ローマの信徒への手紙 第八章二六∼二七節 わたしたちの思いを、弱さを、罪を、知っておら ﹁ ﹃聖なる者たち﹄のための活力剤 同様に、 〝霊〟も弱いわたしたちを助けてくだ れる方が、今も天において、父なる神の御前で、 ││祈り﹂ さいます。わたしたちはどう祈るべきかを知りま わたしたちの祈りを仲介してくださるのです。だ せんが、 〝霊〟自らが、言葉に表せないうめきを からキリスト者は、 ﹁イエス・キリストの御名に もって執り成してくださるからです。人の心を見 よって︵お名前を通して︶ ﹂祈るのです。 牧師 松 谷 祐 二 そしてまた、わたしたち自身の心の内では、聖 抜く方は、 〝霊〟の思いが何であるかを知ってお サムエル記上 第一章九∼二〇節 られます。 〝霊〟は、神の御心に従って、聖なる 霊なる神が助けてくださいますから、安心しま さて、シロでのいけにえの食事が終わり、ハン 者たちのために執り成してくださるからです。 しょう。聖霊が祈りを導き、支え、たとえうまく ナは立ち上がった。祭司エリは主の神殿の柱に近 ︵新共同訳聖書︶ 言葉にできないような心の思いであっても、イエ い席に着いていた。 ハンナは悩み嘆いて主に祈り、 ス・キリストを通して父なる神に届くように、執 激しく泣いた。そして、 誓いを立てて言った。 ﹁万 り成してくださっているからです。 聖霊なる神は、わたしたちの心にイエス・キリ 軍の主よ、はしための苦しみを御覧ください。は ストを信じる信仰を起こさせて﹁聖なる者たち﹂ このように、聖なる者たち、キリスト者たちが しために御心を留め、忘れることなく、男の子を とし、少しずつ、新しく造り変え、成長させてく 普通に﹁祈る﹂ということをしている時には、本 お授けくださいますなら、その子の一生を主にお ださいます。そのお働きの手段として、聖霊なる 人たち以上に、その背後で働きたもう、三位一体 ささげし、その子の頭には決してかみそりを当て 神は、 ﹁祈り﹂を用いられます。 ﹁祈り﹂とは、わ の神がいらっしゃるのです。 ﹁祈り﹂の一番大切 ません。 ﹂ たしたち自身が﹁祈ろう﹂と思って祈る、という な要素は、 その神のお働きに対する深い信頼です。 ハンナが主の御前であまりにも長く祈っている ハンナは不妊の女ということで受けていた恥辱 以上に、実は、聖霊なる神が、わたしたちの心の ので、エリは彼女の口もとを注意して見た。ハン 奥深くに働きかけて、 祈らせてくださるものです。 のゆえに、悩み嘆いて祈り、激しく泣きました。 ナは心のうちで祈っていて、唇は動いていたが声 もし﹁祈り﹂が、ただ思いつく限りの自分の願 ﹁万軍の主よ、はしための苦しみを御覧ください は聞こえなかった。エリは彼女が酒に酔っている い事やら文句やらを神様にひたすら聞かせる、と ⋮男の子をお授けくださいますなら⋮﹂と書かれ のだと思い、彼女に言った。 ﹁いつまで酔ってい いうようなことであるなら、 簡単かもしれません。 ているのは、誓いの部分だけ、それも読者のため るのか。酔いをさましてきなさい。 ﹂ハンナは答 しかし、それは﹁祈り﹂でしょうか。神様が﹁よ の文章化でしょう。きちんと言葉にもできないほ し、聞こう﹂と思ってくださる性質のものとはか えた。 ﹁いいえ、祭司様、違います。わたしは深 ど、神に訴えたいこと、苦しいことが積もり、唇 い悩みを持った女です。ぶどう酒も強い酒も飲ん け離れた身勝手な要求にまで、いちいち応えねば は動いても心のうちで祈るということが、誤解を ではおりません。ただ、主の御前に心からの願い ならない義理が、神様にあるでしょうか。神様に 受けるほど、とりとめもなく長く続きました。 そんなにまで、神の御前に心を注ぎだすという を注ぎ出しておりました。はしためを堕落した女 喜ばれる、あるべき、御心にかなった求めこそが、 だと誤解なさらないでください。今まで祈ってい ﹁祈り﹂と呼ばれるにふさわしいのです。 ことができることそのものの背後に、聖霊のお支 たのは、訴えたいこと、苦しいことが多くあるか どういう祈りが御心にかなうのかを知るには、 えがあるのです。そして、彼女は元気を取り戻し らです。 ﹂そこでエリは、 ﹁安心して帰りなさい。 まずは詩編をはじめ、聖書そのものに出ている祈 ました。神は彼女の祈りを聞かれました。しかし、 イスラエルの神が、あなたの乞い願うことをかな りをよく読むことです。ただお上品な言葉でつづ ただ彼女の願い通りにしたというよりも、彼女の えてくださるように﹂と答えた。ハンナは、 ﹁は られているのが祈りではありません。神に激しく 思いを受け止めつつ、さらに善いものをください しためが御厚意を得ますように﹂と言ってそこを 詰め寄り、訴えるような調子の祈りもあります。 ました。神の救いのご計画の中で重要な役割を担 ただ、 ﹁正しく祈れ﹂と言われると、わたした う一人として、 サムエルをお授けになったのです。 離れた。それから食事をしたが、彼女の表情はも わたしたちが神に祈り願う事柄も、神のお応え はや前のようではなかった。一家は朝早く起きて ちは不安になって、祈れなくなるのではないでし 主の御前で礼拝し、ラマにある自分たちの家に ょうか。本当にふさわしく、本来そうあるべきよ のなさり方もさまざまです。常にハンナと同様の うに祈れるか。使徒パウロも、 帰って行った。 ﹁わたしたちはど 祈り、同様のお応えとは限りません。それにもか エルカナは妻ハンナを知った。主は彼女を御心 う祈るべきかを知らない﹂ と正直に言っています。 かわらず、 ﹁聖なる者たち﹂が神に信頼して祈れ に留められ、ハンナは身ごもり、月が満ちて男の しかし安心しましょう。そのためにも、 ︵クリ るということ、 祈りが確かに聞かれるということ、 スマスに記念するように︶人となって世に来られ そのために神ご自身がまず働いていたもうという 子を産んだ。主に願って得た子供なので、その名 た神の御子、十字架にかかられ、復活して天に昇 ことは、ハンナが経験したのと、本質的に同じな をサムエルと名付けた。 られたイエス・キリストがいらっしゃるのです。 のです。何と大きな励ましではないでしょうか。 印刷 有限会社 創文社 Tel（3491）8321 教会附属 南部坂幼稚園 http://www.nanbuzaka.com/ E-mail [email protected] 聖書と祈り会 水曜午前 10 : 30 ∼ 〒106−0047 東京都港区南麻布 4−5−6 Tel & Fax 03（3473）1276 青年会 第４日曜 礼拝後 谷 祐 二 牧師 松 2015（平成27年）12. 13 教会学校 日曜午前 9 : 00 ∼ 婦人会 第４日曜 礼拝後 主日第二礼拝 日曜午前 10 : 30 ∼ 日本基督教団 麻布南部坂教会月報 麻布南部坂教会月 報 成人会 第３日曜 礼拝後 主日第一礼拝 日曜午前 9 : 00 ∼ 最 高 の 眺 め 田 真由子 主イエス・キリストによる解放と救いを実 感しております。そして、今日も、私は御 顔を求める者です。 道々、 普段は機会がなかった角度からも、 ゆっくりとお互いのお話を聴くことができ ました。御言葉という共通の活力で生かさ れ て い て、 同 じ 主 を 見 上 げ て い る。 で も、 それぞれの性質や思いの感触が異なること がとても面白いですし、ならば、自分は自 分に与えられた役を、忠実に演じていよう と思えます。また、前回の川越への遠足で も感じたのですが、人混みの中でメンバー を 探 す 動 作 を 繰 り 返 す こ と で、 私 の 目 が、 身体の感覚として﹁あっ、私の友だ！﹂と いう感動を擦り込まれ、強く認識するよう になっています。もちろん、キリストによ る霊のつながりは、教会において常に感じ ておりますが、外気の下で反復トレーニン グを受けてきたような気分になりました。 私たちを山登りに連れ出してくださり、 同じ景色を一緒に楽しむ友を与えてくだ さった主に感謝して。 報 告 会 十一月度︾ ＊十一月一日︵日︶は日本基督教団の［聖 徒の日］でした。礼拝後、昨年度天に召 された方々を覚えながら愛餐会を行いま した。 ＊十 一 月 三 日︵ 火・ 祝 ︶、 企 画 係 の 提 案 に より、高尾山のハイキングが行われまし た。詳しくは柴田真由子さんの報告をご 覧ください。 ＊十一月二十二日︵日︶は、日本基督教団 の﹁謝恩日﹂でした。当日の席上献金は、 日本基督教団年金局へ送りました。 ＊十一月二十九日︵日︶より待降節に入り ました。アドベント、クリスマスの諸礼 拝の案内のポストカードが出来上がりま した。手渡し、郵送等で身近な方を礼拝 に招くためにお用いください。 ＊クリスマス献金︵目標額九十万円︶を献 げ下さい。献金袋にはお名前を忘れずに ご記入ください。 ︽各部報告 人 人 会 ハネの黙示録は、ダニエル書を熟読した上 で書かれている。ダニエル書が書かれた当 時の読者は、ダニエルが分からなかった幻 の成就を目撃する。神がダニエルに与えた 幻、 そ れ は、﹁ 希 望 を も て。 神 が 最 後 に 正 しく裁かれる﹂と今の私たちを含む全ての 聖徒たちに語りかけられている。 次回は一月十七日、司会水沼和子姉。 黙祷をして閉会。 婦 日 時 十一月二十二日 主日礼拝後 場 所 会堂会議室 出席者 七名 開会祈祷 杵島節子姉 閉会祈祷 松谷祐二牧師 内 容 一、聖書研究 申命記 第三二章四八節∼三四章十二節 三二章 モーセはネボ山の山頂から約束の 地を遥かに望み見るが、その地に入るこ とは許されず、その山で死に、先祖の列 に加えられると宣告される。 三三章 モーセがイスラエルの人々に贈っ た遺言である。約束の地に入る神、１２ 部族の長とイスラエルの諸族が集うとき 主はその王として臨まれること、１２部 族の運命とそれに応じた祝福を述べる。 三四 章 モ ー セ は １ ２ ０ 歳 で 亡 く な っ た が、 神の定めた律法は残った。 人々はモー セに勝るリーダーを主が送って下さるこ とを期待して待ち望む。モーセをイエス キリストに置き換えて読むことができる ︵ ∼ ︶ 。イエス様の予告編と思わ れ、待降節前に相応しい学びでした。 次回以降 十二月 休会 二〇一六年度は﹁詩編﹂を抜粋して、約十 回で読む。 二、クリスマス祝会に関して若干の打合せ をして終了 青 休会 年 会 12 成 日 時 十一月十五日 午後一時半∼三時半 場 所 教会堂会議室 出席者 十名 開会祈祷 柴田真由子姉 内 容 ダニエル書七章と八章を読む。ダニエル の見た四つの獣、雄羊と雄山羊の幻は、地 上 の 支 配 者 た ち が、 醜 く 食 ら い つ き 合 い、 神によって創られた者であるのに、神を神 とせず、尊大さを増し、栄えたように見え ても、神によってあっけなく滅ぼされる繰 り返しが映されている。ついには、罪悪の 極みの王が立たされ、神に挑戦する態度を とり、聖なる民を苦しめる。しかし、天の 王座が現れて﹁人の子﹂のような者が王権 を受け、獣は神によって滅ぼされる。神の 支配は、とこしえに続き聖なる民にも与え られる。この幻の筋書きから連想されるヨ 10 柴 十一月三日、高尾山へ遠足に行ってきま した。参加者は四名、清々しい晴天に恵ま れました。一号路コースを取り、ケーブル カーに乗って、往復五十分程度ずつ歩きま した。登りは途中迂回して、緑の木々に包 まれた静かな散策も楽しみました。頂上か らの眺望は、山々はくっきりと、都心の細 かな建物も大変澄んで見渡せました。お弁 当を食べる場所を探すのが大変なほどの賑 わいで、今人気の行楽地のど真ん中に居る という感じでした。しかし、メンバーは誰 も急ごうとはしないゆったりした雰囲気 で、私は安心して寛がせていただきました。 自分に小さな変化を感じました。以前の 私でしたら、混雑の中にわざわざ出かける ことはなるべく避けたいと感じたでしょう し、人と関わるグループ行動は、極度に気 疲れして頭痛で終わるのが常でした。最近 は、どこへ行っても誰といても、目の前の 状況や相手の意図、自分の考えから引き離 さ れ て、 別 の と こ ろ か ら 反 応 す る よ う に なっている自分に気づく時があります。私 は、今年のクリスマスで洗礼を受けてから 三年が経ちます。ずっと、神さまの徹底的 な熱意に囲い込まれていた気がします。私 は、仰ぐということが本当はどういうこと なのか知りたくて、凄い勢いでお尋ねして きました。神様は、いつでも待ち構えてら したかのように、その絶対的な感触を教え て く だ さ い ま し た。 例 え ば、 様 々 な 空 間、 様 々 な 人 の 前 に 置 か れ、 ﹁ ど こ を 見 て、 ど のように居るのか﹂ということは、特別熱 心に神さまが問いかけをくださり、細部ま で決して見逃していただけないような鋭さ で、 改め直してくださっている事柄であり、 34 〔２〕 麻布南部坂教会 月報
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