業界に特化した人材とITソリューションを駆使し マンションの

業界に特化した人材とITソリューションを駆使し
マンションのアフターサービス事業を拡大
株式会社アペックス 代表取締役
岩本 政人 氏
大型マンションの内覧会や、補修工事などのアフターサービスは、手間がかかるだけ
でなく、資材や人件費にムダが生じやすい。株式会社アペックスは、独自開発したIT
ソリューションを駆使し、デベロッパーやゼネコンへのアウトソーシング事業で急成
長している。起業からの20年は、マンションが造って売るだけからサービスを含めた
付加価値向上へとシフトしてきた歴史に重なる。
― 元はオートバイのレーサーだったと
だったこともあり、データベースを作って管
か。なぜ起業されたのでしょう?
理してみようと思ったのです。これが便利だ
今から二十数年前、
レーサー活動を行う
ということで、
ゼネコンやデベロッパーから注
ための資金を得るためにマンション建設
目されるようになり、
ビジネスにしました。
や販売の現場でアルバイトをしていたの
―具体的には、どのようなデータベース
することが当たり前の時代です。お客様
ですが、
そこで現場の抱える様々な問題
ですか。
もマンションにサービスを望むようになり
に直面しました。そうした課題を解決しよ
簡単に言うと、いつ、どこに、どの業者が
ましたが、大手ゼネコンやデベロッパーは
うと始めたのがこの会社です。
何の部材を納入するか、何の作業をする
対応しなければならない戸数が膨大であ
大型マンションは実に多くの業者が出
か、分かりやすく提示するものです。
1999
り、
すべてのお客様に対してきめ細かに対
入りするので、建設時もアフターサービス
年からはアフターサービスの補修工事管
応するのが困難です。そこで当社は、
マン
時も管理するのが大変なんですよ。例え
理システムをASP(インターネットで提供
ションにかかわるアフターサービスのノウ
ば入居後の定期補修。
1世帯が3項目ずつ
するサービス)化し、お客様も含めたすべ
ハウを地道に積み重ね、
それをITソリュー
要望を出したとしても、数百世帯もあるマ
ての関係者がインターネットで最新の情
ションという使い勝手のよい形で提供し
ンション全体では大変な件数になるわけ
報を共有できるようになりました。ご要望
ていますので、デベロッパーの信頼を得る
です。ご要望の内容も水道設備に関する
が正確に伝わるだけでなく、ムダも減り、
ことができたのだと思っています。
ものだったり、内装やドアの不具合だった
お客様や施工関連業者の満足度を大い
最近はアフターサービスだけでなく、
マ
りと多岐にわたるため、様々な業者を呼ば
に高めることができました。
ンションの販売支援、
すなわち内覧会のコ
なくてはなりません。訪問するにしても、お
― 開発したデータベースのユーザー数
ンサルティングや代行も行っています。ア
客様の都合に合わせる必要があります。こ
は、着実に伸びていますね。
フターサービスを手がけるうちに、
マンショ
うした煩雑な管理業務を、当時はすべて
今でこそ「顧客の満足」が第一義とされて
ンを購入したお客様の不満の1つに内覧会
紙とエンピツで行っていたのです。
いますが、20年ほど前のマンションはアフ
時の説明不足があることが分かったので、
その結果、当然のように間違いが起こり
ターサービスにコストをかけなくとも売れた
この事業を思いつきました。
ます。違った部材を届けたり、職人さんを必
し、お客様もクレームを言うすべを持ってい
―消費者ニーズを理解しているから、
要以上に拘束したりとムダも生じました。
ませんでした。だから人件費や材料費のム
必要な橋渡しができるのですね。
そのムダは、大抵の場合、施工費や材料費
ダが出ても、
また購入後のお客様が不満を
お客様とのいい関係が築ければ、企業
として、最終的にお客様が払うことになる。
抱えていても、
デベロッパーは問題の対処に
も居住者もみんなハッピーになる。当社
「おかしい」と思いましたね。
それほど前向きではなかったと思います。
は暮らしに笑顔を実現する会社と自称し
そこで、たまたまコンピューターが得意
それが現在は、
「 顧客の満足 」を重視
ています。
株式会社アペックス http://www.apex-jp.com/