平成 26 年度 圧入施工技能審査学科試験問題 (1 級) 問題用紙はお持ち帰り下さい 全国圧入協会 H26 1 級学科試験(○×) ○×問題 (配点 80 点) 問 1 正しいものには○、誤っているものには×を別紙の解答用紙に記入しなさい。 1. 杭基礎とは、既製杭と場所打ち杭の大きく2つに分類される。 2. 圧入工法による鋼矢板の施工は、バイブロハンマ工法や打撃工法に比べ施工スピードが遅く、施 工精度も悪い。 3. 圧入工法は、完成杭の杭天端を移動しながら、圧入又は引抜作業ができるので、バイブロハンマ やアースオーガのように、大がかりな作業スぺースを確保する必要がなく、効率的な施工ができ る。 4. 鋼矢板は、場所打ち杭として建設現場で多く施工されている。 5. 支持杭とは、杭先端を支持層に到達させ、主として杭先端に上向きに働く先端支持力によって荷重 を支える。 6. 打撃工法、振動工法による基礎工事は多くの実績もあり、無公害工法の代名詞である。 7. オイルやフィルタ等の消耗品の管理は、アワー計だけではなく、場合によっては期間で判断するこ ともある。 8. メンテナンスモニタの冷却水量ランプが点灯していたので、冷却水補給用サブタンクに水道水を補 充し復帰させた。 9. 油圧式杭圧入引抜機は、各部作動装置に適合した油圧力に設定してあるが、現場条件によって設 定圧力を変更し、効率の良い作業を行うべきである。 10. 圧入機本体とパワーユニットを連結させる戻り用油圧ホースに接続不良が発生していた場合、本 体側戻り回路の急激な圧力上昇を防止するために、リーダーマスト内に安全弁を装着している。 11. 圧入杭天端を掴む時、半掴み状態になったが、仕方がないのでそのまま作業した。 12. 圧入機本体のチャックやクランプで鋼矢板を掴む時、可動爪の1/2以下で掴むと油圧シリンダの故 障や損耗の原因となる。 13. 原動機には、冷機関と熱機関があり、燃料の燃焼による熱エネルギーを運動エネルギーに変える 装置を冷機関という。 14. 原動機の熱機関の中で、最も熱効率が高く、運転経済性に優れているものが、ガソリンエンジンで ある。 1 H26 1 級学科試験(○×) 15. 4サイクルディーゼルエンジンの作動原理は、「吸入」→「燃焼」→「圧縮」→「排気」である。 16. U形鋼矢板Ⅲ型の、1m当りの重さは120kg である。 17. 軽量鋼矢板は木矢板の代替品として開発され、小規模工事の浅層の土留壁材として広く用いられ ているが、止水性が要求される現場では二次止水工事の併用の必要がある。 18. 鋼製杭には、鋼管杭、H鋼杭等があるが、鋼製杭は腐食するため基礎杭としては適さない。 19. 鋼矢板工として鋼管矢板が採用されることもある。 20. 船舶の接岸する岸壁に鋼矢板を使用する場合、構造形式としてタイロッド式鋼矢板壁はほとんど 採用されない。 21. 組合せ鋼矢板とは、U形鋼矢板を向かい合わせに溶接で組み合わせた鋼矢板である。 22. 土留めは山留めとも呼ばれ、一般に永久構造物である。 23. 同一メーカーのコーナー鋼矢板 CⅢ型と広幅型鋼矢板のⅣw型の継手のかん合は可能である。 24. U形鋼矢板のⅢ型のウェブの厚みは約15.5㎜である。 25. 鋼矢板の積重ねは一層ごとに枕木を挿入し、その全体高さは 3m 未満とする。 26. 圧入引抜工事の機材の配置は、現場を見て、現場に適合した配置にすることが大事である。 27. 建設工事は全て、設計図書によって指定されているので、一切の変更は認められない。 28. 圧入施工の際に地下埋設物との安全離隔寸法は、一般的にガス、上下水道、電気は20cm以 上、その他の地下構造物は30cm以上必要とされている。ただし地下構造物が深くて目視できな い場合は深さに応じて誤差分の余裕を追加する必要がある。 29. 施工計画を立てる場合、自己の経験のみによる計画は、避けるべきである。 30. 施工計画書は、請負者が設計図書に指定された構造物を工期内に安く、安全に施工するためのも のであるが、発注者にとっては契約の適正な履行、確保を裏付ける資料である。 2 H26 1 級学科試験(○×) 31. N値から推定できる事項は、硬軟の程度であるが、砂地盤の場合は、締り具合の程度、内部摩擦 角の範囲等の判別ができ、粘土地盤では硬軟の程度、一軸圧縮強度または粘着力の範囲等が判 別できる。 32. 完全な土留壁を築造するには十分な事前調査と綿密な計画、完全な施工が全て行われないと、ヒ ービングやボイリングといった危険な現象が起ることがある。 33. 砂質層と粘土層との貫入抵抗力の一般的な違いは、砂質層は先端・継手間抵抗力が大きく周面摩 擦抵抗力は小さいが、粘土層は先端・継手間抵抗力は小さく周面摩擦抵抗力が大きい場合が多 い。 34. 土の間隙には水と空気を含んでいるが、この水と土粒子の比率を含水比と言う。そして含水比の 比率は、土粒子の大きさに比例している。 35. 土質調査の方法として、一般に標準貫入試験(サウンディング試験)が用いられるが、標準貫入試 験とは、重量75±0.5kg のハンマーを63.5±1cm の高さより落下させ、サンプラーを30cm 貫 入させるのに要する打撃回数を測定し、通常深度1mごとに行われる。 36. 粘土はコロイドより更に小さい粒子で構成されたものである。 37. 鋼矢板の引抜作業は、圧入を開始した地点から順に引抜作業を行うのが原則である。 38. 鋼矢板を引き抜いた後に空隙が生じた場合は、空隙に土砂等を入れて水締めを行うと地盤が安定 しやすい。 39. 鋼矢板の引抜き作業で地盤との縁切りを行う場合、ハイスピードによる効果を最大限に活かすた めに最初から最大引抜スピードに設定して運転すると効果的である。 40. 地盤改良のため薬液注入を行った地盤でも、鋼矢板の引抜き作業への影響はない。 41. 玉掛け用ワイヤロープの安全係数は6以上でなければならない。 42. 地面から地上2.0m以上の高天端施工では、安全な作業足場の設置や安全帯の使用が義務づ けられている。 43. 吊り上げ荷重が1トン未満のクレーン等の玉掛の業務は、玉掛けに関する安全のための特別教育 修了者であれば従事することができる。 44. 特別教育を必要とするものには、基礎工事用建設機械の運転の業務に関わる特別教育がある。 45. 油圧式杭圧入引抜機は、車両系建設機械に該当する建設機械である。 3 H26 1 級学科試験(○×) 46. ガス溶接作業は、ガス溶接特別教育修了者以外の者が行ってはならない。またアーク溶接作業 は、アーク溶接の特別教育を修了した者以上の資格を有する者となっている。 47. クレーン運転士に対する合図は、複数人が行っても問題ない。 48. ウォータージェットは潤滑剤の役目をし、圧入杭の周面摩擦抵抗、継手間抵抗を軽減させるが先端 抵抗の軽減には効果がない。 49. ウォータージェットは潤滑剤の役目をし、圧入杭の周面摩擦抵抗、継手間抵抗を軽減させる。 50. ウォータージェットを併用して圧入する時は、打抜きのストロークを大きくとる方が良い。 51. ウォータージェット補助併用圧入工法は、砂または砂礫地盤に多く採用されているが、一般的に礫 径と水量の関係は重要ではなく、水圧が最も関係する。 52. ウォータージェット補助併用圧入工法は粘性土より砂質土に、より効果を発揮する。 53. ウォ−タージェットは、圧入杭の先端に発生する圧力球根をつくらせないことである。 54. 国土交通省の積算歩掛では、N値が30∼50の地盤での圧入工事は併用工法で施工することに なっている。その代表的なものにウォータージェット補助併用工法がある。 55. 作動油には粘りによる種類があるので、補給する場合には確認する必要がある。 56. オイルモーターは、構造的には油圧ポンプとほとんど同じで、油圧ポンプは軸を回転させて油を吐 出させるのに対して、オイルモーターはポンプに油を押し込んで軸を回転するものである。 57. シリンダ断面積 10c㎡に1N(ニュートン)/c㎡の油圧がかかると推力は 10Nである。 58. 作動油にはいろいろな種類があり、同じ種類、同じ粘度でも比重が違うことがある。そんな時は一 般的に比重の大きい方がよい作動油といえる。 59. 油圧ポンプのピストンポンプは、その他の油圧ポンプと比べ比較的構造が複雑で高価であるため、 低圧に適している。 60. 油圧式杭圧入引抜機で使用される作動油を選定する場合、作動油は高粘度指数耐摩耗性作動油 を使用しなければならない。 4 H26 1 級学科試験(○×) 61. 重力単位1tをSI単位系における力の単位N(ニュートン)で表記すると、約9.8kNとなる。 62. 鋼材の材料記号と品種の関係である。SM41 のSは鋼材、Mは溶接構造用、41 は引張り強さ (kg/mm2)を表わしたものである。 63. 力の3要素とは、力の大きさ、力の方向、力の速度である。 64. 物体は、ある範囲内の大きさの荷重であれば、荷重を取り除くと元の形に戻る。この性質を塑性と いう。 65. 力が物体を回転させようとする動きを力のモーメントという。この作用は、力の大きさだけでなく、回 転軸の中心から作用点までの長さが関係する。 66. カーブ施工をする場合、すべての鋼矢板で角度をつけるのではなく、円弧形状の計画法線に対し 外向きに配置される鋼矢板のみで角度を付けて圧入することが望ましい。 67. 高天端施工の場合は、安全な作業足場の確保や安全帯等の準備をし、さらに自走時には圧入杭 の剛性の確認が大切である。 68. カーブ施工の場合、完成杭(既設杭)に圧入機本体のクランプがしっかりとセットできるか検討する 必要がある。 69. 反力架台を設置する際、多少であれば傾いていても操作技術によって鋼矢板を垂直に圧入できる ので問題はない。 70. 絶対反力不足により、最初から規定長さの鋼矢板を圧入できない場合はウエイトを増やすしか方 法はない。 71. 普通形鋼矢板の標準回転角度は6°であるが、施工する全ての杭に同じ方向で6°の角度をつけ てカーブ施工した場合、必要な鋼矢板の枚数は120枚である。 72. 圧入作業中の引抜操作は継手間抵抗、周面摩擦抵抗を軽減さすうえで大事な操作である。 73. 鋼矢板の前方傾斜を防止する方法の一つに、圧入機本体を少し前方傾斜の姿勢にセットし、圧入 杭に加える力の方向を反力杭の延長線上にクロスさせることがある。 74. 鋼矢板は継手かん合の連続壁であり、軟弱地盤で圧入力は高くなくても通常どおりの引抜操作は 行うべきである。 75. 圧入杭を垂直に圧入するために、圧入機本体の機械姿勢は重要な要素の一つである。 5 H26 1 級学科試験(○×) 76. 圧入杭閉塞とは、油圧式杭圧入引抜機が2枚目圧入状態(スライドフレームが鋼矢板1枚分前に 出た状態)で、圧入杭と同時に1枚目の完成杭(既設杭)も押し下げてしまうことである。 77. 圧入機本体が圧入杭に加える圧入力は、全て圧入杭の先端まで伝わっている。 78. 圧入原理の本質は、絶対反力>圧入力で表すことができる。 79. 圧入作業中の引抜操作は、後ろに傾いた圧入機本体を元の良い姿勢に戻す効果もある。 80. 鋼矢板の標準回転角度を超えての圧入施工は、周面摩擦抵抗の増大による杭材の湾曲や杭芯の 変位を引き起こす可能性が高い。 6 H26 1 級学科試験(記述) 記述問題 (配点 20 点) 問 2 次の設問の解答を別紙の解答用紙に記入しなさい。 1. 圧入施工において下図の計画で施工を行う場合、次の問いに答えなさい。 条件:U形鋼矢板 Ⅲ型 計画レベルと G.L は同じとする。 油圧式杭圧入引抜機の全幅に合わせて布掘りを行うものとする。 油圧式杭圧入引抜機の仕様は 4 本クランプとする。 施工手順は、1∼5 の順序で行うものとする。 1 枚目の圧入方向(鋼矢板の向き)は決定しているものとする。 1)コーナー鋼矢板を使用する位置( ① ∼ ⑧ )を選択し、答えなさい。 注)SKSP 製のコーナー用鋼矢板を除く。 2)コーナー施工において更に布掘りを追加する位置( A ∼ H )を選択し、答えなさい。 実線=計画法線 点線=施工手順 8,000mm A B D C ② ① ④ ③ 3 4,400mm 2 4 施工手順 1 ⑥ 1 枚目の杭 ⑦ ⑧ G H 4,000mm 7 F E ⑤ 5 H26 1 級学科試験(記述) 2. パワーユニットの安全装置についての問題である。 パワーユニットには突発的な機械トラブルの発生に備えて安全装置としてエンジン強制停止機能が装備され ている。この機能が作動した場合、運転中のパワーユニットは自動的にエンジンが停止され、圧入作業が続行 できなくなる。この安全装置が作動する条件として正しいものを下記の語群 A から 3 つ選択し、番号で答えなさ い。 語群 A ① 吸気圧力低下 ② 冷却水量低下 ③ 作動油量低下 ④ バッテリー電圧低下 ⑤ エアフィルタの目詰まり ⑥ 吸気量低下 ⑦ 冷却水温度上昇 ⑧ 作動油温度上昇 ⑨ 潤滑油圧力低下 ⑩ 潤滑油量低下 ⑪ バッテリー液量低下 ⑫ 排出ガス温度上昇 3. 鋼矢板についての問題である。 U 形鋼矢板(広幅型鋼矢板含む)の継手部で規定されている標準回転角度について正しいものを下記の語 群 B から 1 つ選択し、番号で答えなさい。 語群 B ① ±4° ② ±6° ③ ±10° ④ ±20° 4. 土質柱状図についての問題である。別紙の土質柱状図を使って次の質問に答えなさい。 1)深度(深さ)11.0m までの最大N値とその地点の深度を答えなさい。 2)最大N値(換算N値を含む)とその地点の深度を答えなさい。 3)土質柱状図内の( ① )に当てはまる数値を答えなさい。 注)深さ 12.15∼12.45m 地点の打撃回数枠 4)土質柱状図内の( ② )に当てはまる土質名を下記の語群 C から1つ選択し、番号で答えなさい。 注)深さ 9.40∼10.50m、14.50∼17.00m 地点共通の土質名 語群 C ① 玉石 ② 砂岩 ③ 8 シルト ④ 砂礫 別紙 H26 1級学科試験(記述) T. P. + 0. 18 1.80 No.B 1 0 c m cm N 10 10cm 20cm 30cm M 1 30m m 粘 土 30m m 60m m - 6- ○ 20 30 40 50
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