PDF-2 - 東京甲南会

2◆東京甲南会報
≪ KONAN WOMAN ≫
卒業生インタビュー
今年は、K-バレエスクールでご活躍の美﨑つむぎさんにお話をうかがいました。
「勉強勉強勉強 勉強のみ よく奇蹟を生む
かく思いつつ 我は勉強する也」
――
武者小路実篤の言葉に支えられて
――
TSUMUGI
MISAKI
平成10年 英語英米文学科卒業
好きなことは、映画を見ることです。 「ノッティングヒルの恋人」が好きで、ロケ
地の町や、公園にも行きました。一年に一度新たなことを始めることが好き
で、現在はジャズピアノ、フランス語にチャレンジしています。
ルアカデミーオブダンスにおいてバレエ教授法免許を取得し、ダ
ホストファミリーの温かさと母の手紙
ラム大学でバレエ芸術・教育学の学位を取得しました。奇遇にも、
中学・高校はイギリス人家庭にお世話になり、
同時期に恩師、井野瀬先生もロンドンに留学されており、先生のお
現地校に通いながら、バレエを学んでいまし
宅に伺ったり、寄宿舎にも来ていただき、中でも大英図書館に通っ
た。幸運なことに、学校の友人達はフレンドリ
た日々が一番の思い出です。甲南卒業後、再び先生にお世話にな
ーで、日本人だからという差別は受けたことは
り、とても感謝すると同時に、不思議なご縁で結ばれていると感じ
ありませんでした。苦難や困難も愛情深いイギ
ました。
リスの家族たち、先生方、多くの友人たちに助
そして、ロンドンで学問や技術の向上を目指す私を支えてくれたの
けられ、イギリスでの約 6 年間を過ごしました。
当時は e-mail もなく、日本の家族とは手紙での
やり取りでした。今、読み返しても母や祖母の
想いに涙が出ます。私の宝物です。
4 歳のお誕生日に
厳しいことで有名な
バレエ教室に通い
始めました
甲南大学、震災、そして井野瀬久美惠先生との出会い
イギリス留学を終え、帰国子女入試で甲南大学に入学しましたが、大
学 2 回生の 1 月に阪神大震災に遭いました。
生活は激変しましたが、校庭に建てられたプレハブ校舎で講義やゼミ
は続けられました。イギリス文学ゼミの井野瀬先生には、熱心にご指
導していただき、学問としてのバレエへの夢の扉を開いていただきまし
は、父の友人から手紙で頂いた武者小路実篤の 「勉強勉強勉強
勉強のみ よく奇蹟を生む かく思いつつ 我は勉強する也」という言
葉でした。今も心の支えになっています。
礼儀と心を伝える
現在、吉祥寺の K-バレエスクールで 3 歳から 80 歳代まで、幅広い
年齢の方を教えています。3 歳の子供たちには、技術よりもまず礼
儀を教えます。姿勢を正し、目を合わせてはっきりと声を出して挨拶
ができるようになることが、バレエにおいても人としても一番大事な
ことです。そして、レッスンでは、一人一人に寄りそうようにバレエへ
の情熱を教える心を大切にしています。
た。
チャレンジする心 再びイギリスへ
4回生で外資系航空業界からの内定をいただきましたが、当時ダブル
スクールに通いながら国家公務員の道を目指していたこともあり、その
道を選ぶと甲南大学で卒業を迎えられないことが本意ではなかったの
で諦めました。その選択のお蔭で、再びロンドンに留学を決め、ロイヤ
次なるチャレンジ
さらに、恵比寿スタジオでは、バレ
エ教師を育成するコースを担当す
ることになりました。この授業を通
じ、人生最大の課題である人前で
流暢に堂々と、私の経験や知識、
思いを伝える講義をすることに挑
戦していきたいです。甲南の女子
部会で初めて 100 人以上の先輩
方の前で無事講演できましたこと
は、私にとって大きな自信に繋が
りました。このような機会を作って
ダラム大学は映画「ハリー・ポッター」の魔法の学校のロケ地として
も有名な建物と世界文化遺産の大聖堂のある歴史的な大学です。
いただき、感謝しております。
ありがとうございました。