Malaysia 大きく変化しつつあるマレーシアのデータセンターならびに クラウド・国際通信環境 -その発展と価値提供 マルチメディア開発公社日本代表 杉山 尋美 1 マレーシアの概要 首都 気候 面積 人口 (2013) 民族 言語 GDP (2013) 1当りGDP (2013) 中間層比率 * GDP 成長率 (2013) インフレ率 (2013) 失業率 (2013) : クアラルンプール : 熱帯性 : 329,735 km : 30.09 百万人 : 50.4% マレー系 23.7% 中国系 11.0% 先住民 : 7.1% インド系 : 7.8% その他 : 英語, マレー語, 北京語, : 広東語, タミル語 : US$ 249 Billion : US$ 10,548 : 48% * 平均家計所得 1万~3.5万ドルの世帯 : 4.7% : 2.1% : 3.1% 7 hour flight 日本企業のマレーシア進出 製造業中心の進出から非製造業中心へ 進出企業数 1994~1998合計 2010~2014合計 (221社) 95社 43% 126社 57% 製造業 25 (119社) 88社 74% 製造業 非製造業 31社 26% 非製造業 年別進出企業数 20 15 10 5 製造業 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 0 非製造業 出展: 東洋経済新報社 「海外進出企業総覧国別編」 各年号より作成 何故マレーシアか ・東南アジアのハブ、周辺ASEAN諸国への 移動便利 ・優れたビジネス環境 - 地震、台風、津波、洪水等の自然災害がない - 安定した政情、テロ・デモ等社会脅威が少ない - 安全、極めて親日的 ・安価なビジネスコスト - 賃金水準は日本・シンガポールの1/2 スリランカ、バングラデッシュ、ネパール等からの出稼ぎ労働力 - ASEAN地域で最も安い水準の電力料金 - オフィス賃料は日本・シンガポールの1/3 ・多言語(特に、英語・中国語・マレー語)を扱える優れた人材豊富 ・整備された 交通インフラ、データセンター、国際通信環境 4 マレーシアのデータセンター産業 東南アジアのデータセンター M.MR 1200 300 250 200 150 100 50 0 マレーシアのデータセンター マレーシアのデータセンター 売上高推移 千m2 日本: 2,500 千m2 900 795 600 300 630 450 324 0 2011 2012 2013 2014 国内・海外比率 18% 9% 出展:Broad Group , “The Southeast Asia Data Centre Market”,2013 91% 82% 2011 2014 国内ユーザー 海外ユーザー 出展:MDeC 出展:MDeC マレーシアのデータセンター PETALING JAYA Aktifnet CRF MyTelehaus Strateq KL AIMS JARING iTech N2N Patimas VADS KULIM Basis Bay Jaring PENANG Jaring VADS IPOH Jaring VADS SHAH ALAM Basis Bay HDC HeiTech Strateq Maxis CYBERJAYA AIMS Basis Bay CSF CX1 CSF CX2 CSF CX5 Finexus Freenet Masterplan MyTelehaus NTT Pacific LinkTel Skali VADS KOTA KINABALU Jaring LABUAN VADS KUANTAN Jaring JB Jaring VADS KUCHING Jaring 6 Cyberjaya データセンター Data Centre Service Provider In-House Data Centre 7 新データセンターパーク Sedenak Data Center Park Cyberjaya ジョホールバル 北 40 km 700 acre 600 MW 2015/6月着工、2017/6 月 完工予定 Mersing Sedenak Singapore Data Centre Zones Submarine Cable Landing Stations 8 マレーシアのデータセンター : コスト コロケーション ラック価格 IP Transit 価格 Lowest (US$) Median (US$) Highest (US$) 25 1.5 KVA 563 688 969 20 3 KVA 781 1,063 1,406 15 6 KVA 1,094 1,717 2,188 (Mbps当り/10Gbps 回線) US$ Singapore Hong Kong Kuala Lumpur 10 出展: MDCA アンケート調査、2014 電力コスト KWH当り Peak (US$) Off-Peak (US$) Indonesia 0.163 0.081 Singapore 0.135 0.079 Thailand 0.114 0.067 Malaysia 0.102 0.063 出展: MDCA、2015 5 0 2011 2012 2013 2014 出展: Global Internet Geography, Telegeography 2015 9 マレーシアの国際通信環境 2012年末 、マレーシアと日本およびアジア諸国を直結する大容量海底 ケーブル開通 → 2013年以降、マレーシアの通信事情が大きく改善 Asia Submarine Cable Express (ASE ) 国際回線接続 新ルート(直結) ・ 総容量: 1.5 Tbps マレーシア回線容量: 40Gbps ・ NTT Communications, Telecom Malaysia, Star Hub (Singapore), PLDT (Philippines) 共同構築 マレーシアと日本およびアジア諸国 を結ぶ国際回線の、品質、コストが 大幅改善。 ・日本-マレーシア間遅延: 80ms (実測値) 従来の国際回線出口 (シンガポール経由) マレーシアの国際通信環境 Asia Pacific Gateway (APG) 陸揚地: Kuantan, Malaysia 中国、香港、日本、韓国、台湾、 マレーシア、シンガポール、タイ、 ベトナム を連結 2016/2Q 完工予定 Bay of Bengal Gateway (BBG) 陸揚地: Penang, Malaysia オマン、UAE、 ムンバイ、チェンナ イ、スリランカ、マレーシア、 シンガポール を連結 2014/4Q 完工済 11 Malaysia マレーシア政府の支援策 12 Page 12 「MSC マレーシア」 の優遇策 インフラ ワールドクラスのインフラ物理層 を提供 知識労働者 外国人知識労働者雇用無制限 企業所有形態 自由な企業所有形態 資本・借入 自由な資本導入・借入 企業財務面での優遇策 10 年間の法人税免除、5年間の 投資減税 ワンストップ手続き MDeC が全ての手続きを代行 インフラ構築競争入札 MSCインフラ構築の競争入 札契約制度 通信コスト 世界的に競争力のある価 格タリフ 検閲 インターネット無検閲 知的所有権保護 知的所有権保護とサイ バー法 13 MSC MALAYSIA 「MSC マレーシア」 3つの基本クラスター Industry Focus コンピュータを基盤と した情報システムの、 研究、設計、開発、導 入、技術サービス・サ ポート、販売、および マネージメント (自社プロダクトの開 発・販売・サポート等) コンピュータを基盤 としたメディアのマ ルチメディアコンテ ンツデザイン: テ キスト、画像、音 声、イメージ、およ び映像 規模の利益を生かし た共通サービス のシェアード化、なら びにアウトソーシング (受託開発、データセ ンター、BPO、コール センター等) Page 14 マレーシアでの可能性 1 日本企業のグローバル化に伴う、アジア・大洋州地区でのバックオ フィス・オペレーション機能をマレーシアに集約 アジア統括本部機能・営業拠点はシンガポール、オペレーション 拠点はマレーシア 自社シェアード・サービス・センター、または、現地系・日系 プロバイダー の活用 2 日本で成功した各種サービスビジネス(特にIT・ネット活用)の 新規グローバル展開拠点(ASEAN・中近東市場を視野に) 3 ITサービス、BPOサービスを提供するプロバイダーのアジア・大 洋州地区をカバーするデリバリー・センター 4 グローバル・データセンター、グローバル・クラウドハブ、DR/BCM 拠点 5 特定 システム、グローバルパッケージ ソフト、マルチメディア・ コンテンツ等の開発・保守・運用サービス、オフショア化 の拠点 Malaysia マレーシア データセンター / クラウド 活用 事例紹介 事例紹介1: 日系企業 • タイ、インドネシア、マレー シアの各拠点に分散設置 されていたサーバを マレーシアのデータセン ターに集結 インドネシア タイ マレーシア IP-VPN Internet 100 Mbps Best Effort 100 Mbps Best Effort マレーシア・データセンター内 クラウド環境 • その際、クラウド・マイグ レーションも同時に実施。 • インターネットへのアクセ スも、クラウド環境からの 接続に変更 • 効果: ① サーバ統合とクラウド 化による管理コストの 削減 ② インターネット・アクセ スのセキュリティー 強化 資料: NTT MSC Sdn Bhd 17 事例紹介2: OKIデータ 日本のデータセンターで運用していたSAPのERPパッケージをマレーシアへ移管 出展: 日経コンピュータ ITpro, http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20121016/430201/ 事例紹介3: 日系企業 韓国 • アジア向けERPシステム をプライベートクラウドで マレーシアにて構築 • 品質とコストのバランスを 実現 インド タイ Applications The Internet プライベートクラウド for Asia Pacific (NTT DATA Malaysia) インドネシア Infrastructure 資料: NTT DATA Malaysia 19 事例紹介4: World Vision International • 米国で設立された緊急人道支 援、開発援助を行う国際NGO 団体 • 世界100ヶ国に拠点を持ち 45,000人のスタッフを抱える • 全世界の拠点を繋ぐ基幹オンラ イン・システムのグローバル・ ハブデータセンターをマレー シアに設置 • インターネット接続 • マレーシアを選択した理由: ① 発展途上国を中心とした 全世界に低遅延の接続 性が確保できた ② コスト面の優位性 Source: Hitachi Sunway Data Centre Services Sdn Bhd 20 事例紹介5: 日系企業 マレーシア Back-up DC シンガポール Primary DC • アジア・パシフィック 各国に分散設置されて いたITインフラをシンガ ポールに統合。 • Back-up DCサイトを マレーシアに設置。 MSC MALAYSIA World Class Infrastructure 30 Cyberjaya Technology Park Malaysia Kuala Lumpur City Centre UPM-MTDC KL Sentral Meru Raya Bandar Utama TM Cybercentre Complex Mid Valley City Bangsar South City i-City Kulim Hi-Tech Park Penang Cybercity 1 Malaysia サイバーシティー サイバーセンター KL Tower Menara MSC Cyberport Putra Square GTower Spansion Symphony House Quill 9 The Intermark Wisma Hamzah Kwong Hing Jaya 33 Puchong Financial & Corporate Centre (PFCC) Melaka International Trade Centre マレーシア データセンター 事業者の紹介 マレーシアのデータセンター紹介(1) マレーシアを拠点にワールドワイドな通信、 データセンター、クラウドサービスを提供 1997年に MSC Malaysia 認定取得 2001年 第1号データセンター建設 2012年 700ラック級のグリーンデータセンター (第3号棟)を開設。 2014年4月、TVRA基準を満たす、1000ラック 級ハイセキュリティ・データセンター(第4号 棟)を開設 1998年 Free Net Business Solutions 創業。 2001年 MSC Malaysia 認定取得 2013年 日立システムズが Sunwayと合弁で Hitachi Sunway Information Systems (HSIS)を設立 2014年 HSIS がFree Net を買収、子会社化。 Hitachi Sunway Data Center Serviceに改名 データセンター・ソリューションをはじめとする マネージド・サービスを中心に、クロスボーダー にサービスを提供 2015年5月 subscription ベースの Recovery-as-aService (RaaS) をマレーシア から 提供開始 マレーシアのデータセンター紹介(2) Telecom Malaysia のデータセンター 子会社 TIME (マレーシア第2の通信事業者) のデータセンター子会社 マレーシア国内14ヶ所、及び香港に データセンター開設 マレーシア国内4ヶ所にデータセンター 開設。 コロケーション、ホスティング、マネージ ド・サービス、デザスター・リカバリー、 BCM マレーシア IX 主要接続サイト クラウドサービス (IaaS, PaaS, SaaS) コロケーション、マネージド・サービス、 クラウド・サービス (IaaS) マレーシアのデータセンター紹介(3) データセンタースペース・ホールセー ラー最大手 データセンタースペース・ホールセー ラー マレーシア国内4ヶ所およびジャカルタに 開設。総提供スペース:58,000 m2。 2012完成のCX5は、提供スペース 20,000 m2のグリーン・データセンター データセンター・イン・データセンター、お よびコロケーションまで。 ハイ・デンシティ電力(15KVA)供給可能 提供スペース:約 5000 m2 データセンター・イン・データセンター、お よびコロケーションまで。 大口ユーザー 主体 欧米系多国籍企業のグローバル・デー タセンター・ネットワークのアジア・ハブ Thank you visit us at : www. mscmalaysia.com.my マルチメディア開発公社 日本代表 杉山 尋美 Email: [email protected]
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