グローバル、古木会長が海外旅行事情を講演

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旅 行 通 信 2 0 15年5月 22日 号 (金曜 日 ) 第 6444号(毎週 月 − 金 曜 発 行 、 祝 日 休 刊 ) 1983年(昭和58年)8月創刊
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旅行通信
【トップニュース】
★スクート、大阪-シンガポール線を7月8日就航
B787で週6便、高雄かドンムアン経由を選択
Wing Travel Daily
発行所 航空新聞社:日刊旅行通信編集部編
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能」と話した。
レジャー客対象Ă成田同様90%超の搭乗率目標
ウィルソンCEO「もっと早く就航したかった」
大阪は「観光にベスト」来年週11便に増便
メインターゲットは、老若男女問わないレジャー客。渡航費
は安く抑え、目的地に着いてからお金を使いたい人々を想定す
る。台湾人は日本通の人が多いため、お気に入りの観光地への
再訪、バンコクからは現代的な都会を求めて大阪へ訪れるな
ど、様々な背景を持った旅行者が想定されるという。
2011年以降、訪日外国人観光客は年間約30%の伸び率で、
2014年には1300万人を突破。今回接続するシンガポール・台
湾・タイは、2011年以来、年率でそれぞれ26%、41%、66%
伸びている。坪川成樹日本・韓国支社長は、この数字を「さら
に伸ばせるよう送客に貢献したい」と抱負を語る。
また、坪川支社長は、関西国際空港利用者の25%がLCCを利
用するというデータからも明らかなように、関西ではお得感を
重視する地域性があるため、「スクートは安いだけでなく、
ニーズに合ったサービスが選べ、自分が使わないサービスは支
払わないテーラーメイドできる点でも関西人に受け入れられや
すいと感じている」と関西とLCCのマッチングの良さを強調し
た。
海外旅行と訪日外客の比率については、季節要因が大きく、
日本の桜や紅葉の行楽シーズン、ゴールデンウイークは海外旅
行が多くなり、シンガポールのスクールホリデーなどの際は訪
日旅行が増えるという。成田では、就航当初は乗客の2~3割が
日本人客だったが、2年後には外国人客との比率が50対50に
なった。その要因に円安傾向をあげ、「大阪は当初外国人客が
多く、徐々に日本人客が増えるだろう」と予想している。
成田の現在の搭乗率は91.5%で、関空でも同程度の搭乗率を
目指す。成田の2015年第1四半期の搭乗率は1月86.4%、2月96
%、3月92.2%。高い搭乗率を支えるのは、安全性や利便性、定
時率・就航率の高さだ。定時率(定刻から15分以内に出発)は
2015年第一四半期で100%(15分以上の遅延出発なし)で、就
航率も2014年1~12月で100%(欠航便なし)。日本以外も含
スクートはシンガポール航空100%出資の完全子会社で、
2011年設立。成田空港へは2012年から就航しており、2年間で
約120万人を送客。関西国際空港は16番目の就航地で、新機材
の787ドリームライナーを導入する。
大阪就航の狙いについて聞かれると、ウィルソンCEOは「大
阪の魅力はたくさんあり、むしろなぜこれまで就航してこな
かったのか。なぜこんなに時間がかかってしまったのかという
方が重要な質問」と付け加えたうえで、「本来ならもっと早く
就航させたかったが、大型であるがゆえに機材不足・資材繰り
がつかなかった事情を理由に挙げた。
また大阪の魅力について、「人口が多く、GDPが高い、多く
の人々が訪問したい都市であり、多くの航空会社が就航したい
都市でもある」と語った。中でも一番の魅力は「“食”文化。
たこ焼きはシンガポール人にも有名」とし、大阪独自の“粉も
ん文化”の魅力や、大阪城、USJなどの見どころのほかに、京
都や奈良など大阪とは違った歴史的文化都市へのアクセスの容
易さも大阪就航の魅力で「大阪なら日本のベストな周遊が可
※写真=大阪-シンガポール線就航記者発表会で、特別記念運賃
「8000」円のボードを持つスクートのキャンベルCEO(左端)と坪
川日本・韓国支社長(右端)
シンガポール・チャンギ空港を拠点とするLCCスクートが、
日本で2都市目となる新関西国際空港に7月8日から就航する。
7月21日に大阪市内で会見した同社キャンベル・ウィルソン
CEOは、大阪はインバウンド、アウトバウンドともに観光の魅
力に溢れ、スクートが低価格でフルサービスに近いサービスを
提供することで、「ベストの周遊ができる」と自信を示した。
同路線にはボーイング787ドリームライナーを投入し、大
阪‐シンガポール間を週6便で運航。タイのバンコクと台湾の高
雄をそれぞれ週3便ずつ経由する。7月の就航当初は週6便だ
が、2016年には週11便、2019年には週19便に増便する計画
だ。
大阪-シンガăバンコク片道8000円Ă高雄5000円
就航を記念した大阪便就航特別価格は、大阪‐シンガポール
が片道8000円(スクートビズは1万6000円)から、大阪‐高雄
は片道5000円(スクートビズ1万円)から、大阪‐バンコクは
片道8000円(同1万9000円)から。
大阪(関空)路線の運航スケジュールは以下の通り。
▼シンガポール09:05発→ドンムアン(バンコク)11:30発→大
阪18:50着
▼大阪20:25発→ドンムアン01:05発+1(翌日)→シンガポール
04:40着(水曜・金曜・日曜の運航)
▼シンガポール06:15発→高雄11:35発→大阪着15:15
▼大阪16:15発→高雄20:05発→シンガポール00:25着+1(翌
日)(火曜・木曜・土曜)
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旅 行 通 信 2 0 15年5月 22日 号 (金曜 日 ) 第 6444号(毎週 月 − 金 曜 発 行 、 祝 日 休 刊 ) む全域では、搭乗率80%、定時率85%、また94%の乗客が到着
から15分以内にチェックインをしている。
大型機材787ならではのサービスを提供
スマホで予約から支払Ă座席ă食事指定も可能
また他のL C C との差別化の指針になっているのは、
Scootitudeというユニークなスピリットにある。Scootitudeと
は、Scoot+Attitude(スクートとしての姿勢)を示すもの。
「Scoot」には「活発に駆け出す」という意味があり、「エ
アー」や地名などがつかない社名は、自発的な躍動感があり、
堅苦しさを排除。明るい・楽しい・リラックスした旅で顧客の
ニーズを叶えることを使命とし、ワクワクして旅立てる独自の
旅行スタイルを提供する。同社が実現するのは、従来の航空業
界の常識を覆し、フルサービスキャリアにもLCCにもない、
人々が求めているサービスをできるだけシンプルに、安全性を
保ちながら、大型機材だからこそ実現できるお手ごろ価格で提
供することだ。
例えば、快適な機内環境の実現のために、機内に2本の通路、
11のトイレ、フルサービスキャリアのエコノミークラスと同等
でLCCより約10cm広い78~86cm(31~35インチ)の足元ス
ペース、47cm×28cmの大きな窓、電動シェイド(サングラス
機能)、シート電源サービス、快適な気圧・空気清浄・加湿の
調整、エンジン音の低下、乱気流の影響を減らすシステム、
WiFiサービス(一部有料)、個人のiPadなどのデバイスが使え
るストリーミング動画配信などのサービスを装備。
2種類のキャビンクラスがあり、機内食やドリンクの種類も豊
富、12歳以上の乗客を対象にしたスクーティン・サイレンス
(12歳以下の子どもがいないゾーンでシートピッチは通常のエ
コノミークラスより足元が1.3倍以上広いタイプの45座席)の用
意もある。
また、フライトの予約から支払までが可能なiOS、Android
OS向けの携帯アプリの配信があり、web予約システムでは、搭
乗のみ、荷物の有無、機内食、ホットミールかサンドイッチ
か、スクートビズ(プライベートキャビン)や足元の広さま
で)幅広い選択ができる。
こうした行き届いたサービスは2015年ベストLCCとして、ア
ジア太平洋地域で最優秀賞を受賞。あらゆる旅のニーズに、幅
広い選択肢で応えられると、他社との差別化を訴求する。この
サービスでフルサービスキャリアの価格より40%安く、大阪‐
高雄間往復料金も通常より71%安くなっている。また、LCCで
は荷物をしっかり届けてくれないのではないかという不安な声
があるが、スクートでは荷物の紛失や毀損事故はフルサービス
キャリアの半数というデータもある。(取材・文・写真=望月
佑香)
【旅行関連】
★JTB、海外危機管理ソリューションセミナー開催
海外危機管理サポート「アラート☆スター」説明
JTBは5月21日、東京・TKP東京駅八重洲口カンファレンス
センターで「海外危機管理ソリューションセミナー」を開催
し、「海外派遣者の危機管理体制構築と運営実務」について、
安全サポートの有坂錬成社長が基調講演した。
テロ、暴動、政変、戦争、誘拐、災害など日本企業の海外駐
在員や出張者など、海外派遣者を取り巻くリスクが高まってい
るが、それに対する企業の安全対策は後手に回っているのが実
情。
基調講演では、海外派遣者の安全対策の予防策、社内体制整
備、緊急時対応、再発防止策などの総合的な対策を具体例を挙
げて解説した。
有坂氏は「海外駐在員のストレスは大きく、テロや誘拐など
の安全対策だけでなく、医療・メンタルヘルスの対策も重要
だ。海外駐在員が安心して働くためには、社内の危機管理対策
の構築が必要であり、マニュアル作成やリスク評価などを常に
行うことが大切だ」と述べた。
また、JTBの海外危機管理サポートサービス「アラート☆ス
ター」の説明も行った。「アラート☆スター」は海外のテロや
デモ、治安、自然災害、伝染病などの情報に特化したメール配
信サービスで、渡航者がアラート情報をどこで受信しているか
地図上で把握でき、緊急時の初動対策のスピードと効率がアッ
プする。
※写真=JTB海外危機管理ソリューションセミナーの模様
★日旅3月実績、7.7%減366億5000万円 海外12.1%減、国内6.9%減
日本旅行が発表した3月の旅行商品販売総額は前年同月比7.7
%減の366億5755万円となった。訪日旅行は11.8%増となった
ものの、海外旅行が12.1%減と2ケタの減少となったほか、国内
旅行も6.9%減と伸び悩んだことが今回の実績につながった。
海外旅行の販売総額は120億1238万円となった。団体旅行は
一般団体、教育旅行とも好調で26.0%増となったものの、企画
商品が30.0%減、企画商品以外の個人旅行が2.2%減となった
のが響いた。企画商品の内訳は「マッハ・ベストツアー」が
31.8%減、他社企画が13.8%減となった。
国内旅行の販売総額は224億821万円だった。団体旅行は一
般、教育団体とも好調で20.3%増tとなった。また、企画商品も
2.9%増と前年を上回ったが、JR券・航空券・一般宿泊などの
個人旅行が25.3%減となり、トータルで前年同期割れとなっ
た。企画商品の内訳は赤い風船が3.4%増、他社企画商品は2.8
%減だった。
訪日旅行は22億3510万円だった。
★近ツー個人旅行、「ホリデイ」キューバツアー発売
ハネムーナー、シニアをターゲット 近畿日本ツーリスト個人旅行は海外企画商品「ホリデイ」で
キューバの専用パンフレットを制作し5月22日から発売した。
米国との国交回復に向けた交渉が54年ぶりに行われるなど、注
目度が高まっていることから商品造成したもの。
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旅 行 通 信 2 0 15年5月 22日 号 (金曜 日 ) 第 6444号(毎週 月 − 金 曜 発 行 、 祝 日 休 刊 ) 今回はキューバを満喫する全3コースのラインアップを用意し
た。ツアー企画担当者が直近に現地下見を行い「ありのままの
キューバ」の観光素材を盛り込んだ。ツアーにはキューバの旧
市街「ラ・アバーナ・ビエハ」やビーチリゾート「バラデロ」
をめぐるコースやキューバとともにメキシコのカンクン、メキ
シコシティーも訪問するコース。オールインクルーシブでカン
クンとハバナをゆったり過ごすコースを設定した。
ターゲット層としてはハネムーナーやシニア層を想定。古き
良き時代にタイムスリップしたような感覚を味わえるポイント
を用意した。全出発日2人から催行するほか、出発地も東京、大
阪、名古屋発を用意した。
旅行代金は東京発の「世界遺産の街とキューバ最大のビーチ
リゾートを満喫!ハバナ&バラデロ7日間」で42万9000円~49
万9000円となっている。
★東武トップツアーズ、東京スカイツリーのイベント参加
4月発足の新社名をPR、認知度向上へ
なる)。シートピッチは38インチとした。座席はレッグレスト
とフットレスト付きのフルレザー仕上げとし、8インチのリクラ
イニング機能を備えた。また、シート電源や2基のUSBポー
ト、読書灯などを備えた。
エンターテインメント関連機能では、ノイズキャンセリング
機能搭載のヘッドホンや同クラス最大級の13.3インチのフルハ
イビジョンモニターを設置した。
サービス面では、機内食で3種類のメーンメニューを用意する
ほか、上級クラスで導入する、事前に料理を選べる「ブック・
ザ・クック」サービスも利用可能とした。このほか優先チェッ
クインサービスや優先手荷物取り扱いサービスも受けられる。
プレミアムエコノミークラスはボーイングB777-300ER型19
機、エアバスA380型19機、さらに新規に導入するA350型20機
に設定する。
東武トップツアーズは5月22日から24日に行われる東京スカ
イツリーの開業3周年記念イベント「3ks-Fes」に参加する。新
会社の告知宣伝活動をメーンとしてイベント来場者向けにアト
ラクションを実施する。
同社は4月1日に東武トラベルとトップツアーが合併し誕生し
た。今回は、新社名の認知度アップを目的としてイベントに参
加するもの。
イベント当日は来場者に同社店舗に持参すると旅行商品を3%
割引する特製うちわをプレゼントする。また、アンケートに回
答した人には「ガラポンチャレンジ」に挑戦してもらい、商品
をプレゼントする。ガラポンには特賞として、3万円分の旅行券
を3本、金賞として1万円分の旅行券6本をプレゼントする。ま
たブース内には旅行商品パンフレットを用意するほか、旅行相
談コーナーを設置する。
★日本旅行、トワイライトエクスプレス下関発売
GDSなど、旅行業ITシステムを提供するセーバーは、アジア
太平洋地区でGDSを展開するアバカスを買収することで合意に
達したと発表した。現在、同社はアバカスの株式を35%保有し
ており、アジアの主要航空会社11社が持つ残りの株式を、総額
4億1100万米ドル(約493億2000万円)で今後購入する予定。
なお、技術提供など、インフィニトラベルインフォメーショ
ン(インフィニ)との関係は維持する方針だ。ちなみにイン
フィニの株主保有比率は、現在ANAホールディングスが60%、
アバカス(アバカスインターナショナルホールディングス)
が40%となっている。
日本旅行は6月6日と6月8日に運行する「特別なトワイライト
エクスプレス下関」乗車プランを5月21日から発売する。車両
はA個室ばかりを連結し、部屋はロイヤルとスイートのみと
なっている。
6月6日の下りプランが大阪から下関、6月8日の上りプランが
下関から京都の行程となっている。
旅行代金は下りプランが2名1室25万、1名1室43万。上りプラ
ンが2名1室20万、1名1室38万となっている。両プランともに、
朝食1回・昼食2回・夕食1回付いている。
【航空関連】
★千葉県観光、TDRĂショッピングモールから脱却
成田空港活用協議会、独自性出し名所創出へ
★シンガポール航空、プレエコクラスを投入
新開発シートや大型モニター搭載
シンガポール航空(SIA)は8月から導入する「プレミアムエ
コノミークラス」のサービス内容を発表した。フルレザー仕上
げで高い快適性を持たせた新開発のシートを投入するほか、ク
ラス最大級のフルハイビジョンモニターを導入し、機内エン
ターテインメント機能を充実させた。また、機内食は3種類の
メーンコースから選択可能なメニューとするなど、充実した機
内サービスを提供する。8月9日のシンガポール-シドニー線を
皮切りに東京、ロンドン、ニューヨーク線など国際線に順次投
入していく
新クラスの座席幅は18.5インチ~19.5インチ(機種により異
★セーバー、アバカス買収で合意
インフィニとの関係は継続
★海南航空、長沙-ロサンゼルス線を7月開設で申請
海南航空はこのほど、7月に長沙-ロサンゼルス線を開設する
ことを申請した。運航は週2往復便を計画していて、投入機材は
787ドリームライナーを予定している。
成田空港活用協議会は、千葉県が多くの訪日外国人旅行者を
受入れ、経済発展の起爆剤として観光産業を発展させるために
は、成田空港という地理的優位性と多様なフィールドをフル活
用して、“千葉県らしさを創る”必要性を示した。県内各地に
点在する豊富な地域資源は、地域の人によってストーリー性の
ある内容が発信されることで、小さいながらも海外から多くの
観光客を呼び込める観光名所になりうる可能性があるとした。
これは同協議会が5月12日に、県内で開いた経済活性化ビジネ
スセミナーで示した見解で、今年2月に千葉県の宿泊施設を利用
した外国人旅行者を対象に行ったインバウンド動向調査の結果
に基づいたもの。協議会の経済活性化部会長で、ちばぎん総合
研究所の小松孝之調査部部長が、配布アンケート1600件のうち
有効回収票379件からまとめた。
小松氏はこのアンケート調査の中でも特に、千葉県の訪問目
的と次回の訪日時に行いたいことの比較に注目し、訪問目的と
して挙がった項目が、次回訪日時に行いたいことでは順位がど
のように変動するのか調べた。すると、「日本食を食べる」が
3位から1位へ上昇し、「自然・景勝地観光」は7位から2位へ大
幅に上昇した。比率の変動を見ると、自然・景勝地観光は21.7
ポイント上昇の35.9%で、日本食を食べるが17.6ポイント上昇
の45.6%だった。そのほか大きく比率が変動した項目として
は、「日本の歴史・伝統文化体験」が8位から6位となって、
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旅 行 通 信 2 0 15年5月 22日 号 (金曜 日 ) 第 6444号(毎週 月 − 金 曜 発 行 、 祝 日 休 刊 ) 15.6ポイント上昇の28%に。「和風旅館を楽しむ」は9位から8
位になり、13.7ポイント上昇の24%。「温泉入浴」が4位で変
動はなかったが12.4ポイント上昇した33.2%だった。また千葉
県の大きなレジャースポットとなっている「東京ディズニーリ
ゾート(TDR)」は1位から3位になり、「ショッピング」は2
位から5位、「繁華街の街歩き」は5位から7位となった。この
結果から小松氏は、多くの訪日外国人が酒々井をはじめとした
大型ショッピングモールやTDRを観光スポットとして注目しな
がら、リピーターは地域の伝統文化や自然体験に興味を抱いて
いると分析した。
さらに同調査のアンケートからは、外国人旅行者のうち、中
国からの訪問が47%、台湾からが19.3%と、中華圏が全体の3
分の2を占めることが分かった。またアジアからの旅行者が占め
る全体の割合は79.1%で、全体の約8割に達することになった。
旅行の種類は、個人手配のフリープランが51.8%と半分以上に
なり、旅行会社の団体パッケージツアーが40.1%の約4割に。さ
らに団体パッケージツアーで訪れた旅客のうち最も多かったの
が中国からの旅行者で80.4%を占めた。また来訪回数を見る
と、初めての人が最も多く60.3%で、2回目と回答したのが14.8
%、3-5回目が7.7%となるなど、2回目以降のリビーターは32.8
%となった。
★クアラルンプール空港アウトレットモール、5月30日開業
東南アジア最大級、空港利用者を考慮した施設設計
三井不動産はクアラルンプール国際空港敷地内に建設を進め
ていたクアラルンプール初の本格的アウトレットモール「三井
アウトレットパーク クアラルンプール国際空港 セパン」
(MOPKLIASEPANG)を、来る5月30日に開業することを決
めた。MOPKLIASEPANGの開業当初の敷地面積は約11万
5000平方メートル。7月末までには店舗数が約130店舗が開業、
2018年と2021年には更なる拡張を計画している。最終的な敷地
面積は約18万平方メートル、約250店舗を揃える一大ショッピ
ングモールとなる予定で、三井不動産によれば、東南アジアで
最大級で、三井不動産が展開するアウトレットモールのなかで
は日本国内のものを含めて最大級の規模になるという。
MOPKLIASEPANGは、南国のリゾートをイメージした「パ
ラダイスビレッジ」がコンセプト。全体の回遊性を考慮した
2階建てとして、トップライトやハイサイドライトからの自然光
と館内のグリーンがくつろいだ雰囲気の明るいリゾート感を演
出、外部空間にいるような雰囲気のデザインとした。さらに、
熱帯気候を考慮し全館に冷房を完備した屋内型モールとしたこ
とも特徴。
クアラルンプール国際空港の敷地内のモールということで、
空港と施設を結ぶ無料シャトルバスを用意。さらに市内と空港
を結ぶ路線バスも施設へ運行する。空港利用の来場者向けに
は、買物前後に搭乗手続きが出来る「自動チェックインシステ
ム」を館内に設置するほか、フライト情報を館内にいながら確
認できる「フライトインフォメーションディスプレイ」を設置
する。さらに手ぶらで買い物できるように「無料のお荷物預か
りサービス」も整備する。
店舗の特徴は、高感度なラグジュアリーブランドや、イン
ターナショナルブランドはもちろん、地元マレーシアで人気の
高いブランドや日系ブランドなど様々なジャンルが集結する。
レストランはマレー料理をはじめ和食、イタリアン、中華、タ
イ料理といった豊富な飲食店舗を用意。ハラル対応店舗も充実
させる。
また、本物の日本文化を体験できるゾーン「ジャパンアベ
ニュー」を設けて、マレーシア初出店となる日本の鮨店「sushi
maru」と、日本のお茶を体験できる「和カフェ」、伝統工芸品
の販売店舗、さらにはイベントスペースなどから構成される
「fanJapan」が出店する計画だ。
【デスティネーション】
★オーストリア、若年層向けキャンペーン
アーティスト「くるり」のイベントに招待
オーストリア航空とウィーン市観光局、オーストリア政府観
光局は、毎年恒例の共同広告キャンペーンをスタート、今年は
オーストリア人の気質、文化やライフスタイルを表す言葉「ゲ
ミュートリッヒカイト(心地よさ)」を切り口に、FIT若年層
(30代以上、20代)を新たなターゲットに加え、「今、行く
オーストリア」を訴求しているのが特徴。SNSキャンペーン
で、若年層に人気の高いアーティスト「くるり」のトークライ
ブイベントに抽選で招待するなど、新たなアプローチも盛り込
んだ。
キャンペーンのキャッチフレーズは、「若くしてウィーンを
知る、その幸福について。」で、コンテンツサイトを軸に、広
告やSNSキャンペーンを展開。コンテンツサイトでは、「若く
してウィーンを知る幸福、その30の理由」を、「カルチャー」
「ライフスタイル」「グルメ・スイーツ」「ショッピング」
「オーストリア航空の紹介」の5カテゴリー別に提案。広告は、
朝日新聞のエリア広告(5月24日付、東京23区)と交通広告
(東京メトロ及びバス停、6月以降)の2本立てで実施する。
SNSキャンペーンでは、FacebookとTwitterからの応募で、
人気アーティスト「くるり」のスペシャルトークライブイベン
ト「オーストリア航空presentsくるりプライベートLIVE&Talk
『ゲミュートリッヒな一夜』」に、抽選で50組100名を招待す
る。ライブは6月18日の開催で、応募期間は5月11日から31日ま
で。既に3000名を超える応募があり、人気の高さが伺われる。
くるりは、ウィーンで3ヶ月間レコーディングしたアルバム
「ワルツを踊れTanzWalzer」を2007年にリリースするなど、
ウィーンにゆかりのあるアーティスト。今回のキャンペーンの
ターゲットである若年層を中心に人気が高いこともイベント開
催の理由となった。ほかにも画像共有ができるInstagramで
は、「心地よい」と感じるものや風景を投稿すると、抽選で
オーストリア関連の商品が全15名に当たるキャンペーンを実施
する(応募期間:6月1日~30日)。
「心地よい」ライフスタイルを提案
シニア向けにはメディア系旅行会社とタッグ
今年のキャンペーンについて、オーストリア政府観光局日本
地区局長のミヒャエル・タウシュマン氏は「日本は、観光客数
が国別で第9位にラインクインするなど、オーストリアにとって
常に重要なマーケット。今回のキャンペーンは、オーストリア
の雰囲気やライフスタイルを伝えるのが目的。例えばカフェや
屋外でゆったりとくつろいだりするような、リラックスできる
心地よさを日本の旅行者の方々にぜひ経験して頂きたい」とア
ピール。また、オーストリア航空マーケティングスーパーバイ
ザーの伊東綾子氏は、「オーストリアはクラシック音楽や歴史
など、『格調高い』イメージが強いが、若い人へ向けて『いつ
か行きたい』ではなく、『今行く』デスティネーションとして
訴求したい」と語った。なお観光局では、旅行会社向けのFAM
ツアーを6月下旬に実施、キャンペーンに合わせてOLや一人旅
向けの内容となる予定だ。
一方、主力のシニア層向けにもキャンペーンを継続。こちら
も新たな取り組みとして、メディア系旅行会社3社とタイアップ
し、各社の顧客向け会員誌で記事広告を展開する。各旅行会社
(5)
旅 行 通 信 2 0 15年5月 22日 号 (金曜 日 ) 第 6444号(毎週 月 − 金 曜 発 行 、 祝 日 休 刊 ) では、記事広告の内容にあったツアーを造成、記事広告との連
動を図る。
※コンテンツサイト
http://austrian.brandtalk.jp/
※写真=左から観光局タウシュマン局長、ウィーン在日代表
部アシスタントマネージャー観光&企画担当福田明子氏、観
光局マーケティング/PRシャノー・ネビン氏、オーストリア
航空伊東氏、同日本・韓国支社長村上昌雄氏
★NY市観光局がトラベルセミナー・ワークショップ
ニューヨーク市観光局は、旅行業界向けに「トラベルセミ
ナー・ワークショップ」を6月19日に都内で開催する。当日は
ニューヨーク市内の旅行サプライヤーも出席し、最新情報を
セミナー形式で紹介するとともに参加者と情報交換する予
定。
参加企業は参加予定企業・団体は、ザ・ライド、ニュー
ヨーク・ヒルトン・ホテル、ウェリントン・ホテル、アメリ
カ自然史博物館、メトロポリタン・オペラ、エンパイア・ス
テート・ビルディング、ルーズベルト・ホテル、ウッドベ
リー・コモン・プレミアム・アウトレット、レット、ディズ
ニー・シアトリカル・グループ、ブロードウェイ・コレク
ション、デルタ航空、ニューヨーク市観光局
トラベルセミナー・ワークショップの概要は以下の通り。
▼日時:6月19日(金))13:45より受付開始、14:00~16:00セ
ミナー、16:00~17:00ワークショップ
▼場所:ランドマーク・スクエア東京コースト29F、〒1080074東京都港区高輪3-13-3シナガワグース内、Tel:035447-1245
http://www.landmark-tokyo.com/banquet/facility.html
同協会は毎年数回の定例会を実施。会員企業との懇親とと
もに、ホテルや周辺業界に関する勉強会の意味合いを持た
せ、講演やパネルディスカッションを行っている。
冒頭、OHEAの小杉眞弘会長があいさつし、「今、世界の
旅行市場は1980年代以降に生まれたミレニアル世代がけん引
しつつある。実際、日本を訪れる外国人などを見ても平均年
齢が低くなりつつある。このような世代とどのようにつき
あっていくかが大事になってくる。一方で高齢化社会も進行
していく中でシニア層へのフォーカスをオフにしてもいけな
い。今回は古木会長に講演を行ってもらうが、それぞれの世
代にあわせた売り方について色々とお話を伺えればいいと
思っている」と述べた。
講演に立った古木会長は長年にわたり旅行業界に携わった
立場から、これからのアウトバウンド市場の行方に関して講
演を行った。
古木会長は「海外旅行市場は2012年から下降線をたどりつ
つある。一方に訪日需要は急激に伸びている。個人的には
2017年にはインバウンドとアウトバウンドが逆転するのでは
にないかと見ている。また、これからはFITがますます伸びて
いくだろう。一方でパッケージツアーは、これまで以上に選
別されていくのだろう。そうしたなかでツアー造成に知恵と
工夫が求められることになるのではないか」と中期的な見通
しについてのべた。
これからの旅行需要を伸ばしていく上で古木会長は「10日
間以上の連続休暇や有休消化できるような環境を整えること
が重要」と指摘。また、旅行者のすそ野を広げていく上で
「子どもの時にたくさん旅行した経験があるか、そうでない
かがポイントとなってくる。中学生くらいまでに、たくさん
親子旅行をしてほしい」と持論を展開した。
シニア需要獲得については「『ラグジュアリーブランド』
を確立していくことが求められており、このコンセプトから
ぶれずに取り組んでいくが大事だ。また、高い満足度を感じ
てもらえるようなソフトを作り上げていくことも重要であ
る」と述べた。
【ホテル】
★OHEAがグランドハイアット東京で定例会開催
グローバル、古木会長が海外旅行事情を講演
海外ホテル協会(OHEA)は5月21日、東京都港区のグラ
ンドハイアット東京で定例会を開催した。今回はグローバル
ユースビューローの古木康太郎会長を迎え「最近の海外旅行
事情と私の考えるシニアの旅とは」をテーマに講演を行っ
た。
※写真=OHEA定例会で講演を行うグローバルユースビュー
ローの古木康太郎会長