第93号 2016/3

Web
Fairy
Paradise
第93号
今月のフェアリー詰将棋
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第 80 回 WFP フェアリー作 品 展 (再 掲)
第 81 回 WFP フェアリー作 品 展
第 99 回 推 理 将 棋 出 題
第 100 回 推 理 将 棋 出 題 (改 訂 時 )
第3回 フェアリー入 門 (Qを含む協 力 詰 )
強 欲 な世 界パート6
フェアリー版くるくる作 品 展6
結果発表
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第 79 回 WFP フェアリー作 品 展
第2回 フェアリー入 門 (強 欲 ・禁 欲)
第 98 回 推 理 将 棋 出 題
強 欲 な世 界パート5
読み物
・
2016/3
Fairy TopⅨ2015 投 票 要 項
1
【募 集】
はじめに
は
作品
フ ェ ア リ ー 作 品 、PG、推 理 将 棋 は そ れ ぞ れ の
投稿先へ投稿下さい。
読み物
フェアリー詰将棋に関するものに限らず日常
のことでも研究物でも4コマ漫画からパロディ、
イラスト、マイベスト10、自己紹介、何でも
OK で す 。
感想
全 英 オープン
先 日 行 われたバドミントン全 英 オープンで女 子 シ
ングルスで奥 原 希 望 選 手 、女 子 ダブルスで高 橋 ・松
友ペアが優 勝というすばらしい成 績 を収めました。一
般 の方 には分 かり難 いと思 いますが、全 英 オープン
はオリンピック、世 界 選 手 権 に次 ぐ格 式 を持 った大
会 で本 当 に凄 い事 だと思 います。奥 原 選 手 は世 界
ランキングは 8 位 で、準 決 勝 で世 界 ランク1位 の選
手 、決 勝 で5位 の選 手 を破 るという活 躍 ぶりです。ち
なみに約 40 年 前に日 本 人で優 勝 した選 手が湯 木
博 恵 さんで旦 那 さんが演 歌 歌 手 新 沼 謙 治 さんという
のは有 名 です。その新 沼 さんもバドミントンプレーヤ
ーで、全 国 シニアにも出 場 されたことがあります。(ち
なみに私も2回あります)
女 子 ダブルスも実 力 国 中 国 のベスト3すべてのダ
ブルスを破 っての優 勝 と文 句 なしの結 果 でした。女
子 ダブルスの松 友 選 手 はお隣 の徳 島 県 出 身 で、小
学 生の頃から四 国で名 をとどろかせておりました。
マイナースポーツであるバドミントンが少 しずつで
はありますが話 題 になることは普 及 面 で多 大 なる影
響 を得ることが出 来ますので嬉 しいことです。
来 年 は愛 媛 県 で国 体 が開 催 されます。バドミント
ン競 技 会 場 で私もお世 話 することになっております。
大 きな大 会 ですのでしくじらないよう今 から緊 張 して
います。
私 の体 は、バドミントンと詰 将 棋 で出 来 て?おりま
す。ここ数 日 はバドミントンにかなり占 領 されておりま
したが、ちょっとスイッチを切 り替 えて投 票 開 始 したF
airy TopⅨ2015 の候 補 作 一 覧の作 成 を頑 張らね
ば・・・。
投 票 よろしくお願いします。
第93号の感想、今後の要望、ご意見等なん
でも結構です。是非メールにて私まで
皆様の反応が私の意欲に成りますので是非ご
協力をお願いします。
読み物、感想の投稿はこちらまで
た く ぼ ん : [email protected]
協 力 い た だ い て い る 方 々 の HP ア ド レ ス
*ご 協 力 感 謝 し ま す
妖精都市
http://www.geocities.jp/cavesfairy/
詰将棋メモ
http://toybox.tea-nifty.com/
詰将棋おもちゃ箱
http://www.ne.jp/asahi/tetsu/toybox/
Onsite Fairy Mate
http://www.abz.jp/~k7ro/
K.Komine’s Home Page
http://19900504.web.fc2.com/index.html
フェアリー時 々詰 将 棋
http://fairypara.blog.fc2.com/
占魚亭残日録
http://d.hatena.ne.jp/sengyotei/
2
第80回WFP作品展(再掲)及び
第81回WFP作品展
担当:神無七郎
飯 田 弘 之(1999 年 2 月 、詰 将 棋 パ ラ ダ イ ス )
最 善 勝 94 手 ( ※ 受 先 )
Q 「 将 棋 盤 は な ぜ 9 ×9 な の ? 」
A「引き分けを減らすためさ!」
こ れ は 詰 将 棋 パ ラ ダ イ ス 1999 年 2 月 号 「 リ
レー随筆」の欄に掲載された飯田弘之氏の「平
安将棋から現代将棋への変遷」と題する文章の
要旨です。問いと答えを結ぶ論理が見えにくい
ですが、その理由を説明するのが冒頭の図。問
題の設定は、受方から指して攻方最短・受方最
長の勝ちを求めよというものです。達成目標は
「 詰 」で は な く「 勝 」な の で 、詰 め て も 良 い し 、
ステイルメイトでも構いません。もちろん王手
義務はありません。要はエンドゲームの将棋版
で す 。( な お 、「 最 善 勝 」 と い う ル ー ル 名 は 筆 者
が勝手に付けたもので、この記事にはルール名
称 は あ り ま せ ん で し た 。)
平安将棋は現在の将棋と違って取捨てルー
ルでした。当然、終盤に向けて徐々に駒が減っ
て行きます。そして上図のような状況になった
場 合 、盤 が 大 き い( 具 体 的 に は 11×11 以 上 )と
引き分けになってしまいます。逆に盤が小さけ
れば金や成金が1枚でも多い方が勝ちます。将
棋 盤 が 9×9 と な っ た の は「 引 き 分 け 」を 防 ぐ 最
大 の 奇 数 が 9 だ っ た か ら と い う わ け で す 。将 棋
棋士と学者の両方の顔を持つ飯田氏らしい着眼
点ですね。
上の問題が解けない方は、もず氏が書かれた
2007 年 1 月 19 日 付 の 記 事 、『 中 将 棋 で 「 玉 将
+ 酔 象 VS 玉 将」は 勝 ち か 』
( http://d.hatena.ne.
jp/mozuyama/20070119/P20070119CHU) を お
読みください。金と玉だけで包囲網を絞る戦略
について具体的に述べられています。
次にこの将棋版エンドゲームをフェアリー
に取り入れることを考えましょう。今回は「最
善 勝 」 で し た が 、「 最 善 負 」( 攻 方 最 短 ・ 受 方 最
長で攻方玉を詰めるか、攻方をステイルメイト
にする)というルールへの拡張は自然ですし、
「最悪勝」も論理的には可能です。少し変わっ
た路線としては、引き分けを目的とする「最善
分」なども考えられます。引き分けの定義は千
日手(持将棋も超長周期の千日手扱い)とする
のが普通ですが、無限大の盤や無限の駒を使う
場合は千日手にならない無勝負の局面が存在す
るので、そんな局面を目指すルール設定も可能
でしょう。
今回紹介した「最善勝」のルールでは飯田弘
之 氏 の 後 に 山 田 琢 磨 氏 が 2 作 ( 2003 年 8 月 及
び 9 月 、詰 将 棋 パ ラ ダ イ ス )、そ れ を 改 良 し た も
ず 氏 の 作 が 2 作 ( 2003 年 9 月 6 日 「 玉 だ け で
勝つ」
( http://d.hatena.ne.jp/mozuyama/200309
06)発 表 さ れ て い ま す が 、い ず れ も 解 答 募 集 は
行われておらず、本格的な作品発表ではありま
せん。
「 最 善 勝 」に 限 ら ず 、従 来 作 ら れ て き た 王
手義務なしの詰将棋は協力系の作品が多く、対
抗系の実例は数えるほどしかありません。
「次の一手」や「必至」も王手義務のない対
抗系ルールの一種ですので、その意味では豊富
な作例があると言えなくはないのですが、一部
の「必至」を除いては、作品というより演習問
題 と し て 作 ら れ た も の が 大 半 で す 。ち な み に「 将
棋」も王手義務のない対抗系ルールの詰将棋と
み な せ ま す が 、四 百 年 以 上 誰 も 解 け て い ま せ ん 。
将棋を「指す」ことは、将棋を「解く」ことと
は違います。非限定を避けるのが難しく、解く
のも困難となれば、非王手対抗系ルールの作例
が少ないのも不思議ではありません。
将棋版エンドゲームには検討ソフトがない
の で 、筆 者 は Worst1.exe に「 最 善 勝 」の 検 討 機
能を追加しました。これにより冒頭に挙げた飯
田 弘 之 氏 の 図 は 94 手 が 最 短 で あ る こ と が 確 認
できました。改めて棋士の読みの深さと正確さ
が裏付けられた形です。
今 回 は 第 81 回 の 作 品 展 に ち な ん だ 話 を し よ
うとして、非王手対抗系ルールの話題になって
し ま い ま し た 。将 棋 盤 は な ぜ 9×9 な の か 、皆 さ
んならこの問いにどう答えますか?
3
さ て 、今 回 の WFP 作品 展 は 第 80 回 分 の 再 掲
と 第 81 回 分 の 新 規 出 題 で す 。 急 な 募 集 だ っ た
こ と も あ り「 81」に ち な ん だ 作 品 は 送 ら れ て き
ま せ ん で し た の で 、 第 81 回 は 通 常 通 り の 作 品
展 を 行 い ま す 。全 14 題 の 大 量 出 題 で す が 、頑 張
って解いてください。
〔 第 80 回 作 品 展 各 題 へ の 補 足 説 明 〕( 再 掲 )
第 80 回 の 出 題 は 全 部 で 10 題 。内 訳 は 神 無 太
郎氏2題、占魚亭氏1題、変寝夢氏6題、真T
氏1題です。出題の並びは作稿の都合により投
稿順です。難易度は関係ありません。お好きな
ものから順番にどうぞ。
80-1 及 び 80-2 は 神 無 太 郎 氏 の 協 力 自 玉 詰 。
前 回 と 同 じ く Grasshopper( G ) が 使 わ れ て い
ますが、多分前回より易しいと思います。受方
の持駒は標準の残り駒すべてとG4枚です。こ
の枚数は 8 手で合駒として登場できる上限に合
わせたもので、すべて使うとは限りません。
80-3 は 占 魚 亭 氏 の Imitator を 使 っ た 作 品 。こ
の駒は他の駒の真似をするだけでなく、自分が
動ける範囲に合わせて他の駒の動きを制限する
働きを持っています。これは王手の判定にも適
用 さ れ る の で 、初 形 で 王 手 は 掛 か っ て い ま せ ん 。
80-4~ 80-9 は 変 寝 夢 氏 に よ る 様 々 な ル ー ル
の作品群。個々のルールは以前にもこの作品展
で登場したことがあるので、不明点などがあっ
たらバックナンバーも参考にしてください。
80-4 及 び 80-5 は 前 回 も 登 場 し た 「 レ ト ロ 」
の作品。どちらも指定手数逆算して1手詰の形
を 作 れ と い う 問 題 で す が 、80-4 で は 攻 方 王 手 義
務 が あ る 前 提 で の 逆 算 、80-5 で は 攻 方 王 手 義 務
がない前提での逆算が要求されています。その
代 わ り 80-5 に は 受 方 持 駒 制 限 が あ り 、 逆 算 の
選 択 肢 は あ る 程 度 抑 え ら れ て い ま す 。80-4 に は
Queen( Q ) も 使 わ れ て い ま す が 、 飛 や 角 で な
い理由は解けば自然に分かると思います。
80-6~ 80-8 は 中 立 駒 を 使 っ た 作 品 。80-6 で は
中立駒の香が登場しますが、中立駒には「行き
所のない駒」の規定は適用しないので、打ち場
所を気にする必要はありません。また、受け方
持 駒 制 限 に も 留 意 し て く だ さ い 。80-7 に は 中 立
駒 の 他 に Knight( 騎 )も 使 わ れ て い ま す 。余 裕
があればこの駒がどんな余詰を防いでいるかも
考 え て み て く だ さ い 。80-8 は 玉 が 中 立 駒 に な っ
ています。中立玉に対する王手の判定は、自分
の着手終了後、相手の着手前に、中立玉を相手
の玉とみなして王手になっているかどうかで判
断します。
「 非 王 手 」や「 王 手 放 置 」に は く れ ぐ
れも気を付けてください。ルールは「協力自玉
詰」なので、受方が指し終わった時点で中立玉
が自玉だと見なしたときに詰んでいる形を目指
す こ と に な り ま す 。こ の 辺 は や や こ し い で す が 、
中 立 玉 の 登 場 す る 過 去 の 作 品 (69-6、 69-7) な
ども参考にして解いてください。
80-9 は (4,5)-Leaper と い う 原 位 置 か ら 4 対 5
に跳ぶ八方桂を使った作品です。跳ねる距離が
大 き い の で 、 八 方 桂 な の に 9 ×9 の 将 棋 盤 で は
いつも2箇所しか行先がありません。
少し調べたのですが、この駒には名前が付い
て い な い よ う な の で 出 題 図 で は「 45」と 表 記 し
ま し た 。解 答 の と き は 適 当 な 表 記 で 構 い ま せ ん 。
こ の 作 品 で は Lion( 鬣 ) も 使 わ れ て い ま す が 、
初 形 で は 動 け な い の で 、し ば ら く は「45」を 動
かすしかなさそうです。
「 連 続 詰 」は 攻 方 の み が
指定手数指して詰ませるルール。詰むとき以外
に王手を掛けてはいけません。詰型を想定して
から解図するのがお勧めです。
80-10 は 久 々 の 本 誌 登 場 と な る 真 T 氏 の 作 品
で す 。本 局 は Grasshopper 入 門 編 的 な 内 容 で す
が、投稿順に並べているためこの位置になりま
した。今回の作品展では最も易しい部類に入る
と思います。
〔 第 81 回 作 品 展 各 題 へ の 補 足 説 明 〕
第 81 回 の 出 題 は 全 部 で 14 題 。内 訳 は 神 無 太
郎氏1題、占魚亭氏3題、上谷直希氏3題、変
寝 夢 氏 7 題 の 計 14 題 で す 。 問 題 数 が 多 い の で
解図への着手はお早めに。
81-1 は 前 々 回 、前 回 に 引 続 き 神 無 太 郎 氏 の 協
力自玉ステイルメイトです。今回使われている
駒 は Bishop-Grasshopper。こ れ は Grasshopper
の 利 き を 斜 め の み に 制 限 し た も の で 、漢 字 は「 僧 」
を 割 り 当 て て い ま す 。「 僧 」は Bishop を 漢 字 表
記 す る と き に 使 わ れ る 文 字 で す が 、将 棋 に は「 角 」
と い う Bishop と 同 じ 働 き を す る 駒 が あ る の で 、
流用させて貰いました。
81-2~ 81-4 は 占 魚 亭 氏 に よ る Imitator を 使 っ
た 作 品 で す 。81-4 で は 中 立 駒 を 使 っ て い ま す が 、
Imitator は 中 立 駒 に 対 し て も 普 通 の 駒 と 同 様 に
振 る 舞 い ま す 。中 立 駒 の 香 は 29 に い ま す が 、中
立駒は「行き所のない駒」にならないので非合
法 な 配 置 で は あ り ま せ ん 。ま た 、81-4 で は 受 方
持駒制限にも注意してください。
81-5~ 81-7 は 上 谷 直 希 氏 の 作 品 。 Isardam2
題 と 禁 欲 1 題 で す 。 Isardam は 短 手 数 で す が 、
4
ど ち ら も 手 ご わ い と 思 い ま す 。 特 に 81-6 は 腰
を 据 え て 取 り 組 ん で く だ さ い 。81-7 の 禁 欲 最 善
詰の方は流れで解けるので、今回の作品展の中
では比較的手を付けやすい作品です。また、収
束に軽微な非限定があります。普通詰将棋では
全く問題にされないレベルですが、本作品展で
は軽微なキズでも存在を明示して出題します。
81-8~ 81-14 は 変 寝 夢 氏 の 作 品 。 う ち 5 題 は
WFP92 号 に 紹 介 記 事 が 載 っ た「 リ パ ブ リ カ ン 」
の 作 品 で す 。 リ パ ブ リ カ ン (Republican) は 直
訳すると「共和制」ですが、ここでは君主制の
対義語、つまり「王がいない」の意味です。そ
の名の通り、最終手まで玉は盤上に存在せず、
準備万端整った所で玉を出現させて詰みの局面
を作ります。従って、単玉のリパブリカンであ
る 81-8 は 実 質 的 に は「 王 手 義 務 な し 」の 協 力 詰
と な り ま す 。 ま た 、 81-9~ 81-12 は 協 力 自 玉 詰
ですが、今度は攻方の玉が存在しません。受方
玉に王手を掛けつつ準備を整えてから最後に攻
方の玉を発生させて詰ませるわけです。もちろ
ん、受方の玉は最初から最後まで盤上に存在す
るので、攻方王手義務は守ってください。誤解
してはいけないのは、リパブリカンの玉は「盤
のどこかに隠れているけど見えない」ではなく
「本当に盤上にいない」ということです。従っ
て、盤上のどこかに玉がいることを前提とした
着手の合法・非合法については考慮する必要は
ありません。
な お 、 81-12 は 「 打 歩 」 の 条 件 が 付 い て い る
ので最後は必ず打歩で詰ませてください。いわ
ゆる「法則問題」ではありませんが、リパブリ
カンですから、その点はひねりがあります。
リパブリカン以外の2作は比較的易しい作
品 が 2 つ 。81-13 は レ ト ロ の 基 本 手 筋 問 題 、8114 は 中 立 駒 の 活 用 が 主 題 に な っ て い ま す 。今 ま
での変寝夢氏の作品群を解いてきた方ならきっ
とこの2題も解けると思います。
解答要項
第 80 回 分 解 答 締 切:2016 年 4 月 15 日( 金 )
第 81 回 分 解 答 締 切:2016 年 5 月 15 日( 日 )
宛 先:[email protected]( メ ー ル の 件 名
に 「 解 答 」 の 語 句 を 入 れ て く だ さ い 。)
作品投稿について
作 品 投 稿 は 随 時 受 け 付 け ま す 。( 原 則 と し て
毎 月 15 日 の 投 稿 ま で 当 月 号 に 掲 載 し ま す 。)
宛 先 は 解 答 と 同 じ [email protected] へ 。
メールの件名に「作品投稿」の語句を入れて
ください。添付ファイルも可。機械検討済み
なら出力結果のファイル添付を推奨します。
ルール説明
※ WFP の ペ ー ジ に ま と め 資 料 ( http://www.dok
idoki.ne.jp/home2/takuji/wfpr2015.pdf )
があるので、それも参考にしてください。
【協力自玉ステイルメイト】
先後協力して最短手数で攻方をステイルメ
イト(王手は掛かっていないが合法手のない
状態)にする。
【 Grasshopper】( G )
フェアリーチェスの駒。クィーンの線上で、
ある駒を1つ飛び越したその直後の地点に
着地する。そこに敵の駒があれば取れる。
(○が G の利き)
【協力詰】
先後協力して最短手数で受方の玉を詰める。
【 Imitator】( ■ ま た は I )
着手をしたとき、その着手と同じベクトルだ
け 動 く 駒 。こ の Imitator が 駒 を 飛 び 越 え た り 、
駒のある地点に着手したり、盤の外に出たり
するような着手は禁止。これは王手の判定に
も適用される。
【 レ ト ロ –m+n 手 】
m 手逆算して n 手で詰む手順を求める。
(補足)
1) 特 に 注 釈 の な い 場 合 、逆 算 も 攻 方 王 手 義 務
があることを前提とする
2) 協 力 系 の 場 合 逆 算 も 双 方 が 協 力 す る
【 Queen】( Q )
チェスのクィーン。
飛車と角を合わせた性能を持つ。
(矢印がQの走る方向)
【非連続王手】
攻方に王手の義務がない。
5
(王手をしても良い)
【 中 立 駒 】(「 」 あ る い は 「 n 駒 」)
どちらの手番でも動かせる駒。
横向きの字か横に n を付加して表記。
(補足)
1) 中 立 駒 の 動 き は 現 手 番 の 駒 と し て の 動 き
と な る( 利 き が 非 対 称 な 駒 の 場 合 に 要 注 意 )
2) 中 立 駒 は 現 手 番 の 駒 と し て 成 れ る 場 合 の
み、成ることができる
3) 中 立 駒 は ど ち ら の 手 番 で も 取 る こ と が で
き 、持 駒 に な る 。こ の 時 、所 属 は 取 っ た 側
の 持 駒 だ が 中 立 性 は 失 わ ず 、再 び 盤 に 戻 っ
たときには中立駒として振舞う。
4) 中 立 駒 は 現 手 番 側 の 駒 を 取 れ な い 。相 手 側
の駒や、中立駒は取れる。
5) 二 歩 禁 が 適 用 さ れ る 。手 番 を 問 わ ず 、中 立
駒 の 歩 や 通 常 の 歩 が あ る 筋 に 、更 に 中 立 駒
の歩を打つことはできない。
6) 中 立 駒 は 行 き 所 な い 駒 に な ら な い 。
7) 中 立 駒 で も 自 玉 へ の 王 手 は 反 則 。自 玉 へ の
王 手 と な っ て い る か ど う か の 判 定 は 、現 手
番が終了し、相手側が着手する前に行う。
→ 詳 細 は WFP61 号 の「 中 立 駒 の 紹 介 」参 照 。
【Knight】( 騎 )
チェスのナイト。八方桂。
(○が騎の利き)
【45 跳 】( 45)
(4,5)-leaper、即 ち 4 対 5 の 位 置 に 跳 ぶ 八 方 桂 。
( ○ が 45 跳 の
利 き 。)
【連続詰】
攻方が連続して指して最短手数で受方の玉
を詰める。ただし、詰むとき以外に王手を掛
けてはいけない。
【Bishop-Grasshopper】( 僧 )
Grasshopper の 動 き を 斜 線 上 に 制 限 し た も の 。
斜め方向にある駒を1つ飛び越したその直
後の地点に着地する。そこに敵の駒があれば
取れる。
(■は何らかの
駒。
○が僧の利き)
【 Isardam】
同種の敵駒の利きに入る手を禁止する。
玉を取ると同種の敵駒の利きに入る場合は
王 手 と み な さ な い 。( タ イ プ A )
(補足)
1) 成 駒 と 生 駒 は 別 種 の 駒 と し て 区 別 す る
【最善詰】
攻方は受方がなるべく早く詰むよう王手を
掛け、受方はなるべく詰まないよう応じる 。
【禁欲】
駒を取らない手を優先して着手を選ぶ。
【リパブリカン】
最終手を指すと同時に任意の空きマスから
一つ選んで玉を置き、詰んでいる局面を作る。
(補足)
1) 双 玉 等 に お い て 詰 め る 対 象 で な い 玉 は 通
常 の 玉 と 同 じ く 、最 初 か ら 最 後 ま で 盤 上 に
存在する
2) 詰 め る 対 象 の 玉 は「 盤 上 に あ る が 見 え な い 」
わけではなく、詰むときに盤に出現する。
従って玉がどこかにいる前提での着手の
合法・非合法の判定は行わない。
3) 単 玉 の 場 合 最 終 手 を 除 き 王 手 義 務 は な い 。
自 玉 系 の ル ー ル の よ う に 、詰 め る 対 象 の 玉
と王手義務の対象となる玉が異なる場合
は 、王 手 を 掛 け る べ き 玉 に 対 す る 王 手 義 務
がある。
→ 詳 し い ル ー ル 説 明 や 例 題 は WFP92 号 「 リ パ
ブリカン詰の紹介」を参照のこと。
【協力自玉詰】
先後協力して最短手数で攻方の玉を詰める。
【打歩】
打 歩 詰 以 外 の 詰 手 を 失 敗 と す る 。( 単 純 打 歩 )
6
≪ 第 80 回 WFP 作 品 展 ≫ ( 再 掲 )
解 答 締 切 : 2016 年 4 月 15 日 ( 金 )
神無太郎氏作
変寝夢氏作
レトロ協力詰 -2+1手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
金
Q玉銀
■ 80-1
■ 80-4
協力自玉詰 8手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
三
二
四
三
五
四
六
五
七
六
八
七
九
玉
九
攻方持駒 角
受方持駒 残り全部+G4
※G:Grasshopper
■ 80-2
二
一
八
王
一
持駒 桂
※Q:Queen
■ 80-5
変寝夢氏作
非連続王手レトロ協力詰 -6+1手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
神無太郎氏作
一
協力自玉詰 8手
二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
三
一
玉
二
四
桂
玉
三
五
六
四
杏
桂
五
六
王
九
■ 80-3
変寝夢氏作
協力詰 5手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
占魚亭氏作
二
協力詰 5手
三
9 8 7 6 5 4 3 2 1
四
二
歩
三
四
飛
五
■
六
角
七
玉
八
九
歩玉
桂
一
角
九
攻方持駒 なし
受方持駒 なし
■ 80-6
攻方持駒 香
受方持駒 残り全部+G4
※G:Grasshopper
八
角
七
八
七
五
六
七
龍
八
九
攻方持駒 n香
受方持駒 なし
※n香:中立香
持駒 飛金
※■:Imitator
7
変寝夢氏作
■ 80-10
協力詰 5手
真T氏作
協力詰 5手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
9 8 7 6 5 4 3 2 1
龍
一
一
二
三
三
四
四
と玉
五
五
桂
六
六
騎
七
七
八
八
九
九
持駒 n飛
※騎:Knigh、n飛:中立飛
■ 80-8
G
銀
二
角
玉
■ 80-7
持駒 なし
※G:Grasshopper
変寝夢氏作
以上
協力自玉詰 8手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
「第 44 回 神無 一 族の 氾濫 」投 稿作 品募 集
二
三
「 第 44 回 神 無 一 族 の 氾 濫 」 の 出 題
作を募ります。
今回のお題は「逆王手を含む作品」
です。
双玉(多玉も可)で詰手順に1回以
上の逆王手を含む作品をお送りくださ
い。逆王手を行うのは攻方でも構いま
せんし、逆王手さえ含んでいれば他の
フェアリー条件は問いません。
また、1題通常の協力詰(ばか詰)
を募集します。こちらも逆王手を含む
ものを優先して採用します。
四
王
五
六
角角
七
龍
八
飛
九
持駒 なし
※66王は中立駒
■ 80-9
変寝夢氏作
連続詰 14手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
玉
二
45
三
四
五
作品要件
募集締切
募集作品
数
送り先
六
七
鬣
八
九
攻方持駒 なし
受方持駒 なし
※45:(4,5)-leaper、鬣:Lion
備考
逆王手を含む作品
2016 年 4 月 17 日 ( 日 )
4+1(ばか詰枠)
神無七郎
( [email protected])
上 記 宛 先 へ E-mail で お 送 り く だ
さい。
1人何作でも投稿可
採 否 は 4 月 24 日 ま で に 通 知
8
協力詰 9手
≪ 第 81 回 WFP 作 品 展 ≫
9 8 7 6 5 4 3 2 1
解 答 締 切 : 2016 年 5 月 15 日 ( 日 )
■ 81-1
神無太郎氏作
一
協力自玉ステイルメイト 10手
二
角
一
玉
9 8 7 6 5 4 3 2 1
三
四
二
五
玉
三
六
四
七
五
■
八
香
六
七
攻方持駒 なし
受方持駒 なし
※■:Imitator、53角29香は中立駒
八
九
攻方持駒 角僧4
受方持駒 残り全て+僧5
※僧:Bishop-Grasshopper
■ 81-2
九
■ 81-5
上谷直希氏作
Isardam協力詰 5手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
占魚亭氏作
一
協力詰 5手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
二
一
三
玉
馬金
二
三
金
■
龍
四
五
六
龍
玉
五
七
六
八
七
九
持駒 角 桂
龍
八
九
持駒 金
※■:Imitator
■ 81-3
四
■ 81-6
上谷直希氏作
Isardam協力自玉ステイルメイト 10手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
占魚亭氏作
一
協力詰 5手
二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
三
一
四
二
五
三
玉
玉
金
龍
■王
四
五
六
七
角
八
歩
馬
七
八
六
玉
九
持駒 飛 金 香
九
持駒 なし
※■:Imitator
■ 81-4
占魚亭氏作
9
■ 81-7
上谷直希氏作
■ 81-10
変寝夢氏作
リパブリカン協力自玉詰 4手
禁欲最善詰 21手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
金歩
玉香
銀銀
桂
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
一
二
二
三
三
四
四
馬
五
五
六
六
玉
七
八
八
九
九
持駒 角 香 歩2
※20手目から非限定あり
■ 81-8
七
持駒 飛2 ■ 81-11
変寝夢氏作
変寝夢氏作
リパブリカン協力自玉詰 4手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
リパブリカン協力詰 5手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
二
二
三
三
四
四
五
五
六
六
七
七
八
玉
金
馬
銀
一
一
八
九
持駒 なし
持駒 飛 銀 ■ 81-12
変寝夢氏作
変寝夢氏作
リパブリカン打歩協力自玉詰 4手
リパブリカン協力自玉詰 4手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
9 8 7 6 5 4 3 2 1
銀
一
一
二
二
三
三
四
四
五
玉
玉
五
飛
■ 81-9
九
六
六
七
七
八
八
九
九
持駒 桂 香
持駒 角 10
■ 81-13
変寝夢氏作
※飯田弘之作の解
レトロ協力詰 -2+1手
88 玉 86 金 77 玉 75 金 66 玉 64 金
55 玉 53 金 44 玉 42 金 33 玉 31 金
23 玉 21 玉 33 玉 32 金 23 玉 31 玉
24 玉 42 玉 34 玉 53 玉 45 玉 33 金
55 玉 43 金 45 玉 64 玉 56 玉 44 金
66 玉 45 金 56 玉 54 玉 57 玉 55 玉
47 玉 66 玉 48 玉 46 金 58 玉 56 金
59 玉 57 金 68 玉 56 玉 59 玉 47 玉
68 玉 58 金 77 玉 56 玉 76 玉 55 玉
86 玉 65 玉 77 玉 75 玉 88 玉 76 玉
79 玉 77 玉 69 玉 67 玉 79 玉 68 金
88 玉 78 金 97 玉 76 玉 96 玉 87 金
95 玉 75 玉 94 玉 74 玉 93 玉 73 玉
92 玉 86 金 81 玉 62 玉 82 玉 95 金
83 玉 85 金 92 玉 72 玉 93 玉 95 金
92 玉 84 金 91 玉 93 金 ま で 94 手
( 非 限 定 多 数 。 早 詰 は な し 。)
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
二
三
四
香
五
六
七
銀
玉
八
香
九
持駒 金 変寝夢氏作
協力詰 7手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
二
三
四
五
歩
玉
六
七
歩
八
角
■ 81-14
九
持駒 なし
※49角は中立駒
以上
11
推理将棋第99回出題
担 当 :NAO
将棋についての話をヒントに将棋の指し手を復
元するパズル、推理将棋の第99回出題です。
はじめての方は どんな将棋だったの? - 推
理将棋入門 をごらんください。
解答、感想はメールで2016年3月20日ま
で に TETSU ま で ( [email protected])
メールの題名は「推理将棋第99回解答」でお
願いします。解答者全員の中から抽選で1名に
賞品リストからどれでも一つご希望のものをプ
レゼント! 1題でも解けたらぜひご解答くだ
さい。
-----------------------------------------今月は第99回に因んで「9手詰の難解作品」
特集。
初級は9手詰マイスター渡辺さんの作品、通常
出題なら中級クラスの難度です。中級は
Pontamon さ ん の "九 九 "シ リ ー ズ 1 条 件 作 。 難
解 と い う よ り は "解 き に く い "印 象 で す 。 手 順 を
推理する前に九九のお復習いから。上級は
DD++さ ん の 今 回 テ ー マ の "難 解 さ"を 追 究 し た 作
品を出題します。
難解作と言っても9手詰の詰み形は限られてい
るので、いつもと同じように気楽に解いてもら
えれば幸いです。
-----------------------------------------■本出題
9 9 -1 初 級 渡 辺 秀 行 作
45まで
9手
45に着手する駒種を推理しよう。
9 9 -2 中 級 Pontamon 作
九九が3組
9手
どの九九を使うのか、答えの着手地点を推
理しよう。
9 9 -3 上 級 DD++ 作
鞍上人なく鞍下馬なし 9手
金頭の馬が右に動く形を推理しよう。
-----------------------------------------9 9 -1 初 級
渡辺秀行 作
45まで
9手
「昨日9手目に45へ着手して詰めたんだって
ね」
「うん、『1段目へ成る着手に歩で応じた手
は面白い』って先生が言っていたよ」
さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
•9 手 目 の 45 地 点 の 着 手 で 詰 ん だ
•1 段 目 に 成 る 手 に 歩 で 応 じ た
-----------------------------------------9 9 -2 中 級
Pontamon 作
九九が3組
9手
「九九をテーマにした作品を作ったんだっ
て?」
「そうだよ、ゾロ目ついでに9手詰だよ」
「どんな問題なの?」
「2種類の駒の5手で、九九の着手が3組あ
るんだ」
「ちょっと待った、3組なら6手だろ」
「九九なんだから、同じ答えの九九だってあ
るだろ」
「なるほど、それも考えないといけないんだ
な。他の条件は?」
「他の条件は無いよ」
(条件)
•9 手 で 詰 ん だ
•2 種 の 駒 5 手 で 九 九 の 着 手 が 3 組 あ り 、 そ の
うち2組は九九の答えが同じ ※
※九九の着手とは、着手した地点の数字が掛け
算 の "問 題"と "答 え"と な る よ う な 九 九 の 式 を 満
たす2手1組の着手とする。
•九 九 の"問 題 "は 着 手 地 点 の 筋 と 段 の 一 桁 数 字
同士の掛け算とする。
•九 九 の"答 え "は 二 桁 数 字 で 表 し た 着 手 地 点 と
する。
•九 九 の 着 手 の 組 数 は 九 九 の 式 の 種 類 で 数 え 、
九 九 の "問 題"と "答 え"を 組 み 合 わ せ て 一 つ の 式
で1組とする。同一の九九の式が2回以上現れ
ても1組に数える。このとき九九の着手には、
使用駒種が多い着手(二種使っていれば二種使
用の2手)のみを選ぶ。
•あ る 1 手 の 着 手 点 が 九 九 の "問 題"と "答 え"の
双方に使えるときは2組以上の九九の式に使っ
てもよい。
12
•着 手 点 を 九 九 の "答 え "に 使 う と き は 2 組 以 上
の九九の式に使ってもよい。
•先 後 の 着 手 、 着 手 の 出 現 順 は 不 問 と す る 。
例 1:36 歩 と 92 香 と 18 香 の 着 手 が あ れ ば 、 3
×6=18 と 9×2=18 の 2 組 に 数 え る 。
例 2: 36 歩 と 66 歩 と 18 香 の 着 手 が あ れ ば 、 6
×6=36 と 3×6=18 の 2 組 に 数 え る 。
例 3: 92 飛 と 29 飛 と 18 香 の 着 手 が あ れ ば 、 9
×2=18 と 2×9=18 の 2 組 に 数 え る 。
例 4: 9 手 中 に 「92 飛 、 92 香 、 18 香 、26 歩 、
62 歩 、 12 歩 」 の 着 手 が あ っ た と き 、 九 九 の 式
"9x2=18"を 満 た す 着 手 は 二 種 駒 の 着 手 組 「 92
飛 、 18 香 」 を 選 び 、 一 種 駒 の 着 手 組 「 92 香 、
18 香 」 は 選 ば な い 。 残 り 、 2x6=12 の 「 26 歩 、
12 歩 」 と 6×2=12 の 「 62 歩 、 12 歩 」 と 合 わ
せ 、 「 92 飛 、 18 香 、26 歩 、62 歩 、 12 歩 」 の
三種の駒5手で九九の式が3組と判断する。
本問では、全手順の9手中に九九の着手がちょ
うど3組あり、3組の着手は2種の駒5手で構
成 さ れ ま す 。 そ し て 、 5 手 の う ち "1 手"が 2 組
の 九 九 の 双 方 の "答 え"を 満 た し て い ま す 。
-----------------------------------------9 9 -3 上 級
DD++ 作
鞍上人なく鞍下馬なし 9手
「や、これは、たった9手で詰められてしまっ
た」
「馬をかなり活用できたからね」
「というと、やはり7手目かい」
「そうだね、金頭に馬がいるのに違和感があ
って、1筋方向へ移動させたら随分よくなっ
た」
「こっちは着手が2つの段に分かれたのがよ
くなかったかね」
さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
•9 手 で 詰 ん だ
•7 手 目 は 馬 を 金 頭 か ら 1 筋 方 向 へ 動 か し た
•後 手 は 2 つ の 段 に 着 手 し た
13
第4 回
フェアリー入門
担当:橘
圭伍
③ 占魚亭氏作
かしこ詰 5 手
④ 尾形充氏作
協力詰 5 手
⑤ 尾形充氏作
協力詰 5 手
募集要項
【 課 題 】 「 G(グ ラ ス ホ ッ パ ー )」 を 含 む 作 品
【ルール】最善詰、かしこ、協力詰
【 手 数 】 1,3,5手
【 採 用 基 準 】 担 当 が 1時 間 以 内 で 解 け る
* G以 外 の フ ェ ア リ ー 駒 禁 止 、 駒 制 限 は 可
* 投稿多数時は採用基準に漏れた場合に返送
となる可能性があります。
投稿・ 解答要項
【 送 り 先 】[email protected]
【 投 稿 ・ 解 答 締 め 切 り 】 2016年6月10日
第3回出題「Q(クイーン)を含む作品」
① 占魚亭氏作
②占魚亭氏作
協力詰 5 手
協力詰 5 手
14
第79回WFP作品展結果
担当:神無七郎
着地する。そこに敵の駒があれば取れる。
(○がGの利き)
第 79 回 WFP 作 品 展 の 結 果 を 報 告 し ま す 。
今回も解答者数は7名。全題正解者はいませ
ん で し た 。詳 細 は 以 下 の 通 り で す 。79-8 は 4 解
な の で 4 点 で 計 上 し て い ま す 。今 回 は 易 し い 問
題と難しい問題の差がくっきりと現れました。
〔 第 79 回 WFP 作 品 展 成 績 〕( 敬 称 略 )
○:正解 -:無解
解答者名
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
たくぼん
- ○ ○ ○ ○ ○ ○ 4 ○ ○ ○ ○ 14
一乗谷酔象
変寝夢
井上順一
占魚亭
詰ガエル
やよい
- - - - ○ ○ ○ 4 ○ ○ ○ ○ 11
- - - - ○ ○ ○ 4 ○ ○ ○ ○ 11
- - - - ○ - ○ 4 ○ ○ ○ ○ 10
- - - - ○ ○ ○ 4 ○ - ○ ○ 10
----○○○4- - ○ ○ 9
----○-○4○ - ○ - 8
【解答】
29 香 26G 28G 24G 21G 14 玉
84G 13 玉 35G 94G ま で 10 手
(最終形)
9 8 7 6 5 4 3 2 1
G王
二
玉
■ 79-1
G
神 無 太 郎 氏 の 4 作 品 が 非 常 に 難 解 で 、79-1 は
正解者なし。唯一善戦したのがたくぼん氏で、
79-2~ 79-4 の 3 問 で 唯 一 人 、正 解 を 上 げ ま し た 。
G
G
五
六
七
G
香
協力自玉ステイルメイト 10手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
二
三
四
五
玉
六
七
八
九
攻方持駒 香G4
受方持駒 残り全部+G5
※G:Grasshopper
【ルール】
 協力自玉ステイルメイト
先後協力して最短手数で攻方をステイルメ
イト(王手は掛かっていないが合法手のない
状態)にする。
 Grasshopper( G )
フェアリーチェスの駒。クィーンの線上で、
ある駒を1つ飛び越したその直後の地点に
三
四
神無太郎氏作(正解者なし)
王
一
八
九
持駒 なし
【解説】
自玉ステイルメイトの基本は自分の駒を捨
てること。でも本局は1枚も捨てません。持駒
が す べ て 盤 上 に 残 り ま す 。 手 順 も Grasshopper
らしい手筋が満載ですが、特に注目すべきは 7
手 目 84G と 9 手 目 35G の 限 定 打 で す 。
事 前 準 備 と し て 、 Grasshopper が 動 け な い ケ
ー ス を 整 理 し て お き ま し ょ う 。 Grasshopper は
ジャンプ台となる駒を跳び越えて、一つ先のマ
ス に 着 地 す る 駒 で す か ら 、「 ジ ャ ン プ 台 な し 」、
「 ジ ャ ン プ 先 が 盤 外 」、「 ジ ャ ン プ 先 が 自 分 の 駒
で 埋 ま っ て い る 」の 3 つ が 動 け な い ケ ー ス で す 。
最 終 形 で 各 Grasshopper が ど の 状 態 に な っ て
いるか確認してみましょう。
21G : 台駒は 11 王と 28G。前者は跳び先が盤
外、後者は跳び先が自駒で埋まっている。
28G : 台 駒 は 21G と 29 香 。 両 者 と も 跳 び 先
が盤外。
34G : 台 駒 は 13 玉 。 跳 び 先 は 盤 外 。
84G : 台 駒 は 94G 。 跳 び 先 は 盤 外 。
15
■ 79-2
9 8 7 6 5 4 3 2 1
王
一
二
三
四
五
六
七
八
九
攻方持駒 角G4
受方持駒 残り全部+G5
※G:Grasshopper
【解答】
19 角 82 飛 28G 92 飛 99G 98 角
97G 96G 95G 52 飛 ま で 10 手
(最終形)
9 8 7 6 5 4 3 2 1
玉
王
一
飛
【短評】
協力自玉ステイルメイト 10手
玉
初 手 29 香 と 3 手 目 28G の 連 打 は 「 第 43 回
神無一族の氾濫」の同氏作でも使われた手筋。
壁から香Gを積み上げるのでとても効率良く手
を 消 せ ま す 。5 手 目 21G も 壁 か ら 打 つ 手 。こ の
辺りまでは比較的常識的な手の連続です。
し か し 7 手目 34G の 限 定 打 は こ れ ら の 手 と
は 異 質 で 、 一 際 目 を 惹 き ま す 。 34G を 46 に 打
つ と 19 に 、57 に 打 つ と 93 に 、68 に 打 つ と 18
に 、79 に 打 つ と 19 に 跳 べ る の で 、 限 定 打 に な
るという仕組みです。四方八方を睨みながら置
き場所を決めているわけで、まるでエイトクイ
ー ン の パ ズ ル の よ う で す ね 。 特 に 57 に 打 て な
い 理 由 は 、9 手 目 84G の 後 に 判 明 す る の で 、一
種の複合手筋となっています。
9 手 目 、壁 か ら 一 つ 離 す 84G の 限 定 打 も 面 白
い 手 筋 で す 。受 方 の 24G の 逃 げ 場 所 を 作 る と 同
時に、自分の跳び先を盤外に追いやる一石二鳥
の限定打です。
駒を捨てないステイルメイトと2つの妙手。
これだけ内容が濃いと、正解者なしもやむを得
ないかもかもしれません。
神無太郎氏作(正解1名!)
変寝 夢 さ ん ( ※ 無 解 )
G端っこに誘導する限定打が素敵すぎる。
二
三
四
五
六
G
七
角
☆作稿の都合上、問題の並びは投稿順になって
いますが、最初にこの問題を置いたのは失敗
だったかもしれませんね。
G
G
たく ぼん さ ん ( ※ 無 解 )
全く筋が見えません。
G
G
八
角
九
持駒 なし
【解説】
自玉系双裸玉で玉が同じ筋や同じ段に並ん
でいるものは総じて難しい傾向があります。特
に相手玉から自玉を見た時に影になる地点を埋
め る の が 難 し く 、 本 局 の 場 合 は 21 の 地 点 を 埋
める手段が問題となります。
初 め の 4 手 は 下 準 備 。角 G の 積 み 上 げ は 前 局
で見られた香Gの積み上げの斜め版と考えれば
良 い で し ょ う 。2 手 目 飛 合 は 自 玉 の 封 鎖 の た め
当 然 で す が 、こ れ を 9 筋 に 振 る こ と で 縦 か ら の
王 手 を 可 能 に し ま す 。 そ こ で 待 望 の 6 手 目 98
角 合 が 実 現 。 21 地 点 の 封 鎖 に 成 功 し ま す 。
しかし、これで別の問題が浮上しました。次
に 41 を 封 鎖 し た い の で す が 、 そ の た め の 角 が
16
☆ここから3題、たくぼんさんだけが唯一の正
解者となりました。
■ 79-3
神無太郎氏作(正解1名!)
協力自玉ステイルメイト 10手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
二
三
四
五
六
七
八
王
九
玉
攻方持駒 飛G4
受方持駒 残り全部+G5
※G:Grasshopper
【解答】
81 飛 88G 82G 98 玉 38G 48 角
58G 68G 78G 81G ま で 10 手
(最終形)
二
三
四
五
六
七
玉
たく ぼん さ ん
横の筋で攻めるかと思ったら縦でしたか。
79-3 を 先 に 解 い た の で 同 じ よ う に せ め て 苦
労しました。
G
G
G
変寝 夢 さ ん ( ※ 無 解 )
飛のスイングに感嘆。
一
G
角
【短評】
9 8 7 6 5 4 3 2 1
G
ありません。角は2枚しかないのです。
こ の 解 決 策 が Grasshopper を 角 の 代 理 に 使
う 手 筋 で す 。合 駒 で 95G を 発 生 さ せ た 後 、飛 を
52 に 移 動 さ せ て 41 に 利 き を 作 る の で す 。 1 枚
では角の代わりにならなくても、2枚なら角の
代わりができるわけですね。
この作品では合駒で発生させた飛を右に左
に移動する手順が出てきたわけですが、どちら
も王手に対する「開き応手」による限定移動で
す。ホッパー系の駒に対する「開き応手」は普
通の詰将棋では味わえない新鮮味のある手です
が、本局ではそれが2回も出てきて、より強烈
な印象を与えています。
王
G
八
九
持駒 なし
【解説】
前局と同様、玉が同じ段に並んだ形。このま
まだと王手も掛けにくいので、まずは段をずら
し ま す 。た だ し 81 飛 に い き な り 98 玉 と 応 じ る
と 手 が 続 か な い の で 、88G 合 と 跳 躍 台 を 設 置 し
て か ら 82G と し ま す 。2 枚 投 資 し て や っ と 一 枚
分の効果ですが、これは致し方ありません。
で も な ぜ 81 飛 な の で し ょ う ?
こ れ は 79-1 で 見 ら れ た 香 G の 積 み 上 げ の 逆
バージョンに見えますが、飛は香と違って壁際
から打っても利きが減りません。実は、この飛
は除去された後を見越した限定打なのです。
そ の 伏 線 が 回 収 さ れ る の が 最 終 手 81G の 開
き 応 手 。 初 手 81 か ら 飛 を 打 て ば 、 最 終 手 が 81
G に な る の で 、82G の 跳 び 先 が 生 じ な い と い う
わ け で す 。79-1 で 登 場 し た 壁 か ら 一 つ 隣 へ の 遠
打の応用編ですね。
自玉の包囲網の作り方にも注意が必要です。
自玉の頭に相手の角を乗せるのはステイルメイ
トの定番の形ですが、その角に紐を付けるのは
68G で す 。同 じ よ う で も 5 手 目 か ら 18G 28G
38G 48 角 58G 81G と 逆 方 向 か ら 紐 を 付 け
る と 82G が 19 に 跳 べ る の で ス テ イ ル メ イ ト 失
敗。油断大敵です。
取られる場所に打つ限定打は普通詰将棋で
も時折見掛けるのですが、玉から最遠の地点、
初手の遠打が最後に取られるという二重の演出
が本局では高い効果を上げています。
「将来取ら
れ る た め の 限 定 打 」、貴 方 な ら ど ん な ル ー ル で ど
のように実現しますか?
【短評】
変寝 夢 さ ん ( ※ 無 解 )
48角がとぼけた感じで面白い。
17
たく ぼん さ ん
これが初めに解けましたがGの合駒が意外
と読みにくかったです。
☆ G 合 は 2 回 出 て き ま す が 、こ こ で 言 う「 G の
合 駒 」は 2 手 目 の こ と で し ょ う ね 。こ の 手 は
後 の 81G が 見 え な い と 指 せ な い 手 で す 。
■ 79-4
神無太郎氏作(正解1名!)
協力自玉ステイルメイト 10手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
玉
二
三
四
五
六
に 隅 で な い 盤 端 の 飛 を G3 枚 で 閉 じ 込 め る 、 空
中 の 飛 を G 4 枚 で 閉 じ 込 め る 、な ど も 可 能 で す 。
興味を持たれた方はぜひその実現に挑戦してみ
てください。
も う 一 つ 、 異 色 な の が 55 香 を 中 心 と し て 斜
めに並んだ2枚のG。盤の端を使わなくても、
台駒を中心に対称にGを積み上げると、対応す
るGに互いの邪魔をするのでジャンプできない
というわけです。
この特異なGの使い方に目を奪われてしま
い が ち で す が 、 21 飛 が 22 か ら 28 に 三 段 活 用
される手順もなかなか心地良い流れです。
神無太郎氏の今回の4作は攻方持駒をG4
枚+αに統一したシリーズ物ですが、4枚のG
がすべて盤上に残るという様式で全題が統一さ
れています。そしてシリーズの最後は対称性を
利用した美しいステイルメイト型。手順の内容
も濃い、優れた作品群だったと思います。
七
八
王
九
攻方持駒 飛G4
受方持駒 残り全部+G5
※G:Grasshopper
【解答】
91 飛 21 飛 81G 22 飛 66G 55 香
44G 12 玉 92G 28 飛 成 ま で 10 手
(最終形)
9 8 7 6 5 4 3 2 1
飛G
G
一
【短評】
変寝 夢 さ ん ( ※ 無 解 )
初手の駒を取らずにG2枚でガードしてい
るんですね。
たく ぼん さ ん
合Gが出ないのが不思議な感じです。
☆そういえばこの作だけG合がないですね。
合駒をできるだけ絡めず、可能な限り多くの
Gを盤上に配置する路線でも面白い作品が
見られそうです。
二
玉
三
G
四
香
五
G
六
七
龍
王
八
九
持駒 なし
【解説】
異色のステイルメイト型2つ。
前局の解説で「飛は壁際から打っても利きが
減りません」と書きましたが、何事にも例外は
あります。本局のように飛を隅に打ってG2枚
で塞げば飛を閉じ込めることができます。同様
18
■ 79-5
久保紀貴氏作(正解7名)
Andernach協力詰 11手
六
Twitter が き っ か け で ち ょ っ と Andernach に
興味を持ち、駒を動かしていたらできた作品で
す。普通詰将棋ではバッテリーの構築・再構築
がこんなにスムーズにいかないのでそこに面白
さを感じました。
既に誰かがやっているような気がしてなり
ませんが、作例には詳しくないのでひとまず投
稿してみることにしました。
七
【解説】
9 8 7 6 5 4 3 2 1
飛
銀
一
二
三
四
五
玉
八
香
【作者のコメント】
九
持駒 なし
【ルール】
 協力詰
先後協力して最短手数で受方の玉を詰める。
 Andernach
駒取りを行った駒(玉を除く)は、その場で
相手の駒となる。
(補足)
2) 取 る と 二 歩 に な る 場 合 、相 手 の 駒 に な ら な
い
3) 駒 の 向 き の 転 換 は 成 生 の 選 択 の 後 に 行 わ
れ、成生の選択権は駒を取った側にある
4) 駒 取 り の 場 合 に 限 り 、8 段 目 へ の 桂 の 不 成 、
9 段 目 へ の 桂 香 歩 の 不 成 が 可 能( 二 歩 の 例
外を除く)
【解答】
23 銀 生 13 銀 14 銀 成 同 銀 転 25 銀 12 銀
24 銀 14 玉 13 銀成 同銀転 24 銀成 まで 11 手
Andernach は 駒 を 取 る 時 に 相 手 の 駒 に な る …
つまり駒を取らないか、開き王手でないと王手
にならない不便なルールです。でも詰将棋では
不便さはむしろ宝の山です。
Andernach で の 王 手 の 掛 け に く さ は 、協 力 詰
では受方応手の限定にも利用できます。例えば
2 手目。作意は銀合ですが、歩や香は「転」の
後 王 手 が 続 か ず 、 角 や 桂 で は 14 銀 成 を 取 れ ま
せん。金や飛だと「転」は自玉への王手になり
ます。これで合駒が銀に限定されました。
でも本局はここからが本番。玉を詰みやすい
場所に誘導するため、もう一度開き王手と銀合
を 挟 ん で 玉 移 動 。そ の 後 再 度 の「 転 」が 登 場 し 、
最後は両王手で鮮やかに詰め上げます。繰返し
用の駒や収束用の駒を配置せず、玉を近付ける
という意味付けだけで全編を統一し、銀の着手
は 10 回 ! こ の 密 度 の 濃 さ は 特 筆 に 値 し ま す 。
な お 、同 種 の 駒 の 交 換 は Andernach で 趣 向 作
を作る場合の基本となる手法です。参考として
この作品を見てみましょう。
〔参考図〕小倉杏作
(Problem Paradise/ 2009 年 3 月 )
Andernach打歩協力詰 55手
(詰上り)
9 8 7 6 5 4 3 2 1
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
一
二
二
三
と
三
四
歩
玉
全
五
六
八
持駒 なし
九
香と
香
五
七
桂香
王香桂
七
香
四
金
玉
飛
六
八
九
攻方持駒 飛 金
受方持駒 なし
上図の作意は「と金鋸」を絡めるのですが、
19
変寝 夢 さ ん
銀転のリフレイン。
王 手 義 務 ル ー ル で Andernach は 作 り に く そ
う な 気 が し ま す ね 。 た だ 王 手 駒 が hopper 系
なら転しても関係ないんだけどね。
占魚 亭 さ ん
最高の銀繰り。めちゃくちゃ好みです!
井上 順一 さ ん
最後に銀が成れるように一段ずらす手順が
巧 妙 。11 手 中 10 手 が 銀 の 動 き 。
やよ い さ ん
ルールを熟知していないのでやや自信無し
です。
変寝夢氏作(正解6名)
協力自玉ステイルメイト 8手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
二
三
四
五
飛
六
王金
七
八
歩
玉
【短評】
■ 79-6
蝗蝗
基 本 的 な 繰 り 返 し は 「 28 金 26 玉 18 金 転 17
玉」の 4 手です。本局と構造的に異なるのは、
「攻方が受方の駒を取って」相手の駒になる点
です。実際にこれを動かすと、盤上から攻方の
駒が消え、駒台にワープしたように見えます。
一口に同種の駒の交換と言っても、駒の種類を
何にするか、先後どちらが駒取りを行うか、で
多くのバリエーションがあり、歴史の浅い
Andernach で は 、ま だ 実 現 さ れ て い な い 組 み 合
わせが多く残されています。
Andernach に 限 ら ず フ ェ ア リ ー は 未 開 拓 な 分
野が多いので、いたるところに掘り出し物が転
がっています。何だか面白そうなルールを見掛
けたら、先例を気にせずいろいろ作ってみてく
ださい。割と少ない試行で、先行作のない素材
に行き当たるはずです。
九
持駒 銀2
※蝗:Locust
【ルール】
 Locust( 蝗 )
フ ェ ア リ ー チ ェ ス の Locust( 蝗 )。 ク ィ ー ン
の利きの方向にある敵駒を跳び越えその先
の空きマスに着地し、跳び越えた敵駒を取る。
(○が蝗の利き。■
は敵駒。■が味方
の駒だったり、○
の地点が埋まって
い る と 跳 べ な い 。)
【解答】
28 金 同-18 蝗 38 銀 同-28 蝗 38 銀 同-48 蝗
26 飛 39 玉 まで 8 手
(最終形)
9 8 7 6 5 4 3 2 1
たく ぼん さ ん
いやいや~狙っている次元が違うような作
品。ルールを見事に昇華してますね。
一
二
三
四
一乗 谷酔 象 さ ん
銀成の両王手を目指して位置の変換。
飛
六
王
七
蝗
蝗
玉
☆解答者全員正解で、しかも好評続々。作者に
とっては軽く仕上げた作かもしれませんが、
普 通 詰 将 棋 で 鍛 え た 実 力 と 感 性 は Andernach
でも遺憾なく発揮されています。
五
八
九
持駒 なし
【作者のコメント】
20
Locust は Grasshopper と 同 様 、1 枚 駒 を 跳 び
越す駒ですが、ジャンプ台となる駒を取るとい
う著しい特徴があります。つまり、取る地点と
移動先が異なります。記譜表記としては取る地
点 と 移 動 先 を ハ イ フ ン で 繋 い で「 XX-XX 蝗 」の
ように表しますが、本局の作意で登場するのは
打った駒を直後に取る手なので、
「 同 -XX 蝗 」の
表記になっています。
本 局 で の Locust の 最 初 の 役 割 は 攻 方 の 置 き
駒 と 持 駒 の 消 去 で す 。手 数 は 8 手 し か あ り ま せ
んから全部は消せません。1枚だけどうしても
残ってしまいます。残す駒は飛車。強力な駒な
の で「 ピ ン」で 動 き を 止 め る し か あ り ま せ ん が 、
そ れ に も Locust を 使 い ま す 。 自 玉 を Locust の
ジャンプ台にし、跳び先にピンしたい駒を置き
ます。跳び先にある駒が動くと自玉が取られる
の で 、そ の 駒 は 動 け ま せ ん 。こ れ が Locust を 使
っ た ピ ン 止 め の 形 で す 。作 意 は 6 手 目 に 逆 王 手
が掛かり、逆王手防ぎの逆王手が自然にピン止
めの形になるという構成です。
後は自玉の包囲網をどう形成するかですが、
前 回 78-6 で も 書 い た よ う に Locust は 「 隠 れ
Queen」な の で 、2 枚 あ れ ば 玉 の 包 囲 に は 充 分 。
後 の 79-8 で 見 ら れ る Q 2 枚 の 詰 型 が 応 用 で き
ま す 。す ぐ に は Locust を 48 に 持 っ て 来 ら れ な
い の で 、38 銀 を 二 度 繰 り 返 す の が 面 白 い で す ね 。
解 図 は 39 歩 に 着 目 す る の が 近 道 で す 。2 手 目
39 玉 の 紛 れ に さ え 嵌 ら な け れ ば 、 27 金 消 去 か
ら 26 飛 と 回 れ る の は 自 然 な 流 れ な の で 、 作 意
に到達しやすいと思います。
変 寝 夢 氏 作 (正解7名)
協力自玉詰 4手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
王
三
四
五
六
七
八
九
持駒 角n角
※n角:中立駒の角
【ルール】
 中 立 駒 (「 」 あ る い は 「 n 駒 」)
どちらの手番でも動かせる駒。
横向きの字か横に n を付加して表記。
【解答】
12 角 33 玉 99n 角 32 玉 まで 4 手
(詰上り)
9 8 7 6 5 4 3 2 1
王
角
一
二
三
四
五
六
七
八
角
【短評】
占魚 亭 さ ん
26 飛 を 決 め 手 に す る た め Locust の 位 置 調 整 。
一
二
玉
【解説】
■ 79-7
玉
LO2 枚 の 翻 弄 が 狙 い 。
九
持駒 なし
【作者のコメント】
たく ぼん さ ん
まさに蝗のようにぴょんぴょん跳ねました
ね。
一乗 谷酔 象 さ ん
同一地点への連続打ちができるんですね。
☆38 銀 連 打 と Locust の 跳 躍 が 好 評 で し た 。
皆 さ ん そ ろ そ ろ Locust に 慣 れ た の で し ょ う 。
自ら打った駒でとどめを刺される。
【解説】
双裸玉なのに1枚も合駒が登場しない作品。
中立駒があるのでそんなことができるのですが、
中立駒で詰めるのも簡単ではないはずです。
難しいはずの「中立駒での詰上り」を実現す
る 鍵 が 3 手 目 99n 角 。こ れ よ り 近 い 場 所 に 打 つ
と 角 筋 を 外 す 受 け が あ り ま す 。 例 え ば 、3 手 目
88n 角 な ら 最 終 手 に 対 し て 79n 角 な ど と 動 け る
21
■ 79-8
変寝夢氏作(正解7名)
非連続王手協力詰 3手 ※4解
9 8 7 6 5 4 3 2 1
Q
P
一
玉
二
三
馬
馬
ので詰みません。角筋を保つための限定打とい
うわけです。意味的な面白さに加え、初手の角
打ちとの物理的な距離の対比も印象的ですね。
盤の端は角の利きが最小になる特別な場所、
盤の隅は方向も最小になる最も特別な場所です。
本局は四角い盤と斜めに利く角の関係を改めて
思い起こさせる作品だったと思います。
四
【短評】
五
占魚 亭 さ ん
3 手目の限定打がビシッと決まっていますね。
六
七
八
井上 順一 さ ん
双裸玉なのに合駒がでてこない。
やよ い さ ん
中立角の使い方(効きを逸らさせないための
最遠打)を見つけるのに長考しました。
たく ぼん さ ん
中立駒ならではの遠打。
一方向に限定するんですね。
九
攻方持駒 なし
受方持駒 なし
※P:Pawn、Q:Queen
【ルール】
 Queen( Q )
チェスのクィーン。
飛車と角を合わせた性能を持つ。
(矢印がQの走る方向)
一乗 谷酔 象 さ ん
効 き 限 定 の 遠 n 角 ?の 手 筋 。
詰ガ エル さ ん
遠打が素晴らしい。
☆本局も全員正解。
狙いが明確な作品は易しくても高評価です。
 Pawn( P )
チ ェ ス の Pawn。駒 を 取 ら な い 時 は 一 つ 前 に 、
駒を取る時は斜め前に進む。
敵陣最上段で強制的に成り、成った後の駒は
Q( 飛 + 角 )、R( 飛 )、B( 角 )、S( 騎 )の
4種から選択できる。
(○が駒取りの利
き。駒を取らない
ときは矢印方向に
進 む 。)
 非連続王手
攻方に王手の義務がない。
(王手をしても良い)
22
【解答】
(詰上り)
a) 61P=Q 42 玉 31Q打 まで 3 手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
R
(詰上り)
馬
玉
9 8 7 6 5 4 3 2 1
Q
一
馬
Q
Q
一
二
三
四
二
五
三
六
四
七
五
八
六
九
玉
馬
馬
七
持駒 なし
八
九
持駒 なし
b) 61P=B 51 玉 52Q まで 3 手
(詰上り)
玉
一
Q
二
三
馬
四
馬
五
六
七
八
九
持駒 なし
c) 61P=S 41 玉 42Q まで 3 手
(詰上り)
9 8 7 6 5 4 3 2 1
玉
S
初手の分岐によって2手目3手目が全部変
わってきます。内容はポンコツ級ですが、実験
作として出してみます。
【解説】
9 8 7 6 5 4 3 2 1
B
【作者のコメント】
一
Q
二
三
四
馬
馬
五
六
七
八
九
持駒 なし
d) 61P=R 53 馬 41Q まで 3 手
本局の狙いは4種成とその応手。詰将棋の七
種合みたいなものですが、実現難易度は双方不
成程と考えて良いでしょう。
Pawn は 歩 と 訳 さ れ ま す が 、 将 棋 の 歩 と は 全
然 違 い ま す 。 Pawn に は 利 き が 2 ヶ 所 あ る 、 駒
を取る時と取らない時の動きが違う、成駒の種
類が選べる、最初は二枡動くこともできる(ダ
ブ ル ス テ ッ プ )、特 殊 な 条 件 で は 通 過 取 が で き る
(アンパッサン)といった具合に特殊なルール
が山盛りです。チェスが現在のチェスになるま
でに様々な試行錯誤があったと思いますが、そ
の 間 に 過 剰 な 程 の 設 定 が Pawn に 盛 り 込 ま れ て
しまったのでしょう。
Pawn に 関 す る 多 く の ル ー ル の う ち 、 本 局 で
焦点が当てられているのは「成駒の種類が選べ
る」という部分です。
Pawn は 実 戦 で は 大 抵 Q ( 飛 + 角 ) に 成 る の
で す が 、稀 に そ れ 以 外 に 成 る 方 が 良 い 時 も あ り 、
これをアンダープロモーションと言います。S
(騎)に成るのは利きが根本的に変わるので分
かり易いですが、R(飛)やB(角)はQに利
きが包含されるので、純粋に弱い駒になるのが
目的です。将棋の不成と同じで、なぜわざわざ
弱い駒に成るのか、その理由づけが作品の大き
な主題になります。
実際、本局ではRに成るのが最も面白い手順
です。Bに成るのは利きを減らして詰みやすい
位置への移動を可能にするためですし、Sに成
23
るのも似たような意味です。Qに成るのは利き
を強力にする当然の手ですが、協力詰では受け
の選択肢を狭めるので逆に妙手だったりします。
Rに成るのは王手を掛けないためで、受方はそ
れで自由になった一手を自玉の退路封鎖に用い
ます。なお、出題図では「受方持駒なし」の記
述が抜け落ちており、退路封鎖に持駒を打つこ
とも可能でした。幸い解答者の皆さんが空気を
読んで「受方持駒なし」の解答を送ってくださ
いましたが、お詫びして訂正いたします。
本局について作者は「実験作」とコメントし
ていますが、皆さんはどう感じたでしょうか?
私も少しチェスプロブレムを齧った経験が
あ り ま す が 、困 っ た の は「 盤 が 狭 い 」
「駒が少な
い」
「 配 置 に 制 約 が あ る( 実 戦 初 形 か ら 到 達 可 能
な 局 面 で な い と い け な い )」と い う 3 点 。ど れ も
長編創作には大きな障害です。持駒がないこと
は予想したほど創作の障害になりませんでした。
持駒がなくても、必要時に必要な駒の供給が可
能であれば趣向作が作れるからです。
チェスプロブレムは基本的に短編向きにル
ールや出題形式が作られています。将棋盤でチ
ェスプロブレムを作る(チェスプロブレムから
駒やルールだけ流用する)と上記3点の制約か
ら解放されるメリットがありますが、本局のよ
うな短編にはあまり関係なさそうです。だとす
ると「持駒ルール付きチェスプロブレムを作っ
たらどうなるか」あるいは「解答者がどう反応
するか」というのが、作者の実験したかったこ
とかもしれません。
【短評】
一乗 谷酔 象 さ ん
お見事、四種の成り達成。
チェス駒でQ以外のSは希にあるかもしれ
ないがRやBは意味づけが難しそう。
ステイルメイト絡みならあり得るか。
詰ガ エル さ ん
2 手目と 3 手目が全て異なっているのがいい。
欲を言えば、二手目は全て玉移動で統一した
い。
何か勘違いしているのかもしれないですが、
受 方 の 持 駒 な し と 書 い て い な い の で 、 61R、
53 駒 打 、41Q、で 余 詰 に な っ て い る 気 が し ま
す。
☆出題図の「受方持駒なし」の脱落は詰ガエル
さんの指摘で初めて気付きました。ご指摘感
謝します。
■ 79-9
変寝夢氏作(正解6名)
非連続王手レトロ協力詰 -6+1手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
占魚 亭 さ ん
84 馬 を 動 か す 順 が 1 つ は あ る と 思 っ て い ま
した。
一
二
三
玉
井上 順一 さ ん
期待通りの 4 種成。
詰上がりの玉位置がすべて異なっている。
四
桂
五
六
七
やよ い さ ん
狙いはすぐ判りましたが、ルークに成った時
の手順で少考。
たく ぼん さ ん
チェスと将棋をミックスですがちょっと違
和感がありますね。
馬
八
九
攻方持駒 なし
受方持駒 なし
【解答】
35 玉 49 馬 26 玉 47 桂 17 玉 39 桂 / 27 馬
ま で -6+1 手
24
(詰上り)
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
二
三
四
五
六
玉
馬
七
八
桂
九
攻方持駒 なし
受方持駒 なし
め 馬 が 動 く 必 要 が あ り ま す が 、 27 に も 38 に も
行 け る 場 所 と な る と 49 し か あ り ま せ ん 。 こ れ
で逆算に必要な要素はすべて出揃ったことにな
ります。
問 題 は 戻 す 手 順 の 順 番 。逆 算 2 手 目 に 桂 を 戻
すと玉が自ら桂の利きに飛び込んだことになっ
てしまうので反則。従って、馬の方を先に動か
さねばなりません。この手順前後の綾が本局の
眼目。簡素図式でも油断は禁物です。暗算で逆
算すると混乱してしまうかもしれませんが、そ
んな時は適宜順方向に駒を動かして反則手を指
していないか確認してください。
【短評】
占魚 亭 さ ん
馬を動かすタイミグが大事。
(逆算図)
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
二
三
四
井上 順一 さ ん
玉 の 17 へ の ル ー ト を 確 保 す る た め に 、2 手 目
は桂を戻せない。
馬を動かせる場所は、ひとつしかない。
五
六
七
玉
八
馬桂
九
攻方持駒 なし
受方持駒 なし
(出題図への手順)
47 桂 26 玉 55 桂 35 玉 38 馬 44 玉
まで 6 手
( 詰 手 順 ) 27 馬 ま で 1 手
【作者のコメント】
自然な桂の2段バネが狙い。手順前後が成立
していないところが気に入っている。
【解説】
やよ い さ ん
桂馬の元の位置を考えたら解けました。
手順前後あり?と一瞬思ってしまいました。
たく ぼん さ ん
先に桂を引くと禁手になるのがこの作品の
存在価値なんですね。
一乗 谷酔 象 さ ん
なるほど、先に桂を2回跳ねないと玉が動け
ない。
☆本局は簡素形ながら、手数の調整や反則の回
避というレトロの基本要素が盛り込まれて
います。こういう問題があると、より高度な
問題にも進み易いですね。
受方持駒制限があるので、玉が宙ぶらりんで
は全然詰みません。何はともあれ玉を端に移動
させましょう。
桂 は 玉 の 近 く に 動 か さ ね ば な ら な い の で 、39
に 戻 す こ と が 決 定 。 す る と 玉 の 戻 し 先 は 17 に
決 定 。 す る と 詰 上 り も 27 馬 の 形 に 決 定 … と 芋
づる式に詰上がりの形が決まります。
桂 が 39 に 戻 る の に 2 手 、玉 が 17 に 戻 る の に
3 手では勘定が合わないので、帳尻合わせのた
25
■ 79-10
変寝夢氏作(正解4名)
一
(出題図への手順)
25 銀 同 と 23 歩 生 22 銀 同 歩 生 24 と
まで 6 手
( 詰 手 順 ) 23 歩 成 ま で 1 手
二
【作者のコメント】
非連続王手レトロ協力詰 -6+1手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
歩
三
玉
と
四
五
7 7 −5 で 試 み た 先 手 の 持 駒 を 先 手 の 駒 と し
て盤面に配置が狙いです。
最終手を限定させるための56馬は残念。
馬
六
七
八
九
攻方持駒 銀
受方持駒 なし
【解答】
25 と 23 歩 (+22 銀 ) 22 銀 持 24 歩
14 と (+25 銀 ) 34 銀 / 23 歩 成 ま で -6+1 手
(詰上り)
9 8 7 6 5 4 3 2 1
【解説】
とにかく銀を盤上に戻さないと詰まない形。
でも持駒を盤上に戻すには、意外と面倒な手続
きが必要です。
持駒があるということは、攻方はそれを取っ
たということで、攻方が取るには盤上に受方の
駒として存在しなければならず、そのためには
受方がそれを打たねばならず、受方がそれを打
つためには、盤上にある攻方の駒を取らねばな
らない…という逆算の連鎖を経て、ようやく攻
方の持駒が盤上に戻る迄の逆算ができました。
銀の移動経路をまとめると
一
二
銀
と
玉
と
三
四
五
馬
六
七
八
九
攻方持駒 なし
受方持駒 なし
(逆算図)
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
二
と
玉
銀歩
三
四
五
六
馬
七
八
九
攻方持駒 なし
受方持駒 なし
攻方駒台→盤上(受方)→受方駒台→盤上(攻方)
…とまあ、こんな長旅になるわけです。
こ れ で 基 本 的 な 方 針 は 立 ち ま し た が 、22 歩 の
存 在 に つ ら れ て 逆 算 原 図 と し て 「 攻 方 23 歩 33
銀 、受 方 12 玉 13 と 」の 形 を 想 定 し て は い け ま
せ ん 。こ こ か ら 攻 方 の 指 す 手 は「 24 銀 」
「 22 歩
生 」 の 2 手 、 受 方 の 指 す 手 は 「 24 と 」「 22 銀 」
「13 玉 」 の 3 手 。 手 数 の 帳 尻 が 合 い ま せ ん 。
そ の 解 決 策 が 上 記 の 逆 算 原 図 を 「 攻 方 24 歩
34 銀 、受 方 13 玉 14 と 」と 一 段 ず ら す こ と 。こ
れ な ら 攻 方 の 指 す 手 は 「25 銀 」「 23 歩 生 」「 24
歩 」の 3 手 に な り ま す 。玉 を 移 動 す る 手 が 不 要
に な る の で 、今 度 は 受 方 が 2 手 に な り そ う で す
が、
「 24 と 」を 直 接 14 に 戻 す の で は な く 、25 に
迂回させることで、攻方が歩を戻す逆算を可能
に し つ つ 、不 要 に な っ た 1 手 の 穴 を 埋 め て い ま
す。手数調整のためわざと無駄な動きをするみ
たいで面白いですね。
本局の眼目は持駒の盤面への移動ですが、同
じ 主 題 を 作 者 は 77-5 で 試 み て い ま す 。 こ の と
きは残念ながら余詰だったのですが、今回は原
理のみを取り出し、簡明に構成して余詰を回避
し て い ま す 。 作 者 の 言 う 通 り 56 馬 は で き れ ば
省きたい配置ですが、これは致し方ないところ
でしょう。
26
【短評】
(逆算図)
井上 順一 さ ん
12 玉 で 玉 を 下 段 に 落 と す 手 か ら 考 え た が 、 4
手 目 が 24 歩 と す る し か な い こ と が わ か っ て 、
作意にたどり着いた。
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
二
三
四
たく ぼん さ ん
ルールを勘違いしてあたふたしました。
25 銀 ~ 34 銀 が 見 え 難 い 手 順 で し た 。
龍
レトロ協力詰 -2+1手
八
九
( 出 題 図 へ の 手 順 ) 17 銀 同 玉 ま で 2 手
( 詰 手 順 ) 27 龍 ま で 1 手
【作者のコメント】
初手発生させる駒を銀にしてみた。
【解説】
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
二
三
四
五
六
七
玉
八
龍
九
持駒 なし
【解答】
18 玉 (+17 銀 ) 28 銀 / 27 龍 ま で -2+1 手
(詰上り)
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
二
三
四
五
六
七
玉
龍
持駒 なし
玉
変寝夢氏作(正解7名)
龍
銀
七
持駒 なし
☆解答者の短評からも脳内逆算の難さが伝わり
ますね。本局は手数調整的な手が入るので尚
更です。
龍
六
龍銀
一乗 谷酔 象 さ ん
と金の経路が読みづらい。
■ 79-11
五
八
九
レトロにおいて通常の詰将棋の「合駒」に対
応する役割を果たすのが、駒台から盤上へ相手
駒として戻す手順です。本局のように受方持駒
制限がない場合、残り駒すべてが受方の駒台に
あるので、何を盤上に戻すかという選択だけで
結構難しいパズルになります。
忘れてはいけないのは、正算と違って逆算で
は成駒を盤上に発生させられることです。例え
ば 「16 玉 (+17 馬 )」 と い う 逆 算 は 、 発 生 さ せ る
駒が馬という強い駒なので、真っ先に読みたく
なる紛れですね。本局は生銀を発生させる逆算
ですが、成駒の逆算もいずれ登場します。
また、紛れが多いとその分余詰(余逆算)の
危険も増すわけですが、本局には攻方王手義務
があるので、これが逆算で発生させる駒の限定
に 役 立 っ て い ま す 。例 え ば「 26 龍 (+29 金 ) 19 金
/18 龍 ま で -2+1 手 」 の よ う な 平 凡 な 手 順 の
成立を攻方王手義務が防いでいるのです。
攻方王手義務により、玉か龍を動かしてその
跡地に王手が掛かるような攻方駒を配置する逆
算に候補が絞られるわけですが、本局のように
「開き王手」を使う逆算は見落とし易いパター
ンの一つです。開き王手の逆算だと発生させる
のは角か銀ですが、弱そうな銀の方が実は役に
立つ(前に利くのは大きいですね)というのが
本局の面白いところ。易しい問題にもちゃんと
「主張」があります。
27
【短評】
けてはいけない。
占魚 亭 さ ん
開き王手に気付くまで少し時間がかかりま
した。
井上 順一 さ ん
攻方の駒が 1 枚しかないので初手は uncapture。
王手義務があるので龍だと桂しかなくてだ
めなので、玉を動かすことを考えればいい。
 Rose( 薔 )
フ ェ ア リ ー チ ェ ス の Rose。
円形に進むナイトライダー。途中に駒があっ
たり盤をはみ出したりするとそこから先に
行けない。
☆ 辞 書 に uncaputure は 出 て き ま せ ん が 、レ ト ロ
の専門用語でしょうか。
「 取 っ た 駒 を 戻 す 」と
いう意味は何となく分かります。
やよ い さ ん
受方龍が強力で、少し悩みました。
たく ぼん さ ん
どこからともなく現れる銀。
初心者が食いつきそうな作品。
詰ガ エル さ ん
これはすぐに見えました。
■ 79-12
【解答】
65 薔 21 薔 33 薔 /21 と 12 薔
52 薔 /12 と 44 薔 ま で 6 手
変寝夢氏作(正解6名)
(詰上り)
9 8 7 6 5 4 3 2 1
PWC連続詰 6手
とと
玉と
9 8 7 6 5 4 3 2 1
玉
と
と
と
薔
一
薔
三
六
五
七
六
八
七
九
八
【ルール】
 PWC
取られた駒は取った駒が元あった場所に復
元 す る 。( 駒 位 置 の 交 換 と な る )。
 連続詰
攻方が連続して指して最短手数で受方の玉
を詰める。ただし、詰むとき以外に王手を掛
四
五
四
持駒 なし
※薔:Rose(円形ナイトライダー)
二
三
二
九
一
持駒 なし
【作者のコメント】
詰上がりがこれしかない。
2手掛けて21に行くのが意外か。
【解説】
Rose は そ れ 1 枚 で 両 王 手 が で き る 駒 で す 。P
WCのような駒が増えないルールでも、両王手
一発で詰む形さえ作れば、合駒などおかまいな
しに詰ますことができます。
問 題 は 両 王 手 に 対 す る 逃 走 路 の 封 鎖 。12 と 21
28
の2箇所が空いているので、盤上の「と金」を
ここに運んで玉を箱詰めすることになります。
どれをどんな順番で持ってくるかで少し迷
い ま す が 、こ ん な 時 は 逆 算 解 法 が 物 を 言 い ま す 。
最 終 手 44 薔 の 両 王 手 で 詰 め る こ と に す る と 、
そ の 前 は 52 薔 で あ り 、そ の 前 は 12 薔 と い う 経
路を辿るのが最も効率が良いことが分かります。
つ ま り「 52 と 」は 12 へ 、
「 33 と 」は 21 へ 運 ぶ
という方針が立てられます。初手の選択肢が多
いので、頭から解こうとすると大変ですが、こ
う し て 逆 算 解 法 で 収 束 を 絞 れ ば 、21 へ の 移 動 を
見 据 え た 初 手 65 薔 に 辿 り 着 く の は 時 間 の 問 題
でしょう。
それにしてもこんな非常識なまでに強力な
駒を使った作品にこれだけ解答が集まるとは…
人間の適応能力はある意味恐ろしいですね。
【短評】
占魚 亭 さ ん
玉を閉じ込めることはすぐに分かりました
が 、Rose の 動 き に 不 慣 れ な の で 説 明 を 参 照 し
ながら解きました。
井上 順一 さ ん
これは詰上がりが想定できるのでそこから
逆算。
たく ぼん さ ん
詰上りを予想したらすぐ解けました。
薔の動きが少々地味(笑)
【総評】
変寝 夢 さ ん
神無氏の作品群に圧倒されました。
人間はまず自らの非力さを知り、喜ぶべきで
しょう。いや〜参りました。
たく ぼん さ ん
バラエティに富んで楽しめる内容でした。
太郎さんの作品群はかなりの難問でした。
一乗 谷酔 象 さ ん
前回は痛恨の転記ミスで全解を逃しました 。
☆原因は手数誤 認でな く転記ミスでし たか。
実質的には全題 正解だ ったのですね。
以上
※79-5 参 考 図 : 小 倉 杏 作 の 解 答
28 金 26 玉 96 飛 86 歩 18 金 転 17 玉
97 飛 87 歩 成 28 金 26 玉 96 飛 86 と
18 金 転 17 玉 97 飛 77 と 28 金 26 玉
96 飛 76 と 18 金 転 17 玉 97 飛 67 と
28 金 26 玉 96 飛 66 と 18 金 転 17 玉
97 飛 57 と 28 金 26 玉 96 飛 56 と
18 金 転 17 玉 97 飛 47 と 28 金 26 玉
96 飛 46 と 18 金 転 17 玉 97 飛 37 と
28 金 26 玉 37 金 転 29 金 転 96 飛 17 玉
18 歩 ま で 55 手
一乗 谷酔 象 さ ん
1枚の駒で両王手。合い効かず。
詰ガ エル さ ん
こういう方向性の作品は好みです。
欲 を 言 え ば 22 と 配 置 が 惜 し い 。
さらに欲張って周囲 8 マス全てを埋めるよう
な作品も見てみたいです。
☆盤上に散らばっている駒が集まって都詰だっ
た ら 絶 賛 の 嵐 で し ょ う ね 。で も 周 囲 8 マ ス を
埋 め な く て も 7 マ ス で 足 り る (Rose の 利 き
は玉の後ろに回り込むことができる)ので、
8 マス埋める作品を創るのは難しそうです。
都詰以外なら可能性はあるかも…
29
② 尾形充氏作
禁欲協力詰 5 手
解答者:井上順一氏、占魚亭氏、たくぼん氏、
橋 本 孝 治 氏 の 計 4 名 で し た 。有 難 う ご ざ い ま し
た。
今後共宜しくお願い致します。
課 題 「 強 欲 」「 禁 欲 」
① DD++氏 作
強欲協力詰 5 手
作 意 : 23 角 21 玉 91 飛 81 馬 32 香 成 迄 5 手
作 意 : 13 香 成 31 玉 33 香 21 玉 12 成 香
迄 5手
解説:
初手はこれしかないですが逃げ方がポイン
ト で す 。 11 玉 型 に す る と 無 条 件 で 23 杏 と し
な い と 駄 目 に な る の で 21 玉 12 杏 型 を 目 指 し
ま す 。そ の 為 に 31 玉 33 香 と な り ま す 。も う
少し巧い 3 手目の限定の仕方があればと思い
ますが入門には最適です。
橋本孝治:
2 手 目 、本 能 的 に 11 玉 を 読 ん で し ま う 。後 か
ら考えると初手が協力詰ならではの利き筋
削減の手筋でした。
占魚亭:
禁欲のような強欲。面白い。
たくぼん:
あ れ 3 手 ?23 歩 取 る 筋 が あ る ん で す ね 。や ら
れました。
井上順一:
14 香 の 二 段 活 用 。
解説:
初形を見る限り駒の利きが彼方此方にあっ
て詰まないように見えます。この内、利きが
外 れ れ ば 詰 み そ う な も の は 54 馬 を 外 し て 21
玉 型 で 詰 ま す 位 し か あ り ま せ ん 。そ の 為 に 23
角 21 玉 に 対 し て 91 飛 ! ! と 限 定 最 遠 打 を 行
い 81 馬 で 利 き は 外 し ま す 。 こ れ に よ り 当 初
の 目 的 が 果 た せ て 32 香 成 ま で と な り ま す 。
11 玉 に 対 し て 91 飛 は 出 来 そ う で す が ど う で
しょうか。
橋本孝治:
花 沢 正 純 氏 の 有 名 な 作 品( 協 力 詰 14 桂 +飛 金 ,
11 玉 55 角 #3)を 思 い 出 し ま し た 。こ れ は 取
らせるための遠打でしたが、本局は禁欲なの
で取らなくて済むための遠打になるのが面
白いところ。
占魚亭:
91 飛 が 目 の 覚 め る 一 手 。角 の 短 打 と 飛 の 最 遠
打の対比が素晴らしいですね。
たくぼん:
禁 欲 な る が ゆ え に 81 飛 は ダ メ な ん で す ね 。
持駒に飛がなかったら桂合の筋で詰むのも
面白い。
井上順一:
大駒の最近打と最遠打。遠打は花沢氏のばか
詰 3 手詰を思い出す。
30
③ 上谷 直希氏作
強欲協力詰 5 手
④上谷 直希氏作
強欲詰 5 手
作 意:65 銀 53 玉 54 銀 同 桂 63 飛 成 迄 5 手
作 意:31 と 同 玉 (A)42 桂 成 同 玉 41 飛 迄 5 手 詰
作 者 : ま ず は 55 銀 と し て ほ し い 。
(A)61 飛 は 51 歩 ! の 中 合 。
同 飛 成 に は 32 玉 、42 桂 成 に 同 玉 と 取 っ て も
らえなくなってしまう。
同 飛 不 成 で も 以 下 32 玉 、 42 桂 成 、 同 玉 の と
き 53 飛 成 を 強 制 さ れ 、 同 玉 で 逃 れ 。
作 者 :「 3 手 目 飛 車 を 打 っ て も 同 じ じ ゃ な い か 」
と疑ってもらえないと、ただの詰む将棋になっ
て し ま い ま す 。(A)61 飛 に 対 し て 、41 の 捨 合 へ
は 同 飛 成 で 終 わ り で す が 、51 へ の 中 合 を 成 っ て
取ったとしても打開できないのですね。まず飛
車打ちのほうを読んでもらえるよう誘導するま
でが仕事であるのは重々承知しているのですが、
意味付けを実現するまでで精一杯でした。
解説:
初 形 で 既 に 詰 上 り は 見 え て お り 53 玉 型で 63
飛 成 迄 で す 。 と こ ろ が そ の 為 に は 62 桂 が 邪
魔なので跳ねさせておきたい所。なので、銀
打 →54 銀・同 桂 を 目 指 し ま す 。そ の 際 に 飛 車
の効きを消しておかないと強欲ルールの為
に 62 飛 成 を 強 制 さ せ る こ と に な り そ れ を 避
け る 為 に 初 手 が 65 銀 と な る 仕 組 み で す 。 シ
ンプルですが綺麗に出来ています。
橋本孝治:
自駒の利きを遮って取る手を消す手筋。過去
の作品にもこういう手を含んだものがある
かもしれませんが、新鮮に感じます。
占魚亭:
63 に 成 る た め 、 ひ と 手 間 か け る 。
たくぼん:
3 手 で 詰 む と 勘 違 い 。取 れ る 桂 を 逃 が し て 63
飛成を実現する。強欲ならではの手筋
井上順一:
初 手 55 や 63 か ら 打 つ の は 3 手 目 に 桂 取 り を
強制されるので初手は限定打。意味付けがお
もしろい。
解説:
変化 A に気付いて貰えるかどうかなのですが
難しい所ですね。配置されている方が損をす
るというのはかしこ系では打歩絡み以外で
はあり得ないかなと思います。強欲の場合は
それがシンプルに出来てしまいます。
橋本孝治:
初 手 42 飛 の 紛 れ に 一 瞬 誘 わ れ ま し た 。 作 意
は邪魔駒消去で利きを削減する手筋ですが、
ちょっと地味ですね。
占魚亭:
きれいな邪魔駒消去。啓蒙作の傑作だと思い
ます。
たくぼん:
41 と が 邪 魔 駒 な ん で す ね 。分 か り や す く 入 門
編に最適です。
井上順一:
31
連続捨駒からのきれいな詰上がり。
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
金金
香歩
玉
二
三
香王
四
五
六
桂桂桂
七
八
九
攻方持駒 飛 歩17
受方持駒 飛 金
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
桂
飛
二
香香銀金
王
銀
桂
桂香
香
桂
角
四
三
玉
五
金
六
七
金
橋本孝治:
前回はルール設定がよく分からない作があ
ったので解答を出しませんでしたが、今回は
安心して解答できます。できれば、単に作品
を募集をするのではなく、たくぼんさんの
「フェアリー版くるくる作品展」のように、
課題についての興味を喚起するような記事
があると良いと思います。
ど こ か で「・・・」×17( ま た は 18)と 書 け
る協力自玉詰が2題投稿がありましたので
出題します。作者は橘圭伍さんです。手数は
長いですがもちろん手順はくるくる級で解
答も略記出来ますのでお気軽に解答願いま
す。
【協力自玉詰】先後協力して最短手数で、責め
方の王を詰める。
解 答 送 り 先 : [email protected]
締 切 : 4 月 17 日
桂
香香
【総評】
八
九
攻方持駒 飛 歩18
受方持駒 角
32
いつも5題出題と解答者の方に負担をかけて
いましたので今回より1題出題としましたが、
目立たなかったのか解答者数が減って3名とな
っ て し ま い ま し た 。( 泣 )
【 解 答 者 】( 敬 称 略 )
橋本孝治、井上順一、占魚亭
---------------------------------------たくぼん作 強欲協力詰 73手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
二
と
と
歩
香
銀
金
桂
銀香
金
歩
角
角銀
歩飛
桂
香歩歩
桂桂
歩
と
香
三
歩
歩歩
歩
金
歩
飛
銀
と
四
五
六
七
八
橋本孝治
24 手 目 手 拍 子 に 49 玉 と し て 58 桂 の 処 理 に 困
りました。九段目に香や歩でなく桂が並ん
でいる時点で、少し怪しいとは思っていま
したが、後からでは消せないので、先に桂
を消して舞台を整えておかないといけない
わ け で す ね 。 91 付 近 の 3 枚 で 収 束 が 見 え た
ので、初手の成・不成の選択は無事クリ
ア。収束での一気の斜追いは気持ち良かっ
たです。
井上順一
玉を左上に持っていくための歩の階段を作る
と こ ろ が お も し ろ い 。 60 手 以 上 あ と に わ か
る初手の成生の選択もうまくできている。
あ と 収 束 が や さ し い の で 助 か る 。 (前 回 唯 一
解けたのも、趣向が終わってそのまま収束
なしで詰み というものでした)
占魚亭
と 金 は 83 の 方 で し た か ( 87 と だ と 思 っ て い
ま し た )。 歩 の 連 打 と 金 追 い が 素 晴 ら し い 手
順ですね。★2 歩指摘感謝です。
九
歩
玉
金
歩
と
持駒 なし
解 答 宛 先 : た く ぼ ん ( [email protected])
解 答 締 切 : 2016 年 4 月 17 日 ( 日 )
たくぼん作
強欲協力詰
77 手
9 8 7 6 5 4 3 2 1
と
歩
とととと
歩
銀
玉
一
二
三
四
と
歩歩歩と
角
金
金
飛
金歩
香
銀香
香桂桂桂桂
香
歩
と
飛
歩
★ 初手の成生選択が収束を見越した1つのポ
イント。保留でそのまま進んで最後に選択
す る の が 常 道 で す 。 5 手 目 45 歩 or87 銀 の
選 択 が 出 て き ま す が 角 道 を 開 け て お く 45
歩は妥当な所。この作品のセールスポイン
ト は こ こ か ら の 手 順 で 48 金 か ら の 金 の 回
転で桂4枚を消去しその後は歩の階段を作
っ て 左 上 に 追 い 込 み ま す 。 65 手 目 55 金 の
場 面 で 初 手 が 銀 生 だ と 74 歩 が 取 れ ず 同 玉
で不詰となり初手が銀成と判明します。
今回は煙ではありませんのでご注意を。
歩
銀 成 85 玉 96 飛 成 同 玉 45 歩 36 と
銀 同 玉 78 銀 同 金 88 歩 77 玉
金 88 玉 79 角 同 金 同 角 同 玉
金 同 玉 68 金 59 玉 69 金 48 玉
金 38 玉 48 金 39 玉 38 金 49 玉
金 58 玉 49 金 47 玉 36 銀 同 玉
歩 45 玉 46 歩 55 玉 54 と 同 玉
歩 64 玉 65 歩 55 玉 56 歩 46 玉
歩 37 玉 38 歩 28 玉 39 金 19 玉
金 同 玉 19 金 38 玉 28 金 47 玉
金 56 玉 46 金 65 玉 55 金 74 玉
金 83 玉 73 金 92 玉 91 と 同 玉
金 打 ま で 73 手
玉
83
87
67
69
59
39
37
55
47
29
37
64
82
歩
銀金
銀
角
五
六
七
八
九
持駒 なし
たくさんの解答をお待ちしております。
33
詰上り図
平 成 27 年 1 月 1 日
平 成 28 年 2 月 20 日
「さっきの勝負どうだった?正月らしく7手目
に駒が成ったそうだけど」
「11手目に1筋に香の手を指して詰ませて
勝ったよ」
「おめでとう。2016年の指し初めにふさ
わしい一局だね」
さて、どんな将棋だったのだろうか?
そして2016年、貴方の勝負手は?
(条件)
•1 1 手 目 に 1 筋 の 香 の 手 で 詰 ん だ
•7 手 目 に 駒 が 成 っ た
-----------------------------------------出題のことば(担当 NAO)
1筋の香とは何段目の香か、推理しよう。
追加ヒント
7 手 目 に 取 っ た 香 は 最 終 手 で 16 に 打 つ 。
修正
『成る手があった』→『7手目に駒が成っ
た』に修正
-----------------------------------------▲7六歩 △4二玉 ▲3三角不成 △3二玉
▲2二角不成 △2四歩▲1一角成 △2三玉
▲3四角 △1四玉 ▲1六香 まで11手
(条 件 )
・ 1 1 手 目 に 1 筋 の 香 の 手 ( ▲ 16 香 ) で 詰 ん
だ
・ 7 手 目 に 駒 が 成 っ た ( ▲ 11 角 成 )
一
二
角
年賀詰特集の後半4題。
元旦出題の担当作が余詰んでしまい失礼いたし
ました。年始の厄落としということでご容赦く
ださい。
-----------------------------------------9 8 -1 初 級 N A O 作
1筋の香 11手
馬
玉歩
歩
出題:
解答締切:
9 8 7 6 5 4 3 2 1
歩歩歩歩歩歩
飛
金銀桂香
担 当 :NAO
桂銀金
推理将棋第98回出題解説
三
四
五
歩
香
歩歩
歩歩歩歩歩歩
飛
香桂銀金玉金銀桂香
六
七
八
九
持駒 歩 今 年 の 年 賀 詰 に 関 連 す る 数 字 は 11、 16、 28 の
三 つ 。 止 め が 16 の 11 手 詰 が 最 も 作 り や す そ
う で し た が 、 16 角 打 の 筋 が あ り ふ れ て い る た
めか、出題は長編の投稿作がメインとなりまし
た 。 本 作 品 は 、 角 以 外 の ト ド メ 16 香 が テ ー マ
の 11 手 詰 。 着 手 地 点 を 1 筋 と 限 定 し て 出 題 。
1筋の香で詰むには、玉は1筋方面に移動する
しかありません。玉移動に要するのは2筋まで
3手、1筋までなら4手。先手は香取りに角を
捌いていきますが、後手が角道を開ける協力手
△34 歩 が あ る か 否 か が 推 理 の 分 岐 点 で す 。
A ) △ 34 歩 の あ る 場 合 、 先 手 は ▲ 76 歩 ~ ▲
22 角 ~ ▲ 11 角 と 5 手 目 に は 香 を 取 る こ と が で
きるが・・・
•初 手 か ら 「 ▲76 歩 △ 34 歩 ▲ 22 角 不 成 △
42 玉 」
以 下 「 ▲ 11 角 不 成 △ 32 玉 」 と 進 め る と 、 22
や 33 地 点 の 王 手 が 強 す ぎ て 7 手 目 角 成 と す る
適 当 な 場 所 が な い 。 ま た 、「 ▲ XXXX △ 32 玉
▲ 11 角 成 」 と 一 旦 角 成 を 保 留 し て 11 に 成 っ た
としても、後の1筋の香で詰ます手段がなく失
敗。
B ) △ 34 歩 の な い 場 合 、 先 手 は ▲ 76 歩 ~ ▲
33 角 ~ ▲ 22 角 ~ ▲ 11 角 成 と 7 手 目 に 香 を 取
って成ることができる。
•後 手 玉 の 動 き と 合 わ せ る と 初 手 か ら 「 ▲ 76 歩
△42 玉 ▲ 33 角 不 成 △32 玉 ▲ 22 角 不 成 」 と
進める。
•後 手 は △24 歩 と 扉 を 開 い て 23 か ら 中 段 の 14
に 玉 が 移 動 す る 。 △ 14 玉 を ▲ 16 香 で 仕 留 め る
た め 先 手 は 23 と 25 の 退 路 を 塞 ぐ が 、 9 手 目
34
▲34 角 が ぴ っ た り 。 6 手 目 か ら 「 △ 24 歩 ▲
11 角 成 △ 23 玉 ▲ 34 角 △ 14 玉 ▲ 16 香 」 ま
で。これが正解。
•修 正 前 条 件 「 成 る 手 が あ っ た 」 の 余 詰 手 順
▲76 歩 △ 34 歩 ▲ 22 角 不 成 △ 42 玉 ▲ 11 角
不 成 △ 32 玉
▲12 香 △ 33 桂 ▲ 同 角 成 △ 21 玉 ▲ 11 香 成
まで
7 手 目 12 に 香 を 打 っ て 11 香 成 で 21 玉 を 詰 ま
す手順。角成は3手目か5手目に指して後は馬
を動かしても詰む。
それでは皆さんの短評をどうぞ。
小木敏弘 「はじめに余詰の手順を見つけ、出
来たと思っていたら手順前後が可能と気が付
き、本手順が別にあると思って解きました」
DD++ 「 な る ほ ど 、 ま さ か 最 初 に 飛 び 込 ん だ
角が詰みに全く関係ないとは盲点。初級にして
は 時 間 が か か り ま し た 。」
■11手詰が少なく、意外にも16香で詰ます
既往の作品例もなかったので出題しました。年
賀 ら し く "派 手 に 成 っ た "の が 余 詰 の 原 因 で す 。
小 木 さ ん と DD++さ ん の ご 両 名 か ら 余 詰 の ご 指
摘をいただきました。
Pontamon 「 1 1 手 目 が 香 打 ち で な く 香 成 で
も良いと気付いて解けた順は余詰順。うまい事
に3,5,9手目の角成は可能だけど7手目だ
け成立しない。解けてから出題の言葉の意味が
判りました。11手の香打ちで詰むなら、玉と
の位置関係はこれしか無いですね」
NNN 「 1 筋 だ と 空 き 王 手 は な い ( の か な ? )
ので、素直に玉を端に近づけられました。考え
たことのある手順だったので、その分すんなり
と解けました」
S.Kimura 「 玉 を 1 筋 に 動 か す 割 に は , 手 数 が
短かったので簡単に解けたのですが,7手目以
外に駒が成る手順はわかりませんでした」
RINTARO 「 余 詰 は 残 念 。 余 詰 手 順 は 未 だ に
分からない」
波多野賢太郎 「第一感は3四歩を突くのかな
と思いましたが、意外とうまくいかないんです
ね。1尽くしな上に1六で締めて年賀にぴった
り と 思 い ま し た 。 余 詰 は 1 一 香 成 ま で の 11 手
でしょうか」
■ 第 一 感 2 手 目 34 歩 の 筋 が 11 手 目 11 香 成 ま
での余詰筋。
小 山 邦 明 「『 成 る 手 は な か っ た 』 と い う 条 件 で
も大丈夫でしょうか?」
■出題前に余詰に気がついていれば、シンプル
に『成る手はなかった』で出題していました。
出題後は、修正といえどもなるべく作意変更し
たくありませんので。
変寝夢 「PCに考えさせている間に34角を
発見。ほどなくPCも8分半で解答。追加条件
は初手76歩、11手の間に1筋から4筋の指
し手が9回以上、4手目着手した直後後手玉が
3筋にいる、で900万局面でした」
桝彰介 「九手詰めの5四香までの合い利かず
の形を思わせる角と香の連携」
諏訪冬葉 「香車で詰めるときには尻角(銀)
が 多 い の で 34 角 は 珍 し く 思 い ま し た 」
占 魚 亭 「 34 角 に 気 付 け ば 簡 単 で す ね 」
攻めダルマン 「34角好手ですね」
はなさかしろう 「年賀の条件は「不成」より
「成」ですね。シンプルで美しく、7手目の限
定が絶妙。結構難しく、解いて楽しい問題でし
た」
■Pontamon さ ん 、NNN さ ん 、 は な さ か し ろ
うさんは作意と余詰の双方解。2局分楽しんで
いただきました。
孔明 「始めは2四歩・1四玉型の詰み形がわ
からず、玉の移動ルートを3三だと想定してい
たんですが、それだと角のラインに入るので筋
をズラすのに先手の手が足りなくて困りまし
た。▲3四角というごく単純な手が読み抜けて
ました」
35
■34 角 は 短 編 で も あ ま り 見 か け な い 退 路 封 鎖
の手筋。
隅 の 老 人 B 「『 7 手 目 に 駒 が 成 っ た 』 ハ ハ ン 、
それまでは不成だな」
た く ぼ ん 「 少 な い 条 件 で 2016 年 を 祝 う 縁 起
の良い1作ですね」
まさ 「玉を移動するしかないので方針が立て
やすい。年賀向けトップバッターにちょうどい
いですね」
渡辺 「手なりで解けて良い感じですが、初級
にしては難しい方?」
■難度は初級と中級の中間ぐらい。客寄せには
貢献できました。
斧間徳子 「香を早く取りたいからと、2 手目
34 歩 と 急 ぐ と 失 敗 す る 。 解 け て か ら
2016 年 の 16 に 引 っ か け て い る こ と が わ か る
のはあぶり出しのよう」
■ 年 賀 詰 な の で 、 16 は 見 え 見 え で も 良 し と し
ま し た 。 余 詰 筋 も 11 で す け ど ね 。
飯 山 修 「 1 筋 の 香 と あ る か ら 11 の 香 で は 詰
ま な い の か と 思 っ た ら 素 直 な 問 題 で し た 。 91
香をとるほうは全然考えませんでしたが多分足
りないんでしょうね」
■91 香 を 取 る に は 後 手 方 の 協 力 が 要 る の で 間
に 合 い ま せ ん 。 11 手 目 に 9 筋 の 香 の 手 で 詰 む
筋はあります。
山下誠 「1筋の香が6段目とはなかなか気づ
きませんでした」
加賀孝志 「詰め上がりが想像出来なかった」
■14 玉 を 16 香 で 詰 ま す 手 順 は 意 表 で し た か 。
楽しんでもらえて何よりです。
-----------------------------------------正解:23名
双 方 解 :NNN さ ん 、 小 木 敏 弘 さ ん 、 DD++さ
ん 、 は な さ か し ろ う さ ん 、Pontamon さ ん
飯 山 修 さ ん S.Kimura さ ん NNN さ ん
斧間徳子さん 加賀孝志さん 孔明さん 小木
敏弘さん 小山邦明さん 隅の老人Bさん
諏訪冬葉さん 攻めダルマンさん 占魚亭さん
た く ぼ ん さ ん DD++さ ん 波 多 野 賢 太 郎 さ ん
は な さ か し ろ う さ ん 変 寝 夢 さ ん Pontamon
さん まささん 桝彰介さん 山下誠さん
RINTARO さ ん 渡 辺 さ ん
-----------------------------------------9 8 -2 中 級 斧 間 徳 子 作
2016(平 成 28)年 の 指 し 初 め 局 1 6 手
「昨日の指し初め局は勝ったかい?」
「 う ん 、 16 手 目 に 28 に 着 手 し た 5 回 目 の 王
手で相手玉を詰ましたよ」
「 へ え 、 16 手 目 に 28 の 手 で 詰 め た と は 、 今
年の年初にふさわしい一局だね。で、どんな将
棋だったんだい?」
「相手は 3 手目からずっと同じ種類の駒の手
を指し続けてきたんだ。そこで猿まねというん
じゃないけど、僕も4手目からずっと同じ種類
の駒の手を指し続けたんだ。駒を成る手はなか
ったよ」
さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
•1 6 手 目 の 2 8 へ の 着 手 で 詰 ん だ
•先 手 は 3 手 目 以 降 、 同 じ 種 類 の 駒 の 手 を 指 し
続けた
•後 手 は 4 手 目 以 降 、 同 じ 種 類 の 駒 の 手 を 指 し
続けた
•王 手 が 5 回 あ っ た
•駒 を 成 る 手 は な か っ た
-----------------------------------------出題のことば(担当 NAO)
5回王手が掛かる手順を推理しよう。
追加ヒント
先 手 は 初 手 ▲ 38 銀 の 後 、 玉 の み 動 か し て 39
地点で詰まされる。
-----------------------------------------▲3八銀 △3四歩 ▲6八玉 △7七角不成
▲5八玉 △8八角不成 ▲5九玉 △5五角
不成 ▲4八玉 △3七角不成 ▲3九玉
△2八角不成 ▲4八玉 △3七角不成 ▲3
九玉 △2八角打 まで16手.
36
詰上り図
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
二
三
四
歩
歩歩
歩歩歩歩歩歩
飛
香桂銀金玉金銀桂香
五
•後 手 が 王 手 可 能 な 着 手 点 は 77,37,28 の 3 箇 所
で 合 計 5 回 。 37 角 と 28 角 が 王 手 と な る よ う 先
手 玉 が 動 く 。 5 手 目 か ら 「 ▲ 58 玉 △ 88 角 不
成 ▲ XX 玉 △ 55 角 不 成 」 と 7 手 目 未 定 の ま ま
進 め る と 、 9 手 目 以 降 「 ▲48 玉 △ 37 角 不 成
▲39 玉 △ 28 角 不 成 ▲48 玉 △ 37 角 不 成 ▲
39 玉 △ 28 角 打 」 が 先 に 確 定 す る 。 7 手 目 は
▲59 玉 に 決 定 。
六
香桂銀金
歩歩
七
角
歩歩歩
角
歩歩
八
銀
金玉桂香
九
3手目以降の先手玉と後手角の掛け合いが面白
く 、 移 動 を 小 休 止 す る 7 手 目 ▲ 59 玉 の 味 と ▲
48 玉 ~ ▲ 39 玉 の 往 復 運 動 が 楽 し め る 中 編 の 好
作品でした。
持駒 なし
(条 件 )
・ 1 6 手 目 の 2 8 へ の 着 手 (△28 角 打 )で 詰 ん
だ
・ 先 手 は 3 手 目 以 降 、 同 じ 種 類 の 駒 (玉 )の 手
を指し続けた
・ 後 手 は 4 手 目 以 降 、 同 じ 種 類 の 駒 (角 )の 手
を指し続けた
・ 王 手 が 5 回 あ っ た (△77 角 不 成 ~ △ 37 角 不
成 ~ △ 28 角 不 成 ~ △ 37 角 不 成 ~ △28 角 打 )
・ 駒 を 成 る 手 は な か っ た (77~88~55~37~ 28
~37 角 不 成 )
Suiri982
年 賀 詰 後 半 の 2 問 目 は 、 平 成 28 年 (2016 年 )に
因 ん で 28 地 点 の 着 手 で 詰 む 16 手 詰 。 3 手 目
以降の着手駒が先後とも1種類、かつ、最終手
が 28 地 点 で す の で 、 手 順 が 絞 れ 込 め ま す 。
•玉 以 外 に 1 手 だ け 動 か し て 28 地 点 の 着 手 で
詰 む 形 は 、 18 香 -19 玉 型 か 38 銀 38 玉 型 。 前
者 は 玉 の 19 ま で の 移 動 と 、 後 手 が 28 飛 と 39
銀の2枚を取るのに手数がかかり全く間に合わ
な い 。 詰 型 は 38 銀-39 玉 型 に 決 定 。
•着 手 駒 は 、 先 手 3 手 目 以 降 が 玉 、 後 手 4 手 目
以降が角。玉と角が掛け合って王手回数を増や
しながら手順を進めていく。3手目は王手を受
け る よ う 68 に 移 動 。 初 手 か ら 「 ▲ 38 銀 △ 34
歩 ▲ 68 玉 △ 77 角 不 成 」
•38 銀 -39 玉 型 が 詰 む に は 48 の 退 路 を 塞 ぐ よ
う に 37 角 + 28 角 が 形 。 後 手 は 、 角 を 拾 っ た 後
最 終 型 の 39 玉 に 迫 る よ う 角 を 2 筋 方 面 に 不 成
で 展 開 す る : △ 77 角 不 成 ~ △ 88 角 不 成 ~ △ 55
角 不 成 ~ △ 37 角 不 成 ~ △28 角 不 成 ~ △ 37 角
不 成 ~ △ 28 角 打 。
後手の着手は決定。
それでは皆さんの短評をどうぞ。
斧 間 徳 子 (作 者 ) 「 年 賀 詰 ら し く 易 し い 問 題 で
す 。16 手 詰 が 本 作 だ け だ っ た の は 意 外 」
■ 8 作 中 唯 一 の 16 手 詰 で し た 。 着 手 駒 種 が 少
な く 16 手 で も 短 く 感 じ ま す ね 。
小木敏弘 「同じ駒を動かし続けるのは大好き
です」
孔明 「条件から先手は玉、後手は角を動かす
しかなく、あとは5回の王手のために手順を工
夫するだけで簡単でした」
S.Kimura 「 王 手 の 回 数 が 多 い の と 駒 成 が な か
ったので詰み形が想像しやすかったです」
RINTARO 「 詰 み 上 が り 図 が 容 易 に 想 像 で き
るため、易しい」
加賀孝志 「ヒントで手を伸ばす手順を発見」
■後手の着手がすぐ決まり、手数の割に易問で
した。
小 山 邦 明 「 28 角 の 打 ち 場 所 を う ま く 作 り 出 す
巧妙な条件で見事な年賀作」
占 魚 亭 「 18 香 の 筋 を 追 っ て 躓 き ま し た 」
Pontamon 「 後 手 は 生 角 2 枚 で の 攻 め が 確 定
な の で 、 そ こ か ら 予 想 し た 雪 隠 詰 め の 初 手 18
香に引っ掛かりました」
37
山下誠 「初手が全て。1八香と3八銀にあた
りを付けました」
ま さ 「 38 銀 か 18 香 の 2 択 。 極 め て 易 し く 条
件 も 2016 年 ( 平 成 28 年 ) に ぴ っ た り 。 年 賀
向け秀作」
■ 初 手 ▲ 18 香 は 飛 と 銀 が 邪 魔 で 間 に 合 い ま せ
ん。
桝彰介 「玉方取禁のフェアリー詰め将棋のよ
うな、取れる4回の王手を全て取らず、最後に
討ち取られる玉がユーモア」
はなさかしろう 「個人的には今年の年賀推理
将棋の白眉にして最難問。これしかない詰形な
のに、角打ちで詰ますことができることになか
な か 気 付 き ま せ ん で し た 。59 で の 手 待 ち を 含
む玉の軌道がこの条件で一意に決まるというの
は本当に素晴らしいと思います」
■ 急 げ ば 回 れ 。 7 手 目 ▲59 玉 は 1 手 パ ス と 同
じ 。 ▲ 48 玉 を 急 ぐ と 10 手 目 の △37 角 不 成 に
タイミングが合いません。
諏 訪 冬 葉 「 28 飛 車 は 最 終 手 で 取 る も の と ば か
り思っていました」
渡辺 「これも手なり。難しそうに見えて実は
最後に解きましたが、解き始めると一瞬でし
た。玉の軌道が複数ありそうですが、パリティ
が効いていて実は一意になっているあたりがま
るでチェスのプルーフゲームのようです」
■一旦飛を取った角がどいて角の打場所をつく
ります。
波多野賢太郎 「この条件ならこの詰上がりし
かないとわかったので、どの駒種が続くのかと
初手、2手目はすぐにわかりました。王手5回
の条件で角と玉の動きがうまく限定されている
なあと思いました」
■来年はどうでしょうか。11手詰メインに戻
る の か ど う か 。 "2 9 着 手 で 詰 む 1 7 手 詰 "な ん
て作るのも解くのも難しそうですね。
たくぼん 「先手王の移動を見事に限定させて
いますね」
DD++ 「 よ く こ の 玉 軌 道 が 限 定 で き た も
の!」
NNN 「 詰 め 上 が り 予 想 が で き た の で 、 意 外 と
すぐ解けました。うまく玉の手が限定されてい
るのですね」
■ 前 半 の 68~ 58~ 59~48 の 玉 移 動 が 巧 み の
技。
変寝夢 「ソフトと二人三脚でした。プラス条
件としては2手目4手目6手目10手目を指定
して73万局面46秒でした。7手目59玉の
構想に痺れました。これはやってみたい筋でし
たね」
隅 の 老 人 B 「 7 手 目 の 59 王 が 巧 妙 な 応 手 。
7度の角生も面白い」
飯山修 「年号=手数の問題は年々長くなる事
を考えるとこの辺で終わりにしてほしいです」
-----------------------------------------正解:22名
飯 山 修 さ ん S.Kimura さ ん NNN さ ん
斧間徳子さん 加賀孝志さん 孔明さん 小木
敏弘さん 小山邦明さん 隅の老人Bさん
諏訪冬葉さん 占魚亭さん たくぼんさん
DD++さ ん 波 多 野 賢 太 郎 さ ん は な さ か し ろ
う さ ん 変 寝 夢 さ ん Pontamon さ ん ま さ さ
ん 桝 彰 介 さ ん 山 下 誠 さ ん RINTARO さ ん
渡辺さん
-----------------------------------------9 8 -3 上 級 渡 辺 秀 行 作
推理敵への年賀状 28手
「そう言えば、今年に出し返した問題を見せて
欲しいって言ってたな。いいよ。
どうだ、いい感じの返しになっているだろ?」
<箇 条 書 条 件 を 見 せ る >
「なになに簡単だって?まぁ有り得る詰形がそ
んなにないからね」
<箇条書条件>
38
•2 8 手 で 詰 ん だ
•後 手 は あ る 端 歩 を 6 連 続 で 動 か し た 後 、 同 じ
端 の 筋 の 8 箇 所 に 香 を 着 手 し た (※ )
•駒 成 は 不 成 だ と 反 則 に な る 場 合 だ け
•先 手 は あ る 駒 を こ れ ま で 居 た こ と が な い 所 に
丁度11連続で動かしたが、うち6手は1筋側
に寄る手であった
•5 筋 の 着 手 が 2 度 あ っ た
(※ ) 香 を 移 動 す る 手 と 香 を 打 つ 手 が 可 。 香 が
移動して成も不成も可。成香の移動は不可(香
の着手と見做さない)
-----------------------------------------出題のことば(担当 NAO)
先 手 の "あ る 駒 "の 軌 跡 を 推 理 し よ う 。
追加ヒント
先 手 は 15 手 目 ▲ 55 玉 の 後 、 4 連 続 で 寄 る 手
を 指 し て 15 地 点 で 詰 ま さ れ る 。
-----------------------------------------▲2六歩 △1四歩 ▲5八玉 △1五歩
▲4八玉 △1六歩 ▲3八玉 △1七歩不成
▲2七玉 △1八歩不成 ▲3六玉 △1九歩成
▲4六玉 △1二香 ▲5五玉 △1三香
▲4五玉 △1四香 ▲3五玉 △1五香
▲2五玉 △1六香 ▲1五玉 △1七香不成
▲2五歩 △1八香不成 ▲2六飛 △1一香 ま
で28手.
詰上り図
9 8 7 6 5 4 3 2 1
一
二
三
歩歩歩歩歩歩歩歩
角
飛
香桂銀金玉金銀桂香
四
歩玉
飛
六
七
と
香
歩歩歩歩歩歩歩
角
香桂銀金
金銀桂
五
八
九
持駒 なし
(条 件 )
・ 後 手 は あ る 端 歩 (13 歩 )を 6 連 続 で 動 か し た (2
手 目 △ 14 歩 ~ △ 19 歩 成 )後 、 同 じ 端 の 筋 の 8
箇 所 に 香 を 着 手 し た (14 手 目 △12 香 ~ △18 香
不 成 、 △ 11 香 )
・ 駒 成 は 不 成 だ と 反 則 に な る 場 合 だ け (12 手 目
△19 歩 成 )
・先手はある駒をこれまで居たことがない所に
丁 度 1 1 連 続 で 動 か し た (3 手 目 ▲58 玉 ~ ▲15
玉 )が 、 う ち 6 手 は 1 筋 側 に 寄 る 手 (▲ 48 玉 ~
▲38 玉 、 ▲ 45 玉 ~ ▲ 15 玉 )で あ っ た
・ 5 筋 の 着 手 が 2 度 あ っ た (3 手 目 ▲58 玉 、
21 手 目 ▲ 55 玉 )
年 賀 詰 後 半 の 3 問 目 は 、 前 回 出 題 97-4 へ の お
返 し 。 平 成 28 年 の 年 賀 に 因 ん で 11 連 続 移 動
駒 が あ っ て 28 手 で 詰 む 中 編 の 年 賀 推 理 。 先 後
とも着手駒が限定されていますが、玉の経路が
発見しづらく年賀詰としてはやや難しめの作品
です。
解図は、まず詰型の推理から始めます。
•28 手 詰 の 先 手 後 手 と も 着 手 は 14 回 ず つ 。 後
手 は 2 手 目 か ら "あ る 端 歩 "を 6 連 続 で 動 か し た
後、同じ筋の8箇所に香を着手。
•先 手 は あ る 駒 を こ れ ま で 居 た こ と が な い 所 に
丁 度 11 連 続 で 動 か し 、 そ の う ち 6 手 は 1 筋 側
に寄る手。
→ "あ る 駒 "は 玉 で あ り 、 後 手 の 着 手 す る "端 歩 "
が1筋であるのは明らか。
•後 手 は 「14 歩 15 歩 16 歩 17 歩 不 成 18 歩
不 成 19 歩 成 」 と 端 歩 を 6 連 続 で 動 か し 歩 香 を
取る。残りの8手は1筋の8箇所の香の手だ
が 、 "19 と "が 残 っ て い る の で 11~ 18 の 8 箇 所
に 着 手 す る よ う 「 12 香 13 香 14 香 15 香 16
香 17 香 不 成 18 香 不 成 11 香 」 と 進 め る 。 11
の香打ちがトドメの一手。
•先 手 は"玉 "の 連 続 11 手 の 他 に 3 手 だ け 。 11
の香打ちで詰む1筋の玉型を考えればよい。玉
以 外 の 3 手 で 可 能 な 詰 形 は "25 歩 -26 飛 -15 玉 "
型 か "26 歩 -27 飛 -28 銀 -17 玉 "型 の い ず れ か 。
後 者 は 、 26 歩 の 後 に 玉 が 27 経 由 で 4 段 目 に
出 た 後 、 17 玉 ~ 27 飛 ~28 銀 と 指 す 必 要 が あ
り 後 手 の 1 筋 攻 め と 手 順 が 噛 み 合 わ な い 。 (23
手 目 17 玉 の 予 定 の と こ ろ 22 手 目 16 香 で ダ
メ )し た が っ て 詰 形 は "25 歩 -26 飛 -15 玉 "型 に 決
定 。 先 手 は 初 手 に 26 歩 と 突 い て お き 、 玉 を 連
続 移 動 し て 23 手 目 以 降 は 「 15 玉 25 歩 26
飛」と指す。
39
続いて、玉の経路を確定していきます。玉移動
の条件を整理します。
1.初 手 26 歩 の 後 、 11 連 続 で 居 た こ と の な い 所
に 着 手 し 、 最 終 形 は 15 玉 。
2.1 筋 側 に 寄 る 手 が 6 手
3.5 筋 の 着 手 が 2 度
玉 は 27 か ら 36 を 経 由 し て 5 段 目 に 進 出 す
る。玉が1筋側に複数回寄ることができる段は
8段目と5段目。
•8 段 目 3 回 + 5 段 目 3 回 の 玉 の 経 路 : 68-5848-38-27-36-46-45-35-25-15
•8 段 目 2 回 + 5 段 目 4 回 の 玉 の 経 路 : 58-4838-27-36-46-55-45-35-25-15
まさ 「易しい長編作。ただ今回出題作の中で
は一番難しかった。年賀詰としてはもっと難度
を落とした条件設定にしたい」
波多野賢太郎 「年賀詰のお返しということで
したが、私にとっては3倍返し並みに難しかっ
たです。とにかく詰上がりがなかなか思い浮か
び ま せ ん で し た 。 11 連 続 で 玉 が 動 く と な る
と、その他の駒は3手しか動かせないし、5筋
に2手、寄る手が6回という条件にも悩まされ
ました。いろいろ考えているうちに、玉は頑張
っても1六か1五くらいしかたどり着けなさそ
うだと思い、ようやく詰上がりと手順がわかり
ました」
前者は5筋の手が1回で条件を満たさず、玉の
経路は後者に確定。
•序 盤 は 後 手 が 歩 を 進 め る 間 、 先 手 は 2 筋 の 歩
を1手突いてから玉を中段に進出初手から「▲
26 歩 △ 14 歩 ▲ 58 玉 △ 15 歩 ▲ 48 玉 △ 16
歩 ▲ 38 玉 △ 17 歩 不 成 ▲27 玉 △ 18 歩 不 成 ▲
36 玉 △ 19 歩 成 」
•中 盤 は 後 手 が 香 を 1 路 ず つ 進 め る 間 、 先 手 は
55 地 点 で 折 り 返 し て 1 筋 側 に 連 続 し て 寄 る
「 ▲46 玉 △ 12 香 ▲ 55 玉 △ 13 香 ▲ 45 玉
△14 香 ▲ 35 玉 △ 15 香 ▲ 25 玉 △ 16 香 ▲
15 玉 △ 17 香 不 成 」
•終 盤 は 詰 形 を 作 り 、 11 地 点 に 香 打 ち 「 ▲25
歩 △ 18 香 不 成 ▲ 26 飛 △ 11 香 」 ま で 。
DD++ 「 五 段 目 と は 意 外 で し た 。 86 か ら 26
ま で 横 這 い し て 17 玉 と か 、 66 か ら 16 ま で 横
這い+どこかで1回とかを不可能と断言するの
は私には怖い……」
それでは皆さんの短評をどうぞ。
小 山 邦 明 「『 寄 る 手 』 を 『 近 づ く 手 』 と 思 い 込
ん で 苦 戦 し ま し た 。」
渡 辺 秀 行 (作 者 ) 「 条 件 に は 無 い で す が こ ち ら
も 止 め は 11 に な っ て い ま す 。 先 手 は 玉 以 外 3
手指して可能な詰形を探すだけです」
小木敏弘 「玉の動きを限定する楽しいヒント
条件です」
斧間徳子 「先手の玉以外の 3 手を考えると詰
み形がわかる。数ある玉のルートを2つの条件
だけで限定する手腕は流石」
■注意深く条件を整理すれば詰み形が決まり、
寄りと5筋の条件で玉経路も自然に絞り込めま
す。
NNN 「 詰 め 上 が り は 1 筋 以 外 ? と も 考 え ま し
たが、さすがに1筋しか無さそうでした」
孔明 「▽1一香までの詰みだということはす
ぐにわかったんですが玉の移動ルートと2筋の
退路封鎖がなかなかわからず苦労しました」
占魚亭 「後手の着手条件が面白いですね。先
手の着手にかなり悩みました」
隅 の 老 人 B (無 解 ) 「 香 の 着 手 が 7 箇 所 な ら 何
とかだが、8箇所でギブアップ。残念」
桝 彰 介 (無 解 ) 「 ギ リ ギ リ ま で 考 え ま し た が 、
分かりませんでした。
後手の指し手は、一筋の歩を9段目まで進めて
最後に成り、香車を8段目まで一手ずつ、成ら
ず に 進 め 、 最 後 に 1 一 に 打 つ (8 箇 所 目 の 一 筋
の 香 車 の 着 手 )で 、 丁 度 1 4 手 な の で す が 、 先
手の玉が5五まで動く手を限定出来ませんでし
た」
■詰み形と玉経路の双方を順序立てて考えない
と迷路に入ります。寄りが絡んだ経路探しに苦
戦された解答者が多数おられました。
40
S.Kimura 「 初 手 26 歩 だ と 5 筋 の 着 手 2 回 は
無 理 だ と 判 断 し て し ま い , 玉 が 95 に 移 動 す る
と手数が足りないと勘違いしていました。この
ため,簡単だ,という会話にも関わらず,ヒン
トを出るまで解けませんでした」
はなさかしろう 「と金は取るものとの思い込
みを払うまでが一苦労でしたが、盤があれば玉
の経路は割と簡単。解図直前まで1筋と9筋を
取 り 違 え て い ま し た が 、 9 筋 だ と 12 連 続 も 可
能 で 11 連 続 で は 余 詰 み あ り 、 ま で 考 え た と こ
ろでようやく気が付きました」
飯山修 「期待通り甘いヒントで助かりまし
た 。26 手 目 ウ ッ カ リ 成 と し そ う 」
Pontamon 「 注 釈 の 「 香 が 移 動 し て 成 も 不 成
も 可 」 に 引 っ 張 ら れ て 26 手 目 非 限 定 の 連 絡 を
し て し ま い ま し た 。( 笑 )」
■新年早々余詰め連発かと焦りましたが、幸い
の誤報で助かりました。もちろん、完全限定で
す。
-----------------------------------------正解:19名
■9筋を試されるとは、廻り道をしました。
山下誠 「玉が2筋で詰む形ばかりを考えて悩
み続けました。玉の軌跡が面白いです」
諏 訪 冬 葉 「 最 終 手 11 香 は 2 筋 が 塞 げ な い と 思
っていました。
▲38 飛 △ 14 歩 ▲ 66 歩 △15 歩 ▲ 65 歩 △ 16 歩
▲68 玉 △ 17 歩 不 成
▲58 玉 △ 18 歩 不 成 ▲ 67 玉 △19 歩 成 ▲76 玉 △
12 香 ▲ 66 玉 △ 13 香
▲56 玉 △ 14 香 ▲ 46 玉 △15 香 ▲ 36 玉 △ 16 香
▲26 玉 △ 17 香 不 成
▲ 同 玉 △ 11 香 ▲ 28 玉 △18 香 成
という手順を考えたら最終手が条件を満たして
いませんでした」
■ 成 れ る の は 9 段 目 だ け の で 、 28 で は 詰 み ま
せん。
加賀孝志 「15手目王移動で完成、詰め上が
りも上手い穴塞ぎ、58王に痺れました」
た く ぼ ん 「 何 故 か 58 王 が 見 え ず に 頭 を 捻 り
ま し た 。 5 筋 2 度 が 55、56 と ば か り 思 っ
て・・・」
■ 3 手 目 48 玉 か ら 入 り 、48-38-27-36-46-5655-45-35-25-15 で ぴ っ た り と 思 っ た ら 1 筋 方
面に寄る手が5回。1回足りません。
RINTARO 「 い ろ い ろ 非 限 定 が あ り 、 お か し
いなと思っていたが、条件を今一度読み込むこ
とで、間違いに気づいた」
飯 山 修 さ ん S.Kimura さ ん NNN さ ん
斧間徳子さん 加賀孝志さん 孔明さん 小木
敏弘さん 小山邦明さん 諏訪冬葉さん 占魚
亭 さ ん た く ぼ ん さ ん DD++さ ん 波 多 野 賢
太 郎 さ ん は な さ か し ろ う さ ん Pontamon さ
ん ま さ さ ん 山 下 誠 さ ん RINTARO さ ん
渡辺さん
-----------------------------------------9 8 -4 上 級 DD++ 作
新年の無茶振り 28手
「新年あけましておめでとう。早速指し初めし
ようぜ」
「 ふ む 、 平 成 28 年 の 1 月 1 日 か 。 で は 僕 は
28手目の『11と』で君の先手玉を詰ませた
いのでよろしく」
「え?」
「それと僕は、初志貫徹で1枚の駒を着手し
続 け た い 。 あ あ 、 で も 、27 年 は 終 わ っ た し 、
そ の 駒 で 27 地 点 に 立 ち 寄 り た く は な い な 」
「は?」
「君も僕もそれぞれ、唯一の成は駒を取らず
に指したいね。お互い欲張った一年にはしたく
ない」
「ねえ、待って」
「その上で、君は歩を初手しか指さないのも
成駒を動かさないのも余裕だよね」
「あの、ちょっと意味がわからないんだけ
ど」
「なんだい。君が指し初めをしたいと言った
のだろう。じゃあ始めようか」
41
さて、あなたは注文通りに指して無茶振りに応
えることができるだろうか?
(条件)
•2 8 手 目 の 「 1 1 と 」 で 詰 み に し た い
•後 手 は 、 2 7 を 避 け て 同 じ 駒 を 着 手 し 続 け た
い
•先 後 そ れ ぞ れ 、 唯 一 の 成 は 駒 を 取 ら ず に 指 し
たい
•先 手 は 、 歩 の 手 は 初 手 だ け 、 成 駒 の 手 は な し
にしたい
-----------------------------------------出題のことば(担当 NAO)
後 手 の "1 1 と "で 詰 む 形 を 推 理 し よ う 。
追加ヒント
先 手 は 15 手 目 ▲ 11 飛 不 成 の 後 、 5 連 続 で 動
い た 玉 が 21 地 点 で 詰 ま さ れ る 。
-----------------------------------------▲2六歩 △1四歩 ▲4八玉 △1五歩
▲3八玉 △1六歩 ▲2七玉 △1七歩不成
▲3六玉 △1八歩成 ▲2七飛 △2八と
▲1七飛 △1八と ▲1一飛不成 △1七と
▲2五玉 △1六と ▲1四玉 △1五と
▲2三玉 △1四と ▲1二玉 △1三と
▲2一玉 △1二と ▲1三香成 △1一と
まで28手.
詰上り図
9 8 7 6 5 4 3 2 1
と
歩歩歩歩歩歩歩
角
飛
銀金玉金銀桂香
玉
一
二
杏
三
四
五
歩
六
歩歩歩歩歩歩歩
角
香桂銀金
金銀桂
七
八
九
持駒 桂香歩 (条 件 )
・28 手 目 の 「 △ 11 と 」 で 詰 み
・ 後 手 は 、 27 を 避 け て 同 じ 駒 を 着 手 し 続 け た
(初 形 13 歩 、 経 路 14-15-16-17-18-28-18-1716-15-14-13-12-11)
・先後それぞれ、唯一の成は駒を取らずに指し
た (10 手 目 △ 18 歩 成 、 27 手 目 ▲ 13 香 成 )
・ 先 手 は 、 歩 の 手 は 初 手 (▲26 歩 )だ け 、 成 駒
の手はなし
年 賀 詰 の 最 後 は 、 平 成 28 年 の 年 賀 に 因 み 、 1
枚 の 駒 を 動 か し 続 け て "11 と "で 詰 む 28 手 、 中
編の年賀推理です。指し初めに課せられたのは
自 陣 の "と 金 "で 詰 ま す 無 茶 振 り で し た 。 "11 と "
で 詰 む よ う に 後 手 は "と 金 "を 作 り 、 先 手 玉 も 後
手陣に進入しないといけませんが守り駒が待ち
構えています。
解図は条件を整理して詰み形に至るまでの手順
の骨組みを作っていきます。
•後 手 は 同 じ 駒 を 着 手 し 続 け て 11 ま で "と 金"を
引き戻す。1筋の歩を進めていくが、手順中に
"唯 一 の 成 で 駒 を 取 ら な い "の で 、 先 手 の 歩 を 取
る と き は 不 成 で 取 っ て か ら 18 に 空 成 り し て か
ら引き戻す。仮に後手の着手のみ一直線に進め
る と 「 14 歩 15 歩 16 歩 17 歩 不 成 18 歩 成
17 と 16 と 15 と 14 と 13 と 12 と 11 と 」
と 往 復 に 12 手 か か る 。 残 り 2 手 は ど う す る の
か は 一 旦 保 留 。 ま た 、 "11 と "と 引 く た め に は
邪 魔 な 自 陣 の 11 香 は 先 手 に 取 っ て も ら う 。
•先 手 は"唯 一 の 成 で 駒 を 取 ら な い "の で 、 11 香
を 1 段 目 の 不 成 で 取 る 。 す な わ ち 飛 を 使 い 11
飛 不 成 を 目 指 す 。 ま た 、 先 手 玉 は "11 と "で 詰
め ら れ る た め に 玉 が 後 手 陣 の 奥 "21 地 点 "ま で
潜り込む。玉の経路を考えると初手に歩を突い
た筋の7段目から中段に進出して、後手駒の効
き の な い 23 地 点 を 目 指 す 。 11 香 が い な け れ
ば 、14~23~12~21 の 経 路 で 進 入 が 可 能 。 さ
て、初手はどの筋の歩を突いたらよいか?1筋
へ の 飛 活 用 と 右 辺 へ の 玉 進 出 に 有 効 な 26 歩 。
玉 の 移 動 は 一 直 線 に 進 め る と 「 48 玉 38 玉 27
玉 36 玉 25 玉 14 玉 23 玉 12 玉 21 玉 」 と
9手かかる。
•双 方 の 指 し 手 を 整 理 す る と 、
先 手 は 、 初 手 ▲ 26 歩 、 玉 : ▲ 48 玉 ~ ▲ 21
玉 、 飛 : ~ ▲ 11 飛 不 成 。
後 手 は 、 △ 14 歩 ~ △17 歩 不 成 △ 18 歩 成
~ △ 11 と 。
両者を合わせて手順を組み立てる。
•初 手 か ら 「 ▲26 歩 △ 14 歩 ▲ 48 玉 △ 15 歩
▲38 玉 △ 16 歩 ▲ 27 玉 △ 17 歩 不 成 ▲ 36 玉
△18 歩 成 」
42
•こ こ で 飛 が 11 に 進 む た め に "と 金 "と 体 を 入 れ
替 え る 手 順 が 必 要 。 11 手 目 か ら 「 ▲ 27 飛 △
28 と ▲ 17 飛 △ 18 と ▲ 11 飛 不 成 △ 17
と 」 (11 手 目 か ら 25 玉 17 と 18 飛 27 と
11 飛 不 成 17 と と 進 め る の は 条 件 "27 を 避 け
て "を 満 た さ な い )
17 手 目 か ら 「 ▲ 25 玉 △16 と ▲ 14 玉 △ 15
と ▲ 23 玉 △ 14 と ▲ 12 玉 △ 13 と ▲21 玉
△12 と 」
•最 後 は 、11 へ の 19 香 の 効 き を 消 し て 収 束 す
る 。 先 手 の 最 終 手 は "唯 一 の 成 "で 駒 を 取 ら な い
協 力 手 13 香 成 。 27 手 目 か ら 「 ▲ 13 香 成 △ 11
と」まで。
•条 件"先 手 成 駒 の 手 な し "は 、「 17 飛 ~11 飛 不
成 」 の 代 わ り に 「 12 香 成 ~ 11 成 香 」 と す る 筋
を消すため。
それでは皆さんの短評をどうぞ。
DD++(作 者 ) 「『 28 経 由 で 11 へ 行 く 』 と い う
のをどうにか形にしてみました」
Pontamon 「 取 っ た 駒 を 打 っ て 13、 23 や 32
へ成るには手数が足りず、飛成で引くスペース
も 無 く て 困 っ て い た ら 、 ▲13 香 成 で 全 て 解
決 。 最 終 手 『 △ 11 と 』 を 同 香 成 で 取 ら れ な い
ように事前に香を取っておかなければいけない
と い う 先 入 観 か ら 『 △ 28 と 』 に 中 々 気 付 き ま
せんでした」
■27 を 通 ら ず に 28 を 経 由 す る の が 無 茶 振 り 条
件に現れないもう一つの狙い。
渡 辺 「 で き る 。 (で き な い こ と を 証 明 す る 問 題
だったら嫌だなぁ)
最初、先手の手数を数え間違えて1手足りない
と思い込んでいたのですが、後日、手順を書き
出 し て 見 る と 間 に 合 っ て い て び っ く り 。 11 香
は 飛 で 取 る し か な く 、 27 で 躱 す の も す ぐ に 浮
ぶかと思いますので、これも数え間違えなけれ
ば す ぐ に 解 け る か と 思 い ま す 。『 過 去 に 指 さ れ
た将棋』に対する条件でないのが新鮮」
■無茶振りに応えることができるか?の問いに
は『できる』が正解!
NNN 「 歩 だ け 動 か し て 1 一 と で 詰 み と い う の
が突拍子もなくて面白いですね。簡単そうで難
しかったです」
加賀孝志 「と金の大追跡つかれました。20
16年幕開けとしては難解でした」
RINTARO 「 条 件 設 定 が く ど い が 、 理 解 し た
時には素晴らしい詰手順が現れた」
はなさかしろう 「規格外の快作(怪作!?)
で、凄いの一言です。まず、会話が楽しく、推
理将棋と指し初めは相性が良いと改めて思いま
した。解図では条件をひとつずつ見ていったの
ですが、最後の『先手成駒の手なし』を早く取
り 入 れ る べ き で し た 。 後 手 の 28→ 11 の ル ー ト
を一歩ずつ動かしていく手順と、先手の玉と飛
の複雑なルートとが、不思議な条件でまとめ上
げられており、長手数の楽しさ満載の一問でし
た」
た く ぼ ん 「 見 事 に 21 ま で 到 達 す る 手 順 に 感
服しました」
■ 11 が 後 手 方 の "と 金 "が 規 格 外 の 遠 大 な 構
想 。 先 手 玉 は "と 金 "の 追 跡 を か わ し な が ら 21
へトライ。
諏 訪 冬 葉 「 そ う か 、 先 手 の 駒 は 27 を 通 っ て
もいいのか」
隅 の 老 人 B 「 二 日 間 も 考 え て 、 初 手 の 26 歩
に気付く。こんなことに二日間、それにしても
暇人ですね」
占 魚 亭 「 初 手 16 歩 ・ 36 歩 の 筋 し か 考 え て い
な か っ た の で 、 26 歩 は 完 全 に 盲 点 で し た 」
■ 後 手 は "27 を 避 け て "、 先 手 は 玉 飛 が 27 を 通
る 展 開 の た め 初 手 ▲ 26 歩 。
孔明 「後手が歩しか動かせない状況で先手が
1一の香車を不成で取る手は飛車しかないこと
はすぐにわかったんですがなかなか上手くいか
ず、初手に▲2六歩と突く手が見えてようやく
飛車で取りに行く手順がわかりました。その
後、先手の成る手がわからなかったんですが、
43
12 手 目 に 香 車 を 取 ら な け れ ば 成 れ る と 気 付 い
て全て解けました」
-----------------------------------------正解:21名
小木敏弘「成りが駒をとらないというのが面白
い条件です」
飯 山 修 さ ん S.Kimura さ ん NNN さ ん
斧間徳子さん 加賀孝志さん 孔明さん 小木
敏弘さん 小山邦明さん 隅の老人Bさん
諏訪冬葉さん 占魚亭さん たくぼんさん
DD++さ ん 波 多 野 賢 太 郎 さ ん は な さ か し ろ
う さ ん Pontamon さ ん ま さ さ ん 桝 彰 介 さ
ん 山 下 誠 さ ん RINTARO さ ん 渡 辺 さ ん
------------------------------------------
まさ「詰み形や後手のやることが決まってお
り 、 11 香 を 不 成 で 取 る 方 法 を 考 え れ ば 方 針 は
立てやすい。年賀向け好作」
波多野賢太郎 「すごい無茶振りがちょっと面
白かったです。3番と手順が似ている上に、詰
上がりがすぐ分かったので考え易かったです
が、先手の成は飛車で、それをと金に取らせる
んだと思ったので、そこは悩みました。1三に
香成は盲点でした」
■ 11 飛 不 成 を 軸 に 手 順 を 組 み 立 て れ ば 、 自 然
に絞り込める構成です。
飯 山 修 「 27 手 目 の 謎 が 判 っ た 時 の 嬉 し さ は 格
別 で す ね 。 28 手 で 収 め る た め に は 26 歩 し か な
いのも不思議」
S.Kimura 「 玉 を 21 に 潜 り 込 ま せ る 手 順 が 分
か ら ず , 難 儀 し ま し た 。 詰 み に 邪 魔 に な る 19
の 香 は 取 ら せ な く て も ,13 に 成 れ ば 良 い と 気
づいたときは,とても感動しました」
斧 間 徳 子 「 少 し 考 え る と 11 飛 生 が 必 要 と わ
か る が 、 そ の 飛 車 を 15 な ど に 成 る の か と 思 い
き や 、 13 香 成 と は ・ ・ ・ 感 動 し ま し た 。『 終 わ
っ た 27 年 を 避 け る 』 と い う 条 件 も す ば ら し
い!」
山下誠 「先手唯一の成が飛車ではなく、香車
だと分かってやっと解決しました」
桝彰介 「玉が最終知的の2一に到達した後、
最 後 の 先 手 の 手 (2 7 手 目 )を ど う 限 定 す る か と
思ったら、唯一の成が▲1三香成でピッタリ」
総評
波多野賢太郎 「今回の年賀詰特集もとても面
白かったです。3番にすごく悩み印象に残りま
した」
斧 間 徳 子 「 98-3 と 98-4 の 序 盤 が 似 て い る の
が面白かった。この2局は正月早々の力作です
ね」
小木敏弘 「同一駒の条件は、絞込みが出来る
ので大変助かります」
はなさかしろう 「今回の4問からは、旅の要
素とでもいいますか、今までの推理将棋とは一
味 違 う 雰 囲 気 を 感 じ ま し た 。 一 方 で は 10 手 ま
でで実現できる詰形は計算ですべて洗い出しが
済んでいる様子。これからの推理将棋の展開を
考えると、短編にはコンピュータが入ってき
て、長編は過程のおもしろさの追求が進んでい
く の か な 、 と 思 っ た り も し ま す が 、 98-4 の よ
うな問題は果たして次々産み出されるものなの
か、楽しみ半分おそろしさ半分といったところ
です」
■今年の年賀詰は中編の力作が揃いました。中
長編の構想は無限です。たまには長いものも出
題していきたいですね。
DD++ 「 元 日 解 答 、 残 り 数 分 で ギ リ ギ リ セ ー
フ?」
小 山 邦 明 「『 駒 成 は 駒 を 取 ら ず に 指 し た い 』 と
いう条件が、最終手にぴったりでした」
渡辺 「今回は年賀らしい易しい問題で良かっ
たです」
■ 駒 を 取 ら ず に 13 に 成 る 手 が 11 へ の 効 き を
消して、着地が決まりました。
44
まさ 「新年早々面白い作品・易しい作品が揃
い楽しめました」
NNN 「 い つ も 楽 し く 解 い て い ま す 」
たくぼん 「長めですが楽しめる難易度で解後
感良かったです」
■強豪の方々にも楽しんでいただいて何よりで
す。
RINTARO 「 簡 素 図 式 が 好 き 。 条 件 が 複 雑 だ
と自らの間違いに気づくのにも一苦労」
桝彰介 「前回は、難しくて解けず応募しませ
んでしたが、今回は3つ解けました。手数が2
8手と長いと、解けても解答を打ち込むのに時
間がかかります」
隅の老人B 「今月は3題しか、いいえ、3
題?も解けました。解けなかった 1 題の手順
は如何?に、正解発表が待ちどうしいですね」
■1題解答も、短評のみも大歓迎。
占魚亭 「締切り前ヒントに助けられました」
S.Kimura 「 今 回 も ぎ り ぎ り ま で か か っ て し ま
いました。2月は日数が少ないのに,次回は難
解作ですか。またもや,厳しい戦いになりそう
です。
■2月出題の第99回難解9手詰はヒント待ち
でクリアを目指しましょう。
-----------------------------------------推理将棋第98回出題全解答者: 23名
飯 山 修 さ ん S.Kimura さ ん NNN さ ん
斧間徳子さん 加賀孝志さん 孔明さん 小木
敏弘さん 小山邦明さん 隅の老人Bさん
諏訪冬葉さん 攻めダルマンさん 占魚亭さん
た く ぼ ん さ ん DD++さ ん 波 多 野 賢 太 郎 さ ん
は な さ か し ろ う さ ん 変 寝 夢 さ ん Pontamon
さん まささん 桝彰介さん 山下誠さん
RINTARO さ ん 渡 辺 さ ん
45
Fairy TopⅨ 2015投票要項
Fairy TopⅨ と は ウ ェ ブ サ イ ト で 発 表 さ れ た
フェアリー詰将棋・推理将棋・プルーフゲーム
を対象にお気に入り投票を行い、上位作に授賞
す る も の で す 。Fairy TopⅨ2015 は 2015 年 に
ウェブサイトで発表された作品の中からお気に
入り投票によって選らばれます。
・
部門名
・
WFP 何 月 号 ( ま た は 何 号 )
・
作品展名(またはコーナー名)
・
(あれば)作品番号
・
作者名&ルール名&手数
・
投票作品へのコメント(部門別及び全
体通してのコメントも出来ればお願いします)
【投票宛先】
*な お 後 日 発 行 の 対 象 作 品 一 覧 に は 通 し 番 号 を
打ってますのでそちらの記載でも構いません。
WFP 事 務 局( た く ぼ ん )宛 に メ ー ル に て お 願 い
し ま す 。 [email protected]
【投票集計方法】
【スケジュール】
投 票 開 始 : 2016 年 3 月 号 発 行 日
投 票 締 切 : 2016 年 5 月 10 日
結 果 発 表 : WFP 平 成 28 年 5 月 号 (95 号 )
【対象】
2015 年 に Web Fairy Paradise 誌 に 掲 載 さ れ た
作 品( 過 去 作 の 紹 介 作 は 除 く )。な お 詳 し く は 後
日発行予定の対象作品一覧で確認下さい。また
WFP 作 品 展 に つ き ま し て は 神 無 七 郎 氏 の サ イ
ト( OFM)で も 全 作 品 動 く 盤 面 で 鑑 賞 い た だ け
ますのでそちらを参照下さい。
【部門区分】
【フェアリー詰将棋】
短編部門:~15手
中編部門:16~49手
長編部門:50手~
【推理将棋・プルーフゲーム】
短編部門:~15手
中長編部門:16手~
投票順位に応じて作品毎に下記ポイントを加算
し、各部門での合計ポイント順に授賞します。
1位:5点、
2位:3点
3位:2点
上記以外:1点
各部門得票数上位 3 作までが授賞となります。
作者に授賞コメントをお願いすることになりま
すのでご協力よろしくお願いします。
選考ではありませんので、全部の作品を見てな
くても構いません。お気に入りの作品をお好き
なだけ書いて投票いただければ結構です。1票
でも得票がある作品はすべて5月号に掲載いた
します。今年もたくさんの投票をよろしくお願
いいたします。
対 象 作 品 一 覧 は 4 月 始 め に ア ッ プ 予 定 で す 。し
ばらくお待ち下さい。
以上5部門となります。
【投票の仕方】
お気に入り投票として実施しますので何作投票
していただいても構いませんが、お気に入り上
位3作には1位~3位までの明記下さい。
投票の際には集計間違いを防ぐため下記の項目
を記載いただけると助かります。
46
・ ル ー ル は 何 で も OK( 協 力 詰 、 か し こ 詰 、
打歩詰、自玉詰系、ステイルメイトなど何
で も OK)
・ 手数制限なし
解答募集締切一覧
ネットでのフェアリー詰将棋の解答募集締切一
覧 で す 。締 切 日 が 早 い も の 順 で す 。解 答 先 は 各 々
異なりますのでお間違えにないように。
2016 年 4 月 15 日(金)
第 80 回 WFP 作 品 展
フェアリー作品 12題
フェアリー入門
Q入り協力詰
第 44 回 神 無 一 族 の 氾 濫
お題:逆王手を含む作品
送 り 先 : 神 無 七 郎 ( [email protected] )
1人何作でも可
詳 細 は P8 を ご 覧 下 さ い 。
第4 回フ ェア リー 入 門
題
2016 年 4 月 17 日(日)
強 欲 な 世 界 PART6
強欲協力詰 1題
2016 年 5 月 15 日(日)
第 81 回 WFP 作 品 展
フェアリー作品 14題
2016 年 6 月 10 日(金)
第 3 回フェアリー入門
フェアリー作品 5題
作品募集一覧
Fairy of the Forest #47
課題:玉が動いて王手
投 稿 締 切 : 2016 年 4 月 15 日
送り先:
酒 井 博 久 [email protected]
詳 細 は 、 W F P 92 号 P57 を ご 覧 下 さ い
フェアリー版くるくる展示室
・ 盤 は 9×9 、 駒 は 普 通 の 将 棋 駒 及 び 駒 数 内
(フェアリー駒はとりあえず不可)
・ 後 手 持 駒 制 限 OK
【 課 題 】 「 G(グ ラ ス ホ ッ パ ー )」 を 含 む 作 品
【ルール】最善詰、かしこ、協力詰
【 手 数 】 1,3,5手
【 採 用 基 準 】 担 当 が 1時 間 以 内 で 解 け る
* G以 外 の フ ェ ア リ ー 駒 禁 止 、 駒 制 限 は 可
* 投稿多数時は採用基準に漏れた場合に返送
となる可能性があります。
投稿・解答要項
【 送 り 先 】[email protected]
【 投 稿 ・ 解 答 締 め 切 り 】 2016年6月10日
あとがき
ス ペ ー ス が な い ( 笑 )Fairy TopⅨ 2015 の お
気に入り投票よろしくお願いします。
******************************************
結果稿を読んでの感想、意見、返信等ありまし
らメール下さい。改訂時スペースに追加掲載し
ま す 。( 25 日 前 後 ま で ) た く ぼ ん
******************************************
2016 年
第 93 号
Web Fairy Paradise
非売品
平成二十八年三月号
平成二十八年三月廿日発行
発行所 愛媛県新居浜市
発行兼編集人 須川卓二
発 行 所 Web Fairy Paradise 編 集 部
問 合 先 [email protected]
須 川 卓 二 [email protected]
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