人工授粉の実施で 】 【指導員】 園芸果樹課 大和屋 尚享 春になり果樹園でも消雪が進んでいます。 今後行っていただきたい作業をいくつか挙 げますので、参考にしてください。 今冬はここ数年に比べて降 雪量が少なく、消雪も早まり ました。その分、果樹の生育 も平年より早まっていますの で、遅れないように作業準備 めましょう。 結実量の確保、大玉生産に努 摘花・摘果作業と人工受粉で、 型となっております。早目の 本年度産りんごの花芽分化 率は全般に高めであり、豊作 ◆人工授粉の実施 の秀品率が大きく向上しま 花の遅れた下枝だけに人工授 消雪の関係から下枝の開花 は上枝よりやや遅れます。開 同時に行うと効率的です。 てください。受粉樹の摘花と 適しています。なるべく乾い 粉を実施するだけでも、全体 年産りんごは変形果が よ う で す。 酸 性 化 が 進 む と、 管内の果樹園では土壌の酸 性化が進んでいる傾向にある クイムシ被害が心配されま しましょう。また、若木はキ 潅水を行い、土壌乾燥を防止 近年、新たに定植した苗木 こ し の枯死が目立ちます。十分な ◆定植後の苗木管理 の花が、花粉をとるには最も 前のバルーン状になった状態 に活用してください。開花直 果場もありますので、積極的 です。 がかかりますが、効果は絶大 人工授粉は大変な手間と労力 き る 限 り 実 施 し て く だ さ い。 変形果対策にもなるので、で 多い年でしたが、人工授粉は 14 JA通信 た状態で持ってくるようにし 人工授粉は、手作業が最も 効果的です。花粉精製のため す。 リンゴの場合ビターピットな す。キクイムシは非常に小さ 授粉可能な期間は短いです が、少しでも多くの実がなる かいやく の開葯施設を設置している選 どの障害発生が多くなります く見つけにくいですが、木く ように、高品質な果実生産に を進めていきましょう。 し、リンゴに限らず生育不良 ずを出しますので、それを目 つなげるためにも、作業の準 ◆土壌改良を実施 へとつながり、品質低下を引 安に園地を観察しましょう。 備は万全にしましょう。 かんすい き起こします。 リンゴではトラサイドA乳 剤200倍で防除効果があり じゅしゅ 樹種により生育に適正な (土壌の酸性やアルカリ性を ます。ただし、葉に散布液が ◆ ◇ ◆ 示す指針)が異なりますので、 じ ゅ か ん ぶ 人工授粉による結実量の確 保に積極的に取組み、高品質 おうとう 5.0~6.0 かかると薬害が生じる恐れが 5.0~6.0 土壌分析を実施した上で、適 もも な果実生産を行って、収量増 6.0~7.0 あるので、樹幹部のみに散布 ぶどう 正 な 土 壌 状 態 に し ま し ょ う。 5.5~6.0 につなげましょう。 26 りんご するようにしてください。 樹種別好適ph 下の表を参照してください。 pH 導 【果樹指 高品質果実を生産しよう!
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