日経ビジネス2008年11月3日号

が必要 となる。その通電検査用の探針
には、タト
窄:65マイクロメー トル (マイ
技術革新を裏で支える
髪基り細い微小バ ネ
今や現代大にとって不可欠4生 ヽツ
ールとなった携帯電話。中にはいくつ
もの微小な部品が使われている。例え
ば、携帯再話の充電池の接点にあ.イ
金
クロは100万 分 の 1)の 微小 バ ネが用
い られている。外径 65マ イクロメー
トルと言えt去女性の髪の毛 より細 ぐ、
顕微鏡 で見なけれtシミネと分か らない
ほどNllい
。
こうした様 々な微小 パネで世界 シェ
アの多 くを握 る同社には、今 では海外
企業か ら開発や試作の依頼が連日のご
とく舞 い込んで くるとい う。 _
│ン告
ン輸
陸lヽ
接合部分に使われるこのイ
がネでは
いシ
世界で9割近
実に「
キアを誇る」と
語るのが今回、優秀賞を受賞した微小
バ ネメーカー、ファインパーツ(横浜
市)の黒田義光社長だ。
社員32人 の小 さな会社なが ら、黒
田氏の リーダーシップの下、よりm/Jヽ
心 とした電子部品力f、進化 とともに小
さくなる潮流に商機を感 じた。
モ ノ は進化 とともにガヽさ くなる。
「
どれだけモノが微細 になって もバ ネは
必要不可欠。ならば徹底的に微測 なパ
ネを追求すれt去 願客 にとって必要 と
され続 け る企業 になる」
。そ う感 じた
一
黒田氏は 念発通 して、顧容が社長を
務める中小バ ネメー カーヘの転職を決
意する。
バ ネ業界 は全 くの素人。だが 1年 強、
営業 として働いた結果 「もっ と提案営
自動車販売員から覇身
業 をか ければ先駆的に市場を開拓で き
ファイ ンパ ー ッの創業は1987年 と
業界では歴史が浅 い。にもかかわ らず
る」と感 じ、
独立 した。
需要を先取 りし、
パ
い
微小 ネの極限を追 求めれば、必ず
他社 を圧倒する微か バネの加工技術 を
需要 は出て くると考えたか らだ。
得 たのは、黒田氏 の先見性 にある。
高校卒業後、自動車 のセールスマ ン
黒田氏 の読みは的中。当時 の微小 バ
ネは最小の もので外径 lmm程 度。20
だった黒田氏 は学歴至上主義の会社 に
年近 くの歳月をかけ、さらに15分 の 1
程度の微細 なバ ネを作 る独 自の ノウハ
器 を中心 とした製品の微小化や新技術
未来 を感 じられず にいた。85年 の こ
とだ。自分 の顧客だった中小バ ネメー
カーの社長を自宅に訪ね、雑談をして
の開発 に大 きく貢献 してきたことが評
い るうちに微小 バネの可能性 に気づ か
ウを編み出 した。
微小 バ ネの市場規模 は、1つ の製 品
群で も多 くて年間 20億 ∼ 30億 円程度
価 された。
された とい う。
オ ー プ ン リー ルか らカセ ッ トテ ー
とい うニ ッチなもの。この規模 では大
手 のバ ネメー カー も参入 しづ らい。一
プ、CDへ の転換 な ど、電化製品 を中
方、中小企業 にとってはパ ネ製造機
100台 を誇るファイ ンパー ッに追いつ
くまでの投資は難 しい。
なパネの開発を追い求 め続け、電子機
携帯電話 では、ノキア (フィ ンラ ン
エ リク
ド)、モ トロー ラ (米)、ソニー・
ソ ン (英)、LG電 子 (韓国)を は じめ と
す る海外企業がこでって採用 してい る
のはもちろん、ポールペ ンのペ ン先か
企業か らの試作依頼にも柔軟 に対応
ら半導体 の通電検査用の探針など、微
小バ ネの用途は幅広 い。
し、早 ければその日のうちに試作品を
届 け る とい う。「開発依頼 は積極的に
受けるように している。無理難題が多
半導体 な どの電子 部品の微小化 も、
ファイ ンパニ ツカき
黒子 となって開発を
く寄せ られれば、それだけ自社の技術
支 えてい る部分がある。LSI(大 規模
が高め られるか らだ」とす
系田氏は話す。
集積 回路)な どの十導体部品 は、どれ
あ くなき探究心 によって他社が容易 に
挽小バ ネを生み出し続
真似 で きない、イ
だけ小 さくなったとしても、通電検査
けてい る。
電化製品だけでな く、クルマや航空
機 といった大 きなモノにまで、電子化
の波は押 し寄せている。軽量化、微小
ろだ・
黒田 義光 (く
工しみつ)氏
1955年 神奈川県生まれ、53歳 。73年 地元高校
を卒業後、大手自動車販売店に入社し、営業を担
当。85年 顧客だった中小パネメーカーの社長の会
社へ転職、87年 独立しファイン′‐ ツを設立。
(写真上 :中 西 昭、写真右 :丸毛 透〕
化 の波は止 まらないだろ う。そんな革
新的な製品が世 に出てい く裏には、フ
ァイ ンパー ツの存在が欠かせない。
( 白壁 連久)
NInei Busilless 2003年 11月3日号 129