株式会社 ドリマックス

業探訪
企
株式会社 ドリマックス
クライアントのニーズに
柔軟に対応し、
職人を凌駕する技と
完成度を実現!
とんかつ等の揚げ物に欠かせない千切り
キャベツ、牛丼に欠かせない紅ショウガ、焼
き魚に欠かせない大根おろし、ラーメンに欠
かせないネギ、冷やし中華に欠かせないキュ
ウリ等々…外食やスーパーの総菜や弁当など
の業務用の加工野菜は、均一にカットされ、
彩りもよく添えられています。業務用の加工
野菜は、膨大な量を時間内に手際よく加工す
当時の肉屋でお馴染みだった
ドラム計りや、ルームランナー、ベルトマッ
サージ器などの健康器具を開発、販売してい
ました。
その開発商品の中で会社の基盤を作ったの
が、電動刃物研ぎ機「水流循環方式」です。
この包丁研ぎ機を車に積んで、全国の肉屋を
る必要がありますが、例えば紅ショウガの加
回っていた時代もあったそうですが、この包
カットされたものを拾い集め、方向を揃えて
し、発売以来リニューアルを繰り返し、10
返されていました。規模やその形状にもより
デラックスF-200BT」としてロングヒット
工は、人の手で皮をむき、裁断機に入れて
丁研ぎ機は、発明協会やNHK発明賞を受賞
並べ直し、再び裁断機へ…という作業が繰り
数万台を出荷、現在も「水流循環丸刃研ぎ機
ますが、野菜の加工ひとつに10人以上の手
商品となっています。その後は、電動ツマ
を要する、この気の遠くなるような作業を、
まるで魔法のように一瞬でカットできるフー
ドスライサーを発明したのが川口市内に本社
を置き、今や食品加工メーカーや外食産業で
は知らない人はいないと評判の株式会社ドリ
マックスです。
■包丁研ぎ機を車で積んで全国を巡回
カッターやフードカッターなどの小型調理器
などを中心とした業務用のOEM提供を中心
に事業展開していましたが、1995年にオリ
ジナルブランドの「DREMAX(ドリマック
ス)
」を立ち上げたことを機に、販売元メー
カーとして、積極的な営業展開を拡げること
になります。現在、ドリマックスのフードス
ライサーは、レストランや小規模飲食店の厨
株式会社ドリマックスが産声を上げたの
房で使用する小型タイプから、食品加工工
は、今から55年前の1960年に遡ります。創
場、セントラルキッチンで使用する中型機や
業者で現会長の松本英夫氏は、富士重工の飛
大型機まで、ラインナップされています。
行機の設計に携わっていましたが、そ
の後、脱サラして創業。10年後の
■積極的な営業展開で自社商品をPR
1970年には、ドリマックスの前
現社長の松本英司氏は、大学で工業デザイ
身となる「株式会社ドリーム」
ンを学び、卒業後は大手二輪車メーカーの工
を設立します。ドリーム設立
業デザイナーとして活躍していました。その
F-200BT
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までの10年間は、
後、渡米し、ニューヨークで車のエアバック
今までドリマックスでしか出来なかった大きな丸刃の研磨が、店内・工場内で簡単に出来るようにな
りました。水流循環方式が手間を省き、大きな丸刃も簡単に綺麗に研ぎ上げます。いつでも切れ味が
シャープで、切った食材の鮮度維持にも違いがでます。もちろん小さい丸刃や包丁も研げます。
生姜業界に大革命を起こし、今やスタンダードに
スーパースライサーシリーズ
F-2000S/D 万能スーパースライサー/ダイサー
通常のミンチは冷凍肉を解凍してからカットするため、肉の繊維が潰
れてしまいますが、本機は、高速回転で半解凍の肉をダイスカットす
るので繊維が潰れることがなく、肉本来の旨味を残せます。また、サ
メの軟骨のような硬い食材のカットも可能となりました。野菜だけで
なく、肉や魚介類にも対応した万能のスーパーマシンです。
年 の 滞 在 で 永 住 権 を 取 得 し、 活 動 の 場 を
ニューヨークからロサンゼルスに移すことを
機に、1994年に一時帰国をしました。その
際に家業の現状を目の当たりにし、当初はほ
んの数か月手伝うつもりでしたが、最終的に
は米国大使館に永住権の返却を決断し、自身
の手で本格的に経営再建に取り組むことを決
意します。松本社長は当時を懐かしく振り返
りますが、経営は創業当初から浮き沈みが激
しく、かなり厳しい時代もあったと語ります。
現在も社内でデザイナーとして手腕を振る
瞬時にロスなく高品質にカット!
やハンドルのメーカーのデザインに従事。5
針生姜用
(1.2×1.2mm) 紅生姜用
(2.5×2.5mm) ガリ用
(1.0mm)
選別不要 ▶ 仕上がり均一でキレイ!
ロスなし ▶ 歩留まり100%
簡単清掃 ▶ ローコスト実現
う松本社長は、当時の商品のデザインなどを
見直し、一新。また、
「せっかくよい商品が
あるのに、それをPRする営業力が足りない」
と、営業スタッフをスカウトするなど営業面
を強化、展示会にも出展し、社長自ら営業の
トップとしてブースに立ち、積極的にPRして
いきました。こうした活動を続ける中、ドリ
マックスにとって大きな転機となるのが、4
ビニメーカーでの標準規格となり、全ベン
ダーへの納入が決まりました。現在では、ほ
とんどの大手コンビニチェーンでこのスライ
サーが採用されています。
■「丸刃遊星回転方式」の開発で躍進
年前の「国際ホテル・レストランショー」へ
野菜を機械で人の手のように、しかも職人
の出展でした。遊星回転刃を装填したマルチ
レベルでカットするのは至難の業です。人間
フードスライサー DX100が大手コンビニエ
による「手切り」の場合は、包丁の種類、野
ンスストアの担当者の目に留まったのです。
菜の種類によって、押したり引いたり包丁を
コンビニ食で定番の冷やし中華のキュウリ
巧みにスライドさせながら繊維に沿ってカッ
や大根サラダ用に採用されたのですが、決め
トしていきます。
手となったのは加工野菜の仕上がりやスピー
一方、機械の場合は手切りよりも時間は短
ドはもちろん、仕上がりの表面積が少ないの
縮できるものの、平刃が一方向に回転し野菜
で、菌の繁殖が最低限に抑えられることも大
に押し当てるタイプ
きな理由でした。これを機に、今までメイン
であった小型機以外に、カット工場向けの中
型機や大型機にも納品先が広がることになり
ました。採用が決まると、「冷やし中 華 の
キュウリや大根サラダは、ドリマックスの
フードスライサーで!」というのがこのコン
DX-100
丸刃の超高速回転(2,150回転/
分)で、あっという間のスピード
処理が可能です。柔らかい春キャ
ベツやレタスも楽にカットでき、
とんかつ屋さんの「ふんわりキャ
ベツ」もお手のもの。厚さは0.3 〜
5mmまで調節が可能です。
ぶぎんレポート No.194 2015 年 12 月号
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が一般的だったため、野菜への負担が大き
の断面を傷めることなく、0.3mmの細さま
く、カット面や形状はもちろん、繊維も潰れ
でカットできるようになりました。従来の
るので食感も失われてしまうというデメリッ
「自転公転方式」は、7〜8個以上の歯車の
トの方が大きかったのです。その後、改良が
組み合わせが必要でしたが、
「丸刃遊星回転
重ねられ、包丁のような切れ味で食材の食感
方式」の歯車は、わずか2個だけなのです。
も残せるのが、「丸刃」を回転させながらカッ
そのため小型軽量化も容易で、整備・清掃も
トする「自転公転方式」でした。この方式は
非常に簡単で楽になりました。さらに衛生・
包丁の切れ味が出せる一方、複数の歯車を組
安全面でも安心できるため、食品業界の各方
み合わせた複雑な構造であったため、整備や
面から高い評価を受けました。この「丸刃遊
清掃の手間、コスト面などの問題を抱えてい
星回転方式を用いた野菜類切断機の開発」
は、
ました。
文部科学大臣表彰の科学技術賞(2010年)
そこでドリマックスが開発したのが、丸刃
や埼玉県の彩の国産業時術大賞の特別賞
が自転しながら円盤で公転する「丸刃遊星回
(2009年)も受賞しています。ドリマック
転方式」です。回転ディスクの中心と外周の
スは、さらにこの丸刃遊星回転方式を1つの
間に穴を開けて、その穴の直径より少し小さ
遊星歯車だけでリングギアをなくした「新・
い丸刃をセットします。ディスクが1回転す
丸刃遊星回転方式」を開発し、さらなる技術
るごとに丸刃が3回転する「自転公転」で野
革新を進めています。
菜をカットすることで、野菜が丸刃にあたっ
た瞬間に、「引き切り」が再現されて、野菜
進化した最強のマシン
特許技術「新・丸刃遊星回転方式」の開発
■顧客のニーズと声を形に
ドリマックスでは用途に応じて、60種類
近いフードスライサーを取り揃えています。
そのひとつひとつが、食品加工の現場からの
声で誕生したものです。約20年前にOEMか
ら自社ブランドに移行した最大のメリット
が、この現場からの声でした。実際に加工現
場を見ることで、課題や改良点など、顧客自
従来の野菜類カットマシンは、部品数が多く、複雑な機構
のため、高コスト・高重量・大型化に加え、防水・防塵の
不完全さが故障多発の原因でした。ドリマックスでは、従来
の丸刃遊星回転方式を、一つの遊星歯車だけでリングギア
を無くするという新機構を開発することにより、部品点数を
大幅に減らし、低コスト生産と小型軽量化を実現。シンプル
な構造のため、防水・防塵対策がとりやすく、清掃も簡単
になりました。
「新・丸刃遊星回転方式」の開発により、食品加工の現
場で最も重視される安全・衛生対策を飛躍的に向上させ、
故障頻度も大幅に減少しました。シンプルな構造は刃の回
転を高速化させることも可能にし、食材に負担をかけない、
繊細で均一なカットと、短時間大量処理を可能にしました。
現在、飲食業や食品加工業において、下処理の手間を大
幅に削減し、コスト削減効果や職人技の機械による高付加
価値化をもって、日本の食文化の発展に寄与しています。
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ぶぎんレポート No.194 2015 年 12 月号
身も気づかないような潜在的なニーズも見え
るようになったといいます。前述の気の遠く
なるようなショウガのカットもその一例で
す。また、スーパーなどで売られている刺身
のツマも、従来の機械では大根をヨコ方向に
しかカットできなかったものをタテ方向に
カットすることで、
繊維を破壊することな
くツマにできるようになったため、板前に近
い本格的なツマを作れるようになりました。
このおいしいツマの影響もあり、刺身の売上
も伸びたといいます。このように、食品の加
スーパースライサーシリーズは、野菜やフルーツ、肉、そしてシーフードも!
対応機種:F-2000 / F-2100 / F-2200
対応機種:F-2000
野菜
フルーツ
肉
魚
大根と人参のツマ(1.2mm)
りんごのダイスカット(3.0mm) 豚肉のダイスカット(2.0mm)
エビのダイスカット(3.0mm)
かぼちゃの千切り(2.0mm)
青バナナのスライス(4.0mm)牛肉の千切り(3.0mm)
カツオのスライス(3.0mm)
工を機械化することで飛躍的に効率化・低コ
う」と語る松本社長。社内でもモットーとし
スト化につながったと、多くの声が寄せられ
ているのは常に「問題提起」
。
「やってできな
ています。
いのと、やらなくてできないのは違う。でき
■ドリマックスのスライサー食品を
食べたことのない人はいない
ない理由を考えるよりも、どうやったらでき
るかを考えること。技術には限界はない」と
熱く語ります。今後5年間も売上1.5倍を掲
ドリマックスでは、野菜のカット機のノウ
げているドリマックス。この先も限界や常識
ハウを活かし、4年前から肉や魚、フルーツ
を「切って」
、日本人の食生活の大いなる黒
のカット機も開発し、いずれも順調な売上を
子として躍進を続けていきます。
みせています。肉や魚が加工できる「万能
スーパースライサー F-2000」は、刃を交換
することにより細かいスライスや千切り、ダ
イスカット等が可能となりました。例えばハ
ンバーグは、ミンチ肉を使用するよりも、包
丁で細かくカットして粒状にすることで、食
感がよく、美味しくなることが証明されてい
ますが、このスライサーが、それを可能にし
たのです。また、ネギトロのまぐろをすり潰
すよりも、細かいダイスカットにすることで、
新たな食感が味わえるなど、新たな加工法に
よる店独自の創作料理も可能となります。
さらに、海外の展示会にも出店するなど、
海外展開へも積極的です。この5年で売り上
げは1.5倍に成長しましたが、そのうちの2
割は海外市場が占めるほど、そのニーズは
年々高まっています。
現状を刷新し、限界や常識を「切って」躍
進してきたドリマックス。「当社の名前は知
らなくとも、当社のスライサーでスライスし
た食品を食べたことのない人はいないでしょ
松本英司 社長
企業
概要
株式会社 ドリマックス
http://www.dremax.com/
代表取締役:松本 英司
創
立:1960年
資 本 金:1,000万円
事業内容:厨房用・食品加工工場用
フードスライサーの開発・製造・販売
本
社:〒332-0032 川口市青木5- 9-13
電話番号:048-254-1231
取 引 店:西川口支店
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