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第14章 微分方程式その3 14.1 数値微分 n階微分方程式の近似
●二階微分方程式の差分式
n + 1点の関数値が必要
P点の2階微分をPQR点のy座標と係数a,b,cで表す
関数uの点xjの周りのテイラー展開
𝑢𝑗+1
R
𝑢𝑗
𝑢𝑗−1
P
Q
k
𝑑2𝑢
𝑑𝑥 2
この2階微分を求めたい
𝑥=𝑥𝑗
係数a,b,cはいくらか?
とりあえずkとhはNOT=としている
このテイラー展開した式を式(14.1)に代入すると、
‥‥(14.2)
この式(14.2)がx=xjにおける2階微分の近似であるためには、
このa,b,cを
式(14.1)に代入
‥(14.3)
等間隔格子 k=hのとき
2階微分方程式
の差分式
‥(14.4)
●1階微分を3点で表す
式(14.2)は、
‥‥(14.2)
式(14.2)で0階微分係数を0、1階微分係数を1、2階微分係数を0なので
a,b,cを求めると
等間隔格子 k=hのとき
●中心差分
‥‥(14.6)
●前進差分 1階微分は2点で表せられるので
‥(A)
テイラー展開した式を式(A)に代入
‥(14.7)
●後退差分
‥(B)
𝑢𝑗+1
𝑢𝑗
𝑢𝑗−1
テイラー展開した式を式(B)に代入
R
𝑑𝑢
𝑑𝑥
P
Q
‥(14.7)
k
14.2 境界値問題(1)
2つの境界値が必要
ディレクレ境界条件
‥(14.9)
ディレクレ条件
‥(14.8)
式(14.4) の2階微分方程式の差分式より、
y=yj, x=jhとして式
(14.11)を式(14.8)
‥(14.11) に代入すると、
‥(14.12)
j=1,2,….. J-1のJ-1
𝑦𝑗+1
個の連立一次
方程式
𝑦𝑗
未知数 y1,y2,
𝑦𝑗−1
….. yJ-1 のJ-1個
y0と yJ は境界条
件で与えられて 𝑦𝐽 𝑦0
0
いる
𝑑2 𝑦
𝑑𝑥 2
R
𝑥=𝑥𝑗
P
Q
h
h
2h
(j-1)h
jh
(j+1)h (J-1)h Jh=1
●(14.12)式の解き方
‥(14.12)
境界条件よりy0=0なので省略
j=1
j=2
j=3
‥‥
j=J-2
j=J-1
境界条件よりyJ=0なので省略
3項方程式 トーマス法
‥‥(14.13)
j=1,2,….. J-1のJ-1個の連立一次方程式
未知数 y1,y2, ….. , yJ-1 のJ-1個
●例1 実際に式(14.8)を4格子(h=1/4)で解いてみる
‥(14.9)
‥(14.8)
‥(14.12)
境界条件よりy0=y4=0なので省略
j=1,2,3,4を代入
3個の連立一次方程式
未知数 y1,y2, y3 の3個
y1=0.04427, y2=0.07016
y3 =0.06040
𝑑2 𝑦
𝑑𝑥 2
𝑦3
𝑦2
𝑦1
𝑦4 𝑦0
𝑥=𝑥𝑗
P
R
Q
0
1h
2h
3h 4h=1
14.3 境界値問題(2)
ノイマン条件 境界条件が微分で与えられる
境界条件も差分近似する
1階微分の近似に前進差分
境界条件 y’(1) = 0 の前進差分近似は(14.7)式より、
‥‥(B)
𝑑2 𝑦
𝑑𝑥 2
𝑦𝑗+1
𝑦𝑗
𝑦𝐽
R
𝑥=𝑥𝑗
P
𝑦𝑗−1
𝑦0
J+1は、領域外の仮想の点
Q
h
0
h
2h
(j-1)h
jh
(j+1)h (J-1)h Jh=1 (J+1)h
元の式を差分で表した式(14.12)をもう一度書くと、
右端の境界x=1では、式(14.12)に j=Jを代入すると、
(B)式の境界条件よりyJ+1= yJなのでyJ+1を消去すると、
ミスプリ”-”が必要?
j=Jの式
解くべき連立1次方程式は、式(14.13)とほぼ同じで、最後の方程式を、
j=J-1の式
で置き換える。
ミスプリ”-”が必要?
j=1,2,….. JのJ個の連立一次方程式 式(14.4)が加わる
未知数 y1,y2, ….. , yJ のJ個
●例1 ノイマン境界値問題
式(14.8)、式(14.9)を領域を10等分(J=10, h=0.1)して解く
表 14.1
厳密解
10
●2階微分方程式の境界値問題アルゴリズム
11
http://honmokucoffee.blog.fc2.com/blog-entry-1187.html
14.4 線の方法
●1次元拡散方程式の初期値・境界値問題
C :濃度[kg/m3 ]
2
𝜕𝐶
D
:拡散係数[m
/s]
2
拡散方程式
= 𝐷𝛻 𝐶
α:温度拡散率
𝜕𝑡
[m2 /s]
𝜕𝑇
熱伝導方程式
= 𝛼𝛻 2 𝑇
𝜕𝑡
(14.15)
境界条件(tのときに両端の値)
u
初期条件(時間t=0のときのuの分布)
初期条件
u
f(x)
u=?
u=0
x=0
境界条件
x=1
x
u=0
x=0
x=1
x
●式(14.15)右辺のxのみ差分近似: 点xjでのuの値は時間の関数
2階微分方程式の差分式(14.4)を式(14.15)の
右辺に代入すると、
初期条件
境界条件
●左辺を式(12.3)のオイラー法で
表して式(14.16)に代入
𝑑𝑢𝑗
𝑢𝑗 𝑡+Δ𝑡 −𝑢𝑗 (𝑡)
𝑑𝑡
=
Δ𝑡
J-1個の未知数ujに対する
連立J-1元常微分方程式
オイラー法を用いると、
時間
𝑛
𝑢𝑗 𝑛Δ𝑡 = 𝑢 𝑗
と表すと、
離散化した位置
線の方法:
一部の変数に対してのみ差分近似
連立常微分方程式を解く方法
境界条件 𝑢 𝑗𝑡= 0
境界条件 𝑢
t
𝑢
(n+1)Δt
nΔt
𝑛
𝑢 𝑗−1
𝑡
𝐽−1=
𝑛+1
𝑗
𝑛
𝑢𝑗
𝑛
𝑢 𝑗+1
Δt
0
j=1 2
Δx
j-1
0
j j+1
J-1
x
初期条件
0
𝑢 𝑗 = 𝑓(𝑥𝑗 )
15
●例題 Δt=0.002
↑時間を
ひとつ
進めたx
の分布
j=1
j=J-1