Document

■受付日: H27.6.1
■担当課: 教育総務課
■件名
市民の学習環境の確保について
■内容
このたびは、藤岡市の「市民の適切な学習環境の確保」についてご検討いただければと思い、メール
を差し上げた次第です。
現在、藤岡市において、市民が公共施設において自由に学習に励むことができるスペースは図書館
と総合学習センターの二施設が挙げられます。しかし、それら二施設ともに現状では不足していると
考えます。
①藤岡市立図書館に自習室を設置する(増築/改装/「視聴覚室」を一部開放する)
②公民館の一部を自習室として開放する
③藤岡市総合学習センターの一部を自習室として開放する(ポルポラ館の夏季開放の流れを汲む夏季
限定開放ではなく常時一部開放)
などの選択肢が挙げられますが、いかがでしょうか。
<①③について>
現在、藤岡市立図書館に「自習室」がないことは過去の「市長への手紙」で明示されており、実際に
利用してもそれは明白です。
本図書館は開設当初から学習室を設けておりません。館内での読書について南側に読書用テーブルを、
図書館所蔵の資料をもとにした調べ物等用としては北側に机を配置しています。
「市長への手紙/平成21年度」
( http://www.city.fujioka.gunma.jp/kakuka/f_hisyo/files/kakomail_H21-0044.pdf )
なぜ開設当初から自習室を設けていないのかは定かではありませんが、おそらく、1989 年に策定され
た日本図書館協会の提言によるものだとするならばその説明はつきます。
図書館は,資料提供の機能の展開として,集会・行事を行うとともに,図書館機能の宣伝,普及をは
かるための活動や,利用案内を行う。
席借りのみの自習は図書館の本質的機能ではない。自習席の設置は,むしろ図書館サービスの遂行を
妨げることになる。
「公立図書館の任務と目標
第二章
2.
(15)より」
( http://www.jla.or.jp/library/gudeline/tabid/236/Default.aspx )
しかし、現実では、県内でも群馬県立図書館(96席)、前橋市立図書館(120席)、高崎市立中央
図書館(100席強か)
、太田市立図書館などが独立した自習室を設けております。
そしてこうした安定した静かな学習環境の確保に対する取り組みが、各人の自己啓発や豊かな生きが
いづくりの寄与につながっていることは言うまでもありません。
現在、藤岡市立図書館は読書スペースと学習が可能なスペースが共用となっており、かつ座席数が豊
富でないため、市民の間でも不満の声があがっています。
その一例として実際に「市長への手紙」に投稿されている例も見られました。
「市長への手紙/平成21年度」
(http://www.city.fujioka.gunma.jp/kakuka/f_hisyo/files/kakomail_H21-0044.pdf )
それでは、図書館に独立した自習室を設けていない藤岡市は、そうした学習環境の確保は「藤岡市総
合学習センター」が担うことになるのは必至であり、この必然性についてはかつて藤岡市側も認識し
ていました。
学習室の利用を希望される利用者にはご不便をお掛けしていますが、幸い、来年度には藤岡市総合学
習センターが落成し、学習室の利用が始まります。
「 市長への手紙/平成21年度」
( http://www.city.fujioka.gunma.jp/kakuka/f_hisyo/files/kakomail_H21-0044.pdf )
しかし、ここでいう「自習室」が独立した静寂な「自習室」ではなかったことは、一年後の「市長へ
のメール」にて真っ向から否定しています。
当センターは、市民の生涯学習や市民活動のための施設で、個人的な学習のために学習室を常時開放
することは、設置の趣旨に合致しないと判断されます。
「市長への手紙/平成22年度」
( http://www.city.fujioka.gunma.jp/kakuka/f_hisyo/files/kakomail_H22-0033.pdf )
おそらく、藤岡市側は交流サロンやふれあい広場を「自習室」として利用するように考えていると思
われますが、同時に、藤岡市はそれらのスペースが閑静な「自習室」として適切ではないことは認識
されています。
交流サロンについては、ちょっとした打ち合わせや歓談に使用されることを想定して いますので、
会話などを制限することはできません。
「市長への手紙/平成22年度」
(http://www.city.fujioka.gunma.jp/kakuka/f_hisyo/files/kakomail_H22-0033.pdf )
総合学習センターでは、
(中略)、無料である北棟1階交流サロン、南棟 1 階ふれあい広場については、
歓談、打合せ等の簡易的な会議や、市民の方の学習室利用時の子育て支援等のためのスペースとなっ
ています
「 市長への手紙/平成23年度:」
(http://www.city.fujioka.gunma.jp/kakuka/f_hisyo/files/kakomail_H23-0046.pdf )
(ふれあい広場にて)利用者の中には、給茶器のお湯でカップラーメンをつくってゴミを放置したま
ま帰ってしまう人がいたり、使用後の紙コップが散乱 したりしているなど、マナーの悪さも目立ち
対応に苦慮している
「市長への手紙/平成24年度」
(http://www.city.fujioka.gunma.jp/kakuka/f_hisyo/files/kakomail_H24-0034.pdf )
このような環境が、果たして藤岡市立図書館が負えなかった市民の自習スペースの確保の役割を全う
しているといえるのでしょうか。
本来、学習環境は家で確保すべきであって行政が負うべき領域ではない、との叱責が挙げられるでし
ょうが、生活様式が多様化している現代において、それではなぜ県内はもとより多くの自治体が市民
の学習環境の確保に手を差し伸べてくれているのでしょうか。
今いちど、前述の選択肢を加味しながら、藤岡市も「市民の適切な学習環境の確保」を抜本的に見直
していただき、民意と一体となった市政を心よりお願い申し上げます。
是非、メールにて藤岡市としての回答をお願いしたい所存であります。よろしくお願い致します。
■回答
学力向上に向けたご提言をいただき、ありがとうございます。
まず、市立図書館についてですが、図書館のサービスは、図書の貸し出し等に加え、市民の求める
資料や情報を提供し、所蔵する資料を市民が読み、調べるための場所と位置づけられておりますので、
学習室は設置されておりません。また、視聴覚室は2階にあり、学習室としての利用が想定される時
間帯(夕方から閉館まで、および土曜日)は、2階事務室の職員が不在となり、防犯上の面から開放
は困難と考えます。
次に、総合学習センターについてですが、総合学習センターは、市民が自らの人生を豊かにするた
めの社会教育・市民活動を中心とした、生涯学習の場としての施設です。現在、各部屋はサークル、
カルチャースクール、講座等の利用で高い稼働率となっており、このような状況で、一部屋を学習室
として通年で開放することは困難と考えます。一方、南棟1階には「ふれあい広場」、北棟1階には
「交流サロン」があり、フリースペースとして通年で開放しておりますが、平成22年の開館から5
年が経過し、
「ふれあい広場」は歓談や打ち合わせ、親子のふれあうスペースとして、「交流サロン」
は中高生の事実上の学習のスペースとして、使われております。特に「交流サロン」は、学校のテス
ト期間中は大変混雑するため、今後は机と椅子を増やす方向で考えております。また、夏休み期間中
に限りますが、南棟403号室を学習室として開放しております。
公民館についてですが、今年度、藤岡公民館では 7 月 21 日から 8 月末まで日曜日を除き、第一学
習室、第二学習室を開放する予定です。鬼石公民館については、学校が休みの期間中に学習室を開放
しております。
以上、ご希望に添えない部分もあり申し訳ありませんが、藤岡市といたしましては、より多くの市
民の皆様に、各施設の目的に沿った利用をしていただくため、学習室の開放については上記のとおり
とさせていただきます。ご理解いただけますようお願い申し上げます。