餌米栽培への低コストな深層追肥の試み パディ研究所 自給率向上の切り札として、餌米の作付けが注目されているが、多収を目指すためには、多肥栽培が 前提となる。一方、昨今の肥料価格の高騰で、肥料代が生産コストを押し上げている。 以前、水稲の多収技術として、深層追肥稲作が青森県を中心に普及したが、多収から食味重視への転 換により、最近は殆ど姿を消した。そこで、低コストで多収が可能な深層追肥技術を、食味に関係しな い飼料米の栽培で試験的に取り組んだ。 1,耕種概要 ① 品種 べこあおば ② 播種 4 月 15 日 ③ 育苗方式 プール育苗 ④ 田植え 5 月 15 日 ⑤ 元肥 ペーストによる側条施肥 ⑥ 水管理 田植え後 6 月末まで湛水管理、後、田面下 5cm の地下かんがい ⑦ 追肥日 7月5日 ⑧ 出穂 8 月 13 日 播種量 200g 3葉 N 2.2kg P 2.6kg K 2.2kg N9.6kg(尿素 20kg/10 アール) 2,深層追肥の方法(7 月 5 日) 追肥時の稲 葉令 9.7 尿素 20kg を水に溶き、10 アール 56 リットルの尿素 液を作り、60cm 4 条の施肥機により、約 12cm の深 さに 30cm 間隔で追肥した。追肥時は、ホースが走 りやすいように浅水とした。 尿素液の使用量 30cm×60cm 当り 10cc 1000/(0.3×0.6)=5556 カ所 5556 カ所×10cc=55.6 リットル 8 月 1 日の生育状況 9 月 15 日の生育状況 8 月 26 日の生育状況 9 月 25 日の生育状況 8 月 26 日の生育状況 9 月 25 日の生育状況 中央の濃い色の部分が試験ほ場 一度だけの追肥で収穫期まで肥効が持続でき、低コストな施肥法と考えられる。
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