<速報>複層カーボンナノチューブ(MWCNT)に関する厚生労働省の対応 ~MWCNT の一品種である MWNT-7の試験結果を基にした一連の動向~ 1.有害性評価小検討会 厚生労働省主催「化学物質のリスク評価検討会(有害性評価小検討会)」が6月23日に開催され、複層 カーボンナノチューブ(MWCNT)の一品種であるMWNT-7の試験結果(*)について協議された。 (*) MWNT-7の試験結果 :ラットへの2年間の全身曝露の結果、明らかながん原性を示すと結論した。 協議に基づく結論は、以下の2点であった。 ① MWNT-7を「化学物質による健康障害を防止するための指針」(がん原性指針)策定の対象とする。 ② MWNT-7をリスク評価の対象候補物質とする。「化学物質のリスク評価に係る企画検討会」でリス ク評価の対象とするかどうかを決める。 2.今後の対応に係る結論 MWNT-7以外のMWCNTも含めて今後の対応が協議された。結論は以下の通りである。 (1)がん原性指針の対象物質について 「発がん性評価ワーキンググループ」(7/23開催)にて協議された、 ①MWNT-7を対象物質とする。2015年11月を目途に指針に加える。 ②MWNT-7以外のMWCNTについては発がん性有りとは言えない。引き続きデータ整理していく。 (2)リスク評価の対象物質について 「化学物質のリスク評価に係る企画検討会」(7/30開催)にて協議された。 ①MWNT-7 は対象物質とはしない。 理由:生産中止となっており、流通はされているが、報告対象量(500Kg 以上)に満たない可能性 が高い。 ② MWNT-7 以外の MWCNT についても、対象物質にはしない。 理由:有害性に係る試験データは限定的であり、引き続き情報収集が必要である。 3.NBCI としての今後の対応 今回の一連の動向は上記の通りであるが、MWCNT(MWNT-7 以外の MWCNT)の安全性についての認識を現 時点で整理すること(当然今後も継続して整理することも含めて)が重要であると考える。国際がん研 究機関(IARC)の見解や世の中の毒性学者の見解等を基にした「NBCI の見解」として近々整理したい と考える。 1 Copyright © Nanotechnology Business Creation Initiative. All rights reserved. 4.関連情報へのリンク 化学物質のリスク評価検討会(有害性評価小検討会) http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=273372 発がん性評価ワーキンググループ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=269075 化学物質のリスク評価に係る企画検討会 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=262981 以上 (2015 年 8 月 21 日) (担当:NBCI 事務局次長 加藤豊) 2 Copyright © Nanotechnology Business Creation Initiative. All rights reserved.
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