八月踊り歌部集編

昭和 58 年 5 月
八 月 踊 り 唄 部 集 編
名瀬勝唄愛好家会
名 瀬 勝 八 月 踊 り
序
今だ 自 然の 残 った 名 瀬勝 に 育ち 、 自然を 愛し 、
こ の 美 し い 故 里に 幾 世 紀 の 昔 か ら 、 唄 い 次ぎ 踊
り つ が れて 来 た 。こ の 伝 統 的 庶 民 芸 術 を 忘れ る
ことなく、後世まで伝え教えて残して行く事は、
私 達 現 時 点で の 親 ほ じ か ら の 教 え だ と 思 い ま す 。
最 近 は 、 親 ほじ が 残 し て 下 さ い ま し た 八 月 踊
の 火 も 下 火 に な り つゝ あ り ま す の で 、 此 処 に 八
月踊りの発展のために、お年寄りの方々の唄を
参 考 に 致 し 、 小 冊 子 に ま と めて 発 行 い た し ま し
た。
書 き 落 し の 点 も あ る か と 存じ ます が 、 愛 好 家
の皆様に活用頂ければ嬉しく存じます。
昭和五十八年 五月十九日
1
①
第一部
そうしられ
おぼこり
基本歌詞
目
②
⑧
⑦
⑥
⑤
④
手ふりふり
いさだ
おせはだり
あいすまちかな
赤木名観音
今の踊り
浜千鳥
次
⑪
前浜ゆりがちんぐゎ
2
③ やまのぼてかばさ
⑨
⑫
喜界 湾どまり
⑩ でんぬできし木
⑬
⑭ 三山胡弓
11 10 10 9 9 8 8 7 7 7 6 6 5 5
第二部
⑮
赤ん村くゎ
⑯ で え んまちじょ
⑲
⑱
焼酎ぬ花酒
塩道長浜
海ぬ笹草
⑰ うぶんかなはだ
⑳
㉑ しゅんかねくゎ
西ぬ実久
いちぶと まあぐみ
3
㉒
㉔
諸鈍長浜
㉓ うらとみ
㉕
㉖ ちくりんぐゎ
祝い唄
共通歌詞
①
対応唄
② 教訓唄
③
14 14 14 13 13 13 12 12 12 12 11 11
17 16 15
第三部
凡 例
④ かな唄
⑤ あまくさ
あらし
① あらしの正常歌詞
」の部分は繰返して唄う。
)の部分は相手方のはや し
本文の歌詞中、
「
(
4
24 20
26
第一部 基本歌詞
① おぼこり
ね
ハレおぼこりぬ やよろ ハレかふさな
ハーヌ(やよろ ハレ オーセ オーセ)
や
ハレ来年ぬ稲がなし
とのち
祝きておせろ、ハレ 殿内あみされや
ち
ハレ あぶしまくら ヨーホンノ
ハレ来年ぬ稲がなし(ハレ オーセ オーセ)
ハレ来年ぬ稲がなし
ハレ あぶしまくら ヨーホンノ
そうしられや
② そうしられ
一、
か
ふ
果報な生れやしが、ハレ
米倉や前なんだち
よねぐら
ゆうなくとにヨーホンノ
「アレとのちあみ(ハラ オーセ オーセ)殿内あみされや
ゆうなくとにヨーホンノ」
二、 殿内あみされや
くし
床や腰やてヨーホンノ
ちゅくら
や
ね
たくら
つ
再来年がゆや三倉クラ
み
「アレよねぐらや(ハラ オーセ オーセ)米倉や前なんだち
床や腰やてヨーホンノ」
くとし ゆ
三、 今年世や一倉、来年ぬ世や二倉ハレ
三倉たてろヨーホンノ
「アレみつがゆや(ハラ オーセ オーセ)みつが世や三倉クラ
三倉たてろヨーホンノ」
四、 東からもゆるり西からもゆるり、ハレ 殿内あみされや
ゆるりゆるりヨーホンノ
「アレとのちあみ(ハラ オーセ オーセ)
殿内あみされやゆるりゆるりヨーホンノ」
5
むち
吾自由またなりゅる
ゆぬうくれどまちゅる
十七八めらべ
餅がさぬかばさ ヤハレ むちがさぬかばさ
吾自由またなりゅる
今の踊り
ヤハレ
いちが夜ぬくれて吾自由またなりゅる ヤハレ
わ
二、十七八ごろや 夜ぬうくれど待ちゅる ヤハレ
(ヤハレ ゆぬうくれどまちゅる)
(ヤハレ むちがさぬかさば)
里うりてかばさ 十七八めらべ ヤハレ
一、やまのぼてかばさ
③ やまのぼてかばさ
④
ソラ
一、今の踊りは踊り子がそろた ソラ
踊り習わば今習え ヨイコラセ
ヨイコラセノ花コラ調子ヨイコラセー
どこね
二、さんだまけまけ大根種おろせ
おろせ育ててやせさかな ヨイコラセ
ヨイコラセノ花コラ調子ヨイコラセー
6
⑤
⑥
赤木名観音
にしまた
赤木名観音ちば西又に ナオロ
ナオロナオロちゅんぬ 音ばかり
ハレサ ヨイサ ヨイ
あいすまちかな
一、あいすまちかなや
はびらなあて とびゅりよ ハレ
うりがいさどもや はびら押せが
ヤソラ はびら おせが
あや
二、とびゅる綾はびら
が いや
何故汝どうや
ぬ
うち向かて とびゅりよ ハレ
うち向かてとびゅんや 庭花たてよ
ヤソラ 庭花たよて
⑦ おせはだり
一、おせはだりごおちや
か
毒食だる ヒヤヌガへー
「アレ吾が思ふるくとや 自由や
ならぬ ヤヌ ヒヤヌガへー」
や ぎ
汝義立たば
ヒヤヌガへー」
吾恥
わ はじ
ヒヤヌガへー
二、自由ならばならじ
又立たじ
ヤヌ
「アレさきじ働らしゅて
きらち
7
⑧
いさだ
一、東ぬ古志なんど
にがむじ
苦水ぬ
うと
うなぐ
ヤレコレ 夫ふるる 女
わ
吾のや
童 あてど
わらべ
姑もふれられぬ
とし
うまじ浴みそ ヤラへ ヤラへ
あんち
うと
二、夫もふられぬ
ヤレコレ
とじ
姑ばふたる ヤラへ ヤラへ
ちゆとき
三、夫ふさも 一時 妻ふさも
一時 ヤレコレ あやはじき ふさや
命かぎり ヤラへ ヤラへ
くとし
ぬ
今年がりぬ
や
ヤラへ ヤラへ
かみ習て習てよ
めらべ
ヤレコレ 来年ぬ八月や
四、いさだちばいさだ
いさだ
吾きやど
⑨ 手ふりふり
なら
手ふりふり習て
「ハレ かみ習て習わば
まちげぬらぬ ヤソラ」
8
⑩ でんぬできし木
むと
一、でんぬできし木や花ぬ下かきゆり
「うりが かぎかむば
や
かまちぬ病みゆり ウマデソーラ」
二、かまちんちゃさやむば枕とてよせて
「わたぬちゃさやむば
ねんごろ呼ばそ ウマデソーラ」
やとじ
も
三、ねんごろ家妻とやでるが又かなさんが
しよて
やとじ
ちぞら
かなさ ウマデソーラ」
「世帯ぬくと思れば
⑪ 浜千鳥
はま ち ぞ ら
一、浜千鳥 ちぞらよ 鳴くなちば千鳥よ
おもかげやよ
時々ど立ちゅるよ
ときどき
「ハレなくとくと あんまがよ
面影ぬ立ちゅんど」
二、あんま面影やよ
わ
「ハレ吾かな
朝夕また立ちゅりよ」
9
あ
三、浜ぐだり歩きば
わらべぬ ちゅぼれ
「槍玉やむたぬ
喜界湾どまり
むじ
うしゆ
めやくさべろ」
めやくさべろ」
と
めやくさべろ」
すこぬくゎぬ ちゅぼれ
「あみしゃれやむたぬ
二、浜ぐだり歩きば
あ
いい見そろさや かばさ
「てぐすくゎぬねだな
一、前浜ゆりんがちんぐゎ
めはま
⑫ 前浜ゆりがちんぐゎ
⑬
き や あ わん
一、喜界湾どまり 水くがれ 汐 くがれ取りゅり
うしゆ
アレ 汐 くがれ取りゅる
おしま
山田平田いきゅり オセ ヤーヨンノ
よろん
二、喜界や六曲り 大島や七曲り
とくえらぶ
じうち
徳永部 与論や
な は
那覇ぬ地内 オセ ヤーヨンノ
10
⑭
⑮
ごつこ
三山胡弓
さんやま
ホンノイ」
ネーオセ きもちゃげへ
一、三山ぬ胡弓くゎエーヌハヌ
大和がりとよむ
と
「きもちゃげぬかなや やど閉じんそれ
ちゆ
ホンノイ」
ネーオセ きもちゃげや
エーヌハヌ
ネーオセ きもちゃげ エーエ
とり
二、いち番ぬ鶏ば
も
二番ぬとりち思て
よ
ゆたば頼りぬうすりぬうすり
たの
夜はち人見ちヤソラ」
ゆ
雪村ぬはぐきよ
「きもちゃげぬかなば 夜なか戻し
ネーオセ きもちゃげ エーエ
赤ん村くゎ
や
あかんむらくゎくゎや
き
あんまふりゆむんぬ
「ハレ気病んめになりば
きやんむなとて
いしゃ
おも
医者頼りぬうすり ゆた頼りぬうすり
わ
吾んが想とんかなば呼ばちたぼれ
⑯ でえまちじょ
あさろぎ忘れたや ヨイヨイ
でえまちじょが宿に
ふ
「さきじ掘るとき思いだち」
11
海ぬ笹草
ささくさ
塩道長浜
み
ハーレ
「わらべあて
ヤレコレ
ハーレ
泣きそしら」
よねなお
あてどよ 庭に草もらすん」
海ぬ笹草や汐ぬ満てばなびこ
しゆ
「ハレ としぬ とめばかり 米直とみそ ヤソラ」
七むぐり むぐてよ
なな
うぶんかなはだはたや
⑰ うぶんかなはだ
⑱
⑲
しゅみち
塩道長浜や
故かや
ゆい
「わらべぬ
た
うりや誰か
ちゆ
飲めば人ふやす
「けさまち汗肌故さぬ」
⑳ 焼酎ぬ花酒
エヤヨー
ヘイヨー
何ばふらす
ぬ
ホーサメ
サスガデー
ハレ かなどふらす
ハレ ヤオセイ ヤオセイ
焼酎ぬ花酒や
わ
吾のや
ハレ
12
㉑ しゅんかねくゎ
ふし
しゅんかねくゎが節や
む
吾くなちおけば
なかばる
サーサしゅんがねくゎ」
「三味線持ちいもれ ちけておしろ
㉒ 西ぬ実久
なかばらしゆ
まちじよ
くちさ」
佐和伊久に取られて」
一、西ぬ仲原主やよ 恥きりて仲原
い く
「うりがしゅたる役や
さ わ
二、佐和伊久や大和 松常くゎや大島
「黒汐ふざめ とてよ 思ぬ 思ぬ
いや
三、西ぬ実久なんてよ 大和舟ぬ割れて
「姿 とれれ とれれ う金 く金 とめろ」
㉓ うらとみ
いきや
うらとみ うらとみ「如何しが汝や踊りゅる」
(いきやしが いや うどりゅる)
「左足 さげて 右足 ももいして」
13
㉔
橋ぬくげればうとるさ
ソレ
いちぶとまあぐみ
いちぶとまあぐみや
しぎ
杉ぬ橋かけて
くげれば橋ぬ
サヌヨイヨイ
橋ぬくげればうとるさ
サヌソレヨイヨイ
吾がくなちうけば クヌヤヌヤーヌ
如何長さあても 池地長浜ぬ上やきらぬ
ヤヌ ヒヤヌガ フェー
対応唄 いちぶちともや きやっかなんばーり
ちよいと生れたんが まくみぼうくゎ
やいやちよいとさあた しられた
ヤレコレチョイトナ
㉕ 諸鈍長浜
しょどん長浜ぬ
㉖ ちくりんぐゎ
ふし
ちくりんぐゎぬ節やヨハレ
ヨハレ ちけてまたおしろ
クヌヤタヤーヌ
ヒヤヌガヤーヌ テンテン ヤーテンテン
「ヒヤヌガテンテン ヤーテンテン」
む
三味線持ちいもれ
ヒヤヌガヤーヌ テンテン ヤーテンテン
ヒヤヌガテンテン ヤーテンテン
14
祝 い 唄
第二部 共通歌詞
①
(普通)
いちよりもまさり
ま
い
床ぬ間に坐して
とく
いちもこのごとにあらしたぼれ
今日ぬほこらさや
(敬老)
白髪年方や
吾のや膝さがて拝でおせろ
(新築)
つぼ
あら屋敷好で 神杉ば植えて
神 杉 ぬ 上 に 鶴ぬ舞ゆり
(婚礼)
とく
今日ぬよかろ日に咲ちゅりきょらさ
親二人なかに 蕾 どたる花ぬ
(成人)
とのち
わあぎ
祝いこめろ
こん殿内 床に松竹ばいけて
あと
竹ぬふしぶし
(出産)
ふうぎ
はつ
おも
大木めて跡や若木めてちぎゅり
うや そ
親祖あとちぎゅる 初ぬ思くわ
15
②
教 訓 歌
一、山ぬ木ぬ高さ風に憎まりゅり
きも高さ持てば外が憎む
二、かまくらぬ花や手ぬ先に染めろ
ゆしぐと
わ
み ぬ う
親ぬ教訓や胸に染めろ
ゆしぐと
ゆしごと
わ み ぬ う
ちら
耳にきき分けて胸にとめろ
三、親ぬ教訓や吾が身上ぬ宝よ
しと
四、姑ぬ教訓や吾身上ぬ辛さよ
あやはじき辛さ胸にこねろ
五、玉黄金 親や なしどなさるる
肝だまし添えてなしやならぬ
六、下手からど習て すぐれてやいきゅる
すぐれぬ思て 思案とるな
七、ろかじ定めてど舟や走らする
寸法はじらすな肝ぬ手綱
八、皿ぬ水だもそ 吹けば波立ちゅり
わが悪さあてど 外や荒れる
16
はじめ
③ 対 応
な
歌
わ
はじめ
間切り分かち
昔ぬ親ほじぬ真似どしゃおる
けさ
○汝が 初 あらぬ吾が 初 あらぬ
けさ
○昔ぬ親ほじぬ島だてぬ悪さ
かなが島吾島
もも
声のやれやちょま繁くたぼれ
しげ
○いこいこにしりば後ぬ陰ぬ立ちゅり
居ろ居ろにしりば義理ぬとどり
○義理んちめられて 虫だもそいきゅり
い
○坐ちゅて唄しりば股だるさやしが
うなぐ
ゆ
しもろ□子
巣もろ卵
で吾がほり立てて踊てとよも
○これほどぬ踊り組み立ててからにゃ
夜ぬ明けて照らぬ上るまでも
うなぐ
いんが
鶏にたとえりば
○ 女 生れとて唄知らぬ 女
いんが
鶏にたとえりば
○ 男 生れとて唄知らぬ 男
なま
う
さき生れぬそしら教してたぼれ
○吾かや今がりや唄ぬ道や知らぬ
う
○先まれて居ても 後まれて居ても
唄や吾が胸ぬしくみさだめ
17
節はえり はえり
ふし
○今日ぬほこらさや何時よりもまさり
何時も今日如にあらちたぼれ
○何時も今日如にあれば たまこがね
のちもこのしのき 若へ取らが
○唄はえり はえり
とこ
床ぬ前おせて
わ
先やさだまらぬ
吾ぬ下さがてうさげ拝も
あが
唄ぬ はえりばる 手打ちはえる
○唄かわし かわし 節かわし かわし
唄ぬ かわればる 手打ちかわる
し ら げ としかた
と
○白髪年方や
とし
○年や取て行きゅり
う
な
貸らちたぼれ
か
あれ海に浮つる舟が如し
ふりそで
○八月やなりゅうり 振袖や無らぬ
こ
貸りがなりゅんぬ
か
貸しばるかりゅる
から
あやたすたみそで
から
うま
た
打ちば百名 立つり
ももな
打てば馬ぬ皮る打っる
う
貸さぬやしが
○あやたすたみそが
○ちぢみくやや
ぐわ
よ
かなぬおそば
夜なりするちぢみ
ままさ子や
○打ちば打ちぶさや
よ
寄れば寄りぶさや
18
や
ちぢみ
○汝が打つる 鼓
一里がりとよむ
里がうすば
夜鳴りしゅる鼓
ゆ
一里から吾のや きちどしちゃる
○打てば打ちぶさや
寄りばゆりぶさぬ
ぐ
○遊び好き吾のや遊ぶ具くゎぬ居らぬ
島ぬ尻口じ とめてあしぼ
○遊べどいいちゃる 踊れどいいちゅる
いと
遊ぶときやちよま解けて遊ぶ
○天ぬ白雲や風連れていきゅり
吾のや何ば連れるかなど連れる
○夜明け白雲ぬいき別れ見れば
かなと生別れあれがごとに
おも
たけ
節や水車めぐり会ゆる
せち
○想てさえおれば後先どなりゅり
せち ま
○節待とにしりば互に年ゆるり
年ゆらぬうちに あらちたばれ
○別れていきゅり 何ば片身らきゅり
汗肌ぬ手さじ うりど片身
○汗肌ぬ手さじ受け取てからにや
うしろ軽々と いもれそしら
19
④
か な
歌
一、 う十五夜ぬう月神清らさ照りゅり
じょう
肌染だるかなや
浜うりて見れば
七日ふざめ
忘れならぬ
かなやも らぬ
五日ふざめ
吾のがかな忍でいじど見ちゃる
見ちゃる人や居らぬ
白波や立ちゅり
かなやもらぬ
かなが 門 に立てばくもてたぼれ
夜嵐やしげく
二、 かな待ちゅる夜や西やどば開けて
みつぼし
はだ す
三、 月と眺めても星と眺めても
ゆ
せち
かたき
どしど仇
どんがかねさるや
じ
かくれ瀬ど 仇
節としばさしや
夜中三星や
四、 吾のやうらきりて
五、
六、
七、 沖走る舟や
ゆる
かな待つる夜や
20
せち
た
くも
するなよ吾か
がじゅまるぬはぐさ
よそ
て
外が妨げや
か み ぎよう
親ぬ年ゆりば
中きらちしるな
中きらちしろと
くみたて
吾が二十頃や
わ
世話どやきゅる
よそが笑ふ
あが
もどりならぬ
ゆりもどりゆりもどり
おど
よ
あし
いいさたそうろう
夜が明けて てらぬ上がるまで
踊り組立てからや
ま
此処寄らて色々ぬ遊び
こ
八月の節や
唄しらば
親や年ゆるり 吾きゃや花咲きゅり
かなが 門 に立てば雲てたぼれ
じよう
お十五夜ぬお月神 清 さ照るり
八 、 うわなり妨げや
九、
十、
十一、
十二、
ほど
今日は
十三、 これ程ぬ
十四、
しま
明日や島もどて
21
十五、
十六、
十七、
十八、
十九、
二十、
二一、
海ぬささ草や
わ
遊び好き吾のや
しゆ
み
汐ぬ満てばなびく
十七八めらべ踊りば
わ
こうろ
なびく
み
ね
かわ
おも
来年ぬこうねしだ
や
探ぐて見ちゃぬ
さ
言葉る変る
こ と ば
止めて遊ぼう
止めて止めららぬ
しりくち
島ぬ尻口で
かわりぎやめらぬ
水にひかされて
う
ん
川水に石浮けて見ちゃみ
島やどの島も
はりご
な
ちぢじ
打ちはてぬ 鼓
貴男や吾が 心
いきはてぬどんが
取りもともならぬ
花 ぞ め に ふ ふ れ て わらべどしかけて
わ
吾こと想れ
五日ふざめ
七日ふぎめりゅ り
花ぬさそりんや
しちとしばさしゃ
どんがかぬさるや
22
たび
どり
はまやど
おも
二番鳥ち思て
きもちゃげぬ
草ぬねるまくら
ねむ
寝ても忘られぬ
ぬう
かなば夜中もどち
わ
吾が玉こがね
何がかたつみうきうる
あせはだ
あ
手さちぬうすり
引きば伊津 部
汗肌ぬ てのぎうきうるかたみ
さ
あや手のぎ下げて
うっちゃげればでくま
にしやど
西戸ば開けて
かなやいもらん
まあてらてるり
あやてらぬてるり
およばんかなに
ゆる
かな待つる夜や
吾がきょら島や
笠利ぬはぎ島や
かさん
天ぬ白雲に 縄かけてぬうすり
てん
伊津部立神に
別れてや行きゅり
旅や浜宿り
二二、 一番鳥は
二三、
二四、
二五、
二六、
二七、
二八、
ゆ
夜あらしやしぎく
23
二九、
三十、
三一、
はまう
打ちかさべ打ちかさべ
ゆみそかさべ
いかし高さあても
たあ
大和ぬ殿様や
浜打つる波や
やまと
さあ
下 るなるり
ぬうゆで待つり
月日ゆうり待つり
お月様てらくもがなしぬ
大和殿様ぬよ
やまとたび
大和旅すれば
くずが旅すれば
24
⑤
①
②
③
④
⑤
⑥
あ ま
く さ
いそかな 踊りきよらさ
あまぬあまさ まきだす時は
たじて
ちが
二十二、三
うで枕
枕 はいらぬ
まくら
いつもかわらぬ
様はいくつか 二十三、か四、か
様と寝た夜 は
たが
踊らららぬ
おど
虫が付く
吾ばくれて
わ
晩茶にほれて
ばんちゃ
互い違いぬ
あんま馬鹿馬鹿
あ き な ふな
秋名舟どんに
たばこ
十七、八頃あおばあの煙草
早くつまなきや
は
踊り好きなら早よ 出て踊れ
踊りはぐれて
25
⑦
好きなお方と
こ こ
こ こ
やしき
此処の屋敷は
あなた
みちづ
元の一里
花が咲く
道連れすれば
かれぐさ
道ぬ 枯草
千里も一里
すわ
すがた
座ればぼたん
あゆ
歩む 姿 はゆりの花
こ
命がけ
命がけ
金がなる
鹿児島
越ゆれば吉野
やしき
吉野越せば
いわい
祝 の屋敷
八ほれ
八ほれ
今度ほれたら
私は貴男に七ほれ
貴男私に七ほれ
こがね花咲く
此処はしげとみ
立てばさくやく
会づもどれば
⑧ 想ってかよいば
⑨
⑩
⑪
⑫
⑬
今度ほれたら
26
⑭
⑮
⑯
なが
かたな
長い 刃 は
君と僕とは
あなた
貴方百まで
さしよう
差用がござる
うしろ
後 下れば
すずりと墨よ
生えるまで
は
濃くなる
こゆ
前上がる
すればする程
私は九十九まで
友に白髪が
27
わ
(あらしの正常歌詞)
第三部 あ ら し
な
あし
かさね朝しかま
夜明かさに遊ぼ
ね
寝ほよせらいもれ
寝かざせらときや
吾が生れておれば
後もこのしのき
え
め
吾が栄取る
汝くと思ざそ
な
ほらかでるか
互にあらそげに ゆかりそしら
たけ
一、汝れもあらそげに、吾れもあらそげに
せち
二、ゆかりゆぬ節や
三、ほらかでぬそれや
四、寝かざせらほど
ふで そ
ちゆ
まげて見しろ
聞きがなりゅめ
露ほどぬ里に 知らしぶさぬ
知らしば知りゅる
知らさだやしが
五、このいき島に 吾が筆染めれば
六、露ほどぬ里や
な
やけうしぬごとに
生きか死にか
七、汝かざまこれぬ 吾かどさげしゅんち
八、やけうしぬごとに 曲げらればまげれ
汝かに曲げられて
28
29
- 30 -