《月次調査》 REISM エリア分析レポート 2015 年 9 表参道 vol. 50 月 調査対象: 「 REISM エリア分析レポート」は、毎月1つの駅を取り上げ、 交通アクセス、商業施設、人口など様々な視点から分析し、 そのエリアの特長をレポートしています。 トレンドの最先端をいく洗練された大人の街 「表参道」は東京の南東側、 「港区」に位置しており、トレンドの最先端を いく都心の一等地として、誰もが一度は憧れるであろうエリアです。 駅前を通っている明治神宮の参道にもなっているケヤキ並木には、 国内外の高級ブランド店が建ち並び、 骨董通りには骨董品店やブティック などが軒を連ねています。隣接した渋谷・原宿とは違う洗練された大人の 雰囲気を漂わせています。 2006年に表参道ヒルズがオープンし、 2008年には東京メトロ副都心線が 開通、2012年に東急プラザ表参道原宿店オープンしたことなどは記憶に 新しいはずです。 現在もビルの建替えや開発などが行われており、 「表参道」 はこれからも ファッションはじめ、様々な流行をリードする街として、情報感度の高い 大人の街で有り続けることでしょう。 洗練された大人な雰囲気のある表参道 明治神宮の参道にもなっているケヤキ並木 ケヤキ並木沿いにはブランドショップが並ぶ 近隣には青山学院大学などの教育施設もある 都心のあらゆる主要エリアへスムーズにアクセス可能 「表参道」は東京メトロ半蔵門線、千代田線、副都心線の3路線が 牛久神楽坂 新宿 JR 総武線 半蔵門線 飯田橋 青山一丁目 表参道 渋谷 五反田 南北線 東京 有楽町 溜池山王 新橋 大江戸線 麻布十番 JR山手線 ほとんどの場所へ電車で快適に移動できます。 また、 「 原宿」駅も徒歩圏内ですので、JR線も利用することができ ます。東西南北、どの方面へもダイレクトにアクセスできる交通網は、 都心で働くビジネスマンには非常に利便性の高いエリアです。 銀座線 六本木 目黒 乗り換えなしで移動できるので、 通勤や通学、 プライベートで利用する 大手町 有楽町線 白銀台 「新宿」 「 、霞が関」 「 、大手町」 「 、赤坂」 などの主要なビジネスエリアへ 永田町 千代田線 恵比寿 利用できます。 御茶ノ水 市ヶ谷 品川 ―1― このような交通利便性の良さも底堅い人気の理由の一つにあげ られます。 「表参道」周辺の賃貸市場 表参道の賃貸市場を分析していきます。まずは賃料相場からです。表参道の からスタートし、徒歩1分ごとに「a.徒歩」の2,251円ずつ値下がり、築年数1年ごとに 賃料単価を23区平均と比較すると、23区平均より1,398円/㎡高い4,737円/㎡です。 「b.築年」の1,823円ずつ値下がり、面積1㎡ごとに「c.面積」の3,102円ずつ値上がる 表参道駅の賃料相場は都心部でもトップクラスです。 ことがわかります。各変数を「d.切片」との割合で23区と相対的に比較すると、 次に重回帰分析で「築年数」 「徒歩分数」 「面積」の3つの変数が賃料にどの程度 表参道は全ての変数において23区平均よりも高い割合を示しています。 ブランド力の 影響を与えているかを分析します。 「■徒歩・築年・面積による賃料の重回帰分析 あるエリアに見られる傾向です。賃料のばらつきが大きいことから、リノベー 結果一覧」を見てみると、表参道の単身者物件の月額賃料は「d.切片」の90,420円 ションでの賃料改善効果が期待できるエリアといえます。 ■単身者向け賃貸物件の賃料単価と築年数(単回帰) ● エリア別 平米賃料単価/築年数 比較一覧表 表参道 賃料単価 (円/㎡) 最頻値 3,339 3,000 4,737 23区平均 表参道 築年数(年) 標準偏差 最頻値 21 6 24 16 23区平均 6 n = 1,751 7000 4,294 6000 16 5000 4000 3000 ●徒歩・築年・面積による賃料の重回帰分析結果一覧 a.徒歩 表参道 b.築年 -2,251.4 23 区平均 c.面積 -1,823.9 -460.2 3,102.7 -707.4 d.切片 e.標準偏差 50,736.4 10,503.3 90,420.1 1,755.7 2000 22,677.4 1000 「d. 切片」に対する割合 表参道 b.築年/d.切片 a.徒歩/d.切片 e.標準偏差/d.切片 -1.40% -0.89% 20.88% -2.02% 23区平均 -2.49% 0 25.08% 0 10 20 30 40 50 60 ※賃料単価は平均値であり、平米数を乗算した価格が必ずしも相場と一致するものではありません。 ※データは 2014 年 3 月末日現在のデータです。 重回帰分析は築 10 ∼ 30 年、 16 ㎡以上 30 ㎡未満の物件から算出しています。 「表参道」の居住者特性 「表参道」と表参道駅のある港区の居住者特性をみていきましょう。まずは 方が多く、年齢別に見てみると40-59歳の年齢帯において東京都比率より高いこと 単身者世帯比率の比較です。東京都の45.71%と比較すると、港区は単身者が が特徴です。落ち着いた大人の街であることが居住者特性からも読み取れます。 50.91%、表参道は50.97%と単身者が多いエリアであることがわかります。 次にエリア内の「年齢構成比と男女比率」を見てみると、男女比はやや女性の 男性 商圏内比率 ■年齢構成比と男女比率の比較 ■単身者世帯の比較 20.0% 15.0% 10.0% 5.0% 0.0% 0.0% 地域 総数 世帯人員が1人 総数に対する割合 東京都 6,393,768人 2,922,488人 45.71% 20∼39歳 港区 110,113人 56,064人 50.91% 40∼59歳 表参道 16,068人 8,191人 50.97% 10.0% 15.0% 20.0% 20歳未満 60∼79歳 80歳以上 国勢調査(平成 22 年)より 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 国勢調査(平成 22 年)より REISM 管理物件 ― 2015 月 9 月現在 ― REISMでは表参道エリアでのリノベーション実績があります。 <表参道エリアでのリノベーション物件> 「Hondana 010 南青山」はウォールナットフローリングの質感に合わせ、部屋オリジナルに オーダーメイドされた本棚が存在感抜群。 骨董通りと六本木通りが交わる 「南青山」 の一等地に ふさわしい、高級感 5.0% 女性 東京都比率 れるリノベーションに仕上がっています。 リノベーションをすることにより賃料は約13%向上(弊社査定賃料比)。 その他の近隣エリアのリノベーション物件はコチラから ―2 ― Hondana 010 南青山 借家数(供給)、人口(需要)ともに伸びる港区 「表参道」駅の所在する港区は東京都の南東部に位置し、 「新橋」や「虎ノ門」などの 約190千戸の賃貸物件が増え、同調査による 「空き家の変化」を見ると、空き家数も ビジネス街や、 「青山」 「赤坂」などの商業エリア、 「六本木」などの歓楽街など、 5年の間で全体的に増えています。港区を見てみると、供給にあたる借家数は さまざまな表情を持った街です。 5 年 の 間 に約 7 . 8 % 減っているの に対し、空き家 数 は 約 1 8 . 2 % 増えています。 住宅・土地統計調査「借家数の変化」によると、2008年から5年の間に23区全体で 総数こそ少ないものの、需要がやや下回っているといえます。 ● 空き家となっている賃貸住宅数の変化 ● 居住世帯のある借家数の変化 23区全体 2008年 2013年 増減 増減率(%) 2008年 2013年 増減 2,092,880 2,283,620 190,740 9.1 23区全体 354,660 425,300 70,640 19.9 9,800 11,580 1,780 18.2 増減率(%) 港区 61,200 56,400 ▲ 4,800 ▲ 7.8 港区 品川区 91,690 98,490 6,800 7.4 品川区 12,690 18,900 6,210 48.9 目黒区 21,860 11,250 ▲ 10,610 ▲ 48.5 目黒区 56,140 64,380 8,240 14.7 渋谷区 55,950 61,220 5,270 9.4 渋谷区 9,620 13,590 3,970 41.3 33.1 千代田区 6,230 2,890 ▲ 3,340 ▲ 53.6 千代田区 11,180 14,880 3,700 ●エリア別 住宅 (貸家)着工数の推移 ●港区の人口推移 90000 6000 80000 5000 70000 出典:総務省「住宅・土地統計調査」より抜粋 (人) 200000 4000 60000 50000 150000 3000 40000 調査中 30000 20000 100000 2000 50000 1000 10000 0 250000 0 0 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 (年) 港区 東京都 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 (年) 出典:東京都「住民基本台帳」より抜粋 23区全体 ※2014 年の未発表部分は予測値としてグラフに追記しています。 出典:東京都「住宅着工統計」 「統計年鑑 建設及び住居」より抜粋 エリア別に貸家の住宅着工数を見ると、東京都と23区の各年の増減は相関して 港区は開発が盛んな地域であり、街ブランドの向上による流入人口の増加が いることがグラフから読み取ることができます。港区の供給傾向も東京都や23区の 期待できるエリアでもあります。人口推移を見ても年々伸びていることから、 増減と似たような動きを見せています。 儒給バランスの回復により不動産価値にも価格下落率の低下など良い影響が 港区の着工数は2006年以降、低い水準で抑えられており、2014年の供給も 期待できます。 比較的低い水準に収まると推測されます。 《まとめ》 トレンドの最先端をいく都心の一等地として、誰もが一度は憧れる 2006年の表参道ヒルズや2012年の東急プラザ表参道原宿店のオープン であろう「表参道」。駅前を通っている明治神宮の参道にもなっている などは記憶に新しく、現在もビルの建替えや開発などが行われています。 ケヤキ並木には、国内外の高級ブランド店が建ち並び、骨董通りには 不動産市場をみると、賃料相場は都心部でもトップクラスであり、 骨董品店やブティックなどが軒を連ねています。隣接した渋谷・原宿 リノベーションの受容感度も良好です。今後、不動産の受給バランスの とは違う洗練された大人の雰囲気を漂わせています。 回復により、不動産価値にもよい影響が期待できます。 POINT! ① トレンドの最先端をいく落ち着いた洗練された大人な街 ② 賃料相場は都内でもトップクラスに高く、リノベーションの受容感度も良好 ③ 都内各所への素早いアクセスが可能な交通手段 《次回予定》10月号は、2015年10月にREISMホームページに掲載いたします。 レポートに関するお問合せ: リズム株式会社 〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町13-3 tel. 03-5458-7002 mail. [email protected] 担当:河合 祐斗(カワイ ユウト) ―3―
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