予防・救済・対策

学校法人東洋学園セクシャル・ハラスメントに関するガイドライン
−予防・救済・対策−
前文−ガイドラインの基本方針
(1) 男女共同参画社会の実現が課題となっている今日、セクシャル・ハラスメントという人権
侵害となる行為をなくし、公正で快適な環境を形成することは避けて通れない課題です。そ
こで、本学園においても、セクシャル・ハラスメントの防止及び対策としてガイドラインを
策定することにしました。
(2) 本学園のセクシャル・ハラスメントに関するガイドラインにおける基本方針は、以下の通
りです。
1) セクシャル・ハラスメントの特質を考慮し、手続きを「相談」と「苦情処理」に分離し、
後者をさらに「調停」と「苦情申し立て」に分けました。
① 相 談
相談は紛争処理の為の手続きではありません。相談員は本人(あるいはその身近な者)
の「相談」に応じるだけで、相手方や関係者から事実関係を確認したり、紛争解決のため
に当事者の間に入るようなことは絶対にしません。本人がとるべき方針を決定することを
援助する手続きです。
② 調 停
セクシャル・ハラスメントの特質から、「話合い」による解決を通じて当事者が認識
を改めるという解決方法も必要であると考え、
「調停」を設けました。この調停は、
「防
止・対策委員会」委員が調停委員として間に入り、当事者の話合いをサポートしますが、
調停自体は当事者の意向に沿って進められます。
③ 苦情申し立て
セクシャル・ハラスメントの加害者に対して、何らかの強制的な措置をとる手続きが
「苦情申し立て」です。
「防止・対策委員会」は、被害者からの申し立てを受けた場合に
は、ただちに手続きを開始し、必要な場合には「調査委員会」を設け、事実関係を調査し
ます。これは、原則として2ケ月以内に作業を終えなければなりません。この調査委員会
は、客観性・公平性・中立性を確保するために、委員構成(男女比、関係学部・研究科及
び部局の者を除くなど)に配慮し、外部から弁護士に委員として入ってもらうことにしま
す。
④ 対応策の勧告・処分手続き等
「調査委員会」は調査結果を「防止・対策委員会」に報告し、「防止・対策委員会」
は、ただちに判定を下します。何らかの措置が必要な場合には、その案を策定し、理事長
に報告のうえ、当該学部・研究科及び部局に勧告します。勧告を受けた当該学部・研究科
及び部局は直ちに対応措置をとらなければなりません。但し、当事者の一方が学外者で
あるときには、
「防止・対策委員会」が必要な対応措置をとるものとします。また、教職
員の就業規則上の懲戒に係る事項については、
「防止・対策委員会」は、理事長に対し、
当該事案に関する理事会または常任理事会の招集を勧告するものとし、同様に、学生の懲
戒に係る事項については、教授会または研究科委員会に対し、審議を行うよう勧告するも
のとします。なお、当該事案が専門的な対応を要すると判断される場合は、
「防止・対
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策委員会」は、理事長に報告のうえ、専門職(弁護士・医師・カウンセラー等)にその対
応を依頼するものとします。
⑤ 結果の通知・公表
理事長は、その結果を当事者に通告し、また、当事者のプライバシーに配慮して、全学
に公表します。
2) セクシャル・ハラスメントへの制裁や措置として、いわゆる、学内規程による処分のほ
かに、
「授業停止」や「指導教員の交替」など、セクシャル・ハラスメント独自の対応措
置を例示し、また、被害の再発防止のために、加害者に対する「特別研修」を義務づけま
す。
3) セクシャル・ハラスメントに関するその他の注意事項として、虚偽の申し立てや証言の
禁止、報復行為の禁止等を明示します。
4) セクシャル・ハラスメント防止のために、学園としてとるべき施策について明示します。
5) ガイドラインの運用状況に応じて、必要な場合には、適宜見直し改訂を行うこととしま
す。
1) ガイドライン制定の趣旨
本学園は、憲法、教育基本法、男女雇用機会均等法及び労働基準法の精神に則り、基本的人権
の尊重と男女共同参画社会づくりをめざし、本学園において、学び・研究し、働くものすべてが、
個人として尊重され、セクシャル・ハラスメントのない、公正で快適な環境において、学び・研
究し、働く権利を保障するために、本学園における指針としてこのガイドラインを定めるもの
とします。但し、
「学校法人東洋学園セクシャル・ハラスメント防止・対策に係る組織機構に関
する規程」は、別に定めるものとします。
2) 学園の責任と構成員の義務
本学園は、セクシャル・ハラスメントに対して厳しい姿勢で対応し、性差別を生むおそれのあ
る環境を改善し、公正で快適な学習、研究及び労働環境をつくる努力をするものとします。その
ために、理事長は、
「セクシャル・ハラスメント防止・対策委員会」
(以下「防止・対策委員会」
といいます)を設置し、セクシャル・ハラスメントの防止と対策に関する全学的な施策全般に
ついて責任を負うものとし、また、大学 及び各部局の長は、具体的な施策や措置の実施につい
て責任を負うものとします。本学園のすべての構成員は、学び、研究し、働く自由と権利をセク
シャル・ハ
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ラスメントによって妨げられることがあってはなりません。誰もが、男女の対等な関係を前提と
し、相手の立場を尊重することに努めるとともに、人間関係を損ない、人権侵害となるセクシャ
ル・ハラスメントを起こさないこと、また、防止することに努める義務を負うものとします。
3) ガイドラインの対象範囲
① このガイドラインは、本学園のすべての構成員である教育職員、事務職員、技術職員、現業
職員、寮職員(いずれも常勤・非常勤は問いません。以下「教職員」と います)及び学生(設
置校の学生、科目等履修生、特別聴講学生、公開講座の受講生など本学園で教育を受ける環境
にあるすべての者をさします。以下「学生」といいます)を対象とします。教職員については
離職後、学生については、本学園設置校の学籍等を失った後も、在職中もしくは在学中に受け
た被害についての訴えを相談員を通じ、
「防止・対策委員会」に申し出ることができるものと
します。
② このガイドラインは、セクシャル・ハラスメントが、本学園の構成員相互間において問題と
なる場合には、学内・外、勤務時間内・外、授業中・外、課外活動中・外など、それが起こっ
た場所・時間帯を問わず、適用されます。
③ セクシャル・ハラスメントが、本学園の構成員と学外者との間において問題となる場合にも、
このガイドラインを適用します。したがって、教育職員が学外において行う講演・講義、事務
職員が学外で受ける研修、あるいは、学生の教育実習やアルバイト先での問題等についても、
このガイドラインを適用します。但し、加害者が学外者であるときには、このガイドラインの
手続きを準用し、学園として解決のために必要かつ適切な措置をとる努力をします。
4) セクシャル・ハラスメントの定義
① 「セクシャル・ハラスメント」とは、学習、研究、課外活動、就労などの関係においてなさ
れる相手方の意に反する性的言動で、行為者本人が意図するか否かに関わらず、相手方にとっ
て不快な性的な言動として受け止められ、その言動への対応によって相手方に利益もしくは不
利益を与えたり、または、相手方が本学園で学び、研究し、働く環境を著しく損なうものをい
います。
例えば、職務上または教育・研究上の地位、立場及び権限などを利用して、利益もしくは不利
益を条件に性的要求をすること(地位利用型・対価型)や、職務、学習及び研究の遂行を妨げ
るなどの職場、学習及び研究環境を悪化させること(環境型)などがそれにあたります。
なお、相手の意志を無視した性的暴力(強姦など)や虐待はいわゆるセクシャル・ハラスメン
ト以上に悪質で許されないものであり、この種の被害についてもこのガイドラインを適用しま
す。
(詳細は、別紙「参考」を参照のこと)
② セクシャル・ハラスメントは、男性から女性に対してなされる場合が最も多いのですが、女
性から男性への場合、あるいは同性間でも問題になります。
③ セクシャル・ハラスメントは、教職員と学生、上司と部下など、いわゆる優位な地位や力関
係にあるものの間で生じるのが一般的ですが、教職員や学生のそれぞれの同僚や同級生、先
輩・後輩及び上級生・下級生の間でなされる場合、または、学生から教職員に対してなされる
場合も問題になります。
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5) セクシャル・ハラスメントの予防に関する注意事項
① 男女は互いに対等なパートナーであることを認識し、常に相手の人格を尊重するとともに、
相手の立場に立って考え行動することが人間関係にとって必要となります。相手を性的な対象
とみて、力関係による支配や心理的な圧迫、身体を傷つけるなどの行為があってはなりません。
② たとえ行為者本人が意識していない場合であっても、相手によってはそれがセクシャル・ハ
ラスメントであると受け止められることがあります。相手がそれを「望まない性的言動」であ
ると受け取った場合には、それがセクシャル・ハラスメントとなりますので注意が必要です。
③ ある人にとってはセクシャル・ハラスメントと感じなくても、外国人留学生などとの関係に
おいて、社会的・文化的・宗教的な差異があるときには、それがセクシャル・ハラスメントとし
て受け取られることがあるので注意が必要です。
6) セクシャル・ハラスメントへの各自の対応
① 自分が、相手方の性的言動を「不快」と感じたら、相手に対して、言葉と態度で明確に「自
分は望んでいない」こと、
「不快である」ことを伝えてください。相手が目上の人や上級生で
あっても勇気を持って拒否し、自分の意志をはっきりと相手に伝えることが必要です。自分一
人で言えないときには、周囲の人に話して、助けてもらうようにしてください。
② 自分にとって不快な性的言動が、
「いつ・どこで・誰から・どのようなことをされたか」な
どについて、記録をとってください。また、証人になってくれる人がいる場合には、証言して
もらうことについて、その人に同意をとってください。
③ 自分の周囲でセクシャル・ハラスメントの被害にあっている人がいる場合には、加害者への
注意、被害についての証言、相談員のところへの同行など、被害者に協力してください。
7) 相 談
① セクシャル・ハラスメントの被害にあったときには、被害者自身が悪いわけではないので、
相手を拒否できないことがあっても、自分自身を責める必要はありません。また、一人で悩ま
ずに、誰かに相談するか学園の相談員に相談するようにしてください。
② 学園は、セクシャル・ハラスメントについての相談に応じるために、学生相談室、保健室及
び相談員(半数以上は女性です)を配置していますので、自分が最も利用しやすい所へ相談に
行ってください。もし、自分一人では相談に行きにくい場合は、他の人に同行してもらってく
ださい。
③ 相談は面接だけではなく、手紙、ファクシミリ、電子メール、学生相談室前の「投函箱」
への投函などでも受け付けます。相談に行きにくい場合は、これらの方法のうちで自分が一番
利用しやすい方法で相談員に相談してください。なお、相談員の氏名、連絡方法については、
別途明示します。
④ 相談員は相談者の悩みを親身に聞いて、相談者の受けた行為がセクシャル・ハラスメントに
該当するか否かについて、相談者自身の理解を深めることを援助するとともに、今後とるべき
方法(調停や苦情申し立て等)について、相談者が自分で意思決定をするための相談に応じま
す。なお、相談者が意志決定をした場合には、相談員は、すみやかに「防止・対策委員会」に
報告するものとします。
⑤ 相談員は、専門的な措置(法的措置、医療措置、カウンセリング等)が必要であると判断し
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た場合には、すみやかに「防止・対策委員会」に報告するものとします。報告を受けた「防止・
対策委員会」は、当該事案について専門的な措置をとることが妥当であると判断した場合には、
その内容を理事長に報告のうえ、専門職に対し適切な対応措置をとるよう依頼することとしま
す。但し、この場合、原則として被害者の同意を得るものとします。
⑥ 相談員は、相談者からの相談の内容が緊急を要する事由であると判断した場合には、すみや
かに「防止・対策委員会」に報告するものとします。
8) 問題解決の方法−「相談」から「調停」
・
「苦情申し立て」へ
① セクシャル・ハラスメントにあった場合に、相手方との間での問題を解決するための方法と
しては、当事者間での話し合い(
「調停」)によるものと、強制的な措置をとるもの(
「苦情
申し立て」)の二つがあります。どの方法によるかは、原則としてセクシャル・ハラスメン
トの被害にあった本人が決めるものとします。但し、いずれの手続きをとるにしても、事前に
必ず相談員に手続きについて相談するものとします。これは、どの手続きをとるのが最も適切
であるかについて、冷静に熟慮したうえで決定する必要があるためです。
② 調停又は苦情申し立ての手続きがなされた時点もしくは当該手続きの途中において、セクシ
ャル・ハラスメントの疑いのある行為が継続している場合で、緊急性があると認められるとき
には、
「防止・対策委員会」は臨時の措置として、加害者に対し、ただちに当該行為をやめる
よう勧告することができます。
③ 調停および苦情申し立て手続きの過程において、当事者(申し立て人・相手方)は、必要な
場合付添人(学外者可)を同席させることができます。但し、付添人を同席させる場合には、
事前に相談員を通じて「防止・対策委員会」に申し出るものとします。
④ 調停および苦情申し立て手続きの過程において、申し立てられた側が同意があった旨の抗弁
(言い訳)をした場合、それを証明する責任は申し立てられた側に負わせるものとします。ま
た、調停または事実調査の過程において、被害者の抑圧もしくは被害事実の揉み消しが行われ
てはなりません。これらに反する扱いがなされた時には、申し立て人は当該委員の交替や手続
きの打ち切りを申し出ることができます。
⑤ 調停及び苦情申し立ては、セクシャル・ハラスメントの被害にあった本人のほか、被害者が
学生の場合にはその保護者または保証人が手続きをとることができます。
⑥ 調停及び苦情申し立て手続きにおいて、申し立て人が相手方からセクシャル・ハラスメント
の疑いのある行為を受けた時期については、原則として、問わないこととします。
8−1) 調停-話し合いによる解決
① セクシャル・ハラスメントの紛争を当事者双方の話し合いで解決する手続きが「調停」です。
「調停」の申し立てがあった場合には、調停委員(「防止・対策委員会」委員の3名が調停
委員となります)が立ち会いますが、調停委員は、当事者間の話し合いを円滑に進めるために
必要な支援をするだけで、合意内容には関与しないものとします。どのような内容で合意する
かは当事者が決めることですので、
「調停」の過程において、調停委員会が調停案を提示して、
当事者から合意をとりつけるということはありません。
② 調停委員は、双方の主体的な話し合いが円滑に進められること、ならびに、当事者のセクシ
ャル・ハラスメントについての認識を共通のものにすることを側面から支援します。
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③ 調停委員は、被害者の抑圧や被害の揉み消しに該当するような言動をしてはなりません。も
し、これに反する言動を行ったときには、申し立て人は直ちに当該調停委員の交替、又は、調
停の打ち切りを申し出ることができます。
④ 調停委員会は、調停が成立したときは、合意事項を文書で確認するとともに、「防止・対策
委員会」に報告するものとします。報告を受けた「防止・対策委員会」は、対応策を策定し、
理事長に報告のうえ、当該学部・研究科及び部局に対応措置を勧告するものとします。
⑤ 当事者は、調停委員会に申し出ることにより、調停を打ち切ることができます。また、調停
委員会は、相当な期間が経過しても合意が成立する見込みがないと判断した場合は、調停を終
了させることができます。調停が不成立もしくは打ち切り等のため終了した場合には、被害者
は「防止・対策委員会」に「苦情申し立て」をすることができます。
8−2) 苦情申し立て
① セクシャル・ハラスメントの被害者が、学園に対して対応措置をとるよう求める手続きが「苦
情申し立て」です。この手続きは、原則として、被害者等から相談員を通じて、
「防止・対策
委員会」に苦情申し立てがなされた場合に開始します。但し、「防止・対策委員会」は、相
談員から緊急を要する事由について報告を受け、当該案件に関する被害の程度が重大である
ことが明白であり、学園として迅速な対応が必要であると判断した場合には、被害者等からの
苦情申し立てがなくても、委員会として独自に手続きを開始することができるものとします。
なお、この場合、原則として、被害者の同意を得るものとします。
② 「防止・対策委員会」は、
「苦情申し立て」手続きを開始した場合には、事実関係を調査す
るために、当該案件に限り調査を行う「セクシャル・ハラスメント調査委員会」
(以下「調査
委員会」という)を設置することとします。この委員会は、客観性・中立性・公平性を確保
するために、外部の弁護士1名を委員とし、男女比を考慮し、相談員を委員とせず、また、当
該学部・研究科及び部局の関係者をできるだけ除外するなど、委員構成に配慮して設置するも
のとします。
③ 「調査委員会」は、必要に応じて、当事者及び関係者から事情を聴取し、事実関係を明らか
にするものとします。調査委員は、調査に際して、被害者の抑圧や被害の揉み消しになるよう
な言動を行うことがないよう、また、当事者及び関係者の名誉・プライバシーなどの人格権を
侵害することのないよう、最大限の注意を払わなければなりません。もし、これに反する言動
を行ったときには、当事者及び関係者は、直ちに当該調査委員の交替を申し出ることができま
す。
④ 「調査委員会」は、原則として2ヶ月以内に調査を終了し、調査結果を「防止・対策委員会」
に報告するものとします。
⑤ 「防止・対策委員会」は、
「調査委員会」の報告をもとにすみやかに結論を下します。なお、
必要な場合には、当事者の意見を聴取する機会を設けることができます。
⑥ 「防止・対策委員会」は、当該事案をセクシャル・ハラスメントと認定した場合には、理事
長に報告のうえ、必要かつ適切な対応がとられるよう、委員会としての対応策を付して当該学
部・研究科及び部局に勧告します。但し、当事者の一方が学外者であるときには、
「防止・対
策委員会」が必要な対応措置をとるものとします。
また、
「防止・対策委員会」において、教職員の就業規則上の懲戒に係る事項であると判
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断した場合については、
「防止・対策委員会」は、理事長に対し、当該事案に関する理事会ま
たは常任理事会の招集を勧告するものとし、同様に、学生の学則上の懲戒に係る事項であると
判断した場合については、教授会または研究科委員会に対し、審議を行うよう勧告するものと
します。なお、学園の構成員の懲戒に係る事項については、
「防止・対策委員会」において処
分案を作成しないものとします。
9) 学部・研究科及び部局のとるべき措置
① 学部・研究科及び部局は、
「防止・対策委員会」から勧告があったときには直ちに適切な措
置をとるとともに、審議が必要な場合には直ちに審議を行わなければなりません。加害者が教
育職員及び学生の場合には、当該大学の教授会または研究科委員会で対応措置について審議し
ます。また、事務職員・技術職員・現業職員及び寮職員等の場合は、当該部局の事務局長また
はこれに準ずる者に手続きを委ねます。
② 学部・学科及び部局での審議に際しては、当事者に意見を表明する機会を保障しなければな
りません。
③ 学部・研究科及び部局は、対応措置についての結論を理事長に報告します。なお、理事長は
当該報告を踏まえ、必要な場合には理事会または常任理事会を招集し、理事会または常任理事
会にて審議を行うものとします。
④ 理事長は、学園としての対応を被害者に知らせるとともに、被害者の利益を最優先させ、当
事者のプライバシーに配慮しながら、経過と結果を学園全体に公表します。
10) セクシャル・ハラスメントに対する措置−救済・制裁・環境改善
① 被害者に対しては、学園として、心理的ケアを含む、可能なかぎり最善の救済が与えられる
よう努力するものとします。
② セクシャル・ハラスメントを行ったとして、調停や苦情申し立てをされた者は、その行為が
セクシャル・ハラスメントであることが認定された場合には、必ず、「防止・対策委員会」の
指定するセクシャル・ハラスメントに関する研修を受けなければなりません。
③ セクシャル・ハラスメントの加害者は、その悪質性の程度に応じて、学内規程により処分さ
れることがあります。
④ 再発防止のために、環境改善の措置をとります。例えば、
「授業停止」
、
「指導教員の交替」、
「単位の代替措置」、「ゼミ、サークルの活動停止」、「職場等の環境改善命令」などがあ
ります。
11) その他の注意事項
① セクシャル・ハラスメントのことで学園に相談したり、調停・苦情申し立てをしたことを理
由に、当該事案の担当者が、相談者に対してセクシャル・ハラスメントをしたり、その他不利
益的な取扱いをすることを禁じます。もし、不利益的な取扱いがなされた場合には、学園とし
てただちに必要な措置をとることとします。
② セクシャル・ハラスメントの相談や調停・苦情申し立てをしたことに対して、申し立てられ
た側が報復をすることを禁じます。もし、報復行為がなされた場合には、学園としてただちに
必要な措置をとることとします。また、申し立てられた者以外の者が、申し立てをした者に、
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何らかの差別的・不利益的な取扱いや、いやがらせなどをしたときも同様に対処します。
③ セクシャル・ハラスメントの相談・調停・苦情申し立て及び事情聴取に際して、虚偽の申し
立てや証言をした者は、学内規程により処分されることがあります。
12) セクシャル・ハラスメントの防止−施策
「防止・対策委員」は本学園においてセクシャル・ハラスメントが発生しないために、以下の
ような様々な活動を行います。但し、これらの活動は、必要に応じて、学園の他の規程等に委ね
ることとします。
① 学生に対して、新入生オリエンテーション、講演会などの機会を通じてセクシャル・ハラス
メントに対する理解を深めるように努めます。
② 教職員のセクシャル・ハラスメントに対する理解を深めるために、啓発活動を行うように努
めます。
③ 特に、管理職に対して、セクシャル・ハラスメントの問題が発生した場合に、これを単なる
個人的な問題として処理したり、消極的な対応をとることがないよう、注意を喚起します。
④ 調停及び苦情申し立てをされた者の行為がセクシャル・ハラスメントであると認定された場
合には、その者に対して特別の研修等を受けるよう指示します。
⑤ セクシャル・ハラスメントの概要(相談件数、苦情申し立て件数、措置件数と対応結果等)
を公表し、本学園の現状について、全構成員に情報を提供します。但し、公表に際しては、被
害者本人の利益を最優先させるとともに、プライバシーの侵害にならないよう配慮するものと
します。
⑥ 適当な期間をおいて、必要な場合には実態調査を行い、結果を公表します。
13) 見直し・改訂
このガイドラインの改廃は、セクシャル・ハラスメント防止・対策委員会の議を経て理事会が
行います。
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学校法人東洋学園ハラスメント防止・対策に関する担当者選任
1.防止・対策委員会(理事長が任命・任期2年)
(1)学長、副学長
(2)研究科長、学部長
(3)法人本部事務局長、大学事務局長、これに準ずる者
(4)各学部、研究科から選出された教育職員各1名(選出された者のう
ち半数以上は女性)
(5)事務職員1名(女性を選出)
2.相談員(防止・対策委員会が選考し、理事長が任命・任期2年)
(1)学生相談室のカウンセラー
(2)保健室の看護師
(3)教育職員の相談員(各学部、研究科から各1名(合計人数のうち半数以上
は女性)
)
(4)事務職員の相談員(学園の全事務職員の中から2名(選出された者のうち
1名以上は女性)
)
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