「遊び心」をもった人間に

高岡市立博労小学校
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学校だより
平成26年度11月号
http://www.city-takaoka.jp/bakurou/index.html
「遊び心」をもった人間に
教務主任 坂田 雅代
「先生、何歳?」と聞かれて「何歳やと思う?」と問い返すと、「65歳!」「うーん
・・・」「じゃあ、35歳!」「ありがとう、そんな時代もあった・・・」云々。
初めて出会う子供たちが、一様に聞いてくる質問がこれである。子供というのは、なぜ
年齢を聞いてくるのだろうか。「私」に関心をもってくれた証拠と考えれば非常に嬉しい
ことなのだが、そうとも言い切れない。ただ単に社交辞令の一つとして聞いてくるのだろ
うか。なぜなら、本当の年齢を知った途端、会話が途切れてしまうからである。
何はともあれ、折角の子供たちの問いに答えなければならないと思い、正直に本当の年
齢を語った時期もあった。けれど、年齢を重ねるうちに、正直に言うのはつまらない、子
供たちの反応を楽しみたいと思うようになった。
そこで数年前に130歳を迎え、今年は御年135歳になったと答えている。さて、こ
れを聞いた子供たちと私の間で、この後、どのようなやりとりがあるか想像してほしい。
「そんなに歳取っとったら、背中曲がっとるはずやよ!」「朝から魔法の薬飲んで、シャ
キーンと背中真っ直ぐ伸ばしてから学校へ来るんだよ」
「へーっ、そうなが、すごーい!」
とにこにこしながら楽しそうに返してくれる低学年の男の子がいる。「最近、薬の効き目
が悪くなってね、みんなが帰る頃になると腰が曲がりそうになって大変!」と続けると、
私の馬鹿さ加減を心の中で笑いながらも受け止め、「先生、大変やね、もっと薬の量増や
せば?」とこれまたにこにこしながらも心配してくれる高学年の女の子がいる。その一方
で、「えーっ、そんな筈ない。だって、先生の定年って60歳やから、そんな歳まで働け
るわけないやろ!先生、嘘ついとる!悪い!」と横槍を入れ、ここぞとばかり攻撃を仕掛
けてくる子供がいる。もちろん、後者の言い分が正しい。正しいけれど、正直言ってつま
らないと思う。私が言っていることが嘘であることは、低学年でも分かることである。で
は、自分の知っている知識をここで披露しようと思うのか、それともその子の性格なのか、
はたまた冗談が通じないのか・・・。でも、この場面で四角四面の答え方ではおもしろく
ない。
これはほんの一例である。大人もそうであるが、子供であっても冗談が通じる、所謂、
空気が読める人間であってほしいと願う。もっと寛容な心で相手を受け入れられるような
器の大きな人間になってほしい。気持ちにゆとりのある遊び心をもった人間であってほし
いと思う。その場の雰囲気を感じ取り、楽しく会話が弾む人間は、誰からも好かれるに違
いない。友達もたくさんできるだろう。そのために、もっともっと見聞を広めよう。本を
読むのもいいけれど、知識の詰め込みではつまらない。もっと友達と話したり遊んだりけ
んかしたりして、家庭ではできない多くの経験を積み、遊び心満載の楽しい学校生活を送
ってもらいたいと思う今日この頃である。