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環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
[生物の多様性の確保及び自然環境の体系的な保全]
7.10 動物
7.10.1 調査
(1) 調査方法
1) 調査項目
動物の調査項目を表7.10.1に示す。
表 7.10.1 動物の調査項目
調査項目
文献その他の資料調査
現地調査
ほ乳類
○
○
鳥類
○
○
両生、は虫類
○
○
昆虫類
○
○
クモ類
○
○
魚類
○
○
底生動物
○
○
陸産貝類
○
○
淡水貝類
○
○
2) 調査地域
調査地域は事業実施範囲の周辺約200mの範囲とした。
3) 調査方法
ア 文献その他の資料調査
事業実施範囲及びその周辺における動物の生息状況について、文献その他の資料を
収集・整理した。
イ 現地調査
(ア) 調査期間
動物の現地調査期間を表7.10.2に示す。
7.10-1
-527-
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
表 7.10.2 動物の現地調査期間
調査項目と方法
【ほ乳類】
調査期間
夏季
平成24年7月26日(木)~27日(金)
目撃法・フィールドサイン法
秋季
平成24年10月4日(木)~5日(金)
トラップ法
冬季
平成25年2月4日(月)~5日(火)
春季
平成25年4月17日(水)~19日(金)
夏季
平成24年7月26日(木)~27日(金)
ラインセンサス法
秋季
平成24年10月4日(木)~5日(金)
任意観察法
冬季
平成25年2月4日(月)~5日(火)
春季
平成25年4月25日(木)
【鳥類】
繁殖期
平成25年6月3日(月)~4日(火)
【両生、は虫類】
夏季
平成24年7月26日(木)~27日(金)
任意観察法
秋季
平成24年10月4日(木)~5日(金)
早春季
平成25年3月27日(水)~28日(木)
春季
平成25年4月17日(水)~19日(金)
夏季
平成24年7月26日(木)~27日(金)
秋季
平成24年10月4日(木)~5日(金)
ベイトトラップ法
早春季
平成25年3月27日(水)~28日(木)
ライトトラップ法
春季
平成25年4月17日(水)~19日(金)
【昆虫類】
任意採集法
初夏季
【クモ類】
平成25年6月4日(火)~5日(水)
夏季
平成24年7月26日(木)~27日(金)
秋季
平成24年10月4日(木)~5日(金)
冬季
平成25年2月4日(月)~5日(火)
【魚類】
夏季
平成24年7月27日(金)
タモ網、カゴ罠、投網等による採集
秋季
平成24年10月5日(金)
春季
平成25年4月18日(木)
夏季
平成24年7月27日(金)
任意採集法
冬季
平成25年2月1日(金)
コドラート法
早春季
平成25年3月28日(木)
任意採集法
【底生動物】
【陸産貝類】
任意採集法
【淡水貝類】
任意採集法
夏季
平成24年7月26日(木)~27日(金)
冬季
平成25年2月1日(金)
夏季
平成24年7月27日(金)
冬季
平成25年2月1日(金)
(イ) 調査地点
現地調査地点を図7.10.1に示す。なお、魚類、底生動物、淡水貝類のW-1の調査地点
については、方法書に記載した地点の水深が深かったため、上流側へ地点を移した。また、
同様に夏季調査時のW-3の調査地点についても水深が深かったため、上流側へ500mほ
ど移動して実施した。詳細は2) 現地調査 カ 魚類 (ア) 生息確認種の項で述べる。
-528-
7.10-2
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
東浦町都市計画図(2 千 5 百分の 1)を基に作成
凡
例
事業実施範囲
調査地域
◎
0m
:動物類トラップ地点(T-1、T-2、T-3)
100
200m
1: 5,000
:鳥類ラインセンサス法ルート(L-1、L-2、L-3)
○
:魚類、底生動物、淡水貝類調査地点(W-1、W-2、W-3)
(夏季の W-3 は、水深が深かったため、上流側へ 500m ほど移動させた)
図 7.10.1 動物類トラップ地点と鳥類ラインセンサスルートの位置及び水生生物調査地点位置
7.10-3
-529-
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
(ウ) 調査方法
各項目の調査方法を表7.10.3に示す。
表 7.10.3 各調査方法の調査手法
ほ乳類
調査項目及び調査方法
目撃法・
フィールドサイン法
トラップ法
鳥類
ラインセンサス法
任意観察法
両生類・は虫類
任意観察法
昆虫類
任意採集法
ライトトラップ法
ベイトトラップ法
クモ類
任意採集法
魚類
投網、タモ網、カゴ罠等に
よる採集
底生動物
任意採集法
環境 等から可能であれば
コドラート法
陸産貝類
任意採集法
淡水貝類
任意採集法
-530-
調査手法
調 査 地 域 内 を広 く踏 査 し、生 体 の目 撃 やフィールドサイン(足 跡 、
糞、死骸、巣、坑道等)により生息種の確認を行った。
3か所 のトラップ地 点に、20個の生 け捕 り式 罠 (シャーマン式 トラッ
プ)と5個 の墜 落 缶 を設 置 し、翌 朝 、捕 獲 されたネズミ類 を回 収 し
た。
早 朝 に3本 のルートを踏 査 して、両 側 50m(片 側 25m)の範 囲 内 に
確認された鳥類の種名、個体数を記録した。
L-1(東側ルート):約650m
L-2(構内ルート):約360m
L-3(南側ルート):約460m
ルートや時 間 等 を定 めず、調 査 地 域 内 を広 く踏 査 して確 認 された
鳥類の種名を記録した。
調 査 地 域 内 を広 く踏 査 し、成 体 や幼 体 等 をタモ網 等 で捕 獲 し、生
息種の確認を行った。
調 査 地 域 内 を広 く踏 査 し、捕虫 網 を用 いたみつけ採り、枝葉 や草
をすくいとるスウィーピング、枝 葉 を叩 いて落 下 させるビーティング
のほか、朽 木 崩 しや石 起 こし等 の方 法 を用 いて昆 虫 類 を採 集 し
た。また、外 見 や鳴 き声 等 により現 地 で同 定 が可 能 な種 について
は、その場で種名を記録した。
ほ乳類と同 じ3か所のトラップ地点に、ボックス型ライトトラップを各
1基 設置 し、1晩 放置 した後、光 に誘 引 されて捕獲 された昆 虫 類を
回収した。
光源は6Wのブラックライトを用いた。
ほ乳類と同じ3か所 のトラップ地点に、誘引餌(ベイト)を入れたプラ
スチックコップを口が地面と水平になるように各地点20個埋設し、1
晩放置した後、落下した昆虫類を回収した。誘引餌は乳酸菌飲料
とビールの混合液とした。
調 査 地 域 内 を広 く踏 査 し、捕虫 網 を用 いたみつけ採り、枝葉 や草
をすくい とるスウィ ーピング、 枝 葉 を 叩 いて落 下 さ せるビー ティン
グ、石起こし等の方法を用いて採集した。
3か所の調査地点の環境に応じて、投網、タモ網、カゴ罠のいずれ
かもしくは複数の手法を用いて、魚類を採集した。
W-1(五ヶ村川)、W-2(大府江川)、W-3(石ヶ瀬川)
魚類 と同 じ3か所の調査 地 点 でタモ網やサーバーネットを用 いて、
底生動物を採集した。
W-1とW-2では任 意 採 集 法 を、W-3ではコドラート法 を用 いて採
集した。
コドラート法は、河床に一 辺50cmの方形枠 を沈め、その枠 内の河
床 を撹 拌 し、流 出 した底 生 動 物類 を下 流に設置 したサーバーネッ
トで受けて採集した。
調査地域内を広く踏査し、木本類等の葉上や幹、石や倒木の下、
石垣等に生息する陸産貝類を採集した。
魚 類 と同 じ3か所の調 査 地 点でタモ網 を用 いて淡 水 貝 類を採 集 し
た。
7.10-4
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
(2) 調査の結果
1) 文献その他の資料調査
文献その他の資料調査による動物の調査結果は、「3.2.8 動植物の生息又は生育、植
生及び生態系の状況」における「(1)動物」に示すとおりである。
2) 現地調査
ア ほ乳類
(ア) 生息確認種
現地調査では、4目5科5種のほ乳類が確認された。確認種の一覧を表7.10.4に示す。
確認場所別では、事業実施範囲内で確認されたのはニホンモグラ属の一種のみで、そ
の他の種はニホンモグラ属の一種を含め、いずれも事業実施範囲外で確認された。
調査時期別では、秋季の4種が最も多く、その他の季節では確認種は異なるもののそれ
ぞれ2種が確認されたのみであった。
表 7.10.4 ほ乳類の確認種一覧
No.
1
2
3
4
5
-
目名
科名
モグラ
コウモリ
ネズミ
モグラ
ヒナコウモリ
ネズミ
ヌートリア
イタチ
5科
ネコ
4目
種名
ニホンモグラ属の一種
イエコウモリ
カヤネズミ
ヌートリア
イタチ属の一種
学名
Mogera sp.
Pipistrellus abramus
Micromys minutus
Myocastor coypus
Mustela sp.
5種
事業実施
範囲
内
外
○
○
○
○
○
○
1種 5種
調査時期
夏季
●
秋季 冬季 春季
●
●
●
●
●
2種
●
●
4種
●
2種
●
2種
注)1. 種名、学名及び配列は「日本産哺乳類頭骨図説」(平成 12 年 北海道大学図書刊行会、阿部 永)に従った。
2. 種が確定できない場合は「~の一種」と示し、合計種数に計数した。
(イ) 重要な種
現地調査で確認されたほ乳類のうち、重要な種に該当するものとしては、カヤネズミが挙
げられる。その選定根拠を表7.10.5に、選定された種の一覧を表7.10.6に、現地調査によ
る確認状況と一般的な生態等を表7.10.7に示す。なお、重要種保護の観点から確認位置
は記載していない。
7.10-5
-531-
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
表 7.10.5 重要な種の選定根拠
法令、文献等
選定根拠
法 令 による 指 定
①
「文化財保護法」(昭和25年5月30日 法律第214号)
②
「愛知県文化財保護条例」(昭和30年4月1日 愛知県条例第6号)
「大府市文化財保護条例」(昭和45年9月1日 大府市条例第56号)
「東浦町文化財保護条例」(昭和53年3月24日 東浦町条例第12号)
「刈谷市文化財保護条例」(昭和53年10月2日 刈谷市条例第31号)
③
④
「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」
(平成4年6月5日 法律第75号)
⑤
「自然環境の保全及び緑化及び推進に関する条例」
(昭和48年3月30日 愛知県条例第3号)
・特別天然記念物
・国指定天然記念物
・県指定天然記念物
・市指定天然記念物
・町指定天然記念物
・市指定天然記念物
・国内希少野生動植物種
・国際希少野生動植物種
・特定国内希少野生動植物種
・緊急指定種
・指定希少野生動植物種
⑦
「愛知県の絶滅のおそれのある野生生物
レッドデータブックあいち2009-動物編-」
(平成21年3月 愛知県)
文 献 による 指 定
⑥
「環境省第4次レッドリスト」
哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類、貝類
(平成24年8月28日 環境省)
汽水・淡水魚類(平成25年2月1日 環境省)
・絶滅(EX)
・野生絶滅(EW)
・絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
・絶滅危惧ⅠA類(CR)
・絶滅危惧ⅠB類(EN)
・絶滅危惧Ⅱ類(VU)
・準絶滅危惧(NT)
・情報不足(DD)
・地域個体群(LP)
・絶滅(EX)
・野生絶滅(EW)
・絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
・絶滅危惧ⅠA類(CR)
・絶滅危惧ⅠB類(EN)
・絶滅危惧Ⅱ類(VU)
・準絶滅危惧(NT)
・情報不足(DD)
・地域個体群(LP)
表 7.10.6 ほ乳類の重要な種の確認種一覧
重要種の選定根拠
No.
目名
科名
種名
1
ネズミ
カヤネズミ
カヤネズミ
-
1目
1科
1種
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
VU
0種
0種
0種
0種
0種
0種
1種
注) 重要種の選定根拠の丸囲み数字と記号は表 7.10.5 に対応している。
表 7.10.7 ほ乳類の重要な種の確認状況
種名
カヤネズミ
夏季
確認時期と確認状況
目 撃 法 ・フィールドサイン法 によ
り、調 査 地 域 内 の2か所 の草 地
で、それぞれ1個 の球 巣 が確 認 さ
れた。
生態的な特性
低地から標高1,200m付近までの山地に分布するが、低地の草
地 に多 く、森 林 内 にはみられない。春 から秋 にかけてイネ科 草
本 の葉 を細 切 りしたものを編 み上 げた球 巣 をつくり、産 仔 や育
仔を球巣中で行う。冬季は地下の坑道にすむ。
注 ) 生 態 的 な特 性は「愛知 県の絶 滅 のおそれのある野 生 生物 レッドデータブックあいち2009-動 物 編-」(平 成21年 3月
愛知県)をもとに記載した。
-532-
7.10-6
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
イ 鳥類
(ア) 生息確認種
現地調査では、11目26科56種の鳥類が確認された。確認種一覧を表7.10.8に示す。
確認場所別では、事業実施範囲内で27種、事業実施範囲外で55種が確認された。確
認種数に倍近い差がみられるが、事業実施範囲外には事業実施範囲内にはみられない
石ヶ瀬川や水田等の水環境があり、そこで水鳥や水辺の鳥が多く確認されたことが要因と
なっている。
調査時期別の確認種数は、春季の41種が最も多く、次いで冬季36種、繁殖期31種、秋
季29種、夏季28種となっていた。
7.10-7
-533-
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
表 7.10.8 鳥類の確認種一覧
No.
目名
科名
種名
学名
渡り区分
事業
実施範囲
内
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
-
カイツブリ
ペリカン
コウノトリ
カイツブリ
ウ
サギ
カモ
タカ
カモ
タカ
キジ
ツル
ハヤブサ
キジ
クイナ
チドリ
チドリ
シギ
カモメ
ハト
ハト
ブッポウソウ カワセミ
スズメ
ヒバリ
ツバメ
セキレイ
ヒヨドリ
モズ
ヒタキ
シジュウカラ
メジロ
ホオジロ
アトリ
ハタオリドリ
ムクドリ
カラス
11目
26科
カイツブリ
カワウ
ゴイサギ
アマサギ
ダイサギ
チュウサギ
コサギ
アオサギ
カルガモ
オオタカ
ノスリ
チョウゲンボウ
キジ
ヒクイナ
バン
コチドリ
イカルチドリ
ケリ
クサシギ
イソシギ
ヤマシギ
タシギ
ユリカモメ
コアジサシ
ドバト
キジバト
カワセミ
ヒバリ
ショウドウツバメ
ツバメ
キセキレイ
ハクセキレイ
セグロセキレイ
タヒバリ
ヒヨドリ
モズ
ジョウビタキ
シロハラ
ツグミ
ウグイス
オオヨシキリ
セッカ
シジュウカラ
メジロ
ホオジロ
ホオアカ
カシラダカ
アオジ
オオジュリン
カワラヒワ
ベニマシコ
シメ
スズメ
ムクドリ
ハシボソガラス
ハシブトガラス
Podiceps ruficollis
Phalacrocorax carbo
Nycticorax nycticorax
Bubulcus ibis
Egretta alba
Egretta intermedia
Egretta garzetta
Ardea cinerea
Anas poecilorhyncha
Accipiter gentilis
Buteo buteo
Falco tinnunculus
Phasianus colchicus
Porzana fusca
Gallinula chloropus
Charadrius dubius
Charadrius placidus
Microsarcops cinereus
Tringa ochropus
Tringa hypoleucos
Scolopax rusticola
Gallinago gallinago
Larus ridibundus
Sterna albifrons
Columba livia
Streptopelia orientalis
Alcedo atthis
Alauda arvensis
Riparia riparia
Hirundo rustica
Motacilla cinerea
Motacilla alba
Motacilla grandis
Anthus spinoletta
Hypsipetes amaurotis
Lanius bucephalus
Phoenicurus auroreus
Turdus pallidus
Turdus naumanni
Cettia diphone
Acrocephalus arundinaceus
Cisticola juncidis
Parus major
Zosterops japonica
Emberiza cioides
Emberiza fucata
Emberiza rustica
Emberiza spodocephala
Emberiza schoeniclus
Carduelis sinica
Uragus sibiricus
Coccothraustes coccothraustes
Passer montanus
Sturnus cineraceus
Corvus corone
Corvus macrorhynchos
留鳥
留鳥
留鳥
夏鳥
夏鳥・冬鳥
夏鳥
留鳥
留鳥
留鳥
留鳥・冬鳥
冬鳥・留鳥
冬鳥・留鳥
留鳥
夏鳥・留鳥
夏鳥・留鳥
夏鳥・留鳥
留鳥
留鳥
冬鳥・旅鳥
留鳥
冬鳥
冬鳥・旅鳥
冬鳥
夏鳥
留鳥
留鳥
留鳥
留鳥・漂鳥・冬鳥
旅鳥
夏鳥(冬鳥)
留鳥・漂鳥
冬鳥・留鳥
留鳥
冬鳥
留鳥・旅鳥
留鳥・漂鳥
冬鳥
冬鳥
冬鳥
留鳥・漂鳥
夏鳥
留鳥・夏鳥
留鳥・漂鳥
留鳥・漂鳥
留鳥・漂鳥
漂鳥・冬鳥
冬鳥
冬鳥
冬鳥
留鳥・冬鳥
冬鳥
冬鳥
留鳥
留鳥・漂鳥・旅鳥
留鳥
留鳥
種数合計
個体数合計
56種
○
○
○
○
○
○
○
調査時期
外 夏季 秋季 冬季 春季 繁殖
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
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●
●
●
●
●
●
●
●
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●
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●
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●
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●
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●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
○
○
○
○
○ ○
○ ○
○ ○
○ ○
○
○ ○
○
○ ○
○ ○
○
○ ○
○
○
○ ○
○ ○
○ ○
○
○
○ ○
○ ○
○
○
○
○ ○
○
○ ○
○
○
○ ○
○ ○
○ ○
○ ○
27種 55種
-
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
28種
●
●
●
●
29種
●
●
●
●
●
●
●
36種
-
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
41種
●
●
●
●
31種
注)1. 種名、学名及び配列は「日本産野生生物目録」(平成 5 年 環境庁)に従った。
2. 渡り区分は「愛知の野鳥 2006」(平成 19 年 愛知県)に従った。
3. 事業実施範囲内は、事業実施範囲内で実施したラインセンサス(L-2)と任意観察の結果を、また、事業実施範囲
外は、事業実施範囲外で実施したラインセンサス(L-1、L-3)と任意観察の結果を表す。
-534-
7.10-8
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
(イ) 調査方法別の確認状況
調査方法別の調査結果を表7.10.9に示す。
ラインセンサス法による確認種数は、47種1291個体の鳥類が確認され、その内訳はL-1
が40種568個体、L-2が21種264個体、L-3が36種459個体であった。事業実施範囲内の
L-2が他のルートに比べ種数、個体数共に少なかった。
L-1では水田等の耕作地で休息や採餌をするサギ類、シギ・チドリ類等が、耕作放棄地
の草地でオオヨシキリ、セッカ、ホオジロ等が確認されたほか、畑から飛び立つチョウゲンボ
ウも確認された。確認種の中で個体数が多かったのはヒヨドリ(30.6個体/ha)、スズメ(26.9
個体/ha)、ドバト(24.1個体/ha)、ハシボソガラス(21.3個体/ha)、カワウ(20.0個体/ha)等
であった。
L-2では植栽木等でキジバト、ヒヨドリ、ツグミ、メジロ、カワラヒワが確認されたほか、建物
の隙間等で営巣するスズメやツバメも確認された。また西側の雑種地周辺ではキジ、コチド
リ、ヒバリ等も確認された。確認種の中で個体数が多かったのはドバト(62.2個体/ha)とスズ
メ(38.3個体/ha)で、建物の屋上等にとまる群れが確認された。なお建物の屋上ではドバト
を狙って飛来したと思われるオオタカのとまりも確認された。
L-3では石ヶ瀬川や河川敷でカイツブリ、サギ類、カルガモ、キジ、イカルチドリ、シギ類、
アオジ等が、堤内地の水田耕作地でツグミ、セッカ、ヒクイナ等が確認されたほか、上空を
飛翔するノスリも確認された。確認種の中で個体数が多かったのはドバト(53.9個体/ha)と
カルガモ(20.0個体/ha)であった。
任意観察法では、55種の鳥類が確認された。この中で任意観察法でのみ確認された種
は、バン、ヤマシギ、ユリカモメ、ショウドウツバメ、タヒバリ、ジョウビタキ、シロハラ、ホオアカ、
オオジュリンの9種であった。バンとユリカモメは石ヶ瀬川で、タヒバリ、ジョウビタキ、シロハラ、
ホオアカ、オオジュリンは、石ヶ瀬川堤防や放棄耕作地の草地や樹林地で確認された。ヤ
マシギとショウドウツバメは上空を飛翔するのが確認された。
7.10-9
-535-
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
表 7.10.9 鳥類の調査方法別確認状況
No.
目名
科名
種名
L-1
個体数
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
-
カイツブリ
ペリカン
コウノトリ
カイツブリ
ウ
サギ
カモ
タカ
カモ
タカ
キジ
ツル
ハヤブサ
キジ
クイナ
チドリ
チドリ
シギ
カモメ
ハト
ハト
ブッポウソウ カワセミ
スズメ
ヒバリ
ツバメ
セキレイ
ヒヨドリ
モズ
ヒタキ
シジュウカラ
メジロ
ホオジロ
アトリ
ハタオリドリ
ムクドリ
カラス
11目
26科
ライン
センサス法
L-2
カイツブリ
カワウ
ゴイサギ
アマサギ
ダイサギ
チュウサギ
コサギ
アオサギ
カルガモ
オオタカ
ノスリ
チョウゲンボウ
キジ
ヒクイナ
バン
コチドリ
イカルチドリ
ケリ
クサシギ
イソシギ
ヤマシギ
タシギ
ユリカモメ
コアジサシ
ドバト
キジバト
カワセミ
ヒバリ
ショウドウツバメ
ツバメ
キセキレイ
ハクセキレイ
セグロセキレイ
タヒバリ
ヒヨドリ
モズ
ジョウビタキ
シロハラ
ツグミ
ウグイス
オオヨシキリ
セッカ
シジュウカラ
メジロ
ホオジロ
ホオアカ
カシラダカ
アオジ
オオジュリン
カワラヒワ
ベニマシコ
シメ
スズメ
ムクドリ
ハシボソガラス
ハシブトガラス
56種
密度
64 20.0
4 1.3
個体数
密度
10
5.6
1
18
0.4
7.8
1
0.6
2
2
1
1.1
1.1
0.6
4
1
1
4
2
1.3
0.3
0.3
1.3
0.6
1
4
0.3
1.3
1
3
0.9
7
7
1
1
2.2
0.3
0.3
1
0.3
2 0.6
77 24.1
31 9.7
2 0.6
5 1.6
5
3
11
10
L-3
密度
個体数
6 2.6
3 1.3
3 1.3
2 0.9
3 1.3
46 20.0
1
0.4
0.6
6
1
2.6
0.4
3.9
9
1
6
3
4
3.9
0.4
2.6
1.3
1.7
112 62.2
5 2.8
1 0.6
1 0.6
1 0.4
124 53.9
2 0.9
3 1.3
3 1.3
1.6
0.9
3.4
3.1
4
2.2
10
4.3
4
2.2
17
7.4
98 30.6
7 2.2
3
1.7
35 15.2
2 0.9
10
2
1
3
3.1
0.6
0.3
0.9
2
1.1
4
4
1.3
1.3
10
8
5
2.5
1.6
6 1.9
1 0.3
1 0.3
86 26.9
9 2.8
68 21.3
11 3.4
40種
568個体
5
4
1.7
2
3
1
0.9
1.3
0.4
6
2.6
7
3.0
5
2.2
5.6
2.8
69 38.3
8 4.4
7 3.9
9 5.0
21種
264個体
47種
1291個体
38 16.5
43 18.7
21 9.1
19 8.3
36種
459個体
任意
観察
法
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
55種
-
-
-
注)1. 種名、学名及び配列は「日本産野生生物目録」(平成 5 年 環境庁)に従った。
2. ラインセンサス法の数値は年計の個体数。
3. ラインセンサスの密度は、個体数を各ラインセンサススルートの観察範囲面積(ルート
距離m×幅 50m)で除して、1ha あたりの観察個体数を算出した。各ルートの観察
面積を以下に示す。
L-1:ルート距離 650m(3.2ha)、L-2:ルート距離 360m(1.8ha)、
L-3:ルート距離 460m(2.3ha)
-536-
7.10-10
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
(ウ) 重要な種
現地調査で確認された鳥類のうち、重要な種に該当するものとしては、チュウサギ、オオ
タカ、ヒクイナ、イカルチドリ、ケリ、ヤマシギ、コアジサシ、ホオアカの8種が挙げられる。これ
らの選定根拠を表7.10.5(ほ乳類の項)に、選定された種の一覧を表7.10.10に、現地調査
による確認状況と一般的な生態等を表7.10.11(1)~(2)に示す。なお、重要種保護の観点
から確認位置は記載していない。
表 7.10.10 鳥類の重要な種の確認種一覧
No.
目名
科名
1
2
3
4
5
6
7
8
-
コウノトリ
タカ
ツル
サギ
タカ
クイナ
チドリ
チドリ
スズメ
5目
シギ
カモメ
ホオジロ
7科
種名
チュウサギ
オオタカ
ヒクイナ
イカルチドリ
ケリ
ヤマシギ
コアジサシ
ホオアカ
8種
重要種の選定根拠
②
③
④
⑤
⑥
NT
国内
NT
NT
①
⑦
NT
VU
VU
DD
VU
0種
0種
0種
1種
0種
5種
NT
NT
VU
6種
注) 重要種の選定根拠の丸囲み数字と記号等は表 7.10.5 に対応している。
表 7.10.11(1)
種名
チュウサギ
夏季
春季
繁殖
オオタカ
夏季
秋季
鳥類の重要な種の確認状況
確認時期と確認状況
ラインセンサス法のL-3で、河川の上空を北へ
向かって飛翔する1個体が確認された。
任意観察法により、河川の上空を北へ飛翔す
る2個体 と、南 へ飛 翔する2個 体が確 認 された
ほか、河 川 敷 の立 木 にとまっている3個 体 と、
水田内で1個体が確認された。
任 意 観 察 法 により、河 川 上 空 を上 流 へ飛 翔
する1 個 体 と、2 か所 の耕 作 地 で休 息 中 の個
体がそれぞれ1個体確認された。
ラインセンサス法のL-1の水田で採餌中の1個
体と、L-3で河川 上空 を南 へ飛翔 する1個 体、
水田で採 餌中の1個体が確認 された。任意 観
察 法 により、水 田 で採 餌 中 の2個 体 と休 息 中
の1個体が確認された。
任 意 観 察 法 により、事 業 実 施 範 囲 外 の水 田
上 空 を西 へ飛 翔 する1個 体 (年 齢 は若 鳥 で性
別は不明)が確認された。
ラインセンサス法 のL-2で、事 業 実 施 範 囲 内
にある避雷針から飛び立って南南西へ向かっ
て飛 翔 する1個 体 が確 認 されたほか、任 意 観
察 法 で、事 業 実 施 範 囲 の東 側 を南 へ飛 翔 す
る1個体 と、事業 実施 範囲 北 側の上 空を北東
へ飛翔する1個体が確認された。
確認された個体は、いずれも雌の幼鳥で同一
個体と考えられた。
7.10-11
生態的な特性
主に夏鳥として本州以南に渡来する。湿地や草地
で魚 類 、カエル類 、昆 虫 類 、甲 殻 類 等 を捕 食 す
る。
アカマツ等 の営 巣 に適 した高 木 を含 む森 林 と、農
地 等 の開 けた場 所 がパッチ状 に存 在 する環 境 等
に生息し、主に鳥類、時に小型の哺乳類を捕食す
る。非 繁 殖 期 には雄 がテリトリーに残 り雌 は移 動
するものと思われ、冬季に海岸部や河畔林等に生
息するものの大半は雌または幼鳥である。
-537-
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
表 7.10.11(2)
種名
ヒクイナ
繁殖
イカルチドリ
秋季
冬季
ケリ
夏季
冬季
春季
繁殖
ヤマシギ
春季
コアジサシ
春季
繁殖
ホオアカ
春季
鳥類の重要な種の確認状況
確認時期と確認状況
ラインセンサス法 のL-3で、水 田 で1 個
体が確 認 されたほか、任意 観 察法 でも
その付 近 の水 田 で1個 体 が確 認 され
た。
ラインセンサス法のL-3で、河川の水辺
で休 息 中 の1個 体 が確 認 されたほか、
任意観察 法でも河川の水 辺 でイソシギ
に混 じって休 息 中 の1個 体 が確 認 され
た。
任意観察法で、河川内の砂 州の2か所
で計2個体が確認された。
ラ イ ン セ ン サ ス 法 の L-1 で 河 川 上 空 を
東へ飛翔する1個体と、L-3で河川上空
を北 北 東 へ飛 翔 する2個 体 が確 認 され
た。
任 意 観 察 法 で、河 川 の堤 防上 で4個
体、水田で3個体が確認された。また東
部 知 多 クリーンセンターの東 側 で、上
空を飛翔する3個体 と2個体のほか、水
田で2個体が確認された。
ラインセンサス法 のL-1で事 業 実 施 範
囲 東 側 の水 田 で2 個 体 、 L-3 の上 空 を
北へ飛翔する2個体が確認された。
ラインセンサス法 のL-1で水田の1か所
で4 個 体 、L-3 で水 田 の1 か所 で2個 体
が確 認 されたほか、任 意 観 察 法 によ
り、水 田 の1か所 で2個 体 が確 認 され
た。
任 意 観 察 法 により、事 業 実 施 範 囲 西
側の上空を北西へ飛翔する1個体が確
認された。
ラインセンサス法のL-1で、事業実施範
囲東側の水田上空を西へ飛翔する2個
体が確認された。
ラインセンサス法 により、L-3で河 川 上
空 を飛 翔 する2個 体 が、任 意 観 察 法 で
河 川 上 空 を飛 翔 する1個 体が確 認 され
た。
任 意 観 察 法 により、堤 防 の草 地 で1個
体が確認された。
生態的な特性
夏 季 に平 地 から低 山 地 の休 耕 田 や湿 田 、河 川 や池 沼
の畔 水 田 等 の淡 水 湿 地 に生 息 する。繁 殖 期 は5月 ~9
月で、イネ科の株の中等に営巣する。なわばり性で主に
単独か番いで生活し、水生昆 虫類や軟体動物、水生植
物の若葉等を採食する。
留鳥 として広 く分布 し繁 殖する。北 日 本では繁 殖 後、暖
地 へ移 動 し、春 と秋 の渡 りの時 期 には各 地 の干 潟 、水
田 等 でも記 録 される。大 きな河 川 の安 定 した中 州 や河
原 で繁 殖 する。川 筋 や湿 地 で採 食 し、水 生 昆 虫 類 、ミミ
ズ類等を捕食する。
近 畿 以 東 の本 州 で繁 殖 するが、分 布 は局 地 的 。水 田 、
畑、河原 等で繁 殖する。耕地 や水辺でミミズ類、昆虫類
等を捕食する。
冬季に、主に平野 部から丘 陵 地にかけての雑木 林やそ
の周辺の農耕地等でみられるが、沿岸部の埋立地に作
られた植 生 や干 拓 地 内 の新 しい農 地 等 でも観 察 されて
いる。新しく造成 された公園や工場の緑地等で、造園の
ために施 肥 されたミミズの多 い環 境 を好 むことが知 られ
ている。
愛 知 県 内 には4月 中 旬 頃 に 渡 来 し、夏 季 に、海 岸 、 河
口 、河 川 、内 陸 の湖 沼 等 の水 辺 に生 息 する。沿 岸 部 の
造 成 地 、畑 地 、河 川 の中 州 等 でコロニーを形 成 し繁 殖
する。
夏季に高原や牧場等、山間部の開けた草地に生息し繁
殖する。愛知県内では1980年代までは豊田市の三河高
原や茶臼山の牧 場等で繁殖 期に観察されていた。冬 季
には平野部の農耕地等に生息する。
注) 生態的な特性は以下の文献をもとにした。
「日本動物大百科3」(平成8年 平凡社)
「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物」(平成14年 環境省)
「愛知県の絶滅のおそれのある野生生物レッドデータブックあいち2009-動物編-」(平成21年3月 愛知県)
-538-
7.10-12
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
ウ 両生類・は虫類
(ア) 生息確認種
現地調査では、1目2科4種の両生類及び2目6科7種のは虫類が確認された。両生類の
確認種一覧を表7.10.12に、は虫類の確認種一覧を表7.10.13に示す。
両生類は、確認場所別では、事業実施範囲内で確認されたのはヌマガエルの1種で、そ
の他の種はヌマガエルを含め、事業実施範囲外で確認された。主な確認場所は、調査地
域東側の水田、河川周辺、石ヶ瀬川右岸側の水路や水田近くの草地等であった。
調査時期別では、夏季、秋季、春季に3種が確認された。早春季は平地でみられる一部
のカエル類の産卵時期に当たるが、現地調査では何も確認されなかった。
は虫類は、確認場所別では、いずれも事業実施範囲外で確認された。カメ類は主に五
ヶ村川、石ヶ瀬川、大府江川、大府新川で、トカゲ、カナヘビ類は石ヶ瀬川右岸の草地で
や事業実施範囲西側の樹林地等で、ヘビ類は調査地域北側の路上や、東側の水田、農
道で確認された。
調査時期別の確認種では春季の5種が最も多く、その他の季節には2種から4種であっ
た。
表 7.10.12 両生類の確認種一覧
No.
目名
科名
1 無尾
アマガエル
2 (カエル) アカガエル
3
4
-
1目
2科
種名
ニホンアマガエル
ウシガエル
トノサマガエル
ヌマガエル
学名
Hyla japonica
Rana catesbeiana
Rana nigromaculata
Fejervarya kawamurai
4種
事業実施
範囲
内
外
○
○
○
○
○
1種 4種
調査時期
夏季
●
●
●
3種
秋季 早春 春季
●
●
●
●
●
●
3種
0種 3種
注) 種名、学名及び配列は「日本産爬虫両生類標準和名」(平成 24 年 8 月 27 日改訂案 日本爬虫両棲類学会)に従った。
表 7.10.13 は虫類の確認種一覧
No.
目名
1 カメ
2
3 有鱗
4 (トカゲ)
5
6
7
-
2目
科名
イシガメ
ヌマガメ
トカゲ
カナヘビ
ナミヘビ
クサリヘビ
6科
種名
クサガメ
ミシシッピアカミミガメ
ヒガシニホントカゲ
ニホンカナヘビ
シマヘビ
ヤマカガシ
ニホンマムシ
学名
Mauremys reevesii
Trachemys scripta elegans
Plestiodon finitimus
Takydromus tachydromoides
Elaphe quadrivirgata
Rhabdophis tigrinus
Gloyadius blomhoffii
7種
事業実施
範囲
内
外
○
○
○
○
○
○
○
0種 7種
調査時期
夏季
●
●
●
秋季 早春 春季
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
4種
●
3種
2種
5種
注)1. 種名、学名及び配列は「日本産爬虫両生類標準和名」(平成 24 年 8 月 27 日改訂案 日本爬虫両棲類学会)に従った。
2. ヤマカガシは昆虫類の初夏調査時(6 月)に確認された。
7.10-13
-539-
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
(イ) 重要な種
現地調査で確認された両生類、は虫類のうち、重要な種に該当するものとしてトノサマガ
エルが挙げられる。その選定根拠を表7.10.5に、選定された種の一覧を表7.10.14に、現地
調査による確認状況と一般的な生態等を表7.10.15に示す。なお、重要種保護の観点から
確認位置は記載していない。
表 7.10.14 両生類・は虫類の重要な種の確認種一覧
No.
目名
科名
種名
1
-
無尾
1目
アカガエル
1科
トノサマガエル
1種
①
0種
重要種の選定根拠
②
③
④
⑤
⑥
NT
0種 0種 0種 0種 1種
⑦
0種
注) 重要種の選定根拠の丸囲み数字と記号は表 7.10.5 に対応している。
表 7.10.15 両生類・は虫類の重要な種の確認状況
種名
トノサマガエル
秋季
確認時期と確認状況
任 意 観 察 法 により、調 査 地
域内の草地と水路脇で成体
がそれぞれ1個 体 確 認 され
た。
生態的な特性
本州(関東地方から仙台平野 、信濃川流域を除く)、四国、九州
に分布し、平地から山ぎわにかけての水田、池等に生息し、4~7
月 に水 田 や湿 地 の浅 い止 水 で産 卵 する。水 田 の畔 や近 くの草
むらで生活し、幼体・成体共に動物食で、昆虫類やクモ類等を捕
食する。
注) 生態的な特性は「日本動物大百科5」(平成8年 平凡社)をもとに記載した。
-540-
7.10-14
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
エ 昆虫類
(ア) 生息確認種
現地調査では、14目154科486種の昆虫類が確認された。各目別に見た確認種の概要
を表7.10.16に示す。(全確認種は「資料編6-1 昆虫類の確認種一覧」参照)
確認場所別では、事業実施範囲内で283種、事業実施範囲外で394種が確認された。
事業実施範囲外には範囲内にはみられない環境も多く、そのため範囲外での種数が多く
なった。
調査時期別では、夏季が最も多く232種が確認され、次いで秋季の190種、初夏季の
181種、春季の147種の順で、早春季は90種の昆虫類が確認された。
表 7.10.16 昆虫類の確認種の概要
目名
確認科数確認種数
主な確認種
ヒドムシ
4
4
ムラサキトビムシの一種
カゲロウ
1
1
コカゲロウ科の一種
トンボ
3
10
ゴキブリ
1
1
アジアイトトンボ、クロスジギンヤンマ、シオカラトンボ、ナツアカネ
モリチャバネゴキブリ
オオカマキリ
カマキリ
1
1
12
35
1
2
27
78
1
3
コウチュウ
36
168
ハチ
15
55
セグロカブラハバチ、トビイロシロワアリ、ヒメアリ、ヤマトアシナガバチ
ハエ
31
71
2
3
セスジユスリカ、ウスイロカユスリカ、ショウジョウバエ
コガタシマトビケラ、ヒメトビケラの一種
19
54
バッタ
ハサミムシ
カメムシ
アミメカゲロウ
トビケラ
チョウ
ケラコオロギ、スズムシ、カネタタキ、ヒメオンブバッタ、ツチイナゴ
キアシハサミムシ、ヒゲジロハサミムシ
クマゼミ、マダラヨコバイ、クロホシカメムシ、マルカメムシ
ヨツボシクサカゲロウ、ヤマトクサカゲロウ、オオマダラクサカゲロウ
ミカワオサムシ、マメコガネ、チビゲンゴロウ、ヒメサビキコリ、ナナホシテントウ
ヒマラヤスギキバガ、シバツトガ、オオシラナミアツバ
14 目 154 科 486 種
(イ) 重要な種
現地調査で確認された昆虫類のうち、重要な種に該当するものとしてヤマトアシナガバ
チが挙げられる。その選定根拠を表7.10.5に、選定された種の一覧を表7.10.17に、現地調
査による確認状況と一般的な生態等を表7.10.18に示す。なお、重要種保護の観点から確
認位置は記載していない。
表 7.10.17 昆虫類の重要な種の確認種一覧
No.
目名
科名
種名
1
-
ハチ
1目
スズメバチ
1科
ヤマトアシナガハチ
1種
①
0種
重要種の選定根拠
③
④
⑤
⑥
DD
0種 0種 0種 0種 1種
②
⑦
0種
注) 重要種の選定根拠の丸囲み数字と記号は表 7.10.5 に対応している。
表 7.10.18 昆虫類の重要な種の確認状況
種名
ヤマトアシナガバチ
夏季
確認時期と確認状況
任意採集法により、水田
脇で1個体が確認され
た。
生態的な特性
本 州 、四 国 、九 州 に分 布 し、海 岸 線 から標 高 700mまでに生 息
する。家屋の軒下や草木の枝、石垣等に営巣する。巣を刺激し
てもあまり攻撃性はない。東日本では生息密度が低い。
注) 生態的な特性は「日本の真社会性ハチ」(平成17年 信濃毎日新聞社)をもとに記載した。
7.10-15
-541-
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
オ クモ類
(ア) 生息確認種
現地調査では、19科65種のクモ類が確認された。確認種の一覧を表7.10.19に示す。
確認場所別では、事業実施範囲内と事業実施範囲外で共に43種が確認され、種構成
にも大きな違いはみられなかった。
樹間や草間等に巣を張る造網性の種としては、ヒメグモ科、サラグモ科、アシナガグモ科、
ジョロウグモ科、コガネグモ科等に含まれるものが確認された。
樹幹や地上、草上等を徘徊して獲物を狩る徘徊性の種としてはコモリグモ科、キシダグ
モ科、カニグモ科、ハエトリグモ科等に含まれるものが確認された。
調査時期別の確認種では夏季が43種、秋季が30種、冬季が19種であった。
(イ) 重要な種
現地調査で確認されたクモ類のうち、重要な種に該当するものはみられなかった。
-542-
7.10-16
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
表 7.10.19 クモ類の確認種一覧
No.
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
64
65
-
科名
ウズグモ
ヒメグモ
サラグモ
アシナガグモ
ジョロウグモ
コガネグモ
コモリグモ
キシダグモ
ササグモ
シボグモ
タナグモ
ガケジグモ
ツチフクログモ
フクログモ
ネコグモ
ワシグモ
エビグモ
カニグモ
ハエトリグモ
19科
種名
学名
マネキグモ
シロカネイソウロウグモ
チリイソウロウグモ
ハイイロヒメグモ
オオヒメグモ
オオオヒメグモ属の一種
ハンゲツオスナキグモ
ナナホシヒメグモ
ヒメグモ科の一種
テナガグモ
マルムネヒザグモ
ノコギリヒザグモ
セスジアカムネグモ
チュウガタシロカネグモ
トガリアシナガグモ
アシナガグモ
ウロコアシナガグモ
アシナガグモ属の一種
アシナガグモ科の一種
ジョロウグモ
ヤエンオニグモ
ナガコガネグモ
ドヨウオニグモ
ヤマシロオニグモ
サツマノミダマシ
ショウジョウグモ属の一種
コガネグモ科の数種
ハラクロコモリグモ
ウヅキコモリグモ
ハリゲコモリグモ
キクヅキコモリグモ
ナガズキンコモリグモ
イオウイロハシリグモ
アズマキシダグモ
ササグモ
ササグモ科の数種
シボグモ
タナグモ科の一種
ガケジグモ科の一種
ヤマトコマチグモ
コマチグモ属の一種
ヒメフクログモ
フクログモ属の一種
ウラシマグモ属の一種
ネコグモ科の一種
メキリグモ
クロケムリグモ
ワシグモ科の一種
エビグモ属の一種
ヤドカリグモ
ハナグモ
アズチグモ
ホンクロボシカニグモ
チシマカニグモ
ゾウシキカニグモ
カニグモ属の一種
マミジロハエトリ
マミクロハエトリ
オオハエトリグモ属の一種
オスクロハエトリ
シナノヤハズハエトリ
アリグモ
ミスジハエトリ
シラホシコゲチャハエトリ
ハエトリグモ科の一種
Miagrammopes orientalis
Argyrodes bonadea
Argyrodes kumadai
Paidiscura subpallens
Parasteatoda tepidariorum
Parasteatoda sp.
Steatoda cingulata
Steatoda erigoniformis
Theridiidae gen. sp.
Bathyphantes gracilis
Erigone edentata
Erigone prominens
Ummeliata insecticeps
Leucauge blanda
Tetragnatha caudicula
Tetragnatha praedonia
Tetragnatha squamata
Tetragnatha sp.
Tetragnathidae gen. sp.
Nephila clavata
Araneus macacus
Argiope bruennichi
Neoscona adianta
Neoscona scylla
Neoscona scylloides
Singa sp.
Araneidae gen. spp.
Lycosa coelestis
Pardosa astrigera
Pardosa laura
Pardosa pseudoannulata
Trochosa aquatica
Dolomedes sulfureus
Pisaura lama
Oxyopes sertatus
Oxyopidae gen. spp.
Anahita fauna
Agelenidae gen. sp.
Amaurobiidae gen. sp.
Cheiracanthium lascivum
Cheiracanthium sp.
Clubiona kurilensis
Clubiona sp.
Phrurolithus sp.
Corinnidae gen. sp.
Gnaphosa kompirensis
Zelotes tortuosus
Gnaphosidae gen. sp.
Philodromus sp.
Thanatus miniaceus
Ebrechtella tricuspidata
Thomisus labefactus
Xysticus atrimaculatus
Xysticus kurilensis
Xysticus saganus
Xysticus sp.
Evarcha albaria
Evarcha fasciata
Marpissa sp.
Mendoza canestrinii
Mendoza pulchra
Myrmarachne japonica
Plexippus setipes
Sitticus penicillatus
Salticidae gen. sp.
65種
事業実施
調査時期
範囲
内
外 夏季 秋季 冬季
○
●
○
● ●
○
●
○
●
○
●
○
●
○
●
○
●
○
○
● ● ●
○
●
○
●
○
●
○
●
○
○
● ●
○
●
○
● ● ●
○
●
○
○
● ●
○
●
○
○
● ●
○
●
○
○
● ●
○
○
● ●
○
●
○
● ●
○
●
○
○
●
○
○
● ● ●
○
○
● ● ●
○
○
● ● ●
○
●
○
●
○
○
● ●
○
●
○
○
● ● ●
○
●
○
○
● ● ●
○
●
○
○
●
○
●
○
●
○
●
○
●
○
●
○
○
●
○
○
●
○
● ●
○
○
● ● ●
○
●
○
○
●
○
○
● ●
○
●
○
●
○
●
○
○
●
○
●
○
●
○
●
○
○
●
○
●
○
●
○
● ●
○
●
○
●
○
●
43種 43種 43種 30種 19種
注)1. 種名、学名及び配列は「日本産クモ類目録」(平成 24 年 谷川明男)に従った。
2. 種が確定できない場合は「~の一種」と示し、合計種数に計数した。
7.10-17
-543-
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
カ 魚類
(ア) 生息確認種
現地調査では、5目6科13種の魚類が確認された。確認種の一覧を表7.10.20に示す。
調査地点別の確認種数では、W-3(石ヶ瀬川)が最も多く、次いでW-1(五ヶ村川)、W
-2(大府江川)の順であった。各地点に共通して確認されたモツゴとカダヤシは、汚濁等へ
の適応力が高く、都市河川や公園の池等でもみられる種である。W-1では、用水路等でも
みられるタイリクバラタナゴのほか、ゴクラクハゼが確認され、W-3では淡水魚のコイ、カマツ
カのほか、回遊魚(成長段階で川と海を往復する魚)のアユ、ヌマチチブ、チチブに加え、
海水魚のボラも確認された。
調査時期別では、夏季に3種、秋季に9種、春季に10種が確認された。なお、夏季に種
数が少ないのは、W-3(石ヶ瀬川)下流のゴム引布製起伏堰(ラバー堰)が起立し、川が堰
き止められていたことが要因であると考えられる。秋季、春季には堰は倒伏し、河口側から
多くの魚類が進入してきていた。夏季は上記理由により水深が深かったため、調査地点を
上流側へ500mほど移して実施した。また、W-1の調査地点は予定していた調査地点(方
法書に記載)では、水深が1m以上と深かったため、水深が50cm程度の上流側の場所を
調査地点とした。
表 7.10.20 魚類の確認種一覧
No.
目名
科名
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
-
ウナギ
コイ
ウナギ
コイ
種名
ニホンウナギ
コイ
フナ属の一種
タイリクバラタナゴ
モツゴ
カマツカ
スゴモロコ類
サケ
アユ
アユ
カダヤシ カダヤシ カダヤシ
スズキ ボラ
ボラ
ハゼ
ゴクラクハゼ
ヌマチチブ
チチブ
5目
6科
学名
Anguilla japonica
Cyprinus carpio
Carassius sp.
Rhodeus ocellatus ocellatus
Pseudorasbora parva
Pseudogobio esocinus esocinus
Squalidus chankaensis (subsp. unident.)
Plecoglossus altivelis altivelis
Gambusia affinis
Mugil cephalus cephalus
Rhinogobius giurinus
Tridentiger brevispinis
Tridentiger obscurus
13種
調査地点
調査時期
W-1 W-2 W-3 夏季 秋季 春季
●
○
●
○
●
○
●
○
○
○
●
●
●
○
●
●
○
●
●
○
●
○
○
○
●
●
●
○
●
●
●
○
●
○
●
○
●
●
-
-
- 3種 9種 10種
注)1. 種名及び配列は「平成 24 年度 河川水辺の国勢調査ための生物リスト」(国土交通省)に従った。
2. 種が確定できない場合は「~の一種」と示し、合計種数に計数した。
3. ニホンウナギの確認位置は重要種保護の観点から記載していない。
(イ) 重要な種
現地調査で確認された魚類のうち、重要な種に該当するものとしては、ニホンウナギが挙
げられる。その選定根拠を表7.10.5に、選定された種の一覧を表7.10.21に、現地調査によ
る確認状況と一般的な生態等を表7.10.22に示す。なお、重要種保護の観点から確認位
置は記載していない。
-544-
7.10-18
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
表 7.10.21 魚類の重要な種の確認種一覧
No.
目名
科名
種名
1
-
ウナギ
1目
ウナギ
1科
ニホンウナギ
1種
①
0種
重要種の選定根拠
③
④
⑤
⑥
EN
0種 0種 0種 0種 1種
②
⑦
0種
注) 重要種の選定根拠の丸囲み数字と記号は表 7.10.5 に対応している。
表 7.10.22 魚類の重要な種の確認状況
確認時期と確認状況
生態的な特性
河 川 内 で、タモ網 により1個 体 が 主 に河 川 の中 ・下 流 域 や河 口 域 、湖 に生 息 するが、時 には
捕 獲 された。捕 獲 個 体 は確 認 後 河川 の上 流 域、内湾 等でもみられる。日本でのシラスウナギ
放流した。
の遡上期は10~6月で、最盛期は1~3月。
注) 生態的な特性は「改訂版 日本の淡水魚」(平成13年 山と渓谷社)をもとに記載した。
種名
ニホンウナギ
春季
7.10-19
-545-
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
キ 底生動物
(ア) 生息確認種
現地調査により、12目18科30種の底生動物が確認された。確認種の一覧を表7.10.23に
示す。
W-1(五ヶ村川)とW-2(大府江川)は、年間を通じてほとんど流れがなく、また河床が泥
であったため任意採集法で調査を実施し、河床が砂礫で、かつ流れがあったW-3ではコド
ラート法で調査を実施した。なお、夏季は、魚類調査と同様に、W-3(石ヶ瀬川)下流のゴ
ム引布製起伏堰(ラバー堰)が起立して川が堰き止められ、調査地点が湛水したため、調
査地点を上流側へ500mほど移して流れのある場所で調査を実施した。また、W-1の調査
地点は予定していた調査地点(方法書に記載)では、水深が1m以上と深かったため、水深
が50cm程度の上流側の場所を調査地点とした。
調査地点別ではW-3の22種が最も多く、次いでW-1の11種、W-2の9種であった。W-1
では、主にため池等の止水に生息するウチワヤンマ(ヤゴ)や、キリバネトビケラ属の一種等
のほか、淡水域から汽水域に生息するスジエビも確認された。W-2では、環境がW-1と似
かよっているものの共通して出現した種は少なく、水田や池沼等止水域の泥底に生息する
エラミミズ、アメリカザリガニのほか、平地の湿地やため池にごく普通なシオカラトンボ(ヤゴ)
等が確認された。W-3では、比較的清冽な河川の止水域に生息するフタバカゲロウ、止水
や緩流に生息するギンヤンマ(ヤゴ)やミズムシ類、ガムシ類等が確認された。また、河口の
干潟等に生息するカワゴカイ類も確認された。
調査時期別の確認種では夏季が18種、冬季が15種、早春季が11種であった。
(イ) 重要な種
現地調査で確認された底生動物のうち、重要な種に該当するものはみられなかった。
-546-
7.10-20
表 7.10.23 底生動物の確認種一覧
No.
7.10-21
三岐腸
サシバゴカイ
イトミミズ
ヨコエビ
ワラジムシ
エビ
カゲロウ(蜉蝣)
トンボ(蜻蛉)
カメムシ(半翅)
トビケラ(毛翅)
ハエ(双翅)
コウチュウ(鞘翅)
12目
科名
種名
学名
サンカクアタマウズムシ サンカクアタマウズムシ科の一種 Dugesiidae gen. sp.
ゴカイ
カワゴカイ属の一種
Hediste sp.
ミズミミズ
エラミミズ
Branchiura sowerbyi
ミズミミズ科の一種
Naididae gen. sp.
ハマトビムシ
ハマトビムシ科の一種
Talitridae gen. sp.
ミズムシ
ミズムシ
Asellus hilgendorfi hilgendorfi
ヌマエビ
ミゾレヌマエビ
Caridina leucosticta
テナガエビ
テナガエビ
Macrobrachium nipponense
スジエビ
Palaemon paucidens
アメリカザリガニ
アメリカザリガニ
Procambarus clarkii
コカゲロウ
フタバカゲロウ
Cloeon dipterum
ヤンマ
ギンヤンマ
Anax parthenope julius
サナエトンボ
ウチワヤンマ
Sinictinogomphus clavatus
トンボ
シオカラトンボ
Orthetrum albistylum speciosum
アメンボ
アメンボ
Aquarius paludum paludum
ヒメアメンボ
Gerris latiabdominis
ミズムシ
チビミズムシ
Micronecta sedula
エサキコミズムシ
Sigara septemlineata
エグリトビケラ
キリバネトビケラ属の一種
Limnephilus sp.
ガガンボ
ガガンボ属の一種
Tipula sp.
ガガンボ科の一種
Tipulidae gen. sp.
ユスリカ
ユスリカ属の一種
Chironomus sp.
セボリユスリカ属の一種
Glyptotendipes sp.
フユユスリカ属の一種
Hydrobaenus sp.
エリユスリカ属の数種
Orthocladius spp.
ハモンユスリカ属の一種
Polypedilum sp.
ヒゲユスリカ属の一種
Tanytarsus sp.
ガムシ
キベリヒラタガムシ
Enochrus japonicus
キイロヒラタガムシ
Enochrus simulans
ヒメガムシ
Sternolophus rufipes
18科
30種
-547-
注)1. 種名及び配列は「平成 24 年度 河川水辺の国勢調査ための生物リスト」(平成 24 年 国土交通省)に従った。
2. 種が確定できない場合は「~の一種」と示し、合計種数に計数した。
3. W-3 の数値は、コドラート法で得られた個体数を示す。
調査地点
調査時期
W-1 W-2 W-3 夏季 冬季 早春
2 ●
20
●
●
○
●
●
●
○
●
○
●
○
3 ●
●
○
5 ●
●
○
6
●
●
○
3 ●
●
●
○
●
●
●
15 ●
1 ●
○
●
○
●
1 ●
○
1 ●
1 ●
3 ●
○
●
1 ●
○
●
○
1
●
●
1
●
○
1
●
○
19
●
●
○
○
8 ●
●
●
2 ●
1 ●
1 ●
○
○
2 ●
11種 9種 22種 18種 15種 11種
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
-
目名
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
ク 陸産貝類
(ア) 生息確認種
現地調査により、1目4科8種の陸産貝類が確認された。確認種の一覧を表7.10.24に示
す。
確認場所では事業実施範囲内で6種、事業実施範囲外で7種が確認され、事業実施範
囲外ではW-1とW-2の周辺でそれぞれ1種、W-3の周辺で2種、これら以外の場所で7種が
確認された。
調査時期別の確認種では夏季が8種、冬季が6種であった。
確認された種はいずれも愛知県下の平野部で普通にみられるもので、人為的改変の進
んだ環境に適応したものばかりであった。
表 7.10.24 陸産貝類の確認種一覧
No.
目名
科名
1 マイマイ オカチョウジガイ
2 (柄眼)
3
4
コハクガイ
5
コウラナメクジ
6
オナジマイマイ
7
8
-
1目
4科
和名
オカチョウジガイ
トクサオカチョウジガイ
ホソオカチョウジガイ
ヒメコハクガイ
チャコウラナメクジ
ウスカワマイマイ
オナジマイマイ
イセノナミマイマイ
学名
Allopeas clavulinum kyotoense
Allopeas javanicum
Allopeas pyrgula
Hawaiia minuscula
Limax marginatus
Acusta despecta sieboldiana
Bradybaena similaris
Euhadra eoa communisiformis
8種
事業実施 事業実施範囲外
範囲内
W-1 W-2 W-3
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○ ○
○
○
○ ○
○
7種 1種 1種 2種
6種
7種
調査時期
夏季 冬季
● ●
● ●
●
● ●
● ●
● ●
●
● ●
8種 6種
注) 種名、学名及び配列は「日本産野生生物目録」(平成10年 環境庁)に従った。
(イ) 重要な種
現地調査で確認された陸産貝類のうち、重要な種に該当するものはみられなかった。
-548-
7.10-22
環境影響の調査、予測及び評価
動物(調査)
ケ 淡水貝類
(ア) 生息確認種
現地調査により、2目3科4種の淡水貝類が確認された。確認種の一覧を表7.10.25に示
す。なお、魚類、底生動物と同様にW-1の調査地点及び夏季のW-3の調査地点はそれぞ
れ上流側へ移して調査を行った。
調査地点別ではW-1では確認種は現れず、W-2とW-3でそれぞれ2種が確認されたの
みであった。また、確認された種はいずれも汚濁が進んだ都市河川で普通にみられるもの
であった。ハブタエモノアラガイ、モノアラガイ科の一種、サカマキガイは、ため池や水路等
の止水域や緩流に生息する種で、特にサカマキガイはこれらの中でも汚濁耐性が強く、富
栄養化の進んだ用水路等にも生息しており、現地調査ではW-2(大府江川)でのみ確認さ
れた。
調査時期別の出現種では夏季と冬季が2種、早春季が3種であった。
なお、早春季は淡水貝類としての調査を実施していないが、底生動物の早春季調査に
おいて淡水貝類が確認された。
表 7.10.25 淡水貝類の確認種一覧
調査時期
調査地点
W-1 W-2 W-3 夏季 冬季 早春
1 基眼
モノアラガイ ハブタエモノアラガイ
Pseudosuccinea columella
○
●
●
2
モノアラガイ科の一種 Lymnaeidae gen. sp.
1 ●
3
サカマキガイ サカマキガイ
Physa acuta
○
●
●
●
4 マルスダレガイ シジミ
シジミ属の一種
Corbicula sp.
1
●
-
2目
3科
4種
0種 2種 2種 2種 2種 3種
注)1. 種名及び配列は「平成24年度 河川水辺の国勢調査ための生物リスト」(国土交通省)に従った。
2. 種が確定できない場合は「~の一種」と示し、合計種数に計数した。
3. W-3の数値は、コドラート法で得られた個体数を示す。
4. 早春季は淡水貝類の調査を実施していないが、底生動物の早春季調査において確認されたため記載した。
No.
目名
科名
種名
学名
(イ) 重要な種
現地調査で確認された淡水貝類のうち、重要な種に該当するものはみられなかった。
7.10-23
-549-
環境影響の調査、予測及び評価
動物(予測及び評価方法)
7.10.2 予測及び評価
(1) 予測及び評価方法
1) 予測対象
予測対象は、現地調査で生息が確認された動物の重要な種とし、表7.10.26に示すほ
乳類1種、鳥類8種、両生類1種、昆虫類1種、魚類1種の計12種とした。
表 7.10.26 予測対象種
区分
種数
現地調査で確認された重要な種
ほ乳類
1
カヤネズミ
鳥類
8
チュウサギ、オオタカ、ヒクイナ、イカルチドリ、ケリ、ヤマシギ、コアジサシ、ホオアカ
両生類
1
トノサマガエル
は虫類
0
-
昆虫類
1
ヤマトアシナガバチ
陸産貝類
0
-
クモ類
0
-
魚類
1
ニホンウナギ
底生動物
0
-
淡水貝類
0
-
2) 工事の実施
ア 予測事項
工事の実施に関する予測事項を表7.10.27に示す。
表 7.10.27 予測事項(工事の実施)
予測対象となる要因
予測事項
建設機械の稼働等
掘削・盛土等の土工
動物やその生息環境への影響
イ 予測地域
予測地域は、動物の生息の特性を踏まえて重要な種に係る環境影響を受けるおそれ
のある地域とした。なお、降雨時等における排水中の水の濁りについては、濁水が流入す
る大府江川とした。
ウ 予測対象時期
予測対象時期は、工事の実施期間のうち建設機械の稼働等や掘削・盛土等の土工が
実施される時期とした。
エ 予測方法
事業計画に基づく環境配慮事項を踏まえて、建設機械の稼働等や掘削・盛土等の土
工に伴って発生する騒音・振動及び降雨時による排水中の水の濁りが、動物の重要な種
やその生息環境に及ぼす影響を定性的に予測した。
-550-
7.10-24
環境影響の調査、予測及び評価
動物(予測及び評価方法)
オ 評価方法
環境影響が事業者により実行可能な範囲内で、できる限り回避・低減されているか否か
について評価した。
3) 施設の存在
ア 予測事項
施設の存在に関する予測事項を表7.10.28に示す。
表 7.10.28 予測事項(施設の存在)
予測対象となる要因
予測事項
地形改変並びに施設の存在
生息地の消失・減少・変化
イ 予測地域
予測地域は、動物の生息の特性を踏まえて重要な種に係る環境影響を受けるおそれ
がある地域とした。
ウ 予測対象時期
予測対象時期は、新施設の稼働が通常の状況に達する時期(平成31年度)とした。
エ 予測方法
事業計画に基づく環境配慮事項を踏まえて、地形改変並びに施設の存在による生息
地への直接的影響や生息環境の変化を定性的に予測した。
オ 評価方法
環境影響が事業者により実行可能な範囲内で、できる限り回避・低減されているか否か
について評価した。
7.10-25
-551-
環境影響の調査、予測及び評価
動物(予測及び評価結果)
(2) 予測及び評価結果
1) 工事の実施
ア 予測結果
(ア) 建設機械の稼働等
重要な種の中で、事業実施範囲内で確認された種はオオタカとヤマシギの2種で、その
他のものはいずれも事業実施範囲外での確認であった。
オオタカは、秋季に事業実施範囲内の避雷針から飛び立って南へ向かって飛翔する
雌の幼鳥が確認された。オオタカはこのほかに3例確認されているが、いずれも性別不明
の若鳥か雌の幼鳥で、繁殖に繋がるような行動も確認されなかったことから、東部知多クリ
ーンセンター周辺に多くみられるドバトを狙って、一時的に飛来した個体が確認されたと
考えられる。
ヤマシギは、春季に事業実施範囲内の西側上空を飛翔する個体が確認された。本種
の主な生息環境は平地から丘陵地にかけての雑木林やその周辺の農耕地等で、事業実
施範囲内には生息に適した環境はみられず、事業実施範囲周辺に生息する個体が飛翔
した際に上空を通過したと考えられる。
その他事業実施範囲外で確認された重要な種についても、事業実施範囲内の環境に
依存して生活している種や、主要な餌場として利用している種もみられなかった。
また、工事にあたっては低騒音・低振動型の建設機械の導入を図ることから、建設機械
の稼働等による重要な動物の生息環境への影響は小さいと考えられる。
(イ) 掘削・盛土等の土工
重要な動物の中で、水田や河川、河川の浅瀬等を生息場所や餌場として利用している
種は、チュウサギ、ヒクイナ、イカルチドリ、ケリ、コアジサシ、トノサマガエル、ニホンウナギ
の7種であるが、これらの中に工事中の濁水等が流入する可能性のある大府江川を生息
場所や採餌場として利用していることが確認された種はなく、大府江川は重要な動物の
主要な生息環境ではないと考えられる。また、工事中の濁水等については、沈砂池の設
置等の濁水防止対策を実施することから、掘削・盛土等の土工よる重要な動物の生息へ
の影響はほとんどないと考えられる。
イ 環境保全措置
(ア) 建設機械の稼働等
建設機械の稼働等に伴う重要な動物への環境影響を実行可能な範囲内でできる限り
回避・低減するために実施する環境保全措置を表7.10.29に示す。
なお、今後重要な種の環境保全措置を検討する必要が生じた場合には、専門家の助
言を得ることとする。
表 7.10.29 環境保全措置(建設機械の稼働等)
環境保全に関する措置
作 業 待 機 時 におけるアイドリングスト
ップを徹底する。
-552-
実施主体
事業者
効果及び措置による
環境の変化
重要な動物への影響
低減が期待できる。
7.10-26
不確実性の程度
措置に伴い生ずる
おそれのある影響
小さいと考える。
特になし。
環境影響の調査、予測及び評価
動物(予測及び評価結果)
ウ 評価結果
(ア) 環境影響の回避・低減に係る評価
a 建設機械の稼働等
建設機械の稼働等に伴う重要な動物への環境影響については、事業実施範囲内には
重要な動物の主要な生息場所や採餌場所がなく、工事にあたっては低騒音・低振動型
の建 設 機 械 の導 入 を図 ることから、環 境 影 響 の程 度 が小 さいと判 断 された。さらに、表
7.10.29に示す環境保全措置を確実に実施することにより、建設機械の稼働等に係る環
境影響が事業者の実行可能な範囲内でできる限り回避・低減が図られている。
b 掘削・盛土等の土工
掘削・盛土等の土工に伴う重要な動物への環境影響については、濁水の発生する可
能性のある大府江川は重要な動物の主要な生息環境ではないと考えられること、工事中
の濁水等については、沈砂池の設置等の濁水防止対策を実施することから、掘削・盛土
等の土工よる重要な動物の生息への影響はないと判断された。このことから掘削・盛土等
の土工に係る環境影響が事業者の実行可能な範囲内でできるかぎり回避・低減が図られ
ている。
2) 施設の存在
ア 予測結果
(ア) 地形改変並びに施設の存在
a ほ乳類(1 種:カヤネズミ)
カヤネズミは、事業実施範囲外の2か所で生活痕跡(球巣)が確認され、事業実施範囲
内では確認されなかった。本種の生息場所は主にイネ科草本類等の高茎草地で、事業
実施範囲内やその隣接地にも同様な環境はみられたが、本種がそれらの場所を生息地と
して利用している様子はみられなかった。そのため本種の良好な生息環境は事業実施範
囲外にあると考えられ、地形改変並びに施設の存在による本種の生息環境への影響はな
いと考えられる。
b 鳥類(8 種:チュウサギ、オオタカ、ヒクイナ等)
鳥類の重要な種の8種の中で、事業実施範囲内で確認されたのはオオタカとヤマシギ
の2種で、オオタカは事業実施範囲の内外で4例確認されているが、いずれも性別不明の
若鳥か雌の幼鳥で、繁殖に繋がるような行動は確認されず、一時的に飛来した個体が確
認されたと考えられる。ヤマシギは、事業実施範囲内で1例確認されたが、事業実施範囲
内には生息に適した環境はみられず、事業実施範囲周辺に生息する個体が飛翔した際
に上空を通過したものと考えられる。これらのことから、地形改変並びに施設の存在による
オオタカ及びヤマシギの生息環境への影響は小さいと考えられる。
水辺等の水域を生息場所や餌場として利用しているチュウサギ、ヒクイナ、イカルチドリ、
ケリ、コアジサシの5種は、いずれも事業実施範囲外の水田や河川等で確認され、事業実
施範囲内では確認されなかった。また、事業実施範囲内にはこれらの種の生息に適した
環境がみられなかことから、地形改変並びに施設の存在による生息環境への影響はない
7.10-27
-553-
環境影響の調査、予測及び評価
動物(予測及び評価結果)
と考えられる。
ホオアカは、春季に堤防の草地で確認された。本種は主に草地や農耕地に生息する
種で、事業実施範囲内には生息に適した環境がみられないことから地形改変並びに施設
の存在による生息環境への影響はないと考えられる。
c 両生類(1 種:トノサマガエル)
トノサマガエルは秋季に事業実施範囲外の草地で成体が確認されたが、事業実施範
囲内では確認されなかった。本種の主要な生息場所は水田や湿地等の浅い止水で、事
業実施範囲内には本種の生息に適した環境はみられず、地形改変並びに施設の存在に
よる生息環境への影響はないと考えられる。
d 昆虫類(1 種:ヤマトアシナガバチ)
ヤマトアシナガバチは、夏季に事業実施範囲外の水田脇で確認された。本種は家屋の
軒下や草木の枝、石垣等に営巣することから、事業実施範囲内にも生息する可能性はあ
るが、現地調査では確認されなかった。そのため、地形改変並びに施設の存在による生
息環境への影響は小さいと考えられる。
e 魚類(1 種:ニホンウナギ)
ニホンウナギの確認場所は本事業計画では改変しないことから、地形改変並びに施設
の存在による生息環境への影響はないと考えられる。
イ 環境保全措置
(ア) 地形改変並びに施設の存在
地形改変並びに施設の存在に伴う重要な動物への環境影響を実行可能な範囲内で
できるかぎり回避・低減するために実施する環境保全措置を表7.10.30に示す。
なお、今後重要な種の環境保全措置を検討する必要が生じた場合には、専門家の助
言を得ることとする。
表 7.10.30 環境保全措置(地形改変並びに施設の存在)
環境保全に関する措置
植 栽 樹 木 の選 定 にあたっては努 めて
周 辺 の植 生 で確 認 された樹 木 と同 種
のもの及 び鳥 類 等 の餌 とな る実 をつ
ける樹種を採用する。
施設では不要な照明の早 期 消灯、昆
虫類の誘因性 が低いとされるナトリウ
ム灯 等 の設 置 等 の対 策 により、夜 行
性 動 物 類 の行 動 や生 態 系 の攪 乱 防
止に努める。
可能 な範 囲で壁面 緑 化、駐 車場 緑
化 、 コ ンテナ 緑 化 等 、緑 化 率 の 向 上
に努める。
-554-
実施主体
効果及び措置による
環境の変化
不確実性の程度
措置に伴い生ずる
おそれのある影響
事業者
重要な動物への影響
低減及び緑化率の向
上が期待できる。
小さいと考える。
特になし。
事業者
重要な動物への影響
低減及び緑化率の向
上が期待できる。
小さいと考える。
特になし。
事業者
重要な動物への影響
低減及び緑化率の向
上が期待できる。
小さいと考える。
特になし。
7.10-28
環境影響の調査、予測及び評価
動物(予測及び評価結果)
ウ 評価結果
(ア) 環境影響の回避・低減に係る評価
a 地形改変並びに施設の存在
地形の改変並びに施設の存在に伴う重要な動物への環境影響については、事業実施
範囲内には重要な動物の主要な生息場所や採餌場所がないこと、重要な動物が確認さ
れた生息場所は事業実施範囲外にあり、本事業ではそれらの生息場所は改変されないこ
とから、影響はない又は環境影響の程度が小さいと判断された。さらに、表7.10.30に示す
環境保全措置を確実に実施することにより、地形改変並びに施設の存在に係る環境影
響が事業者の実行可能な範囲内でできる限り回避・低減が図られている。
なお、鳥類の餌となる実をつける樹種としては以下のようなものがあげられる。
・常緑広葉樹で高木になる樹種
クスノキ、クロガネモチ
・常緑広葉樹で低木の樹種
サザンカ ※ 、モッコク、トベラ、ヤブツバキ、ビワ
・落葉広葉樹で高木になる樹種
ムクノキ、エノキ、ソメイヨシノ ※ 、センダン、カキノキ※
・落葉広葉樹で低木の樹種
アキグミ、イボタノキ、ヤマグワ
・つる性の種
アケビ、ミツバアケビ、エビヅル
※本来、愛知県内では自生する種ではなく、現地調査で植栽木として確認されたもの。
7.10-29
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