多発性肝嚢胞の難病認定の陳情

平成 27 年 10 月 13 日
厚生労働大臣
塩崎恭久様
陳情書
陳情事項
今後の指定難病に係わる検討に際し、多発性肝嚢胞「常染色体優性多嚢胞性肝疾
患(ADPLD)J を指定難病に認定していただきたい。
網整
PKD;関 幸雄
⑮
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陳情事項
今後の指定難病に係わる検討に際し、多発性肝嚢胞「常染色体優性多嚢胞性肝疾
患、(ADPLD)J を指定難病に認定していただきたい。
陳情理由
1.
疾患概念
肝臓は一番大きな内臓で、その肝臓に多数の嚢胞が生じ、肝臓が腫大します。
こ
れにより多くの内臓・肺や心臓を圧迫します。 胃や食道の圧迫により食欲の低下や逆
流性食道炎を併発したり、その結果栄養状態が悪くなり、体力の低下により表弱しま
す。
さらに、肺や心臓の圧迫により、水が溜まったりします。 また、背骨を圧迫する
ことによる痛みも生じます。
思春期以降に診 断が明らかになり、成人期早期~中期にその数や大きさが増大し
ます。
肝機能そのものの低下は軽度のことが多いです。
この「多発性肝嚢胞( PCLD)J は「常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)J に合併し
たものと、腎嚢胞を合併しなし、「常染色体優性多嚢胞性肝疾患(ADPLD)J があります。
ADPKD は既に第一次指定難病で「多発性嚢胞腎J として認定されております。
ADPLD は 100,000 人に 1 人と言われています。
2. 疾患の治療
現在、多発性肝嚢胞の治療には、穿刺・硬化療法嚢胞開窓術・肝部分切除・肝動
脈塞栓術(TAE)・肝移植などが行われていますが、肝移植以外では施術する嚢胞の位
置が限定的であり、 TAE と穿刺はその処置も 3 ~ 6 ヶ月後には近隣の嚢胞が腫大化し再
発するため、繰り返し施術することが多くなります。 また、部分切除は近年ほとんど
行われていません。
肝移植もドナーの負担が重く、生体移植が臨時されるためドナー候補者が少ない
ため進んでおりませんし、献体移植は 15 年待ちと 言 われています。
現状では金属コイノレによる TAE が最も安定しておりますが、コイルの価格が高い
ため l 回の手術が数十万円かかることも少なくありません。 また、嚢胞感染があると
TAE が出来ないため、嚢胞感染の完全治療に長期間の入院が必要となったり、 TAE施
術ができない場合もあります。 また、施術される病院が限られていますので、その病
院までの移動費、入院費、家族の滞在費もかかります。
TAEや穿刺で繰り返しの入院や手術で高額の医療費がかかり、また繰り返す嚢胞
感染痛や、肝臓腫大による圧迫痛で仕事の継続が難しい患者も多くいます。
現在まだ治療薬もありません。
3. 患者会の現状
現在、多発性肝嚢胞の患者会は組織されておりません。 多発性嚢胞腎の多くが多
発性肝嚢胞を併発するため、常染色体優性多嚢胞性肝疾患(ADPLD )の患者の 一 部(数
名)は多発性嚢胞腎の患者会に入会しております。
4. 第2次難病指定での状況
第 10 回指定難病検討委員会で提示された資料2 「現時点で指定難病の要件を満たす
ことが明らかでない疾病」の『「診断に関し客観的な指標による 一 定の基準が定まっ
ている J ことについて要件を満たすことが明らかでない疾病』の E-108 に多発性肝嚢
胞が記載され、第2次指定から外されました。
5. 厚生労働省難治性疾患克服事業での現状
同事業の「多発性肝のう胞症に対する治療ガイドライン作成と試料バンク構築」
班の先生方は 2013年3月に「多発性肝嚢胞診療ガイドライン」を作成されており、そ
の中で多発性肝嚢胞 PCLD の明確な診断基準が定められ、 PCLD のうち既に難病として
指定されている常染色体優性多発性嚢胞腎ADPKD 以外は全て常染色体優性多嚢胞性
肝疾患(ADPLD )であると規定されています。
この診断基準は客観的な指標による明確な基準と考えられます。
6. 陳情詳細
第2次指定難病検討委員会で検討されてきた疾患「多発性肝嚢胞 J のうち「常染色
体優性多嚢胞性肝疾患(ADPLD)J を指定難病として検討頂き、厚生労働省難治性疾患
克服事業での研究成果を最大限活用して検討して頂けるよう陳情します。
・陳情者説明
多発性嚢胞腎財団日本支部( PKDFQJ)
米国の PKO Foundation の日本支部で、患者と患者の家族、支えてくださ
る友人達と、支援してくださる医療関係者の方々が作り、活動している団体です。
会員数約 200 名です。
FAX:042-338-7900
E
m
a
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l:pkdf吋@ pkdf1司 .org
Web:http://www.pkdf司 .org/
住所:干 206・0023
東京都多摩市馬引沢 1 ・ 14・26
程内方
代表者:程内栄子
PK}2 の会
多発性嚢胞腎を持つ者が、病気に関する知識を深め、適切な自己管理と、心
豊かな生活を維持するため、互助の精神の下、会員相互の交流を図ることを目的
としています。患者、患者の家族、ならびに医療関係者の方々で構成されます。
会員数約 180 名です。
電話: 090・3594・6673
E
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l:[email protected]
Web:h
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住所:〒 182・0006
東京都調布市西つつじケ _fr 3・28・2
山地方
会長:山地幸雄
以上
多発性嚢胞腎・多発性肝嚢胞患者会