区分番号 短-04-30 帯広大谷短期大学研究倫理規程 (前文) 親鸞聖人の本願念仏の御教えを建学の精神とする本学は,その使命である知識や真理の探求に努 め、これらの成果を教育に役立て、且つ社会の発展や人類の福祉に寄与する研究活動を実施してき た。急速な科学技術の進展と社会のグローバル化、多様化にともない、学術研究の役割や社会的要 請も複雑化しており、研究者は,知識や真理の探究を求める権利を有し、研究活動における自主自 由が尊重される一方で、その活動が社会から負託された公共的で公益的な活動であることを真摯に 受け止めなければならず、以て自らを律する高度な倫理規範が求められることも自明である。 帯広大谷短期大学(以下「本学」という。)は、学術研究の信頼性と公正性を確保し、その発展 と社会との共生を宣言するとともに、その実現の礎として学術研究の倫理に関する規程を定め、本 学における研究活動に携わる全ての者に対する倫理的行動規範とするものである。 (目的) 第1条 本学の学術研究の信頼性と公正性を確保することを目的として、本学において研究に携わ るすべての研究者が遵守すべき倫理規準をここに定める。 (定義) 第2条 「研究」とは、研究計画の立案、申請、実施、公表・評価、審査等に関わるすべての過程 における行為、決定及びそれに付随するすべての事項を含む個人研究及び学内外の研究者・機関 等との共同研究等とする。 2 「研究者」とは、本学に所属する専任教員及び本学において研究活動に従事する全ての者とし、 学生、大学院生、研究生であっても本学において研究に関わる者は、「研究者」とする。 3 「研究費」とは、第 1 項の研究に従事する研究者等に本学が交付する諸研究費、受託研究費、 共同研究費、科学研究費補助金及びこれら以外に研究者等が学外から獲得した研究費等とする。 (研究者の倫理及び責務) 第3条 2 研究者は、生命と個人の尊厳を重んじ、基本的人権を尊重しなければならない。 研究者は、他の国・地域の文化、伝統、価値観、規範、慣習、規律等の理解に努め、また、性 別、国籍、民族、思想、宗教等による差別を行ってはならない。 3 研究者は、国際的に認められた規範、規約、及び条約等、我が国の法令、告示等、及び関連省 庁や学会の指針・ガイドライン等、並びに本学の諸規程等を遵守しなければならない。 4 学外機関・組織等との共同研究及び研究連携においては、利益相反及び責務相反の発生に十分 に注意を払い、これを回避するよう努めなければならない。 5 研究者は,研究活動のあらゆる場面において、共同研究者、研究分担者、研究連携者、研究協 力者その他、研究に関わるあらゆる個人の人格と自由を理解し、尊重しなければならない(差別, 人権侵害,ハラスメントの排除)。また、研究上の優位な立場や権限を利用して、その指示、指 導を受ける立場の者に不利益を与えるような言動や態度をとってはならない。特に、学生に対し ては、不当な取り扱いや不利益を被らせないよう十分に配慮しなければならない。 6 研究者は、研究の実施、研究費の使用にあたっては、研究の助成目的等を尊重するとともに、 本学諸規程及び各研究費において定められた支出規程等並びに「本学における公的研究費の不正 防止に関する規程」を遵守し、研究活動及び研究費の取り扱いにおける不正行為が発生しないよ うに努めなければならない。 7 研究者は、不正又は不適切な研究活動が行われていることを知ったときは、その報告と改善に 努めなければならない。 8 研究者は、研究成果の公表と社会への還元に努めなければならない。 (インフォームド・コンセント) 第4条 人の行動、環境、心身等に関する個人の資料・情報・データ等の提供を受けて研究を行う 場合は、提供者に対してその目的、収集方法について分かりやすく説明し、提供者の明確な同意 を得なければならない。 2 組織、団体等から当該の資料・情報・データ等の提供を受ける場合も前項に準じるものとする。 (個人情報の保護) 第5条 研究者は、プライバシー保護の重要性に鑑み、個人が特定できる資料・情報・データ等に ついては、関係法令及び本学の「個人情報の保護に関する規程」に遵い、その取扱いについては 十分に留意するものとする。 (資料・情報・テータ等の利用及び管理) 第6条 研究者は、研究のために収集又は生成した資料・情報・データ等の滅失、漏洩、改ざん等 を防ぐための適切な措置を講じなければならない。 2 研究者は、研究活動の透明性と説明責任を果たすため、研究・実験・調査のために収集した資 料・情報・データ等を適切に管理し、適切な期間、保存・保管しなければならない。ただし,関 係法令又は本学の規程等に保存・保管期間の定めのある場合はそれに従うものとする。 (機器、薬品、材料等の安全管理) 第7条 研究者が、研究実験等において研究装置・機器及び薬品・材料等を用いるときは、関係法 令、本学の関連規程及び取扱要綱等を遵守し、研究の過程で生じた残渣物、使用済み薬品・材料 等についても、最終処理まで含め責任を持って安全管理に努めなければならない。 (生命・環境への配慮) 第8条 研究者は、研究実施上、生命・環境に有害となるものを取り扱う場合には、関係法令、本 学規程、関連省庁や学会の指針(ガイドライン)等を遵守し、必要に応じて、学内外の機関にお いて承認を受けるとともに、特に、人や動物を対象とした研究においては、生命倫理を最大限に 尊重しなければならない。 (研究成果の公表) 第9条 研究者は、研究成果を広く社会に還元するために研究倫理に則り適切な方法によって、こ れを公表しなければならない。ただし、合理的理由のために公表の制限のある場合は、その合理 的期間内において公表しないものとすることができる。 2 研究者は、研究の立案・計画・申請・実施・報告等の過程及び研究成果の公表において、不正 行為を行わず、これに加担しないこととし、次の各号を遵守しなければならない。 (1) ねつ造(存在しないデータの作成等)を行ってはならない。 (2) 改ざん(データの変造,偽造等)を行ってはならない。 (3) 盗用(不適切な引用や了解のない他研究者のデータ・成果の使用等)を行ってはならない。 3 他研究者の資料・情報・データ等や成果の引用においては、不適切な引用や表現、引用の不正 確さ、不備は不正行為とみなされる場合があることを十分留意し、研究者は、適切な引用と表現 に努めなければならない。 4 研究成果の公表に際しては、オーサーシップに十分留意し、学内の規程、各研究組織・学会及 び学術誌等の諸規則等を十分に尊重しなければならない。 (業績評価・審査の公正性) 第 10 条 研究者が、研究論文の査読・審査又は他者の研究業績の評価や検証にあたるときは、審 査対象者の属性や審査対象者との関係によって不当な評価を行うことなく、学問的な基準や当該 審査の基準や要綱等に基づき、予断を持たず公正に評価・審査等を行わなければならない。 2 研究者は、他者の業績評価に関わり知り得た情報を不正に利用してはならない。また、当該業 績に関する秘密は、これを保持しなければならない。また、退職後においても同様とする。 (大学の責務) 第 11 条 本学は、研究倫理に係る意識を高め、研究活動に係る不正行為及び研究費の取り扱いに おける不正行為を防止するため、研究活動及び研究費の適切な管理等について必要な措置を講じ る。 2 本学は、研究活動に不適切な行為が認められた場合は、速やかに原因の究明と適切な措置を講 じ、学内外への説明責任を果たすものとする。 3 本学は、研究者の研究倫理意識を高めるために必要な啓発活動、倫理教育を実施する。 4 本学は、研究に関して、不当又は不公正な扱いを受けた者からの苦情、相談、又は不正に係る 申し立て、情報提供並びに本規程に関する相談等に対応するものとする。 5 本学は、本規程の目的を達成するため、帯広大谷短期大学研究倫理委員会(以下「委員会」と いう。)を設置する。 6 委員会に関する事項は、別に定める。 (最高管理責任者) 第 12 条 2 本学における研究倫理の最高管理責任者は、学長とする。 最高管理責任者は、本学の研究活動において、不正行為の発生が委員会より報告されたときは、 当該研究遂行の中止を勧告することができる。 (事務) 第 13 条 この規程に関する事務は、事務局総務課において処理する。 (規程の改廃) 第 14 条 附 1 則 この規程は、2013(平成 25)年 8 月 29 日より施行する。 附 1 この規程の改廃は、短期大学運営会議の議を経て、学長の承認を必要とする。 則 この規程は、2015(平成 27)年 4 月 1 日より施行する。
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