2015年の展望 プライベート・エクイティ ~サブ戦略別の投資機会

 2015 年の展望– プライベート・エクイティ
プライベート・エクイティ
サブ戦略別の投資機会
アンソニー・テュトロン、オルタナティブ投資部門グローバル責任者
プライベート・エクイティ市場の環境は様々な分野において引き続き堅調であるものの、上昇傾向にあるバリ
ュエーションや足元の経済情勢といった懸念材料も存在するため、投資判断において慎重なデューデリジェ
ンスとリスクへの配慮の重要性が高まっています。今後 1 年間を通じて、伝統的なバイアウト・ファンドは良好
な市場環境の下、様々な手段でエグジット(投資案件の売却)を実現することが可能と予想されます。スペシャ
ル・シチュエーション戦略に関しては、予想される困難かつ低成長な経済環境を背景に、特にオペレーショナ
ル・ターンアラウンド(企業再生)の投資機会が豊富に存在すると考えます。ベンチャー・キャピタルにおいて
は、エグジット市場の堅調さが続くと予想され、グロース・エクイティ・セクターでは投資機会は豊富なものの引
き続き市場からの注目度は低く、選択的な投資により魅力的なリターンを獲得可能であると思われます。また、
セカンダリー市場も長期的な成長トレンドが継続するとみています。
バイアウト戦略: 既存投資案件のエグジットと経営改善にフォーカス
2014 年のバイアウト投資活動は、2013 年の水準からは後退したものの、依然として活発なペースで取引が
行われました。堅調な株式市場、低金利、発行体に有利な条件での資金調達が可能なデット市場により、バリ
ュエーションが上昇傾向にある中、プライベート・エクイティ・ファンドは今後の市場環境に対してより警戒を強
めています。その結果、配当リキャップ、新規株式公開(IPO)、M&A によるエグジット件数が大幅に増加しま
した。当社は、プライベート・エクイティ・ファンドがエグジットに注力する傾向は 2015 年も継続するとみていま
す。注視すべき動向の 1 つに、レバレッジド・ファイナンスを提供する銀行の金融取引におけるレバレッジ比
率に対し、連邦準備制度(FRB)が監督強化に乗り出している点が挙げられます。監視の対象となる大手銀行
による積極的な貸し出しは限定的な水準になることが予想され、調達可能資金の絶対額には悪影響を及ぼ
す可能性はありますが、それにより発生した資金不足は規制対象外の金融機関やその他の貸し手によって穴
埋めされると思われます。
欧州を始めとする非米国市場における経済成長が加速するとの楽観的な見通しは後退しました。プライベ
ート・エクイティ・ファンドは、世界経済成長が予想を下回ることで生じる非効率性に対して、機会的に投資を
行うと予想されます。
当社はまた、借入れ過剰な企業の債務負担を軽減することや、買収資金の調達を単独で行うことが困難な
戦略的買収者に対する資金提供を目的とした優先株投資等のストラクチャード取引がますます拡がっていくと
予想しています。
プライベート・エクイティ市場におけるバイアウト案件の取引規模とエグジット活動
プライベート・エクイティにおけるバイアウト案件の取引高-米国
(単位:10 億㌦)(1)
500
400
300
グローバルのエグジット件数と取引総額
(単位:10 億㌦)(2)
1,800
$400
1,600
$350
1,400
$300
1,200
$250
1,000
$200
200
800
$150
600
100
$100
400
$50
200
0
0
LBO 案件規模
1.
2.
過去 15 年平均値
$0
エグジット件数
エグジット総額
出所:S&P レバレッジド・バイアウト四半期レビュー及びトムソン・ロイターの同四半期レビュー
出所:プレキン社
緩やかな経済成長が継続する局面では、プライベート・エクイティ・ファンドはポートフォリオ企業に対してコ
スト削減を行い、自発的な成長を促進する戦略を立案し、また生産能力の拡大や新製品・新市場への参入を
目的とした M&A を実行することで、既存の投資先企業の価値創造を行うと考えます。
プライベート・エクイティ・ファンドは、資金力と専門性を有する共同投資家との連携を強め、当初投資時及
び投資先企業の保有期間におけるエクイティ投資を共同で行うと予想しています。共同投資により、プライベ
ート・エクイティ・ファンドは、単独で投資を行うには大きすぎる案件への投資実行、ポートフォリオの効率的な
構築、更に自らのファンドの投資家(LP)との強固なリレーション構築が可能となります。
スペシャル・シチュエーション戦略:特に魅力的なオペレーショナル・ターンアラウンド(企業再生)
スペシャル・シチュエーション戦略には、オペレーショナル・ターンアラウンドやディストレスト資産への投資、
ディストレスト債のトレーディングといった、株式及び債券を対象とした様々な投資戦略が含まれます。今後 1
年間については、低成長が予想される経済環境、債務圧縮のトレンドの継続、グローバルにインパクトを与え
る潜在的なイベント・リスク、市場の乱高下、企業の中核事業への集中化等を背景に、スペシャル・シチュエー
ション戦略には豊富な投資機会が存在すると思われます。
オペレーショナル・ターンアラウンド:過去 5 年間においては、豊富な投資機会が存在しましたが、その投資
案件タイプは主に二つ存在しました。一つ目は、非効率な経営がなされ、ディストレス状況にあり、また正当な
評価を受けていない個別の企業です。こうした市場の注目度の低い未公開企業及び公開企業に対しては、
割安なバリュエーションで投資を行い、経営面の再生を実行し、そして妥当な市場価値で売却することで、投
資元本に対して高いリターンの獲得追求が可能となります。二つ目は、大企業内で経営上の関心が低く、リソ
ースが不十分で、資本不足を抱えているノンコア事業部門です。個別企業同様に、そうした事業部門を割安
な価格で買収し、独立企業として再構築した上で妥当な市場価値で売却して高いリターンを追求します。経
1 営管理の失敗や怠慢は景気循環と無関係であることから、オペレーショナル・ターンアラウンドへの投資機会
は「エバーグリーン(不朽)」であり、あらゆる市場サイクルを通して恒常的に存在すると考えています。
ディストレスト債:過去 2-3 年間において、ディストレスト債への投資機会は、市場の高流動性、低金利、景
気の改善傾向とデフォルト率の低下等により減少しています。しかし、こうした環境下でも、個別案件ベースで
みると、世界の様々な地域及びセクターにおいて、魅力的な投資機会が存在していると思われます。例えば、
米国での投資機会は比較的限定的ですが、欧州においては企業のディストレスト債への投資機会が豊富に
存在します。当社は、ディストレスト債投資は、投資タイミングは難しいものの、引き続き魅力的とみています。
2009 年以降、低クーポン債券の発行が引き続き増加していますが、ローン発行や企業のレバレッジ比率も着
実に上昇しており、その水準は金融危機以前のものと同水準に達しています。更に、世界経済の見通しは厳
しいものと予想され、グローバルにインパクトを与える潜在的なイベント・リスクも複数存在していることから、現
在デフォルト率とディストレスト債残高は比較的低い水準で推移していますが、今後は投資機会が増えると考
えます。
ディストレスト資産:現在の同戦略の投資機会は、規制当局の要求を遵守し、自己資本比率を改善し、かつ
投資家の要求に応えるために、銀行がバランスシートから不良債権を一掃する必要性があるという点に下支
えされています。銀行の収益と自己資本比率が改善するにつれ、不良資産や非中核資産を市場の清算価格
で売却しようとする銀行は増え続けています。競争の激化が資産価格の上昇を招き、その結果予想リターンは
低下していますが、特に欧州の銀行の資産規模を考慮した場合、この分野の投資機会は今後何年にもわた
って続くと思われます。このようなディストレスト金融資産戦略以外では、航空機、船舶、エネルギー等のハー
ドアセット分野にも、様々なディストレスト資産戦略が存在します。このような運用戦略は概してニッチな分野で
あり、高い参入障壁が存在することから、魅力的なリターン創出が期待されます。
前述の通り、スペシャル・シチュエーション戦略の投資機会は、足元ではオペレーショナル・ターンアラウン
ドに豊富に存在していますが、今後はディストレスト債の投資環境がますます魅力的になるとみています。
ベンチャー・キャピタル/グロース・エクイティ:取引は活発だが、投資機会の選別が重要
2014 年のベンチャー・キャピタル・セクターは、極めて良好なエグジット環境、好調なファンド募集状況、活
発な投資活動、そして、エグジット直前のレイト・ステージ企業のバリュエーションの急上昇等を背景に、勢いを
増しています。
2007 年以降、ベンチャー・キャピタル・ファンドによる調達額は、同セクターへの投資額を概ね下回っており、
新たな投資家による活動が活発化していることを印象的づけています。この傾向は特にベンチャー・キャピタ
ルの投資先であるレイト・ステージ(後期)企業で顕著ですが、ヘッジファンドや個人向け公募ファンドが、IPO
が予想される企業に投資しようとしたことが主な背景となっています。2014 年のベンチャー・キャピタルの募集
状況は好調で、第 3 四半期時点で既に 2013 年通年の募集額を 20%上回っています。ベンチャー・キャピタ
ルに流入する資金が増加するにつれ、一件あたりの投資規模と投資前のバリュエーションの中央値が共に増
加していますが、このデータはレイト・ステージ企業によって歪められています。つまり、アーリー・ステージ企
業のバリュエーションは概ね合理的な水準で推移していますが、レイト・ステージ企業のバリュエーションは、あ
る程度の成功を収めた後に急上昇する傾向にあります。実際に、レイト・ステージ企業のバリュエーションの
2014 年第 3 四半期時点の中央値は、2013 年の 2.5 倍に高騰しており、多くのケースで非現実的な水準であ
るとみています。
当社は、2015 年もこのトレンドが継続すると予想します。そして、知名度が高く成功しているレイト・ステージ
企業のバリュエーションは、エグジット市場が堅調さを維持し、レイト・ステージ企業への資金流入がこのまま続
く限り、高止まりすることが予想されます。しかしながら、2015 年に大幅な市場の調整もしくは重大な経済的シ
ョックが発生した場合、足元で投資されたレイト・ステージ企業の企業価値は大幅に下落する可能性があり、
当社はアーリー・ステージ企業への投資において魅力的なリスク・リターン特性が存在すると考えています。
2 米国の株式市場が着実に上昇し、最高値を更新する中、ベンチャー・キャピタルの投資先企業の IPO 市場
も更に活況でした。2014 年の第 3 四半期までに完了したベンチャー・キャピタルの投資先企業の IPO 件数は
85 件で、2013 年通年を 11 件上回りました。申請済み IPO のラインナップは豊富であることから、2015 年に入
っても IPO 活動は安定したペースで継続すると思われます。また、M&A エグジットは IPO 以上に安定してい
ました。堅調な株式市場、低金利、更にエグジット要件を満たす企業の安定的な供給が継続し、2015 年にお
いても M&A と IPO は活発に行われると思われます。しかし、IPO 市場におけるボラティリティを考慮すると、
当社は、長期にわたってより一貫したリターンの創出が可能だと思われる中小企業の M&A エグジットが魅力
的であると考えます。
ベンチャー・キャピタル投資額は調達額を上回る
ファンド募集規模と投資ペース(単位:10 億㌦)
$40
$35
$30
$35
$20
$15
$10
$5
$0
2006
2007
2008
2009
2010
2011
コミットメント総額
2012
2013
Q1 - Q3 2014
投下資本総額
出所:ダウ・ジョーンズ VentureSource 2014 年第 3 四半期ベンチャー・キャピタル市場の概観
3 レイト・ステージ企業の投資前バリュエーションが急上昇
年別及び投資ステージ別の投資実行前バリュエーションの中央値(単位:100 万ドル)
$240 $220 $200 $180 $160 $140 $120 $100 $80 $60 $40 $20 $0 $260
2006
2007
シード・ラウンド
2008
2009
ファースト・ラウンド
2010
2011
2012
セカンド・ラウンド
2013
Q1 - Q3 2014
レイト・ステージ
出所:ダウ・ジョーンズ VentureSource 2014 年第 3 四半期ベンチャー・キャピタル市場の概観
グロース・エクイティ投資は、ここ数年間と同様、米国及び欧州の両地域で引き続き有望な投資セグメントに
なると予想しています。グロース・エクイティ投資は、ベンチャー・キャピタル投資と小型バイアウト投資の中間
に位置する分野ですが、独立した資産クラスとして認知度が比較的低く、市場からの注目度は低い状態にあ
ると考えています。投資機会に対して同資産クラスにフォーカスした運用会社は少なく、競争を回避し選択的
な投資を行えることから、魅力的なリターンが期待できると考えています。同様に重要であるのが、多くの中小
企業にとって資本へのアクセスは大企業に比べて限定的であるため、成長資金を求める中小企業に株式資
本を提供するファンドにとっては魅力的な投資機会が存在します。当社はまた、特にラテンアメリカ地域を中
心とするエマージング市場でも同様の投資機会に着目しています。同市場では、グロース・キャピタルに加え、
経験豊富なプロフェッショナル投資家の経営力が、企業の差別化と高いリターンの創出を可能にすると思わ
れます。ラテンアメリカの起業家は自社のバリュエーションの向上のために、公開市場や大型の公開買収案件
を通じたエグジットを求めており、規模の小ささや流動性の低さに抑えられてはいるものの、バリュエーションは
上昇基調にあります。依然として市場には非効率性が存在し、投資妙味のある資産クラスであるとみています。
セカンダリー市場:プライベート・エクイティ市場での存在感が高まる
当社は、2014年にみられた活発なセカンダリー取引は、2015年も続くとみています。売り手のユニバースの
拡大、金融規制の変化、よりアクティブなプライベート・エクイティ・ポートフォリオの管理、プライベート・エクイ
ティ投資自体の拡大といったセカンダリー市場における近年の成長要因は、基本的には持続性の高い長期ト
レンドであると考えられ、今後もしばらくは投資案件の供給を生み出すと思われます。
加えて、セカンダリー市場は引き続き洗練さを増し、今日では、リミテッド・パートナーとジェネラル・パートナ
ーの両者に、創造的かつカスタマイズされた流動化ソリューションを提供するまでになっています。プライベー
ト・エクイティという資産クラスが引き続き成熟化を遂げるのに伴い、リミテッド・パートナーが望んでいる流動化
4 がジェネラル・パートナーの利益に相反する場合もあるものの、一定期間経過した、または終了時期に近いプ
ライベート・エクイティ・ファンド持分の流動化のソリューションを提供することができるセカンダリー市場の活用
余地は、2015年も健在であろうと当社は予想します。
セカンダリー市場は大きく変動する可能性があり、また公開市場環境や投資先企業からの配当の状況に応
じて急激に変化する傾向があります。セカンダリー市場の投資アドバイザーの一社であるUBSによれば、2014
年上半期の取引高は約150億ドルに拡大しています。2009年以降で取引高が最低に落ち込んだ2013年上半
期の約70億ドルから倍増しています。当社の見解としては、投資先企業のファンダメンタルズを理解し、市場
の混乱に乗じて投資する資金を潤沢に持つバリュー志向の投資家にとっては、こうしたセカンダリー市場の急
激な変化により魅力的な投資機会が生まれると考えています。
セカンダリー市場の取引は引き続き活況
セカンダリー市場の取引高(単位:10 億ドル)
$45
30-40
$35 $40
$25 $30
$20
$15
$5 $10
$0
2007
2008
2009
2010
取引高
2011
2012
2013
H1 '14
予想取引高
出所:UBS 及び一般に入手可能なデータ。セカンダリー市場の取引高予想は当社予測に基づく
結論
プライベート・エクイティについては、他の投資手段との相関性が低く、良好なリターンの創出が可能である
ことから、2015 年も引き続き魅力的な資産クラスであると予想されます。2014 年と同様に活況が続けば、取引
のための資金調達は容易であり、バイアウト・ファンドやベンチャー・キャピタルの投資先企業に対する公開市
場での需要は高止まりしており、様々なプライベート・エクイティ戦略に投資機会があるみています。ディストレ
スト投資を行うファンドは引き続き、特にオペレーショナル・ターンアラウンドを中心に、投資機会を見出してい
ます。最後に、セカンダリー市場については、同市場が発展を続け、現在の市場環境に適応し、堅調さを維
持するでしょう。今後、各プライベート・エクイティ戦略間の魅力度は変化するでしょうが、その多様性ゆえに、
価値創造については多種多様な方法が存在するとみています。
5 ■
手数料等について
投資一任契約に基づく運用報酬
投資一任契約に基づく運用報酬として、受託資産の時価総額に対して年率 1%(税抜き)を上限とす
る金額が徴収され、これとは別に成功報酬(ない場合もあります)、受託銀行に対する報酬等の費用
が徴収されます。また、当資料において記載される戦略は、投資家の利益に資すると当社が判断した
場合には、同様の戦略を有するファンドを組み入れることを通じて提供する場合があります。その場
合、組入れを行うファンドにおいて以下のような報酬等が別途徴収されます。
運用報酬料率:運用報酬料率は、運用戦略、運用資産額、投資スキーム等に基づく商品の内
容及び成功報酬の徴収の有無等により、商品毎又は契約毎に異なりますが、一般的な運用報
酬料率の上限は、運用資産の時価評価額に対して 2.0%となります。ただし、その他の諸条件
を踏まえ、個別案件や投資金額毎に異なりますので、詳細を表示することはできません。
成功報酬料率:成功報酬の徴収の有無及びその料率は、運用戦略、運用資産額、投資スキー
ム等に基づく商品の内容等により、商品毎又は契約毎に異なりますが、一般的な成功報酬料
率の上限は運用資産の超過収益に対して 20%となります。ただし、その他の諸条件を踏まえ、
個別案件毎に異なりますので、詳細を表示することはできません。
その他費用等:商品の種類、スキーム等により各種費用(経費、運営費用、ファイナンス・
コスト、組成費用、取引手数料等)が発生しますが、これら諸費用は運用状況及び資産規模
等により異なりますので、詳細を表示することはできません。
上記の投資一任契約及び組入れファンドに関して徴収される報酬及び諸費用の合計は、戦略、運用状
況及び資産規模等により異なりますので、その総額や上限等について、あらかじめ表示することはで
きません。
■ 投資リスクについて
投資一任契約に基づき投資を行う投資運用商品には、投資信託、株式、債券、為替、先物、デリバテ
ィブ等、各種金融資産が含まれますので、各市場等における相場その他の指標に係る変動等の影響に
より投資価値が下落し、損失を被ることがあります。外貨建資産への投資は、為替変動により損失を
被るリスクを伴います。投資運用商品は、投資元本が保証されているものではなく、投資元本を割り
込むことがあります。投資信託、外国籍リミテッド・パートナーシップ等のファンドに投資する場合、
投資するファンドの種類により投資リスクは異なりますが、主なリスクとして、価格変動リスク、流
動性リスク、信用リスク、為替リスク、金利リスク、デリバティブ・リスクなどがあります。また、
受託資産の運用に関してデリバティブ取引等を利用する場合は、受託資産から委託証拠金その他の保
証金(以下総称して「証拠金」と言います)を預託する場合がありますが、当該取引等にかかる想定
元本の額が証拠金の額を上回る可能性があるとともに、当該取引の対象となる有価証券の価格、利率
又は参照する指標等の変動による損失の額が証拠金の額を上回ることにより、証拠金を上回る損失が
生じ結果として元本を上回る損失を蒙る可能性があります。なお、デリバティブ取引等の証拠金に対
する比率は、取引毎の具体的な条件に応じて決定されるため、予め算出することはできません。
個別商品、戦略等に伴うリスクについては、次頁以降をご確認ください。
当資料でご紹介する戦略においては、一般的にみて投機性の高い投資を行うことが予定されています。
これに伴う投資リスクを網羅するものではありませんが、例として以下のような投資リスクを伴うこ
とが考えられます。
債券、バンクローン、モーゲージ証券、メザニン債等への投資について:これらの商品の価値は金
利、市場環境、信用状況その他の要因により変動します。償還前に債券を売却した場合、売却による
利益又は損失が発生する場合があり、また利子についても何らかの課税の対象となる場合があります。
ハイ・イールド債券(「ジャンク債」)、バンクローン(優先担保及び劣後担保のものを含む)、非
政府系モーゲージ証券、メザニン債等に対する投資は一般的に投機的な投資であり、投資適格債に対
する投資と比較してより大きなデフォルトリスクを伴います。こうした商品の市場価格は、金利、市
場環境、信用状況、政治、通貨の切り下げその他の要因により変動する場合があり、投資適格債と比
較してよりその変動幅が大きくなります。従って、これらの商品に対する投資はすべての投資家に適
6 合するものではなく、投資に当たっては潜在的なリスク及びリターンの特性を十分ご理解のうえご検
討ください。
株式への投資について:大型株への投資の場合であっても、株式投資に関するあらゆるリスクを伴
います。かかるリスクには、全般的な市場或いは経済状況により株式価値が毀損されるリスクを含み
ます。中・小型株式への投資の場合は、財務及びその他のリスクに関し、大型株と比較してより影響
を受けやすい傾向にあり、また、取引量が大型株と比較して限定的であること等から、市場価格の変
動はより大きくなる傾向があります。
外国有価証券及び外貨建て有価証券への投資について:これらの商品に対する投資については、為
替の変動や政治経済の情勢といったリスクを伴い、投資資産の価値及び配当が影響を受けることがあ
り、投資元本を割り込む可能性もあります。また、新興国への投資については、先進国への投資に比
べて市場規模や流動性等の観点から価格変動が大きくなる傾向があるなど、より大きな損失を被る場
合があります。加えて、新興国における経済は一般的に規制が十分でなく、貿易障壁、為替管理、保
護主義的政策及び政治的・社会的不安定性により悪影響を受ける可能性があります。流動性が低い場
合や信頼できる情報が利用できない場合には変動性が高くなるリスクがあります。
ヘッジファンドやプライベート・エクイティ・ファンド等のオルタナティブ投資について:ヘッジ
ファンドやプライベート・エクイティ・ファンド等のオルタナティブ投資は投機的な投資であり、高
いリスクを伴います。ファンドは、レバレッジの高いキャピタル・ストラクチャー商品への投資を通
じて、レバレッジをかけることがあります(レバレッジは高い金利リスクを伴い、金利上昇や景気後
退、原資産の減少といった要因に対し、投資資産のエクスポージャーが増加することがあります)。
これらのリスク要因の影響を受けて、ファンドの運用実績は大きく変動することがあり、結果的に投
資元本の全部又は大部分を失うことがあります。
プライベート・エクイティ・ファンドの組入れを行う場合について:プライベート・エクィティ・
ファンドの場合、一旦ファンドへの出資を行うと中途解約は原則として認められず、またファンドの
持分には通常譲渡制限が付されているため流通市場はなく、今後も整備される見込みはありません。
従って、中途換金は非常に困難であり、流動性は殆ど存在しません。また、ファンドで徴収される報
酬及び費用の発生により、費用控除後の実現利回りが大きく低下することがあります。さらに、これ
らの報酬及び費用の発生によって、投資家に返還される金額が拠出総額を下回る可能性があります。
なお、当資料に記載する戦略をファンドの組入れを通じて提供する場合、当該ファンドに係る条件等
の詳細については今後関係者の承認を経て正式決定される場合があり、その場合当資料中に記載され
た内容が予告なく変更され、またかかる状況において新たなリスクが発生することもあります。
■
適合性原則について
当資料でご紹介する戦略がすべての投資家に適合することを保証するものではありません。当社は、
金融商品取引法等の法令・諸規則等に従い、投資家の知識、投資経験、財産の状況、投資一任契約を
締結する目的その他の個別の事情等を踏まえたうえで、個別戦略の正式なご提案をさせていただくこ
ととしております。なお、投資家の知識、投資経験、財産の状況、投資一任契約を締結する目的その
他の個別の事情等を確認した結果、当社の判断により一定の戦略のご提案を行わない場合や、投資家
からの戦略提案のご要望に応じることができない場合があることをご了承ください。また、かかる場
合に代替的な戦略のご提案をさせていただく場合もございますが、常にそのようなご提案を行うこと
を保証するものではありません。また、正式な戦略のご提案以降であっても、投資家の財産の状況や
規制環境の変化、その他個別の事情等に照らして当社が必要と判断する場合には、当初の提案を随時
見直す可能性があります。厚生年金基金である投資家に対するご提案に当たっては、運用指針(及び、
場合によっては運用の基本方針)等を確認させていただく他、必要に応じて情報を提供していただく
こともあわせてご了承ください。
■

ご注意
当資料は投資一任契約の締結に関して、戦略のご紹介及び当該戦略に関連する情報提供を目的
として作成されたものであり、個別の有価証券の取得の勧誘を目的とするものではありません。
7 



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
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
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当資料は、ファンドの運用会社等の作成した資料をもとに当社が作成した翻訳を含み、必ずし
も原文である英文資料の内容と一致するものではなく、また、その正確性、完全性及び信頼性
を保証するものではありません。
当資料の内容は機密性の高い情報を含むため、取扱いには十分ご注意ください。当資料の全部
又は一部の転写・加工・利用を行う場合には、当社グループの書面による同意が必要です。
当資料に含まれる情報の正確性は保証されるものではなく、今後変更される可能性があります。
当資料に記載されたリスク要因は、記載された商品に関するリスクを網羅するものではありま
せん。投資一任契約の締結に当たっては、事前にお渡しする契約締結前書面や金融商品の販売
等に関する法律に基づき交付する重要事項に関する説明において記載される、当該戦略に関す
るリスク並びにファンド及びその他関係者に関する重要事項について必ずご確認ください。
戦略によって生み出される価値及び配当は、為替レート、金利、又はその他の要因によって変
動しますので、投資の結果投資元本を割り込むことがあります。過去の運用実績は将来の投資
成果を保証するものではありません。目標収益率に並ぶ投資成果や予定した投資分散、資産配
分、並びに投資戦略や投資方法の実行及び投資方針の達成を保証するものではありません。
当資料に記載する特定の経済又は市場に関する情報は第三者の公開情報をもとにしており、当
資料の交付時点における最新の情報に更新されていない場合があります。
当社グループは、当資料に記載する情報(第三者からの情報を含む)のいずれについてもその
公正性、正確性、信頼性、完全性及び妥当性について、明示又は黙示を問わず表明又は保証す
るものではありません。従って、当社グループは当該情報の開示又は利用に関するいかなる責
任や債務も負いません。
未実現利益に係る運用収益率は、将来の運営状況、売却時の資産価値や市場の状況、流動性を
阻害する可能性のある法令上又は契約上の譲渡制限、取引コストや投資タイミング、取引の方
法といった各種の要因に左右されます。また、これらの要因は、記載された過去の投資実績に
使用する評価のもととなる前提条件や状況によって異なります。従って、当該未実現利益が実
現した際の運用収益率は、当資料に記載する収益率と大きく異なることがあります。
当資料は、法令、又は、税・会計に関する助言ではありません。投資一任契約の締結に際して
の、業法をはじめとする法的な検討、信用判断、税・会計に関する検討、取引に伴う経済効果
に関する考察その他の判断はすべてご自身の責任で行ってください。
当資料は、作成時点において信頼できると思われる情報に基づき作成されていますが、その正
確性及び完全性を保証するものではなく、また、当資料の受領者又は最終投資家が当資料に含
まれる情報に基づきとったいかなる行動に対しても、当社グループは責任を負いません。当資
料に含まれる意見や見通しは作成時点のものであり、今後予告なく変更されることがあります。
当資料に記載する過去の事実以外の情報は、作成時点における予想、見込み、見通し、意見、
期待をもとにしています。当該記載事項は既知又は未知のリスク、不確実性その他の要素を含
みますので、その点につき十分にご注意ください。また、当資料は将来の見通しを含んでいる
ことから、実際の発生事実、結果又はファンドの投資実績が当該見通しに基づくものとは大き
く異なることがあります。
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