阪 神 高 速 道 路 の ネ ッ ト ワ ー ク 阪神高速道路技術センターの仕事 HANSIN EXPRESSWAY TECHNOLOGY 平成 27 年 1 月現在 有資格者 工学博士/技術士/RCCM/測量士/1級土木施工管理技士 一般財団法人 阪神高速道路技術センター 〒 541-0054 大阪市中央区南本町 4 丁目 5 番 7 号・東亜ビル内 Tel: 06-6244-6060 URL: http://www.tech-center.or.jp/ N 御堂筋線 本町 信濃橋入口 四つ橋線 本町 (一財)阪神高速道路 技術センター 中央大通 中央線 本町 阪神高速道路 西船場 JCT 阪神高速道路(株) 環状線 この印刷物は環境に優しい 「植林木使用紙」 「植物油インキ」を使用しています。 御 堂 筋 四ツ橋筋 信濃橋出口 東大阪線 一般財団法人 阪神高速道路技術センター ACC201507-2nd 000 CENTER COMPANY PROFILE HANSHIN EXPRESSWAY TECHNOLOGY CENTER COMPANY PROFILE 阪神高速道路技術センターの仕事 ごあいさつ 組 織 理 事 長 一般財団法人 阪神高速道路技術センター 理事長 中林 正司 総 務 課 企 画 課 理 事 会 調査研究課 技術委員会 共 済 部 共 済 課 それらの研究成果は、開業50年を迎えて老朽化対策が喫緊 一貫して阪神高速道路の建設・管理にかかる調査・研究を行っ の課題になっている阪神高速道路の大規模修繕・更新事業に生 てまいりました。 かされ、事業推進の一翼を担っているところです。 高速道路の建設・管理には高度な技術と蓄積した経験が必要 平成 25 年 4 月、阪神高速道路技術センターは一般財団法人 です。技術センターはその要請に応えるべく、建設・管理の現場 に移行し、再出発することになりました。一般財団法人としての 情報を蓄積し、培った豊富な経験と学識経験者や専門技術者の 技術センターの使命は、従来の調査・研究事業を継続しつつ積 博識・技術力を結集して課題解決を図るシンクタンクの役割を 極的に公益事業を展開することにより、人や環境に優しい高速 果たしてまいりました。とりわけ、近年大きな社会問題になって 道路を実現させ、関西都市圏の発展に寄与していくことだと考 いる道路構造物の老朽化問題に関しましては、単に老朽化した えています。 構造物の修繕対策に止まらず、構造物の耐久性や健全度評価、 企画研究部 評議員会 共済運営委員会 阪神高速道路技術センターは昭和53年に設立されて以来、 理 事 私たち技術センターは日々弛まぬ創造と革新を続け、阪神高 さらにはアセットマネジメントの分野にまで調査・研究の域を広 速道路および地域社会の期待に応えることができるよう今後と げ、進展する道路構造物の老朽化対策を総合的見地から取り組 も更なる努力を重ねてまいりますので、皆様のご支援、ご協力の んでいるところです。 程、宜しくお願い申し上げます。 1 HANSHIN EXPRESSWAY TECHNOLOGY CENTER COMPANY PROFILE 阪神高速道路技術センターの仕事 三宝ジャンクション(建設中) 技術センターの目的と事業 設立目的 技術センターは、阪神高速道路や都市部道路の建設・管理 に関する総合的な調査研究および技術開発を行うとともに技 術者の養成を行うことにより、道路事業の発展と都市機能の 維持および増進に寄与することを目的とし設立されています。 また、阪神高速道路事業に従事する関連法人共済会員の福 利厚生事業も行っています。 事 業 技術センターは、道路等の建設管理に関して下記の事業を 実施しています。 1 調査研究および技術開発 2 調査研究等に関する業務の受託 3 研究発表会、講演会の開催 4 技術図書の刊行 5 道路等事業の推進のための啓蒙、宣伝、協力等 6 土木構造物点検診断技術者の認定 7 会員に対する福利厚生に関する事業 2 3 HANSHIN EXPRESSWAY TECHNOLOGY CENTER COMPANY PROFILE 阪神高速道路技術センターの仕事 東大阪線フレッシュアップ工事法円坂付近 調査研究および技術開発 技術委員会 技術センターには、常設の技術委員会が設置されています。 技術委員会には、鋼構造、コンクリート構造、基礎構造に関 して6名の学識経験者が在籍しており、技術的な課題解決の ための相談や貴重なアドバイスを受けることができる体制を 整えています。 大学などとの共同研究 大学や企業と道路構造物の維持管理に関する新技術開発に ついて共同研究を行っています。長大橋梁の耐風安定性に関 する研究、鋼製橋脚隅角部や鋼床版の疲労損傷に関する調 査研究、排水性舗装や高耐久性舗装の開発研究など広範囲 な開発研究を行っています。 阪神高速道路の大規模更新事業に係る技術的検討 阪神高速道路は、昭和39年に供用を開始して以来既に50 年を経過し、老朽化が進行しており、重大な損傷が顕在化し ています。そのような箇所は、繰り返し補修を実施しても構 造物の健全性を引き上げることが難しく、致命的な損傷に発 展するおそれがあることから、大規模更新、大規模修繕が必 要となっています。 一方、阪神高速道路は、1 日約74 万台が利用する京阪神の 大動脈で、その機能を一刻たりとも止めることができません。 こういった供用中の路線の大規模更新や大規模修繕の実施 にあたり、通行止めなどの影響を最小限にするためには、最 新技術や新工法の導入など多くの技術的課題を解決していく 必要があります。 技術センターは、学識経験者と経験豊富な実務者からなる 鋼構造、PC 構造、基礎構造の3つの専門委員会を設置し、 本委員会において検討を実施しています。 鋼構造物検討委員会 4 5 HANSHIN EXPRESSWAY TECHNOLOGY CENTER COMPANY PROFILE 阪神高速道路技術センターの仕事 調査研究等に関する業務の受注 道路構造物の損傷劣化に関する検討 交通管制や交通制御に関する検討 技術センターが保有する道 路構造物に関する専門的な 技術力を生かし、阪神高速 道 路グループや官公庁から 損傷した鋼部材をあて板にて補修する検討業務や、道路ト 阪神高速道路における交通管制の高度化を図るため、交通 維 持 管 理 の 諸 課 題 解 決 の 検 討 業 務を 受 注し、効 率 的 ンネル構造物の合理的維持検討業務など、高架構造物や 制御、交通流シミュレーション技術ならびに環境負荷低減 トンネルの維持管理に関する幅広い分野において検討業務 のための交通管制モデルの提言などを行っています。具体 を受注しています。 的には、発光体を用いた速度制御手法の開発や合流支援 な維持管理に貢献しています。 装置開発などの研究・開発を行い、阪神高速道路の安心・ 安全・快適に寄与しています。 アルカリシリカ反応による損傷 中心核になる反応性骨材の 周囲が膨張を始める 反応性骨材が膨張を続け 内部から亀裂が発生 周囲が膨張 アセットマネジメント 阪神高速道 路は総延長約 260km におよぶネットワークを 活用して、ライフサイクルコスト(LCC)が最小になるような 有しており、その維持管理に関する膨大なデータは保全情報 補修計画を策定するアセットマネジメントシステムの開発を 管理システムに納められています。そのシステムとデータを 行っています。 亀裂発生 合流支援装置 2 H-BMS 総 Check アウトカム指標 管理・サービス 水準の把握 投資判断 打換え補修 維持修繕 計画 Check 点 検 構造物保全率 目標管理水準 25 1.0 20 0.8 0.7 Do 補修工事 機能の回復 健全度の把握 15 0.6 0.5 10 0.4 0.3 5 車両検知 カメラ 本 線 入 路 0.2 1 0.1 H 0 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 -BMS とは? 阪神高速道路の維持管理計画を策定するために開 平成(年度) 発されたブリッジマネジメントシステムです。阪神高速道路の資産 情報、点検情報、補修情報を管理する保全情報管理システムを活用し て構造物の劣化予測を行い、長期の維持管理費用の推計と、補修箇所 抽出のための短期劣化予測を行う機能を備えています。 表示板 0.9 合 防 災 シ ス テム 保全情報 管理システム ポットホール補修等 構造物保全率(%) アセット マネジメント の見直し 長期補修費用の推移結果および長期管理水準の推移 費用(億円) 評価検証 Plan 接触注意 中期的な維持 管理費と 健全度 信号制御装置 合流注意 予 測 Action 本線の表示板に 警告を表示 3 画像処理装置 反応性骨材 Plan 画像処理にて車両通過の 情報を制御装置へ送信 表層打換え補修が必要 補修不要 進行方向 鉄筋破断をもたらしたアルカリシリカ反応による損傷 U リブ鋼床版補修の一例(たて桁の増設・モルタル充填) 短期の劣化予測結果 表基層打換え補修が必要 0 入路に設置したカメラで通過車両を 撮像して画像処理装置に送る 注意喚起を促す表示板の警告メッセージの例 モルタル充填 たて桁増設 6 7 HANSHIN EXPRESSWAY TECHNOLOGY CENTER COMPANY PROFILE 阪神高速道路技術センターの仕事 道路管理者支援 MEC 活動/自治体支援活動の概要 技 術センターでは、道 路・橋 梁管 理者のためのメンテ ナンス 実 務 者コミュニティ(MEC)を立ち上げ、阪神 道路・橋梁管理者のための メンテナンス実務者コミュニティ Maintenance Engineer Community 高 速 道 路 の 維 持 管 理 で 培った 先 進 的 な 技 術を 阪神 高 主催:一般財団法人 阪神高速道路技術センター 速グループとともに関西地区の自治 体の維持管 理担当 MEC (Maintenance Engineer Community) 問い合わせ:[email protected] 者に講習会などを通じて技術支援を行っています。 取り組み 1 現場見学/点検・調査実習などの実施 取り組み 2 会員自治体への業務支援 通行止め工事を利用した補修現場の見学会、阪神高速道路 一部の自治体では、橋梁点検をMECで実施し、点検調書 を活用した点検の実習を行うとともに、意見交換を行い、 を作成するなど自治体の維持管理業務を支援しました。 管理者としての悩みや疑問の解決と維持管理に関する情報 共有を行っています。 [設立主旨] ▶ 管理実務者同士で気軽に話し合う機会の提供 ▶ 管理実務者の皆が主役となって課題を共有 ▶ 予算・人材制約下の維持管理手法・技術の模索 [テーマ] ▶ 損傷事例および点検・診断方法・補修・補強方法 ▶ データベースおよびアセットマネジメント ▶ 長寿命化計画・予算・沿道対策など 通行止め時の現場見学 取り組み 3 目視点検実習 橋梁点検の実習 橋桁裏面の目視点検 自治体橋梁マネジメントシステムの構築 技術センターでは、過去に阪神高速道路の維持管理に係る この経 験を生かし、MEC では、インターネット上で利用可 情報を管理する「保全情報管理システム」の構築に携わって 能な自治体橋梁マネジメントシステムを構築するなど道路管 きました。保全情報管理システムは、使いながら改良を重ね 理者の視点に立って、自治体向けの保全情報管理システムの てきており、実務上欠かせない情報を管理・運用しています。 開発に取り組んでいます。 保全情報管理システム 8 第 10 回 MEC 特別会議 アセットマネジメントシステム 9 HANSHIN EXPRESSWAY TECHNOLOGY CENTER COMPANY PROFILE 阪神高速道路技術センターの仕事 歴史を後生に伝える仕事 平成7年に発生した阪神淡路大震災は、阪神高速道路3号神 戸線および 5 号湾岸線に多大の被害をもたらしました。 その被災状況を保管した震災資料保管庫の運営においては、 実際に被 災した損傷構造物を見学していただくだけではな く、地震発生から阪神高速道路の全線復旧までの 623 日間 の緊迫した時間と復旧の状況を広く一般市民にお伝えしてい ます。 さらには、この震災を教訓にした新しい耐震技術ならびに防 災支援や防災教育の取り組みも紹介しています。 震災資料保管庫(神戸市東灘区深江浜) 阪神淡路大震災で被害を受けた構造物の一部を、そのまま の状態で多数保存・展示しています。DVD の上映やパネル 展示を交えた館内の見学(予約制)を実施しています。 施設に関する詳しい情報は下記のホームページでご覧いただけます ▶ http://www.tech-center.or.jp/hokanko 10 11 HANSHIN EXPRESSWAY TECHNOLOGY CENTER COMPANY PROFILE 阪神高速道路技術センターの仕事 講演会・講習会開催/技術者の認定 建設技術展への出展/出前講座の実施/技術講演会 土木構造物点検診断技術者の認定 技術センターでは、建設技術展への出展や、各種技術 講 演会・講 習会などを通じ、阪神高速グループが保有 ● 建設技術展 ● 点検診断講習会 する技 術 の 紹 介および技 術 者 育成 活 動も 行っており、 毎年開催されている「建設技術展」に出展し、阪神高速グルー プが保有している最新技術を、パネルやビデオをなど各種展 示を通して紹介しています。 技術センターでは、土木構造物の点検ならびに診断技術の向 上を図るため、技術者を対象とした点検・診断の手法および 法令等の講習会を実施しています。 一般の技術者だけでなく小学 校の児童を対象に、阪神 高速道 路の事業をはじめ、地震や防災について学んで いただく「出前講座」を行っています。 また、学識経験者などからなる、土木構造物点検診断 技 術 者 資 格 認 定 委 員 会を 設 置し、点 検 診 断 技 術 者を 対象とした講習会や、資格認定を実施しています。 さらに、建設ならびに維持管理における技 術図書も刊 行しています。 ● 出前講座 小学義務教育の総合学習の一環として、地域の小学校を訪問 し、阪神高速道路の事業の取り組みや、地震防災などの講座を、 定期的に実施しています。 ● 資格認定試験 資格の認定は点検・診断に関する筆記試験や、実際の構造物 にて行う実地試験など、取得する資格に応じた認定試験を定 期的に実施しています。 ● 技術講演会 各分野のエキスパートを講師に迎え、道路インフラの設計や、 道路メンテナンス技術などの講演会を開催し、技術者の育成 活動を積極的に行っています。 12 当社刊行の技術図書/「これからの地震防災を考える」講演会 13
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