不定期掲載の「老健ルポルター寿 (じゅ)」。今回の訪問先は串間市の

 不定期掲載の「老健ルポルター寿
(じゅ)」。今回の訪問先は串間市の北部、
大束地区にある介護老人保健施設長寿
の里です。同地区は全国でも有数のか
んしょ(さつまいも)の産地。めったに
咲かない貴重さゆえ、その花言葉は「幸
運」。その大束地区に根差し、利用者や
地域住民の幸運な暮らしを支え続ける
長寿の里の様子を取材しました。(※誌
面中の利用者様にはご了承を得て掲載
しています )。
第6回
【英医院を道なりに】
日南市方面から国道 220 号線を南下し、JR
大束駅手前から右折。医療法人秀英会英(は
なぶさ)医院を右手に見ながら道なりに右カ
ーブを進んですぐ、介護老人保健施設長寿の
里があります。
(↑東側は全面ガラス戸で明るい訓練室)
通所利用者
谷口
弘さん(93)
入所介護主任
土井美和子さん
絵画、園芸、音楽な
(↑英医院の駐車場には樹齢約 70 年の藤棚。
どクラブ活動が盛
開花の頃には新聞でも紹介されるなど、名所
んです。利用者様の
の一つとなっています)
笑顔が沢山見られ
るようふれあいを
大事にしています。
デイケアを利用して 4 年近く。初めて
長寿の里の玄関を入ってきた時、スタ
ッフが元気よく「おはようございます」
【ひろびろ!通所スペース】
と挨拶してくれて感心しました。帰り
の挨拶もすばらしく、気持ちがいいで
す。みんな優しく、色々考えてやって
くれます。食事もおいしく、兵隊の時
食べるものがなくて苦労したこともあ
り、
「報恩感謝」の気持ちでいただいて
います。
(↑すぐ近くには見渡す限りのかんしょ畑)
家ではワープロを打っています。海軍
【利用者の力作・名作がずらり】
施設内には絵画や手芸、書道など、利用者
の作品がたくさん展示されています。これら
は市の文化祭にも出品されるなど、プロも顔
負けの力作揃い。見る人を癒やしてくれます。
1 階の通所スペースは平成 19 年に増床。
訓練室の改築を行い、利用者は開放的な雰
囲気の中で楽しみながらリハビリに参加され
ていました。
で英文タイプを打っていたのでキーの
場所はわかり、すぐに覚えました。こ
れからも日々あったことをワープロ打
ちして、頭の体操をしていきたいです。
開口一番、「もっと足が長かった
のイベントも、「僕の命令」と切り
ら歌手になるところだった」と大忙
出し、「好きな物を食べるとやる気
しだった午前の診察の疲れも見せず、
も出てきます。生きる気持ちも出て
にこやかに語り始めた英(はなぶさ)
来ます。『いつ死んでもいい、早く
理事長。利用者や職員に尋ねても、異口同音に「英先生は歌がうまい!」
迎えに来ないか」と言われる人もい
と返ってきます。演歌やラブソング、そして英語曲まで、幅広いジャ
ますが、楽しみを与えてやると『よ
ンルを歌いこなすとのこと。ゴルフの優勝カップは 10 個以上、一級
っしゃ、よっしゃ』という気持ちに
小型船舶操縦士免許や狩猟免許も有するなど多才な英理事長、中学時
なります。管理栄養士がちゃんとし
代は駅伝でその名を馳せました。中でも最下位でタスキを受け取るや
てくれていて、みんな『おいしい』と言って食べてくれます」と胸を
いなや、韋駄天走りで 7 人を抜き去り、チームを見事優勝に導いた活
張りました。
医療法人秀英会
英 保彦 理事長
躍ぶりは新聞でも大きく取り上げられ、名門実業団からのスカウトも
来たほどだそうです。
今年設立 23 年。関連事業所とともに長年地域に根ざした活動を展
開し、高齢者のみならず広く住民の信望を集めてきた長寿の里。それ
職員に施設の合言葉でもある「ふれ
でも「職員が利用者と接するとき、
『この人はどうして欲しいのか?』
あい、やさしさ、おもいやり」の大切
と聞かなくてもわかるようになって欲しい。認知症がある人でも表情
さを説く英理事長。
「『この 3 つだけは
が変化したりするように、『これをして欲しい』と顔にちゃんと書い
持っておくように』と常日頃から言っ
てありますから」と現状に甘んじるつもりは微塵もない英理事長。今
ています。これがないとやっていけま
後の抱負を訪ねると「本当に夢だけど」と断りながら、「お年寄りか
せんから」と強調。人材育成のために
らお金をもらうことなく、無料で入れる所を作りたいと思っています。
研修会には積極的に参加させ、内部研
それから子供の貧困の問題も何とかしたい。プアチルドレンをスムー
ズに援助できるような会社を作りたいと考えています」と目を輝かせ
修にも力を入れているそうです。
利用者に対しては特に「いいものを
ながら答えていただきました。
食べさせること」に注力。栄養スタッフを中心に行われる様々な食事
「おいしい!」と利用者が口を揃える長寿の里の食事。管
理栄養士の林美樹子さんと田中留美さんを中心とする栄
養士室スタッフが利用者一人一人の健康面に配慮しつつ、
趣向を凝らした「食べる喜び」を提供しています。月に一
度の「にぎり寿司の日」をはじめ、行楽気分が味わえる「駅
弁・お弁当メニュー」に「選択メニュー」や「バイキング」、
さらにはその場で作ったできたてが堪能できる「喫茶コー
ナー」など、味覚だけでなく、見て、聞いて楽しむ企画が
てんこ盛り。もちろん季節感たっぷりの行事食も豊富で、
利用者の心をも満腹にしてくれます。
五感においしい
長寿の里の食事
林さん
田中さん
長寿の里の人気メニュー
入所利用者・岩本チヤ子さん(107)
明治 40 年生まれです。若いときは芋を植え
高菜のお焼き
◎材料(1 人分)◎
たりちぎったりしよりました。家では元気が
(皮)ホットケーキ MIX25g、塩 0.5g、水 8cc
なかったのですが、こんなに元気になりまし
(具)高菜漬 10g、人参 5g、淡口しょうゆ 2cc
白砂糖 1g、ごま油
た。長寿の里はいいところ。なんもかんも好
きです。ご飯もいいですなあ。長生きの秘け
◎作り方◎
つはまあ、好きな物を食べれば元気が出ます。
①具を炒めて、冷ましておく(※高菜に味が
ついているので味は調整して下さい)。②皮
の材料を混ぜ合わせ、固さを見ながら、手の
平くらいの大きさに伸ばして①を包む(※小
判型や丸型など)。③ホットプレートやフラ
イパンで焼き、水を加えて蒸し焼きに。
☆中の具はお好みでアレンジして下さい。
皮が甘いので、具は塩分のあるものがおスス
メです。
職員はとても優しいです。踊りを見たり歌を
歌ったりするのが楽しいです。長寿の里で暮
らしよるのが一番の自慢でしょう。また会い
ましょう。ありがとうございました。
(右)取材当日
行われていた
喫茶コーナー。
鼻孔をくすぐ
る香りと音に
魅了されまし
た。もちろん味
も最高!
通所リハ主任
入所看護主任
入所介護福祉士
入所介護福祉士
久保田 功士さん
一木順子さん
池田早希さん
山口慎吾さん
津曲美子さん
地元との関わりと早めの
地域との繋がりが強く、
ケアマネージャー
尊敬の念を抱いて利用者
広くケアしやすい施設
明るく誰とでも人見知り
と接しています。静かで
で、利用者中心によりよ
せず話せます。長寿の里
出勤を心がけています。
安心して利用できる施設
平和な串間市。おすすめ
くしようと皆で努力して
に勤めて 3 年。働きやす
串間市青年団で市の発展
です。利用者は自分の親
スポットは赤池渓谷!
います。趣味は土いじり。
い職場です。家族で温泉
のため活動中!長寿の里
と思いながら接していま
旅行に行きたいです。
の Hp 担当してます。
す。
「元ミス本城」です。
ケアマネージャー
入所介護福祉士
支援相談員
水口まゆみさん
山田美幸さん
野辺義隆さん
急変時も施設長が早期対
勤務 8 年目。小 3 から続
笑顔が絶えない職場で
応。利用者や家族から「安
けているバレーボールで
す。冷静を保ち、利用者
心」の声をいただきます。
元気一杯です。好きな言
目線を心がけています。
韓流ドラマ鑑賞が趣味。
葉は「なんとかなる」。ケ
趣味は読書、休日は 3 人
アマネの資格にチャレン
の子供と遊びます。
ジしたいです。
支援相談員
~職員のみなさん~
石黒康美さん
毎年開催の「長寿の里杯
四半的大会」に地域の人
達と出場しています。資
格はケアマネ、旅行はハ
ワイを目指します。
【DATA】
医療法人秀英会
介護老人保健施設長寿の里
開設:平成 4 年 4 月
施設内に託児所もあり、働きやす
い環境で職員が明るく頑張ってい
る姿が印象的でした。そんな中、
利用者が笑顔一杯に過ごされてい
る様子に「『長寿の里』の看板に
偽りなし」と確信しました。
所在地:〒889-3531
☎:0987-74-1010
串間市大字奈留 5298-3
FAX:0987-74-2217
ホームページ:http://www.shueikai.or.jp/
利用者数:入所 92 名、通所リハビリテーション 30 名
関連施設:英医院、通所介護 20 名、グループホーム長寿 18 名(2
ユニット)
島田鳴海施設長
ご協力ありがとうございました!!
委員会活動報告
「施設での看取り」学ぶ
看護・介護研究部会は 5
者の尊厳を保ちながら、
「最後まで普通に暮ら
月 9 日、宮崎市の JA アズ
すこと」を支え続ける「かあさんの家」の管
~看護・介護研究部会~
ム別館で研修会を開きまし
理者でもある市原理事長。「
『人生の幕を閉じ
た。会員老健施設や特養な
るとき、どこで、どのように、誰に看取って
どから 120 人が参加し事例発表や講演を通じて「高齢者の看取り」を
もらいたいか?』皆さんも自分のこととして
学びました。
考えてみて下さい」と問いかけました。そし
事例発表ではまず社会福祉法人慶明会グループホームサンメリーの
て「
『住み慣れた自宅で過ごしたい』、
『最後ま
壱岐育子さんが演題に立ちました。同ホームが看取りの後に行ったカ
で口から食べたい』、
『自然に生を全うしたい』、
ンファレンスの中で、
「家につれて帰れなかった」という反省が上がり、
『家族に看取ってもらいたい』と皆さんおっ
壱岐さん
市原理事長
看取り直前に帰宅支援を計画、実施した内
しゃいます。だけど今の社会はそれがなかなかそうはいきません」と
容。
「帰宅支援はその人の想いに寄り添うも
指摘。
「いざ急変すると救急車を呼びます。それは『ともかく命を助け
のであり、その人の人生の一部を共感でき
て下さい』とお願いすることです。すると『最後まで家で暮らしたい、
るもの。看取りの状態である前から個人の
延命治療はしたくない』と思っていても、病院で最後を迎える可能性
想い入れのある場所へ一緒にでかけること
が高くなります」と、
“どういうプロセスをたどって死に至るか?”が
の必要性を実体験することができました」
わからないことから来る不安が、本人の意に反して病院で最後を迎え
と帰宅支援の大切さを強調。「私達はホームを頼って来られた方々が、
ることにつながっていると指摘。人が亡くなるプロセスを理解し、本
家庭的な雰囲気の中でその人らしく穏やかに笑顔で生活を送られるこ
人に「最後をどうしたいのか?」と意思を確認しておくことが、本人
とを願っています。そして今まで培ってきた認知症ケアの専門性を地
や家族の想いに沿った看取りケアにつながることを強調しました。
域の中で生かし、グループホームが地域の活動拠点としての価値を高
めていけるよう努力していきたい」と今後の抱負を語りました。
そして
「一人で自立して暮らせなくなったら、できるだけ環境の
変化がない所に住み替える」という「リロケーション(RELOCATION)」
次の報告は介護老人保健施設ひむか苑の渡邉愛子さん。同苑では平
によって住居環境の連続性を重視する「かあさんの家」での取り組み
成 23 年 6 月に「看取り」プロジェクトチームが発足。その後「看取
事例が紹介されました。その中で市原理事長は「介護の力、介護の工
りケアマニュアル」の作成、全職員を対象に
夫が重要」とし、
「それぞれの人の人生に物語があり、どんな事があっ
した研修会などを踏まえ、看取りケアを実施。
て、どんなふうに輝いていたのかを聞き、それを踏まえた介護をして
報告では、入所利用者の A さんが永眠される
いくことが大事」と訴えました。
までに行った看取りの様子が紹介されました。
渡邉さん
主治医から家族へ「回復の見込みはないと
「
『その人が生きてきた場所で、馴染みの人に囲まれて時を過ごし、
人生の幕を下ろすとき、そのプロセスは自然であり、最期は穏やかで
思われる」という説明が行われ、理解、承諾を得た上で、同苑の看取
あることが最も価値のあること』で
り指針に従い本人や家族に配慮したケアを実施。そして家族に見守ら
す。このことを一般市民皆が共有し
れながら A さんは永眠。正面玄関で大勢の職員が見送る中、家族から
ていかないと難しいと思います。そ
は「本当に大満足。いい人生でした」と感謝されたことを紹介し、
「亡
ういう意味で、看取りのケアを施設
くなれば裏口からひっそりと見送られる病院と、表玄関から多くの職
でする場合に大切なのはご家族です。
員に見送られる施設と、どちらがいいですか?」と問いかけました。
ご家族に『大切な人がなくなってい
続いて認定特定非営利活動法人ホームホスピス宮崎の市原美穂理事
くこと』をきちんと共有できるように、その人が元気なときからきち
長による講演「高齢者の看取り・尊厳死とは ~ホームホスピスかあ
んと話をしていくことが大事です」と講演を締めくくった市原理事長
さんの家の実践から~」がありました。宮崎市内に 4 カ所あり、利用
に、会場からは感謝の拍手がおくられました。
施設を挙げて「転倒予防」
~リハ研究部会~
リハビリテーション研
える杖』だけではなく、
『考える杖』になることも必要」と、利用者の
究部会は 7 月 18 日、宮
転倒防止のためには、プロフェッショナルとしての知識とスキルの向
崎市の宮崎リハビリテー
上を呼びかけました。
ション学院で「転倒予防」
の研修会を開きました。
会員老健施設などから 55 人が参加しました。
まず医療法人隆徳会 鶴田病院の理学療法士、濵砂好治さんが「施設
での転倒原因と対策について」と題し講演。転倒のリスク要因には加
齢や病気、薬剤による薬理作用などの「内的因子」、段差や滑りやすい
床、つまずきやすい敷物などの「外的因子」、そして「その他の因子」
の 3 つを示した上で、「その他の因子」について説明がありました。
続いての講演は介護老人保健施設はまゆう
の理学療法士、迫田勇一郎さんによる「転倒・
骨折に関して」。高齢者の転倒に伴う骨折の好
発部位やそれぞれの手術方法、問題点などに
ついて解説がありました。
また、転倒研究に取り組んでいる迫田さん
迫田さん
は、その背景として、老人保健施設における
入所者が入所中転倒により骨折を起こす事はまれではない一方で、介
車椅子を使用していた利用者で以前は自分でブレーキやフットサポ
護者が全ての入所者に注意を払う事は難しいことから、そのリスクを
ートの操作をしていたものの、
「日常業務の中で時間がないから」とい
簡易な検査法により分類し、注意を促すことによって、転倒危険性を
う理由で介護職員が実施するようになったために、職員がいない場面
減少させる必要があることを痛感。各種評価やテストによりその検討
で移乗しようとし、ブレーキをかけ忘れたために事故につながった事
をしているとのことでした。
例を紹介し、
「利用者はブレーキなどの操作を自分でしない習慣が徐々
さらに、認知症のある人の大腿骨頸部骨折術後の歩行能力および日
についてくるのではないか?」と述べ、これを「習慣が生み出すリス
常生活動作に関する研究経緯も踏まえ、転倒・転落も増加すると懸念
濱砂さん
ク」とした上で、
「この状況を作っている
される 2025 年問題を見据え、
「老健
のは本人だけでなく、ケアを提供してい
施設の果たす役割はますます重要に
る私達にあるのだという視点を持つこと
なってくる」と指摘。この日の研修
が大事」と言及。本人にしてもらえるよ
会を主催した同部会をはじめ、様々
うに心掛け、習慣化をしていくことが大
な形での研修会の開催が必要になっ
切だと訴えました。そして「単に『ささ
てくるとの見解を示しました。
委員会活動報告
められました。
ポジティブプラン学ぶ
午前中の講義で
~ケアプラン部会~
同プログラムの特
徴や活用方法を学
高齢者ケアプラン研究部会は 7 月 4 日、宮
んだ受講者。これ
崎市の JA・AZM 別館で包括的自立支援プロ
をもとに午後から
グラム策定研修会を開きました。
この研修会は、ケアプランを策定したこと
がない人や、今ひとつ自信がない人、疑問や
のグループワーク
では各参加者が真剣に意見を出し合い、サー
ビス計画書を作成していきました。
質問を抱える人などが対象。会員老健施設や
プログラムの仕組みやケアプラン策定のポイ
特別養護老人ホーム、グループホームなどか
ント、さらに実践的な知識や技術が学べただ
ら 50 人の受講がありました。
けでなく、受講者同士が交流も深まり、充実
研修会は帳票類とサービス計画書の記入方
した一日となりました。
法の説明に続き、事例検討(グループワーク)、
発表・講評、そして質疑応答という流れで進
最後に各グループで作成した計画書の発表
会がありました。いずれのプランも利用者や
家族の思いをくんだポジティブプランで、発
表が終わると他のグループからは温かい拍手
が贈られていました。
長丁場の研修会でしたが、包括的自立支援
会長就任挨拶
(公社)宮崎県老人保健施設協会
くしはしひろよし
会
長
木節橋弘喜
事務局長・事務員交替しました
宮崎県老人保健施設協会事務局は、法人内の人事異動に伴い、平成 27
年 4 月より事務局長と事務員が変わりました。僭越ながら、自己紹介させ
ていただきます。
【事務局長:伊福 香織(下の写真左側)】
初代会長を務められた大野和男先生
◎自己紹介:ソーシャルワーカー歴 16 年を経て、平成 26 年 1 月よりひむ
のあとを引き継ぎ、この度宮崎県老人
か苑の事務長を、今回平成 27 年 4 月より老健協会事務局長を務めさせて
保健施設協会の会長に就任させていた
いただいております。宮崎での生活の方が長くなりましたが、鹿児島県曽
だくことになりました。誠に光栄に存
於市出身です。日々の晩酌が唯一の楽しみなのですが、現在 7 歳の娘が成
じますとともに、身が引き締まる思い
人する姿を見たくて、量を控えつつ嗜んでおります。
がいたします。
◎ご挨拶:管理職の経験も浅く、頼りないかもしれませんが…会員の皆様
2025 年に向けての介護保険改定に
より老人保健施設の経営は大変厳しい
のお役に立てるよう尽力したい所存です。どうぞよろしくお願いいたしま
す。
状況で、加えて介護人材不足と相まって、施設運営は更に困難な状
況となっています。このような状況の中で、介護職員の処遇改善や
【事務員:甲斐 久子(同右側)】
経営改善を図り、また国・県等の行政機関に積極的に働きかけ、こ
◎自己紹介:2007 年に宮崎リハビリテーション学院に勤務して早 10 年!!
の困難に立ち向かっていかなければなりません。
前職を合わせると事務歴 27 年になりました。月日の経つのは本当に早い
介護保険制度の中核施設として、利用者様の自立支援・在宅復帰、
住み慣れた町で馴染みの関係の中、安心して暮らせる生活を支援し、
実現継続するために老健施設としての真価が問われる時代となって
います。
老人保健施設の役割を再考すれば
ものです。
今年 4 月からひむか苑の事務部並びに老健協会事務局に配属になりまし
た。
児湯郡(高鍋町)出身で子供は 3 人!! それぞれ独立しております。体力
維持の為、週
1.包括的ケアサービス施設
2 回ミニバレ
2.在宅復帰施設
ーと週 1 回ス
3.在宅生活支援施設
トレッチ体操
4.地域に根ざした施設
に通っており
であることです。
ます。どうし
つまり、在宅復帰、在宅療養支援のための地域拠点となる施設で
たものかなか
あり、リハビリテーションを提供する機能維持・改善の役割を担う
なか痩せませ
施設ということです
ん・・・これ
これは老人保健施設設立時の原点であります。
以上太らない
今こそ原点に立ち返り、社会的責務に明確に応えられる活動を実
よう頑張りま
現し、地域社会になくてはならない施設としての老健を目指しまし
ょう。
す!
リレーコーナー
当施設は霧島山を望む都城市の中
なく「こんにちわ」なんだろうと疑問が湧きました。
心部に位置し、牟田町という歓楽街
その疑問の答えは「明るく元気に挨拶し、人の輪を
に近接しています。仕事帰りに飲み
大切にしてほしい」という前理事長の熱い思いでし
に行くには、県内でも屈指の立地条
た。その信念と斬新なアイディアに深く感銘を受け
た時のことを、今でも鮮明に覚えています。
件に恵まれた老健施設ではないかと思います(笑)。
冗談はさておき、当施設は平成 7 年 11 月に開設しまし
たので、今年で開設 20 周年を迎えます。10 年ひと昔と申
ケアマネ
さて、私の趣味をご紹介したいと思います。旅行、プロ野
球観戦(カープ男子)、読書等ありますが、やはり一番の趣味
しますが、
「おぎゃー」と生まれた赤ちゃんが成人するので
は魚釣りです。特にタイラバという船釣りに熱中しています。タイラバ
すから、20 年とは長い歳月です。ところで、最初に「こんにちわセンタ
という疑似餌で鯛を狙う釣りですが、魚信が竿先に“ぐぐっ”と伝わる
ー」という施設の名称を耳にしたときに、
「何て明るくユニークなネーミ
感覚と引きの強さは病みつきになります。初心者でも比較的簡単に大物
ングなんだろう」と思いました。それと同時になぜ「こんにちは」では
が狙えるので、皆さんも挑戦してみてはいかがでしょうか。
リハビリ
エンゼルホーム
まで全く経験の無い場に出てきました。分か
力を頂きながら、どうにか PT1 年生としてス
茶木友美さん(ST)
4 月から環境が
変わり、私にとっ
て、これまでなじ
みのなかった土地
での生活が始まり
ました。最近にな
って、ようやく気持ちにゆとりが生じ、今年
こそは新たな趣味を見つけ、仕事だけでなく
充実した私生活も送りたいと考えられるよう
になりました。
4 月当初、これまで勤務していた病院から
施設へ、また言語聴覚士がただ一人という環
境の中で、スタッフも含め、入所者や通所者
の方々とどのようにして関わりを持っていく
べきか楽しみと不安がありました。実際に業
務が始まり、戸惑うことはありますが、周囲
の協力があり、楽しく関わりを持つことが出
来るようになりました。
これまで様々な人と接してきた中で、その
個々人の価値観や態度などを見て、私自身は
他者からどのように見えるのだろうかと日々、
考えることがあります。同じ内容を相手に伝
えるにも話し方や、抑揚、態度、また相手の
価値観によっても受け取り方が大きく変化す
ると思います。また、これまでの相手との関
係性によっては、先入観で話が進んでしまう
ことも考えられます。今の声掛けは言葉が不
十分ではなかったか、失礼はなかったかなど、
後から反省することが増えましたが、今後も
周囲との関わり方を学び、自分なりのコミュ
ニケーション方法に変えて、互いに気持ち良
い時間を過ごす事ができればと考えています。
そして、言語聴覚士としての立場から生活を
支え、他者の気持ちに寄り添って関わりを持
っていきたいと思います。
山元弘光さん(PT)
今年の 3 月に専門学校を卒業し、4 月から
デイケアで働き始めました 39 歳です。
それまでは熊本で電子・情報系の仕事をや
ってきました。今年からデイケアというこれ
一歩一歩前進していきたいと思います。
らないことだらけで、職場の方々に沢山の協
木谷和秋さん(PT)
タートすることができました。
デイケアでは日頃の業務で利用者様とお話
はじめまして、今年の 4 月よりエンゼルホ
をさせて頂くことが多くあり、個々の利用者
ームで理学療法士として勤務させていただい
様に合わせたリハビリを提供できるよう頑張
ております、木谷(きや)和秋と申します。
っております。はじめのうちは利用者様の全
私は前職で、17 年間営業・業務課で働いて
体像をなかなか想像できず、何に困られてい
参りました。
るのか、どのようなリハビリを希望されてい
他業種の
るのかが分からず時間だけが過ぎていくこと
方々と幅広
もありました。そういう状況は意外なところ
くお付き合
で解決の糸口が見つかることがありました。
いをさせて
送迎の時の車内での会話や、玄関先でのご
いただく中
家族の方との会話、ご自宅に訪問させて頂い
で、一番大
た時の利用者様の動き等です。施設内だけの
切なことは、
動きを見ていても、実際にご自宅に帰られた
人間(信頼)
時の動きを想像するのは PT1 年生ではかな
関係を築き、
り難しいと思います。入浴動作やトイレ動作
コミュニケーション能力の向上を図ることが
も、施設での状況から自宅ではこうだろうと
必要であることを学びました。それは、前会
想像していたものが、実際はかなり違うとい
社の理念でもありました、“お客様第一主義”
うのも多々ありました。施設内ではできるの
に徹しながら、お客様のニーズを把握して、
に自宅に帰ったらできない。またはその逆と
プラスαのプレゼンテーションを行い、最善
いうのもあり、実際に現場を見るということ
の心配りを図り信頼関係を築いて参りました。
の大切さを改めて実感しました。
そして、専門学校の 4 年間では、“自分を
職場が老健ということもあり、利用者様は
愛するが如く、他人を思いやり気遣う心を養
皆様、私より年齢を重ねられて来ていらっし
う”の「隣人愛」を教育理念として、医師や
ゃいます。それまでの人生経験から、利用者
理学療法士の諸先輩の先生方にご指導を仰ぎ
様から様々なアドバイスを頂きながらリハビ
ました。
リをさせて頂いています。そこで一番身近に
現在、沢山の学びの体験を基に、ご高齢者
役に立っているのが利用者様がこれまで行わ
や障害を持たれたご利用者様の様々な心の悩
れてきたリハビリについてです。他の施設や
み・苦しみに心から共感と受容を行い、寄り
病院で、これまでどんなリハビリを行われて
添い、傾聴する。そして、ご利用者様の自尊
きたか、どんなリハビリが良かったか等を話
心を大切にして敬語を適切に用いて、ご利用
して下さる
者様と医療従事者としての信頼関係を構築で
時があるの
きるように日々精進しております。
で、しっか
最期に、ある勉強会のことでした。超高齢社
り聞きなが
会の到来のお話で、2035 年には世帯主 65 歳
ら自分のリ
以上の高齢世帯が 4 割を超えて、また、独居
ハビリにフ
老人の割合も 3 割を超えご家族の介護を受け
ィードバッ
にくい人が増加とありました。大変な時代の
クしていき
到来だなぁと他人事のようにそのお話を伺っ
たいと思っています。私のような PT1 年生よ
ておりました。うん、
あと 20 年後の事か・・・。
りも、これまで何年もリハビリを行って来ら
あら、私自身が高齢者のお仲間入りと気付き
れた高齢の利用者様の方がずっと経験豊富だ
驚いた次第です。
と感じています。これからも職場の方々、利
用者の方々から様々なご教授を頂きながら、
リレーコーナー
私は祖母に育てられたこともあ
4 歳と 1 歳の二人の娘がいます。
り、介護の仕事に興味をもち、開
長女は心室中隔欠損で 2 歳の頃手術
設と同時に介護職として入社しま
をしました。今も少し血液の漏れが
した。今年で開設 20 年、右も左
あり毎年通院で経過観察中ですが元
もわからない状態から、開設前施
気一杯です。
設内の 1 ヶ月研修が懐かしく思い出され
ます。
トトロみのる園
小野香織里 さん
二女は小さく誕生し、少し長めに入
院しました。今も身長・体重ともに小さめ
昨年、私と一緒に旅行中、母が転倒し、外
で経過観察中です。アレルギーがあり皮膚
傷性くも膜下出血と診断されました。一人っ
も弱いですが、食欲旺盛で何でもよく食べ
子の私が単独で介護を行うこととなり、介護
ます。
職であり、利用者の家族となりました。状態
長女は 1 か月の時に病気がわかり、原因
が少し落ち着いた矢先、膵臓癌がみつかり、
不明の病気だから自分を責めないでと言わ
母の残りの時間が少ないと告げられました。
れた時、混乱の中で救われた気持ちになりました。風邪でも悪化すれ
思い悩む日々が続き、母が望むことを行い、一つでも多く思い出を作
ば命に係わると気を張ってきましたが、そのおかげで看病の仕方や悪
ろうと決心しました。
それは、母の為でも
化しそうな前兆等わか
あり、私自身の為でも
ありました。
た。
介
食事に行ったり、旅
護
行をしたり。体力も
るようになりまし
支援相談
二 女 に 初 め て バ ナナ
をあげた時に苦し
食欲も低下していましたが、孫の小さな手を握る母の笑顔が私の励み
そうな顔で吐き出したことがありました。数か月後に卵を初めて食べ
となったものです。毎朝私と出勤し、ディケアを利用する日々が続き
た時に蕁麻疹と嘔吐があり、検査時に念のためバナナもお願いすると
ました。職場の仲間も時間になると「お母さんがまってるよ」と気遣
卵と同じくらいのアレルギーがあることがわかり、少しの変化でも見
ってもらい、一緒に帰宅することもできました。
逃してはいけないと気付かされました。
今家に帰ると、母の忘れ形見となった愛犬のテッタが尻尾を振り私
親になってまだ少しですが、子どもと過ごしている中で色々学ぶこ
を迎えてくれるだけで心が落ち着きます。初盆の準備をしながら、介
とがあり、親にしてもらっているのだと感じます。出かける時も休憩
護は私一人で行ったのではなく、周りの人達の支えで出来たことを実
所やトイレ等、子どもが過ごしやすいかで選択し、買い物時も原材料
感しています。介護職を選択して間違いなかったと母に教えられた気
表記を必ず見るなど、以前とは違った視点でみるようになりました。
がします。これからも皆様に感謝しながら、介護職としての誇りをも
ち、多くの利用者の方々に、お役に立てたらと日々思っています。
援助が必要な方に寄り添うには、言葉以外の情報を受け取り、色々
な角度からの考察や言葉かけが必要です。自分の経験もそこにプラス
していけたらと思っています。
青島シルバー苑
池本美和 さん
当苑は日本のハワイ
1 年前に准看護師の資格を取り、看護師と
とも言われる青島にあ
して働き始めて 2 年目。以前は菜花園で介護
ります、入所定員 70
士として働いていました。
名・通所定員 30 名の
初めは知識、技術ともに未熟で、何から動け
施設です。窓からは青い空と青い海を眺め、屋上散歩では潮
ばいいのかわからず、緊急時の対応では右往左往していましたが、先輩からのア
風を肌に感じる、そんな環境の中で皆様リラックスしてリハ
ドバイスや助けを得て、だんだんと一人で業務を行えるようになっていきました。
ビリに励んでおられます。
看護師として働き始め一年が経ち、日々の業務にも徐々に慣れてきたころ、大き
私も職場のすぐ近くに住んでいまして休みの日は海辺で
な失敗を犯してしまいました。あってはならない間違いで、それからの業務が怖
過ごして仕事の疲れを癒しています。地域的には高齢化が進
くなるほど落ち込みました。そんなとき中学 3 年生の娘が私の働く姿をみて、同
んでおり、自分の親の年代、そして自分が老いた時に、ます
じ道に進みたいと言ってくれた事がとても嬉しく、励みとなり立ち直るきっかけ
ます介護力不足が進む中どんなケアが受けられるのだろうか
ともなりました。仕事が終わり、家に帰ると中学 3 年生の長女を筆頭に、4人
と不安にも感じ
ます。
の子供の母親です。毎日仕事
は新婚旅行のメッ
供たちとの触れ合いが少なく
一昔前の青島
事
務
看
護
と家事に追われて、子
なってしまいがちで、
カでしたが、将来は老人介護のメッカになって誰もが安心し
寂しい思いをさせてしまっているのではないかと思っている中での出来事でした。
て年を重ねられるように、地域の施設の一員として自分ので
この大きな失敗のお陰で、学生時代から目標としていた「人対人」との看護を再
きる事を探して頑張っていきたいと思っています。日々奮闘
度認識し直し、利用者様の命を守る仕事ということを常に忘れず、日々の業務を
している現場の職員に対しては少しでも力になれるように。
行っています。利用者様やご家族様から、
「あんたの笑顔がいいね。」
「いつもあり
利用者の皆さまとは事務的なお話しをする事が多いのです
がとう。
」「今日は元気が無いけどどうしたとね?」などと、最近声をかけて頂け
が、たわいもない会話も付け足して皆様が笑顔になれる瞬間
ることが増えてきました。それが嬉しく、してあげる看護ではなく相手の目線に
を引き出せるように。できることは小さいですが青島に引き
たてるような看護師になりたいと改めて思いました。今後も色々な壁にぶつかり、
継がれてい
悩み、また様々な出会いと別れを経験すると思い
るおもてな
ます。介護士と看護師、両方の経験と視点からこ
しの心を受
れまでの援助を振り返り、目に見える症状だけに
け継ぎなが
囚われず、利用者様が言葉に出来ない本当の想い
ら、できる
を感じ取れる看護師に成長していきたいと思いま
こと探しを
す。そしてなによりも、楽しく笑顔で頑張ってい
続けていき
きたいと思います。
たいです。
人気の
のべおか老健あたご
管理栄養士 高久由佳 さん
当施設では、常に安全で美味しい食事づくりを目
指して新調理システムを導入し、大切な食事をより
楽しんでいただけるよう日々研究を重ねています。
また、地元で生産されたものを地元で活かす、と
いう考えから「地産地活」にも取り組んでいます。
今回は、毎日、手作りおやつも提供していますので、
その内容も含めご紹介させていただきます。
↑芋ようかん
↓チーズケーキ
新調理システムによる調理風景
↑ 7 月 の 行 事 食
↑南瓜のモンブラン
↓マーマレードケーキ
介護老人保健施設のべおか老健あたごは、平成 24 年 3 月
に開設した県北初の完全個室ユニット型の施設です。利用者
定員は入所 80 名(ショートも含む)、通所 60 名です。
「利用者に心から喜んでいただける施設」「ご家族や関係
者から『安心・満足』と評価される施設」「感性豊かな介護
施設」「地域社会に貢献できる施設」を目指しています。
住所:延岡市中島町 4 丁目 314-3、TEL:0982-34-7575、
FAX : 0982-34-7579、Hp:http://rouken-atago.jp/
【45番目の老健 「このはな」 オープンしました】
宮崎県内 45 番目となる老健、
「医療法人社団 高信会 このはな
介護老人保健施設」が 8 月 1 日、宮崎市浮田 1677 番地 3 番にオー
プンしました。定員は入所 70 名、通所(予定)20 名、電話
0985-82-8600 です。施設の様子は協会ホ
ームページのブログ(8 月 5 日~7 日)で
も紹介していますのでご参照下さい。
【編集・発行】
(公社)宮崎県老人保健施設協会
〒880-2112 宮崎市大字小松 1158 番地
TEL 0985-47-3941 FAX 0985-47-3967
http://www.miyazaki-roken.jp/
https://www.facebook.com/miyazakiroken