建設常任委員会 所管事務調査報告(平成26年度)

建設常任委員会
1
所管事務調査報告(平成26年度)
経過
⑴
7月9日に各施設の現状や課題を把握するため、管内視察を行った。
視察先:ピックルスコーポレーション関西広島工場、道の駅(予定地)、南
北道、府中市クリーンセンター、上下南農産、府中市北部クリーンセンター、
⑵
同日及び7月14日に委員会を開催し、重点的に取り組む項目について協議し
た。その結果、①駅周辺整備事業について、②農山村活性化事業について、③
過疎・辺地対策事業についての3項目を重点課題とした。また、委員が各班に
分かれ、調査研究を進めることとした。
⑶
8月8日に委員会を開催し、各重点課題について各委員が調査研究結果を報
告した。報告を受ける中で、府中市の現状について詳しく聞きたいという意見
が出され、9月18日に理事者側から説明を受けた。
⑷
9月26日に委員会を開催し、さらに調査研究を深めるために、行政視察を行
うこととし、調査事項を各委員で検討することとした。
⑸
10月8日と10月15日に委員会を開催し、行政視察における調査事項を鳥獣被
害対策について、耕作放棄地の取り組みについて、中心市街地活性化について
とし、行政視察地を決定した。
⑹
1月21日から23日にかけて行政視察を行った。
⑺
1月30日に委員会を開催し、行政視察のまとめを行った。
⑻
2月12日に委員会を開催し、これまでの所管事務調査をまとめ、市への具体
的な対応について、協議した。
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行政視察
⑴
鳥獣被害対策について
視察日:1月21日(水)
視察先:奈良県宇陀市(人口3万3,413人、面積247.62㎢)
①
平成26年策定の「宇陀市鳥獣被害防止計画」の主な取り組み
・
新規の狩猟免許取得及び狩猟者登録に 1 万円の補助事業
・
駆除に対する報奨金は上限を設けず支給(捕獲した頭数分支給)
・
技術指導、解体処理研修を奈良県猟友会が指導
・
バッファゾーン(周辺の刈り払い)、防護柵の設置、放任果樹の処分、
耕作放棄地の改善などの環境整備
・
ICTを用いた大量捕獲わなの開発
・
追い払いのためのモンキードックの育成
・
解体施設の設置及びジビエ料理の有効活用等について現在検討中
1
・
括りわなは①猟犬がかかる、②捕獲しても動くのでとどめを刺しづら
いなどの理由で宇陀市は許可されていない。
⑵
耕作放棄地の取り組みについて
視察日:1月22日(木)
視察先:株式会社マイファーム
①
遊休農地対策の取り組み
ア
目的
・
「自産自消(自分で作って、自分で食べる)」の循環を行い、「農
業に理解のある消費者」を増やすと同時に「情熱を持った農業家」を
増やし、耕作放棄地をなくす
イ
事業
・
農園利用方式による農業体験
・
特定農地貸付法に基づく市民農園開設
・
農業振興地域内農用法における農地の貸付け
・
農業者の育成
視察日:1月22日(木)
視察先:大阪府箕面市(人口:13万4,271人、面積47.84㎢)
①
箕面市農業公社
ア
設立の経過
・
平成25年4月に農業委員会事務局内に行政組織として設置
・
平成26年2月に「一般財団法人箕面市農業公社」を設置独立
イ
目標
(ア)
農業に活力を与え、農地の遊休化を食い止める
(イ)
給食と地域農業を結びつける
ウ
事業
(ア)
農地借り受け保全事業
・
耕作できない農地を借り受け、「活きた農地」として活用
・
再生した農地を学校給食の野菜を生産
・
新たな農地は児童や高校の体験農園として活用
(イ)
地場産学校給食推進事業
・
エ
(ア)
農産物はすべて学校給食で買い取る
特徴
教育委員会、農業振興課、農業委員会との組織体制が明確
2
(イ)
経営は、独立採算で事業活動による収益で賄うことが基本
(ウ)
官民連携での取り組み
(エ)
樹林地状態の遊休地は、市職員、農業委員、地域農業者、森林組合
の協力と、さらに、近畿クボタの地域貢献活動(クボタeプロジェク
ト)も加わり再生
(オ)
②
再生した農地を児童や高校の体験農園として活用
農業サポート制度(援農ボランティア)
ア
高齢化や担い手不足に悩む農業を支援するため、農業に関心のある一
般市民に農作業を助けるボランティアを募集し、担い手を必要とされ
る農家の支援をする。
イ
⑶
援農を通じて将来の農業の担い手の育成と確保を図る。
中心市街地活性化について
視察日:1 月23日(金)
視察先:岡山県津山市(人口10万4,958人、面積506.36㎢)
①
中心市街地活性化基本計画を策定
ア
平成25年4月から平成30年3月までの5年間
イ
総事業費約27億円(うち国からの交付金約11億6,000万円)
②
津山駅北口広場整備事業(整備事業費14億円)
10万都市“津山”にふさわしい玄関口をめざして、交流拠点機能として、
津山駅前を整備することや中心市街地内にコミュニティバスを循環させる
ことにより、居住者及び来街者の利便性、快適性を向上させる。
ア
基本方針
・
安全・安心して通行できる道路の確保
・
公共交通を重視した乗り換えの利便性、快適性の向上
・
にぎわい・ゆとりの空間創出
イ
事業内容
・
駅前広場の確保
・
国道53号線の整備に伴い、歩道の拡張
・
駅への出入り口を1箇所にし、バス・タクシーと一般車両を分離し、
乗降場をまとめる
・
電線の地中化、照明の整備
・
県内産の木材を使って食堂などの新設
3
3
行政視察を終えての意見
⑴
鳥獣被害対策について
①
府中市は鳥獣被害の多くがイノシシによるものであるため、対策として、
バッファゾーン(周辺の刈り払い)と防護柵が有効である。
②
担い手育成のため、狩猟免許者や狩猟者登録の補助金制度や報奨金の充実
が望まれる。
⑵
耕作放棄地の取り組みについて
①
政策として、「農業再生」の必要性を打ち出し、府中市、地域農業者、広
島県東部農業技術指導所、農協、農業委員会、森林組合等と連携を図り、耕
作放棄地の取り組みを強化することが必要である。
②
生産したものはすべて買い取る体制や販売ルートの確保が必要である。
③
農業をサポートする農作業のボランティア制度の検討も必要である。
⑶
①
中心市街地活性化について
JR府中駅周辺整備は、府中市都市計画マスタープランにも取り組み事項
に位置付けられている。道の駅を中心とし、JR府中駅との一体化を進めて
いくことが重要である。JR府中駅に駐車場があれば利用するという意見も
ある。道の駅が高速バス、路線バス、ぐるっとバスとの発着場の役割を果た
し、JR府中駅とつながることで、市民の交通の利便性に役立ち、観光客も
増えると考えられる。あわせて、JR府中駅の建て替えも必要である。
②
府中市民病院、道の駅、POMの建設にあたっては県内産の木材を使用す
ることも検討するべきである。
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具体的な対応を求めること
⑴
鳥獣被害対策については、担い手不足、狩猟免許者の高齢化になっている。
担い手育成のために、補助金や報奨金の見直しが必要である。
⑵
耕作放棄地について、「農業再生」に向け、府中市、地域農業者、広島県東
部農業技術指導所、農協、農業委員会の連携による推進が必要である。
⑶
中心市街地活性化については、基本計画(府中市都市計画マスタープラン)
をもとに、道の駅を中心に駅周辺開発を進めることが必要である。また、JR
府中駅の建て替え、南口自由通路の新設のため、JRとの協議を進める必要が
ある。
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