公益財団法人 日本住宅・木材技術センター 平成 27 年 7 月 6 日 文 書 名 発 行 元 木造住宅新工法性能認証委員会 公 開 日 平成 27年 7月 6日 最 終 更 新 日 平成 27年 7月 6日 ※ ※ ※ 「木造ラーメンの評価方法・構造設計セミナー」に関する質疑 (公益財団法人 日本住宅・木材技術センター) 掲載している質疑は、平成27年2月13日に実施した講習会の参加者からFAXいただいた質疑を取り纏めたものです。 内容の類似している質疑は取り纏めて掲載しております。 「頁」欄には、質疑に関する記述のあるページを示していますが、他のページにも関連する内容が書かれている場合があります。 1 「木造ラーメンの評価方法・構造設計セミナー」質疑回答 No 項目 該当頁 質疑 回答 令46条2項ルートの考え方について、令46条1項、4項を満足し、令82条 に定める許容応力度計算に木造ラーメンの耐力を考慮する場合、告示 基準法上は、令46条1項、4項を満足すれば、令46条2項ルートを適用しなくてもよいことになり 1898、1899号の規定はかからないという見解でよろしいでしょうか。 構造設計 第1章-1 1 ます。 例)仕様規定は満足し、ねじれを抑えるため木造ラーメンを設置等 ルート それとも、木造ラーメンを使用した時点で、令46条2項ルートの適用が必 須となるという見解でしょうか。 国土交通省補助事業「平成25年度木造長期優良住宅の総合的検証事業 材料・構造分科会」 報告書(事業主体:㈱日本システム設計)に、以下の記述がありますので、参考としてくださ い。 柱通し型では建物全体で立体解析をしないと、 剛性評価が難しいというデメリットがある一 方、柱の折損がなければ全体崩壊形となるため、地震動に対して一般論としては有利であ 門型ラーメンについて、柱勝ちと梁勝ちとで構造性能上の違いはあるの る。柱継手が必要になる場合が多いが、その場合の圧縮力の伝達が課題。ドリフトピン等だと - でしょうか。 本数が必要、面タッチで伝えるには施工精度が課題。 梁通し型の場合には、層ごとに荷重変形関係が決まるため、設計は容易である。また、不測 の事態に陥った場合にも梁の脱落が生じにくいため、鉛直荷重に対する安全性はある。しか しながら、めり込み応力が過大になるため、その設計法が課題となる。その際に、許容応力度 の割増しをしてよいかどうかの検討も必要である。耐震設計においては、層崩壊形になるた め、地震動に対しては一般に不利である。 第1章-7の13行目にℓ/d≧8とあるが、これは径長比ℓ/dとのことでよろし 靭性確保の 主材厚(主材の有効厚さ)ℓと接合具径dの比のことです。 第1章-7 3 いでしょうか。 仕様規定 木造ラーメ 2 ンの架構形 式 ルート2において、曲げはMyと0.2Mu√2μ-1にてsMa評価、軸力系筋か い(大断面)はC0=0.2としてβ割増(S55建告1791号)、周辺軸組、接合部 フレーム解 第1章-11 4 析ルート (JA)、木以外の検討、剛性率、偏心率、変形角の検討、以上にて十分 な靭性、強度確保とみなせるでしょうか。 ルート2では、令第82条に規定する許容応力度計算に加えて、①層間変形角の確認、②剛性 率の確認、③偏心率の確認、④昭55建告第1791号に定める構造計算による確認(筋かいの β割増、木材及び木材以外の筋かいの検討、塔状比の確認、柱・梁・接合部の靭性確保)に よることとされています。また、モーメント抵抗接合部の検定においては、第1章-11ページのと おりです。したがって、左記の項目に塔状比の確認を加える必要があります。 木質構造設計規準に接合部の終局せん断耐力の記載がありますが、こ の式は使用可能か。 「木質構造接合部設計マニュアル」では引きボルトを利用したモーメント 接合で終局モーメントまで求められますが、この諸計算はL型部分のも のでしょうか。T型部分にも用いて問題ないのでしょうか。T型部分にも用 いることができるのであれば、多層1スパンに採用しても問題ないでしょ うか。 せん断力の伝達のみの接合部については可能ですが、モーメント抵抗接合部については、実 験等で終局時の割裂など破壊性状について検討することが必要となります。 5 フレーム解 析ルート - 6 フレーム解 析ルート - 7 単層以外の2層、3層木造ラーメンの構造計算における耐力壁置換法に 耐力壁置換 第2章-1 よる門型ラーメンの評価の可否と、可能な場合、注意すべき事項があり 耐力壁置換法は、RC基礎直上の1層の門型ラーメンについてのみ適用可能です。 法 ましたらご教示ください。 本質疑は「木質構造接合部設計マニュアル」の内容に関するものですが、問題ないかと思わ れます。 8 試験機関 門型ラーメンフレームの試験を自社で行ってよいか。想定しているスパ 第2章-3 ンが3~6mで6mの試験ができる機関がなかなかないため。ただし、中立 確認検査機関に確認してください。 的な立場である大学が試験機の操作及び報告書作成を行う。 9 配置計画 2.3節に門型ラーメンの平面配置計画と立面配置計画が示されている 2.3節の(1)平面配置計画と(2)立面配置計画は耐力壁置換法による場合に適用されるもので 第2章-21 が、これは1層門型ラーメンの時のみ適用される配置計画なのか、それ あるため、1層門型ラーメンのみを対象としています。 ~24 とも多層門型ラーメンの時にも適用されるものなのでしょうか。 2 No 項目 該当頁 質疑 回答 第2章-25の図2.3.6を見ると、ラーメンフレームの直交耐力壁の合板を ラーメン柱に釘で留めているように見えるが、第2章-21に「耐力壁の柱 と門型ラーメンの柱を共有することはできない」旨の記述がある。図2.3.6 周辺軸組と 図2.3.6が誤りです。別紙に正誤表を掲載します。 第2章-25 10 が間違っているのか、それとも、第2章-21、図2.3.6とも正と考えて、ラー の納まり メンフレームの直交耐力壁の引き抜きに対してラーメンの柱脚の金物で 耐えるものと考えてよろしいのでしょうか。 複合応力の検証方法について、 ではないのですか? が正確です。本書では、最も安全側となるようn=1として掲載していま す。 11 複合応力 第3章-8 12 設計例 設計例の方法は、試験が柱脚とL型のみですが、1層門型ラーメンとして 設計例のとおり実務でも実際使用して問題ないでしょうか。また、「木質 ラーメンフレームの部材の樹種群・等級、断面寸法及びモーメント抵抗接合部の仕様の全て 設計概要 構造接合部設計マニュアル」では、引きボルトを利用したモーメント接合 が参考資料1と同一であり、かつ、ラーメンフレームの階高及びスパンが第3章-1に示す適用 -3~4 の柱脚部の検討の記載がないため、本書の参考資料1の実験データを 範囲内であれば可能です。 柱脚部のみ設計例のとおり利用しても問題ないでしょうか。 13 設計例 設計例17 在来部分で真壁(受け材あり)を使用していますが、床部分において壁 合板、床合板、受け材はどのように納まっているのでしょうか。 14 設計例 設計例77~79 層間変形角の確認に当たっては、平19国交告第594号第3第一号の規定により、許容応力度 令46条2項ルートの場合、昭62建告1899号二において層間変形角の確 計算時の地震力による各階・各方向の変形が最も大きく評価される箇所において検定を行う 認を行う必要があると思われるが、設計例を見る限り、耐力要素部分に 必要があります。設計例77-79ページでは、地震層せん断力を層の剛性で除した平均の層間 ついて層間変形角の確認を行っているが、耐力要素部分のみについて 変位を、偏心によるねじれを考慮した割増係数で補正し、階の高さで除した各通りの層間変形 層間変形角の確認を行えばよいと理解して良いか。 角の最大値を採ることとしており、この規定に適合する内容となっています。 15 設計例 設計例82 設計例-82ページの(2)ラーメンフレームの剛性の表内の層間変位はど 貴意のとおり、設計例-81頁のモデルで、水平荷重P=1kNとして応力解析を行い、層間変位を のように算出されているのでしょうか。設計例-81ページの諸性能とモデ 求めています。 ル外力1kNによる解析ソフトの結果でしょうか。 3 床合板は横架材に受け材を打ち付けて固定することを想定しています。 別紙 「木造ラーメンの評価方法・構造設計の手引き」講習会テキスト 正誤表 平成 27 年 7 月 6 日 第2章 頁 25 行等 誤 正 図 2.3.6 ラ ーメ ン柱 ラ ーメ ン 柱 耐力壁構造用合板 耐力壁構造用合板 土台 土台 4
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