海底資源開発と低頭型プラットホーム

No.13
【関連トピックス】
13
No.
Proceedings of the ASME 2013 32nd International Conference on Ocean, Offshore and Arctic Engineering
OMAE2013
June 9-14, 2013, Nantes, France
●(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構に提案し、採用さ
OMAE2013-10670
れました。
NEW PLATFORM TO MONITOR THE ENVIRONMENTAL IMPACTSOF SEAFLOOR MINING
今回ご紹介いたしました装置は、
日本の海底資源開発を
リードする
(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構様に平成
25年度及び平成26年度の熱水鉱床開発に係る環境調査
に採用頂きました。
●装置に関する論文が学会誌に掲載されました。
今回ご紹介いたしました装置に関する論文が、国際学会
International Conference on Ocean, Offshore
and Arctic Engineeringの学会誌に掲載されました。
Nobuhiro Maeda
The General Environmental Technos Co., Ltd.
Osaka, Japan
Yosuke Onishi
The General Environmental Technos Co., Ltd.
Osaka, Japan
Satoshi Kato
NichiyuGiken Kogyo Co., Ltd
Saitama, Japan
Tetsuo Yamazaki
OsakaPrefectureUniversity
Osaka, Japan
ABSTRACT
Various unconventional natural resources (e.g. seafloor
massive sulfide, methane hydrate and manganese nodules)
existing on and under the seafloor will possibly be mined in the
near future. When mining these deep sea resources, it is
necessary to monitor the environmental impacts of seafloor
mining. Environmental impacts have been usually monitored by
mooring systems or stations put on the seafloor. Mooring
systems consist of floats, sinker and sensors. Their heights rang
e from one hundred meters to several kilometers. In order not to
entangle in the mining machine and the support cable, it is
impossible to put the mooring systems within the distance of
their heights from points of the operation safety. The stations
consist of a frame and sensors. Their heights are about a few
meters. Therefore, we are able to put the stations near the
mining point, but we can’t observe the upper water layer. In this
study, we have developed a new platform to observe the
environmental condition near the mining point and the upper
layers of the seafloor. The developed platform consists of frame,
sinker, releaser, winch, battery and sensor assembly. Because the
size of this is 2 x 2 x 2 m, we can put this near the mining point.
The sensor assembly is moved from the seafloor up to 150 m by
the winch. This platform can automatically observe the
environmental condition for several months without external
power supply by using the internal battery. Therefore, we can
automatically observe the environmental condition near the
mining point and the upper layer by using this new developed
platform. The platform is also effective for environmental
monitoring near deep-sea petroleum exploitation points.
INTRODUCTION
Past studies have revealed that many resources existed on
and under the seafloor (e.g., Halbach et al., 1989, Iizasa et
al., 1999). Many of these resources have not been mined,
because of technical difficulty and higher cost of seafloor
mining than those of the terrestrial resources. However, higher
metal market prices increased from 2006 to early
2008.Therefore the possibility of seafloor mining has been
greatly recognized.
Concerns for the oceanic environment and biodiversity are
growing, therefore it is necessary to undertake environmental
researches, before the mining. In case of manganese nodule
mining, multi-disciplinary environmental studies (oceanography,
geology, geochemistry, ecology and geotechnical engineering)
have been undertaken in many countries (e.g.,Yamazaki and
Kajitani, 1999).
In the environmental monitoring associated with mining of
deep sea resources, biomass, physical parameters (temperature
and salinity) and chemical parameters (e.g. methane and
turbidity) must be investigated. Since we can consider that
potential impacts of mining are largest around the excavator,
therefore environmental condition must be monitored near the
excavator.
The height of the contaminant plume may vary according to
the type of contaminants and drilling methods. Therefore, we
assumed that the height of the plume of contamination is 100m
1
今回の
テーマ
海底資源開発と低頭型プラットホーム
Copyright © 2013 by ASME
会 社 株式会社 環境総合テクノス
紹 介 (略称:KANSOテクノス)
環境
Environmental
Engineering
(株)環境総合テクノスは、
「環境」、「土木」、
「建築」の事業分
野からなる総合エンジニアリング企業です。
これら3分野が連携し相乗効果を発揮することによって、調
査・診断・分析・コンサルティングから計画・設計・施工・メンテ
ナンスに至る全ステップにおいて、高品質で付加価値の高
The General Environmental
Technos Co.,Ltd.
土木
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建築
Construction
いサービスを一貫して提供します。
<会社所在地>
(
本
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<お問い合わせは右の連絡先までお願いします>
(計測分析所) 交野市東倉治3丁目1−1
( 統 括 支 店 ) 若狭、富山、名古屋
(
支
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) 東京、京都、奈良、滋賀、和歌山、姫路
宇奈月、庄川、神通川、上松、今渡
( 営 業 所 ) 美浜、高浜、大飯
( 事 業 所 ) 宮津、敦賀
(HPに掲載)
<発行箇所(連絡先)
>
営業部 営業統括グループ
岩本
No.1「希少生物の保全(植物)」
No.3「二酸化炭素回収・貯留技術」
No.5「生物多様性に配慮した緑化技術」
No.7「海水標準物質」
No.9「大気環境予測技術」
No.11「建築物の保全・改修技術」
海底資源開発と環境保全
近年、金属資源価格の高騰等により海底資源開発が世界的に注目されています。特に、世界第6位の排他的
経済水域をもつ日本では、経済水域の海底に多くの希少金属やメタンガス等の有効資源が存在し、今後の開発
TEL:06-6263-7306
FAX:06-6263-7307
が期待されています。海洋立国を目指す日本では海洋基本法を根拠法とする
「海洋エネルギー・鉱物資源開発
《当社ホームページもお楽しみください》
計画」
が平成25年度に策定され、海底資源開発を国策とし、将来的には民間主導の商業化を目指すことが明記
http://www.kanso.co.jp/
( 事 務 所 ) 福島
技術の眼バックナンバー
KANSOテクノス技術の眼
No.13(2014.12.25発行)
No.2「非破壊探査技術−電磁波探査」 No.4「開発事業と猛禽類保護」
No.6「リモートセンシング技術」
No.8「新バイオ燃料資源の開発」
No.10「ダム建設における基礎処理技術」
No.12「環境放射能分析」
されました。一方、国際的には国際海底機構(International Seabed Authority)が国連海洋法条約に基づ
き、無秩序な海底資源開発が進められることがないように管理しており、海洋環境保全を最重要課題としていま
す。
しかし、国内外における海底資源開発の事例は少なく、環境モニタリング手法は未だ確立していません。
今回ご紹介いたします
「低頭型プラットホーム」
は、海底資源開発時の環境影響を正確かつ効率的にモニタリ
ングすることを目的に開発され、
現場海域において連続的に海洋環境データを計測することを特長としています。
No.13
海底資源開発時の環境モニタリング手法
昇降
センサ部
海底資源開発時の環境モニタリング
係留系の場合、採鉱機のケーブルと
絡まるので近傍に設置できない
では、海底資源開発に伴い発生する「濁
濁り
り」等の影響を正確に把握する必要があ
ります。そのため、海底資源開発時の環
昇降
150m
境モニタリングには、①時間的に連続し
た観測(連続時系列観測)、②影響範囲を
空間的に把握できる観測、などが求めら
濁りの発生
係留系観測
れます。従来、連続時系列観測として、
「係留系観測」や「海底設置型プラット
採鉱機
温度・塩分・圧力センサ
流向・流速計
フレーム
ホーム」が採用されてきました。しかし、
設置用ジグ
係留系観測の場合、調査船から採鉱機へ
海底設置型プラットホームの場合
上方(濁り)の観測ができない
のケーブルと観測器のケーブルとが混
浮力体
線して絡まる危険性があります。これを
切離装置
防ぐためには、係留系を離して設置する
ことになり、開発場所近傍での観測がで
濁りの発生
きず、
「正確な環境影響評価が出来ない」
昇降
センサ部
バッテリー
コントロールユニット
ことになります。
海底設置型プラットホームは開発場所
近傍に設置することが可能ですが、上方
海底設置型プラットフォーム
採鉱機
に拡散する成分を観測することが不可能
です。上方観測の手段として、昇降ウィン
図-2 自動昇降装置付低頭型プラットホーム
(左)
と自動昇降稼動時の模式図(右)
自動昇降装置はセンサ部(各種センサを内蔵した浮力体)
を150m昇降できます。昇降の設定(頻度等)
は事
図-1 従来の観測手法
チ機能を搭載したプラットホームが有効ですが、
これまでの装置は大型で消費電力が大きいので陸上からの電
源供給が必要でした。日本周辺海域では、陸上から数百キロメートル離れているため海底ケーブルの敷設が難
しく、装置の省電力化および小型化が必要でした。
低頭型プラットホームの開発
前に船上で設定し、自動観測を行なうことができます。
自動昇降装置に接続されたセンサ部は、温度・塩分だけでなく、海底資源開発時の環境影響で重要な濁度を
測るセンサを搭載しています。その他にもpH、メタン、多環式芳香族炭化水素等のセンサが搭載可能ですの
で、様々な海底資源開発に適用可能です。
低頭型プラットホームの応用
当社では、従来型の係留系と海底設置型プラットホームの欠点を克服した「自動昇降装置付低頭型プラット
低頭型プラットホームは、深海における海底資源開発時の環境モニタリングに活用し、お客さまからも高い評
ホーム」を開発しました。開発したプラットホームは、下記の特長を有します。
価をいただいております。今後は、以下のような用途にも適用可能と考えています。
①無人・自動観測(海底設置後は自動観測)
ができます。
①沿岸域での自動観測
②大きさが2×2×2mと小さく、開発区域近傍に設置可能です。 本装置はコンパクトであり、観測時以外はセンサ部が収納されていますので、航行船舶が多い海域など、係
→ 従来型より高さが低いことから
「低頭型」
と名づけました。
留系を設置することが難しい海域での調査に適用可能です。
③自動昇降装置付センサによる上方150mまでの鉛直観測が可能です。
②海底近傍の自動観測
④バッテリーを搭載しているので、陸上からの電源供給が不要です。
本装置は、海底における自動観測を長期間実施することが可能です。センサ部の鉛直データと合わせること
→ 観測間隔によって数ヶ月観測可能となります。
で、海底近傍に生活する希少生物の生態系解明に寄与する貴重なデータを取得することができます。