ブース題目(だいもく) ゴシック 18 point 中央(ちゅうおう)揃(そろ)え

ひ か る か が く はんのう
光る化学反応
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ひかり
う
しくみ
カラフルな 光 が生まれる仕組みを考えてみよう!
か が く
せ か い
はっ
ひかり
はんのう
こんかい
なか
とく
ゆうめい
化学の世界には、光 を発する反応がたくさんあります。今回は、その中でも特に有名
じっけん
えんしょく は ん の う
な“炎色反応”と“ケミカルライト”について、実験してみましょう。
実験1. 炎色反応
きんぞく
ふ く む しりょう
ほのお
こうおん
ねつ
ほのお
かくげんそ
こと
金属イオンを含む試料を、炎 の中に入れて高温に熱すると、炎 が各元素によって異な
えんしょくはんのう
こうおんじょうけん
る色を示します。この反応を「炎 色 反 応 」といいます。十分な高 温 条 件 下において、
きんぞく
金属 イオンは分解されて一個一個ばらばらの
電子
n=3
n=2
n=1
げんし
⊿E = hν
原子になっている状態ですよ。そして、左図に示
げんし
でんし
しますように、原子の中の電子は、熱エネルギー
じょうたい
れいきじょうたい
を吸収して高いエネルギー 状 態 (励起状態)に
原子核
きていじょうたい
なります。それが再び元の安定な状態(基底状態)
さぶん
にもどるときに、その差分のエネルギー(E)
ひかり
ほうしゅつ
ほうしゅつ
きんぞく
ちがう
きんぞく
しゅるい
を 光 として 放 出 します。放 出 するエネルギーは金属によって違うので、金属の種類を
か
さまざま
いろ
きんぞく
しゅるい
ひかり
かんさつ
はなび
いろ
ひかる
変えることで様々な色の 光 を観察することができます。花火がいろんな色に光るのは、
なか
ふく
か
中に含まれる金属の種類を変えているためです。
こんかい
さん
ま
こ け い ねんりょう
つくり
今回はメタノールにステアリン酸を混ぜて固形 燃 料 を作り、そこにナトリウム、カル
どう
きんぞく
ま
シウム、カリウム、銅、バリウム、ストロンチウムなどなどの金属塩を混ぜることで、
いろ
ひかる
つく
じぶん
つく
かんさつ
いろいろな色に光るろうそくを作ります。自分たちでカラフルなろうそくを作って観察
してみましょう!
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実験2
化学発光反応
か が く はっこう
か が く はんのう
化学発光とは、化学反応によって光が発することをいいます。例えば「ルミノール
はんざいそうさ
まつ
かいじょう
反応」は犯罪捜査などによく使われています。また、お祭りやコンサート 会 場 などで売
ひかるぼう
ひかるうでわ
かがくはっこう
げんしょう
られている「光る棒」と「光る腕輪」も化学発光の 現 象 を利用して作られたものであり
でんき
あか
ひ か る えきたい
ます。電気がなくても明るく光る液体はいったいどんなものでしょうか?
なぞ
と
け
る
さん
その謎を解けるために今回シュウ酸ビス 2,4,6-トリクロロフェニル(TCPO)を用い
か さ ん か す い そ
さんかざい
さんか
た化学発光の実験を行います。TCPO は過酸化水素などの酸化剤により酸化されると、
がたちゅうかんたい
ぶんかい
さい
けいこうぶっしつ
ジオキセタン型 中 間 体 が生成され、それが分解する際に溶液にある蛍光物質にエネルギ
わた
けいこうぶっしつ
じょうたい
もど
ーを渡します。エネルギーをもらった蛍光物質はもとの 状 態 に戻るとき、エネルギーを
ひかり
けいこうぶっしつ
か
ひかり
光 として放出します。この蛍光物質を変えることでいろいろな 光 をみることができま
はんのう
ず
しめ
す。化学反応式は下図に示します。
ひだりず
おんな
こ
まつ
み
左図 の 女 の子 がつけているブレスレットのようにお祭 りで見
ひかり
こんかい じっけん
はんのう
れい
かける 光 るブレスレットが今回 実験 で用いる反応 の例 です。
じぶん
て
かがや
えきたい
つく
かんさつ
自分の手でカラフルに 輝 く液体を作って観察してみよう!
理学部
化学コース
あけやまやす ほ
明山裕保
いいだななみ
つつみ
よしむら
み
飯田七海、 堤 さくら、吉村まな美
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