プロに訊く！次世代 IT インフラへの転換 基幹系システムの必須条件を網羅 「10年後のビジネス」 を担う absonne( アブソンヌ) 企業におけるクラウド活用が進む中、最後の難問となりつつある「基幹系システムのクラウド化」。それを実現するソ リューションとして注目されているのが、新日鉄住金ソリューションズのクラウドコンピューティングによる IT インフ ラサービス「absonne」だ。同社は、システムインテグレータとしての高度な技術力を下地に、基幹業務を支えるシ ステム基盤のあるべき姿を提案。TCO 削減、経営スピード向上など、様々なビジネス価値を企業にもたらしている。 オンプレミスでの運用が避けられない であることは間違いありません。こうした 企業の基幹系システム 状況の下、先のような条件を満たし、安心 今やクラウドは、ビジネスに欠かせない も の と な っ て い る。SaaS に よ る 業 務 ア プリケーションの利用は広く一般的になっ たほか、システム構築を検討する際も、ク ラウドを第一の選択肢に据える「クラウド ファースト」のアプローチをとる企業が増 加。自社所有の IT 資産を最少化し、「持た して基幹系システムを預けられるマネージ ド・クラウドサービスへのニーズは、日増 しに高まっているといえます」と話すのは、 新日鉄住金ソリューションズの菅野孝治氏 だ。 安全性、可用性、柔軟性を完備し 顧客に最適なインフラを提供 ざる経営」を積極的に推進する動きは、今 後も継続するだろう。 同社のクラウドコンピューティングによ る IT インフラサービス「absonne（アブ 新日鉄住金ソリューションズ株式会社 IT インフラソリューション事業本部 事業企画推進部 部長（ソリューション企画推進統括） 菅野 孝治氏 一般に、パブリッククラウドの導入が進 ソンヌ）」は、そうした市場の声に応える む領域としては、メールやグループウェア、 ソリューション。基幹系システムに最適な CRM/SFA といった情報系システムが挙げ プラットフォームとしてクラウド技術を活 られる。これに対し、例えば財務会計、販 用し、新日鉄住金ソリューションズのデー 売管理を含む ERP、生産管理、SCM といっ タセンターでマネージド・クラウドサービ た基幹系システムの領域では、まだ多くの スとして運用する「absonne Enterprise 企業がオンプレミスでの運用を継続してい Cloud Service」と、同じアーキテクチャ る。その背景にあるのが、基幹系システム を使って企業システムのプライベートクラ の運用には高度な「安全性」「可用性」を ウ ド を 構 築 す る「absonne Enterprise 確保する必要があるため、条件を満たすク Cloud Framework」の、2 つのサービス ラウドサービスを探すのが難しいというこ を用意している。 とだ。また基幹系システムでは、企業が独 自開発した業務アプリケーションが使われ 特 に、 前 者 の「absonne Enterprise ていることも多いため、それらを稼働させ Cloud Service」は、月額利用の IaaS と ることができるという「柔軟性」も必須と して高いアジリティを実現しながら、基幹 なる。この点、パブリッククラウドの標準 システムの要件となる他のユーザーからの 化されたサービスでは対応できないことが 影響を受けない独立性や、独自のアプリ 多く、それも企業が移行に踏み切れない要 ケーションにも対応するカスタマイズ性を 因になっている。 備えている。また、設計・構築・運用とい う新日鉄住金ソリューションズの強みを活 「しかし、業務の効率化と経営のスピー かしたトータルなサービスをワンストップ ド化を図る上では、自社で保有して運用す で提供していることも大きな特長。基幹系 るハードウェアをなるべく少なくし、保守 システムに欠かせない「安全性」「可用性」 業務を外部にアウトソースすることが最善 「柔軟性」を高いレベルで満たしている。 absonne( アブソンヌ )、absonne Enterprise Cloud Framework、absonne Enterprise Cloud Service は、新日鉄住金ソリューションズ株式会社の登録商標です。 その他、本文記載の会社名および製品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。 新日 鉄 住 金ソリューションズ 株 式 会 社 まず「安全性」に関しては、独立したユー レミスで想定されているサーバーを月額で ヤ マ ハ は、 従 来 オ ン プ レ ミ ス で 運 用 ザー環境の提供により実現されている。企 利用可能にすることを目指している。具体 し て い た 基 幹 シ ス テ ム を、absonne 業毎に VLAN を占有でき、仮想ネットワー 的には、ユーザーの既存の IP アドレス空 Enterprise Cloud Service によりクラウ ク機器は詳細な設定が可能なので、大抵の 間を同じネットワークとして運用すること ド化。現場業務への影響は最小限に留めつ 場合は企業の既存のセキュリティポリシー を可能にしており、移行の際のアプリケー つ、高度な安全性や信頼性を確保した環境 をそのまま適用することができるのだ。 「一 ションの改変を不要にした。また、企業 へ移行することに成功した。 般的なパブリッククラウドの場合、ルー が指定する特定の機器などがある場合に ターは複数のユーザーで共有する場合が多 は、それを持ち込むことも可能。「当社は そ の 際 ヤ マ ハ は、 ク ラ ウ ド 上 で の 統 く、ネットワークセグメントも共有化され 1990 年代以降、基幹系をはじめ多くのシ 合 が 難 し い UNIX 系 シ ス テ ム に つ い ています。しかし、セグメントを共有して ステムの構築・移行プロジェクトを経験し て いると、他のユーザー環境での不正アクセ てきました。これにより、複雑なシステム Framework」を適用することで、引き続 スやウイルスの被害に巻き込まれてしまう 間連携といった基幹系特有のプロセスもス き自社資産として構築・運用する方法を選 危険性があります。absonne Enterprise ムーズに進めることが可能です」 （菅野氏）。 択。その上で、新日鉄住金ソリューション Cloud Service では、ロードバランサや、 これにより、オンプレミスと変わらない柔 ズのデータセンターに移行したシステム ファイアウォール、IPS/IDS などを仮想 軟性を提供しながら、パブリッククラウド と L2 レベルで連携し、ハイブリッドクラ アプライアンスで提供し、他のユーザー環 と同様に短期間でのサーバー追加が可能な ウド環境を構築した。「このように、様々 境の影響を受けない仕組みとすることでセ ほか、初期費用の節約、自社で設備を持つ な制約から複数の環境が混在する場合も、 キュリティを担保します」と菅野氏は説明 必要がないことなどがメリットとなってい absonne なら容易に段階的な移行を行う する。 る。 ことができます」と菅野氏は強調する。 次に「可用性」に関しては、ネットワー 一方、コンプライアンス上の制約により自 基幹系システムの「全面クラウド化」は、 ク機器の冗長化とフェールオーバーにより 社で保有するシステムにデータを保持する TCO 削減という観点からきわめて魅力的 99.99% の稼働率を目標としているほか、 必要がある場合は、 「absonne Enterprise な選択肢だ。だが実際は、移行にかかる期 Oracle Real Application Cluster（RAC） Cloud Framework」で自社保有のプライ 間やリスクといった点から、既存資産を活 によるクラスタリング構成や VMware HA ベートクラウドとしても構築できる。同じ 用しつつ段階的に移行することが現実的な による仮想マシンのフェールオーバーにも absonne のアーキテクチャとして、統合 ア プ ロ ー チ と な る だ ろ う。absonne は、 対応。基幹システムに通常求められるオン 的に管理することが可能だ。 標準的なパブリッククラウドでは対応しき は、「absonne Enterprise Cloud れない要望にも柔軟に対応できる。「今、 ラインストレージのオフホストバックアッ プも利用可能だ。「さらに運用保守に関す 既存資産も最大限に活用し 基幹系システムにクラウドを取り入れるこ る体制・設備の面でも、高度な BCP 要件 現実的なクラウド移行を実現 とは、5 年、10 年先を見据えた環境変化 を満たす次世代型データセンターなど、止 められないシステムの運用に最適化した環 境を整えています」と菅野氏は述べる。 最後の「柔軟性」については、クラウド の障壁となっている制限をなくし、オンプ この absonne による基幹系システムの クラウド化は、すでに多くの企業によって 行われている。その一例が、楽器・音響機 器の製造・販売などで知られるヤマハだ。 への適応という面でも必須。当社は、シス テムごとの役割や制約を踏まえた、適材適 所のクラウド活用をご提案します」と語る 菅野氏。基幹系システムの将来像を考える 上で、absonne は有力な選択肢になるだ ろう。 absonne Enterprise Cloud Service 新日鉄住金ソリューションズのデータセンター内の IT リソースサービス（IaaS）に加え、IT エンジニアリングサービス（SI）、 IT マネージメントサービス（運用管理）をワンストップで提供する absonne( アブソンヌ )、absonne Enterprise Cloud Framework、absonne Enterprise Cloud Service は、新日鉄住金ソリューションズ株式会社の登録商標です。 その他、本文記載の会社名および製品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。 新日 鉄 住 金ソリューションズ 株 式 会 社
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