平成28年度 高機能素材活用産業創出事業実施計画 我が国経済は、経済のグローバル化が進展し国際競争が激化する中で、地域においては工場の撤退など大変厳しい状況にあるため、今後、 我が国企業の競争優位を確保していくためには、国際的に通用する地域の強みや特徴・潜在力等を最大限に活用して世界を見据えた事業展開 を構想し、我が国経済を牽引することが期待できる成長可能性が高い産業分野への参入や新たなビジネスの創造の促進を行うことが重要です。 一方、政府において平成27年12月24日に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略(改訂版)」では『地方にしごとをつくり安心して働 けるようにするため、生産性の高い、活力に溢あふれた地域経済実現に向けた総合的取組の重要性が謳われ、具体的な施策として、 地域経済 を牽引している地域中核企業のグローバル・イノベーター企業への脱皮やグローバル・イノベーター企業による国際的な事業展開の拡大、潜在 成長力のある企業の地域中核企業への革新を実現していくことが明示されています。 このような状況下、四国経済産業局においては、地域の機関と連携し、地域の中堅・中小企業に対して、産学官金の支援体制を構築し、高機 能素材の開発や活用し、新分野・新製品の開発に向けた取り組みを行うプロジェクトを支援していきます。 ■事業内容 ネットワーク型支援 フェーズ1.やる気のある地域企業を中心に、プロジェクト組成に向けた準 備 ①高機能素材(重点素材:炭素繊維、セルロースナノファイバー、機能紙) を製造、または、活用して、新たな事業展開を検討しようとする企業を発 掘する。 具体的には、各分野に精通した専門家を企業に派遣し、個別に素材の 特性や活用策、連携機関やパートナーを紹介などを行う。 ②高機能素材の特性や活用方法、製品化に向けた市場動向などを情報 発信する。 具体的には、分野の専門家などによるファーラム、セミナー、勉強会を 開催する。なお、セルロースナノファイバーについては、全国フォーラム や、他地域との連携も視野に広域的取り組みを模索する。 ③大学の知財管理センターなどと連携し、高機能素材を活用した産業の 創出に資する大学等にあるシーズと関心のある企業をマッチングさせる。 ハンズオン型支援 フェーズ3.事業化を目的とする研究開発等の製品化に向けた取組やビジネ スモデルの構築を実施 ①専門家を派遣して、出口戦略が描けた個別プロジェクトの参画企業間の 調整やプロジェクトマネジメントを行う。 ②試作、共同研究、人材育成などを行うため、活用できる各種助成事業を 調査し、活用支援を行う。 フェーズ2.やる気のある企業グループの組成(企業マッチング)からプロ ジェクト研究会発足の支援を実施 ①関心のあるユーザー企業の勧誘 新製品の開発に関心のあるユーザー企業(大手企業等)をプロジェクト メンバーに参画させるため、展示会や個別企業訪問を行う。 ②1.③で整理したシーズをもとに、企業グループを組成し、研究会の発足 を支援する。 新規事業に参入を する企業群を支援 フェーズ4.販路開拓や海外展開に向けたサポートの実施 ①販路拡大のため、ユーザー企業(大手川下企業など)や新分野(応用分 野)のユーザーと個別マッチングを行う。 ②各プロジェクトの企業グループが描いた出口戦略に沿った販路開拓・海 外展開支援等ため、外部資金(補助金、助成金)を獲得するための支援 を行う。 ③製品の認証取得、プロモーション、ブランディングなど、製品の価値向上 に資する支援を行う。 ■具体的な事業展開イメージ(平成28年度予算が成立し、事業費が確保できることを前提に作成していますので、場合によっては事業内容の変更もあり得ます。) フェーズ1 やる気のある地域企業を中心に、プロジェクト組成に向けた準備 ■セミナー・フォーラムの開催(情報提供 による気づきの機会の提供) ①市場動向、加工技術に関するセミナーを開催する。(数 回) ②CNF(セルロースナノファイバー)に関するフォーラムを 開催する。(技術テーマ毎、他地域との共催) ③重点分野展開フォーラムを開催する。(数回) ■市場ニーズ・企業大学等のシーズのとりまとめと 共有 ①セミナー、企業訪問、関係者との面談などで得た情報 をとりまとめて、関係者で情報共有を行い効率的な事業 の推進に役立てる。 ②関係者による情報交換会を実施する。 ■企業訪問による意欲的な企業の発掘 ①専門家、支援機関職員が企業を訪問し、素材 の特性、活用法について助言する。 ②大学等の知財に詳しい機関と連携して、大学等 のシーズを企業に紹介し、コンソーシアム形成に つなげる。 ③CNFの特性を広く知らしめるため、コーディネー ターや専門家による個別企業訪問を実施する。 ■国内外の市場動向情報等の収集 ①国内外の関係機関(大学、研究所など) を訪問し、市場ニーズ情報を収集する。 ②国内外で開催される展示会、セミナー等 に参加し、パートナー企業の発掘など企 業間ネットワークを構築する。 ■他の経済産業局等との連携強化 ①次世代自動車、医療機器、高機能素材など、他局が推 進するクラスターとの関係性を強めるため、中部局、北陸 支局、近畿局、中国局などと連携を密にし、出口戦略に役 立てる。 ②特に、CNFにおいては、産総研中国センター、京都大学、 東京大学など先端的な取り組みを行っている研究機関と の連携を強化する。 ■具体的な事業展開イメージ(平成28年度予算が成立し、事業費が確保できることを前提に作成していますので、場合によっては事業内容の変更もあり得ます。) フェーズ2 やる気のある企業グループの組成(企業マッチング)からプロジェクト研究会発足の支援を実施 ■高機能素材開発・活用勉強会の開催 (研究準備会) ①高機能素材の特徴や用途・加工事例等の情報を提供 することで、高機能素材の活用に関心のある企業の参 画を具体化する。 ②素材メーカー等とのマッチングによる事業化を通じて 【ステージ3】の研究会等への参画を促す。 ■高機能素材活用産業創出に係る会議等の開催 ①事業全体の進捗管理・運営、コンソーシアムの組成など について、四国全体の合意形成を図りながら取り組んで いくため、関係者による会合を行う。 ②各県毎に定期的な連絡会を開催し、情報共有を図るとと もに、県単事業等との相互補完・相乗効果の可能性を探 る。 ■TAMA協会「技術連携交流会」への参加 ①TAMA協会が主催する技術連携交流会に参 加し、関東の大手企業と地域企業の技術を売 りにしたマッチングを行う。 ②四国の高機能素材を使いこなし大手企業の課 題解決に貢献する取組に発展させる。 ■専門家によるマッチング支援体制の構築 ①紙の総合マッチングサイト「四国は紙國」な どの効果的な連携について検討する。 ②情報発信(四国に集積する高機能素材や活 用企業のPR)→情報収集(成長市場からの 問合せ)→マッチング(問合せ情報と地元企 業のマッチングと支援)→展開支援」の流れ をつくる。 ■具体的な事業展開イメージ(平成28年度予算が成立し、事業費が確保できることを前提に作成していますので、場合によっては事業内容の変更もあり得ます。) フェーズ3 事業化を目的とする研究開発等の製品化に向けた取組やビジネスモデルの構築を実施 (事業例) ①共同体制の強化に向けた関係者間の調整等のプロジェクト参画企業間の連携体制構築の支援を実施する。 ②高度な技術的知見を有する専門人材の活用による最新情報・知識の導入、研究会のマネジメント、不足リソースの補完等の研究会の 高度化支援を実施する。 ③試作費用、共同研究開発、人材育成等の活動経費に関する助成事業等の活用支援を実施する。 フェーズ4 事業化を目的とする研究開発等の製品化に向けた取組やビジネスモデルの構築を実施 (事業例) ①売上拡大に向けた大手ユーザー企業等の川下企業や新規顧客等とのマッチング支援として個別商談会を実施する。 ②ジェトロ、JICAや中小機構等の販路開拓・海外展開支援施策等の活用支援やその獲得に向けたサポートを実施する。 ③認証取得、プロモーション、ブランディング等の戦略に係る商品価値向上に向けたサポートを実施する。 プロジェクトマネーシャー(PM)やコーディ ネーター(Co)による事前調整 ○地元中核・中小企業の強みを知るCoが、ニーズ 発信会の前に、ユーザー企業のニーズを確認・調整 中核企業を中心に研究会の開催 ○中核企業を中心に、ユーザー企業のニーズに応えられる 中小企業等で構成するコンソーシアムを形成し、ユーザー 企業のニーズ分析や、ニーズに対応した新製品の開発を 行う。 中核企業 中小企業 クローズドな研究会において 試作開発に向けた検討を開始 ※テーマに応じて研究会を開催。 ユーザー企業 地域企業 中核企業 大学等 ユーザー企業 地域企業 地域企業 中核企業 高機能素材関連産業の創出支援 四国経済産業局 ~次世代マテリアルクラスター四国の形成に向けて~ 炭素繊維、アラミド繊維などの製造拠点や紙産業の集積を活かし、素材の高度な機能を活用した高付加価値製品の開発を行 う中堅・中核企業への支援を通じて、高機能素材関連企業群の形成を目指す。 1.支援策とプロセス ②人材養成支援 ①市場展開支援 ・専門家による企業課題の抽出 ・大学が持つ技術シーズの発掘 ・国内外の市場動向調査 ・大企業とのマッチング ・販路開拓支援制度の紹介と施策活 用コンサルティング ・展示会出展サポート ・専門家によるプロモーション、ブラン ディング ・加工技術研究会の開催 ・プロジェクト管理研修会の開催 ・専門家養成プログラムへ人材派遣 ③技術支援 高機能素材(炭素繊維、CNF、機能紙など)を開 発・活用する中堅・中核ものづくり企業 炭素繊維 CNF ・公設試等への検査機器導入支援 ・専門家による加工技術支援 ・大学、公設試など研究機関へ橋渡し ・試作品開発支援策(ものづくり補助金、 サポイン補助金など)の活用支援 ・民間企業へのテストプラント導入支 援 機能紙 (セルロースナノファイバー) 新たな企業を発掘 セミナー開催 支援プロセス 勉強会開催 企業訪問 セミナー・フォーラム 企業訪問によるニー の開催 ズ・シーズの把握 戦略会議によるプロ ジェクト化支援 プロジェクト毎に 研究会を開催 事業化・製品化 に向けた支援 2.支援体制 金融機関 四国地域イノベーション 創出協議会 (構成メンバー40機関:大学、 公設試、産総研、中小機構・・) 活用施策例 四国経済産業局 他経済産業局 香川県 平成28年度「地域中核企業創出・支援事業」 連携 平成28年度「戦略的基盤技術高度化支援事業」 平成28年度「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」 連携 徳島県 愛媛県 高知県
© Copyright 2024 ExpyDoc