算書」の名称を変更した「事業活動収支計算書」について、経常的及び臨時的
収支に区分して、それらの収支状況を把握できるようにする
3)現行の基本金組入れ後の収支状況に加えて、基本金組入れ前の収支状況も表示する
4)貸借対照表について、「基本金の部」と「消費収支差額の部」を合わせて「純資産の部」とする
5)第4号基本金について、その金額に相当する資金を年度末時点で有していない場合には、その旨と対
応策を注記するものとする
6)第3号基本金について、対応する運用収入を「第3号基本金引当特定資産運用収入」として表示
する
7)第2号基本金について、対応する資産を「第2号基本金引当特定資産」として表示する
8)特定資産の中科目として新たに「特定資産」を設けること
9)第2号基本金及び第3号基本金について、組入れ計画が複数ある場合に、新たに集計表を作成す
ること
10)「消費支出準備金」を廃止すること