第六回 静定ラーメンの応力と応力図 • ラーメンとは柱と梁部材が剛接され

2015/7/4
第六回 静定ラーメンの応力と応力図
静定ラーメン構造の例(以下の3種類)
• ラーメンとは柱と梁部材が剛接された構造
物をいう
• 静定ラーメンは次スライドの三種類(第3
回)
• 応力の求め方と応力図の描き方
– 方向は、自分の仮定と結果が対応していることに注意
すれば基本的には表示に決まりはない。しかしNの符
号は大切、Qも区別しておく。
単純梁系
3ヒンジ
片持梁系
構造内部のヒンジはど
こにあってもよい
• 応力図の特徴は梁で述べたことと共通
(5章静定梁の応用編)
(第3回より)
1
2
応力の求め方(1)
応力の求め方(1)
①反力を求める
p
B
C
B
A
pl
2
D
l
pl
2
AB間
N
pl
pl
M
N
0
N 
2
2
Q
Q0
Q0
A x
M 0
M 0
pl
2
柱の左側を梁の上側と考える
h
A
pl
2
3
D
l
pl
2
Q M
x
N
N 0
pl
l

 Q  px 
0
Q  p  x 
2
2

pl
x
px
x  px   M  0 M  l  x 
2
2
2
h
C
応力を求める位置のxはBからとるが、自由物体
はAからつながっていることに注意!
N 0
p
荷重は鉛直方向のみ
対称荷重より図のように求まる
②応力を求める(3区間でつりあい
式は異なる)
h
BC間
px
B
A
pl
このつりあい式は単純梁と同じことに気付くこと
2
どちらからxをとってもよいがここでは柱の
CD間
N 左側を梁の上側と考えて応力の向きを仮
定した
M
pl
pl
N
0
N 
Q
2
2
Q0
D x Q0
pl
2
M 0
M 0
4
1
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p
B
応力図
C
節点での力のつりあい
l
pl D
2
pl A
2
C
B
+
B
C
N,Qはどちらを正に表
示してもよいが、明示
すること
Mは引張側にかくこと

l
Q  p  x 
2

+
C
B
Q
B
B
C
pl
2
-
C
B
圧縮
圧縮
pl
2
pl
2
l

Q  p  x 
2

圧縮
A
M
A
px
l  x 
2
D A
M図
Q図
BC間は前回の単純梁の応力と同じである
D
N図
A
N図
A
D
Q図
M 0
B
梁のモーメントと柱のモーメントがつりあっ
ている(節点にモーメント荷重がない場合)
pl
2
N 
pl
2
①AB、DC間では軸力のみ作用。
Nは一定、Mは0。
C
A
D
C
6
B
px
l  x 
2
M図
pl
2
5
M 0
A
N 
応力図の概略の描き方
C
M
D
梁のせん断力と柱の軸力がつり
あっている(直交しているから)
D
節点での力のつりあい
B
pl
2
Q
-
圧縮
pl
2
M 0
C
D
B
C
②BC間は等分布荷重だからMは
二次式。両端のB、C点で柱とつり
あうからMは0。軸力は無い。
③以上からM図の概形がかけ、そ
の傾きとしてQ図の概形がかける。
N図の概形もかける。
B
C
C
B
M 0
A
7
D
A
M図
D
A
Q図
D
8
2
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応力の求め方(2)
②応力を求める(3区間でつりあい式は異なる)
①反力を求める
B
a
a
P
P
x
P
a
H
反力の表示
D
(V=0は自明なので省略)
2a
2a
M
PH 0
Pa  M  0
a
②応力図
C
CD間
A
a
D
2a
Pa
P
N 0
B
M   Pa
10
C
A
D
Q
M
N  P
Q0
P
x1
A
PN 0
応力を求める位置のxはBからとるが、自由
物体はAからつながっていることに注意!
x2
P
M   Px
N
Q  0
 Pa  M  0
A
N 0
Q  P
M
x
P
②応力を求める(3区間でつりあい式は異なる)
P
Q
B
Pa
9
B
BC間
P
H  P
M  Pa
C
N 0
PQ  0
x  Px  M  0
A
A
a
B
AB間
M
Q
P
C
P
Pa
Pa
Pa
N
N 0
P(圧縮)
QP
M  P ( x1  a )
P Q  0
P ( x1  a )  M  0
 P ( a  x2 )  M  0  M  P ( x2  a )
x をCからとったので梁の左部分をみる応力の方向で仮定したが、結果の符号を正しく取り
扱えれば自分で向きは決めても、間違えなければ最終的に実際の応力の向きが必ず出る。
しかし、何か自分で仮定するときの基本を決めておいたほうがよい。
-P
N図
11
P
Q図
M図
Pa
端部が固定端でモーメントが生じていると
きは、始点側にモーメントを描くことが多い
12
3
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M図の性質(梁の規則からの理解)
Q図の性質(M図との関係)
力の作用線と平行だから
モーメントは変わらない
モーメント図の傾きが
せん断力だから
節点にモーメント荷重がな
ければ柱と梁のモーメント
はつりあっているから、必
ず大きさが等しく、引張側
は図で同じ側にくる
ここはゼロ
QとNの関係
節点に荷重がなければ
柱のせん断力は梁の軸力、
柱の軸力は梁のせん断力
とつりあうから(方向が直
角のとき)
ここは一定
力の作用線上ではモーメ
ントはゼロ
集中荷重を受ける片持梁の
モーメント図に類似
反力モーメントが作用
Qの概形が描ける
荷重を受けていない点ではモーメントは直線変化
これだけでモーメント図の概形が描けてしまう
13
応力の求め方(3)
2P C
D
2P C
2P C
a
P
P B
B
a
A
E
E
A
P
2a
H A  P  2P  0
14
応力の求め方(3)
D
1.5P
HA  P
VA  VE  0
VE  1.5 P
 VE  2a  2 P  2a  Pa  0
VA  1.5 P
Nの概形が描ける
1.5P
①反力を求める
15
D
②応力を求める
AB間
N
N  1.5 P  0
N  1.5 P
M
PQ  0
Q  P
a
Q x  Px  M  0
M   Px
P B
P
A
1.5P
a
E
A
N
BC間
N  1.5 P  0
P
M
1.5P
2a
1.5P
Q P PQ  0
P
 Px  P ( x  a)  M  0
B
AC間は外力が作用するB点で
N  1.5 P
応力が変わるので、それぞれの
Q  2 P
P
応力を求める
A 1.5P
M  2 Px  Pa
16
4
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(+)
応力の求め方(3)
2P C
②応力を求める
CD間
C
D
a
P B
2P
P
E
1.5P
1.5P
2a
1.5P
M
N
Q
x
-2P
3Pa
Q図
1.5 P  Q  0
 P  2a  Pa  1.5Px  M  0
-P
N 0
Q  1.5P
M  1.5Px  3Pa
P
A
1.5PN
DE間
M図
Pa
M N  1.5P  0
Q Q0
x
M 0
E 1.5P
N  1.5 P
Q0
M 0
1.5P
(圧縮)
17
18
応力の求め方(4)
a
柱は左側を梁の上側と考える
B
勾配が増えた直線
E
A
片持梁と同じ。直線
モーメントゼロ
P
E
A点:ピン支点、M荷重なし、
梁の接続なし、∴M=0
E点:ローラー支点、M荷重なし、
梁の接続なし、∴M=0
集中荷重で折れる
a
P
D
a
①反力
C
B
主要な点でのMの値を計算する
同じ値
1.5P
(引張)
N図
性質を利用したM図の概形の描き方
C
(-)
N  P  P  2P  0
a
A
P
以上を図示すれば
B点 M   Pa
C点 M   P  2a  P  a  3Pa
D点:E点に水平反力なしで
DE材はモーメントゼロ
∴M=0
19
a
A
2a
D
3ヒンジラーメン:
反力数は4だが、つりあい式3に、
B点で切断したつりあい式でモー
メントがゼロという条件を加えて4
つの式がたつので求められる
HD
HA
VA
P  HA  HD
VD
VA  VD  0
M A  Pa  VD  2a  0
M B   Pa  H A  2a  0
VD 
P
P
 V A , H A   H D
2
2
20
5
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ラーメンの応力図の注意
(-)
(-)

P

(+)
P
2
P
2
P
2
P
2
P
2
P
2
Q図
• M図は引張側に描く。符号は書かなくてよい。
P
2
(+)
• N図は符号あるいは引張・圧縮は大切なので明記
する。材のどちら側に描くかは決まりはないが、こ
こではラーメンの外側を正としている。
P
2
M  Pa
M 0
• Q図も節点のつり合いが確認できるよう符号をつ
けておいたほうがよい。
圧縮
M図

引張
M
M 0
Pa
2
M 0
P
2
N図
P
2
圧縮

P
2
21
22
ラーメンの応力図の注意
• 応力を求める際の自由物体の切断面に表示する
N,Q,Mの方向は、梁応力で学んだNの引張・圧縮、
Qの正方向(右下がり変形)、Mの下側引張と合う
ように正方向を決めるほうが迷わないですむ。そう
すれば計算結果の符号が仮定した方向との整合
が判りやすくなる
23
6