山行記 北海道・後方羊蹄山、幌尻岳 【山 行 日】 2015年8月20日~24日 【費 用】 77,000円 【メンバー】 CL 仙石、島田 【コースタイム】 8月20日 小金井 7:02=小山 7:10=浜松町=羽田 9:30 10:30 発 JAL511 新千歳 12:15 オリックスレンタカー 支笏湖経由=ニセコ オオワシロッジ泊 倶知安に買い出し 8月21日 4:00 起床 登山口 5:32-九合目 9:50-お釜縁 10:15~10:20-後方羊蹄山山頂 10:50~11:30 -九合目 12:15-登山口 15:25=支笏湖経由=苫小牧 17:30 BH モトナカノ お好み焼き 8月22日 ホテル発 6:30=とよぬか山荘 8:30~9:30=第 2 ゲート 10:25~10:30-北電取水口 12:50- 幌尻山荘 15:10 8月23日 3:00 起床 4:15 発-命の水 6:20-P1829 7:30~7:40-幌尻岳 8:40~9:10-肩 9:55- 戸蔦別岳 11:35~11:45-山荘分岐 12:10~12:25-六の沢 14:00-幌尻山荘 14:50 8月24日 5:05 山荘発-北電取水口 7:00~7:20-第2ゲート 9:10~11:00=とよぬか山荘 11:55~12:10 =とねっこの湯=新千歳レンタカー返却 14:30=空港 17:00 発 JAL518 羽田 19:00= 小山 22:00 深田の百名山をやることになって、年初で 92 になっていた。残りは大 変なところばかり。特に北海道の幌尻岳はアプローチは長いは、徒渉は あるわで手強い相手だ。若い頃だったら一人で行ってもチョチョイノチ ョイだけど、60 歳を過ぎた老ハイカーにとっては不安だらけだ。幸い今 回は実さんが同行してくれることになり本当に感謝している。 (仙石) 移動日(20日) 8 月 20 日は、札幌からニセコまで。新千歳でレンタカー。まずはどっ ちに行ったら良いか、方向感をつかむまでが大変だ。コンパス使って頭 を修正しなくては・・・・? (仙石) 後方羊蹄山(21日) 二段ベッドのライダースハウスみたいな安宿。でも、シャワーお風呂 あり、炊事場はすべてそろって、なかなか快適かもしれない。若者の姿がたくさん。我々も昔の若者?(ば か者?)である。 1 4 時起床で、下のキッチンでカレーうどんを食する。 (このとき洗った食器を一つ忘れる) 登山口はキャンプ場になっているが、テントは一つ。一合目までは林道みたいな広い道をユッタリと登っ てゆく。しかし、一合目の標識を過ぎると急登が始まる。2 合目、3 合目と行くとニセコのスキー場が段々に 下がってゆく。ゆっくりだけれども少しずつ高度を上げている。下の方からドン、ドンと音がする。自衛隊 が早朝からの訓練らしい。北海道は自衛隊なんですね。落葉樹のトンネルをひたすら登る。登る。4合目、 5合目、小休止。ただひたすら登る。7合目、8合目、9 合目の手前から大きな岩の中を登るようになる。9合目の 分岐を左へ、ハイマツの中に続くトラバース気味に登って ゆく。右は避難小屋経由である。30分ほどで火口お鉢の 上に出る。雄大なお釜が深く落ち込んでいた。降りてきた 人、 「山頂は?と聞かない方が良いよ」と。山頂はお鉢を廻 って反対側まで行く。やっとお釜の縁にきたけど、山頂ま では結構有る。20分以上掛かる。岩尾根を上り詰めて、 山頂。大岩の山頂に大きな標識、蝦夷富士、標高差 1540m は登り甲斐のある山であった。 (仙石) 幌尻山荘へ(22日) 朝 5:30 に起きると、外は雨。川の増水・・え・・と思いながら、準備をする。今回の山行では、極力出 費を抑える努力をした。前泊のニセコは、2,500 円/一人、苫小牧のビジネスは、4,600 円/一人(当然食事な し)室内は暑かったが、冷房なし。窓を開けると国道の騒 音が…。寝苦しい夜を過ごして、朝、雨。小雨なので気を 取り直し、パンを食べ、車へ。無料の高速に乗り、一路「と よぬか山荘」へ向かう。途中から雨も上がり、曇り空に。8: 30 に山荘に着く。シャトルバスは、9:20 発予定。バスが 来ない。30 分過ぎにようやく姿を見せた。約 1 時間未舗装 の林道を進む。 昔は、牧場等があったそうで、所々整地があるが、セイ タカアワダチ草に占拠されている。バスの乗員は、3 名。 これなら山小屋もすいているだろうと思い第 2 ゲ-トから 林道に踏み出した。 約 3 時間、タダタダ歩く。川の濁流?の音をききながら 歩く。途中 2 か所に、熊の排せつ物があった。最初のは、古いが、次のは、まだ触れば温かい様な(触って いないが)新鮮な状態。仙石さんのスズの音が、熊に知らせるかの如く、チーリンと鳴る。途中で昼食を済 ませ、北電取水口に着く。これから、山道に入って行く。ザックは、3 日分の食糧・水・寝具等で、ずっし りと重い。でも、林道より足に優しい登山路。これからの徒渉に期待と不安を胸に秘め、2 人無言で歩を進 2 める。30 分ぐらい進み、左岸の岩場が現れ通過するには、危険性があると判断し、沢靴に履き替え、徒渉を 開始する。 (帰りは、岩場を通る。クサリがあるのが見えなかった)仙石さんが、棒を持って、深さを調査し、 ルートを決め、先に徒渉する。ズボンを捲りあげ、川に足を入れる。2 歩目膝程度まで潜る。冷たさは、あ まり感じない。右岸側からすぐに 2 回目の渡渉で左岸へ。水面下の飛び石の上に乗り、牛若丸(?)のよう に渡る。しばらくは、左岸の山道を進む。前から若者が下山してきた。 「もう少しで最初の徒渉場所に着きま すよ」と声をかけてくれた。徒渉場所・上陸場所には、目印があるのだが、分かりづらい。さすが、仙石さ ん、的確に見つけてゆく。最初の徒渉から比べたら、飛び石もあり、水深もそれほど深くなく、楽しむこと が出来た。ただ、滑って、転ぶ危険もあるので、つい慎重になる。ズボンの濡れることを覚悟すれば、川底 を歩いて渡ることもできる状態だ。 20 数回徒渉を繰り返し、また、大岩ではクサリを使い回り込んだり、今までに経験しない、山行を味わい、 幌尻山荘に着いた。外のブルーシートには、20 名以上の先客がいた。我々も、寝床(毛布半分)を確保し、 まず 350cc700 円のビ-ルで乾杯。隣で、岩魚を焼いている。 (そばの川でいくらでも釣れるそうです。次に行 かれる方は、簡単な釣り具と餌を持ってゆくと良いですよ)夕食は、焼酎とカレーライス、美味しかった。7: 30 に消灯した。 (島田) 幌尻岳に(23日) 3 時起床。朝食に餅いりそうめんを食し、小屋の横から、登り始める。最初からかなりの急登が続く。尾 根らしきものが見えるが、遠い。朝早いので、鳥の鳴き声も聞こえない。無言の二人の足音と、チーリンだ けが、木々の中に吸い込まれてゆく。30分後衣類調整で小休止。気温は、15度前後か。長袖1枚になる。 約1時間、木々の間を登る。90度近く曲がり尾根に出た。眼下に、北カ-ルが見える。大きい。幌尻岳 山頂らしき頂も、さらに左側には戸蔦別岳がニョッキリそびえ立っている。その周辺をヘリが旋回を繰り返 している。遭難者か?どうやら自衛隊の訓練らしい。それを聞き、少々興ざめしながら、カ-ルに沿って尾根 を歩く。 心地よい冷風と、素晴らしい景観に心癒され、山頂を目指す。カール草原には、無数のけもの道が、交差 している。花々は、終わりに近く、一面花とはいかなかった。 (8月上旬が良いかも)50分程度で、命の水 の処に着くが、10分程度下るとの事前の情報から、通過する。山頂は見えるのだが、まだ、ゆうに2時間 はかかる。登り易い尾根道をゆっくり楽しみながら行く。至福の時である。 山頂が近づいて来た。東カ-ルも見える。山頂でゆっくり昼寝でもしたら最高だと思いながら、30分休 んで計画通り、戸蔦別岳に向かうべく、北に進路をとった。ここからは、登山路はあるのだが、利用者が少 ないのか、細尾根で榛松が道を塞いでいる。ストックで、かき分け、路面を確認しながら、下って行く。下 りの進みは早い。またたく間に、幌尻山頂が遠ざかる。時々霧の中に見える東カールを見降ろしながら、細 尾根を肩まで下る。 肩からの下りは、すごい。300m以上 60 度?近くで落ちてゆく。下りだから我慢して下りるが、下から、 大学生くらいの4人組が登ってくる。降り切って見上げてみると言葉では表現できない。北海道は大きい。 いくつかの岩盤ピークを超え、戸蔦別岳の麓に着く。 3 右に七ツ沼カ-ルをみながら1時間30分ひたすら登る。10度前後の冷風が火照った肌をやさしく包む。 戸蔦別岳の山頂は、30㎡に満たない広さ。写真をとり、幌尻山荘分岐に向かう。分岐までは下り30分。 コルの部分に分岐らしい道が下っている。GPSで確認するが、少々ずれている。地図上では、尾根を下 る。尾根分岐まで登って見るが、道らしいものは見つからない。分岐で小休止し、下山を開始する。 (とよぬ か山荘で「あの急坂は、絶対に登りたくない」と管理人がいっていた言葉を思い出す)榛松は、大きく成長 し、道を覆い、背丈も隠す。路面は、岩だらけで滑る。大きな段差もあり、ストックを片手に、後ろ向きで 下りる。高度を下げても、勾配は変わらず、榛松から笹に代わり道を塞ぐ。木の根が出たり、段差があった り、先行する、仙石さんから声がかかる。楽しかった、尾根歩きは、どこに?やめたくても下りなければ、 下界に帰れない。頑張る。 2時間下り、登山路がジグザクになる。もう河原まで近いはずが、水の音はすれども、着かない。丈の大 きな笹密集地に出た。もう少しで河原だ。 河原に着き、浅い徒渉を2回繰り返し、下って行く。疲れた。水を補給し、岩を渡る。後 300mで小屋に 着くと言われ、奮起するが、300mが遠い。小屋の側の徒渉に来た。深い。登山靴では、だめ。リーダーに靴 脱いで、靴下で渡っていいかと聞く。O.K.だ。靴をザックに入れ、川の中へ。冷たい、気持ちいいを通り 越して、痛い。沢靴の時は感じなかったが、さすが北の大地。 小屋に着き、幌尻岳山頂で一緒だった人達に「すごいですね。お疲れさま」と言われ、達成感をかみしめ た。夕食前のビール・昼食で残ったお赤飯・焼酎・美味しい。7:30分消灯。隣の若者が寝返するたびに 私にぶつかる・・・。 (島田) 下山(24日) 4時に起床。仙石さんの料理で朝食のそうめん(餅入り) 。この麺まずい。 (御免)半分食べて、魚のえさ に。登山靴・寝具等をパッキング。沢靴に履き替え、徒渉開始。朝早く気持ちがいい。登りの時とは、徒渉 の景色が違う。大きく川を渡るのは、22回まで数えたが正確ではないかも知れない。今回は、天候に恵ま れ、増水はなく安全に徒渉できたが、登山者の多くが、他県から来ているとの事。危険を察知して登山を止 める勇気を持てるか・・・。 4 帰りは、一気に下って、最後の徒渉はゆっくり足を運んだ。登りで通らなかった岩場も、通過し、北電取 水口まで来て、沢靴から通常の登山靴に履き替え、林道を黙々と下る。9時のバスに乗れるかもしれないと。 1時間50分でバス乗り場へ、バスの姿はなし。人影もなし。冷水で、顔や体を拭く。幸せ。アサリスープ を飲み、バスを待つ。11時過ぎに乗車。とねっこの湯で3日間の汚れを流し、千歳空港へ。 仙石さんお疲れさまでした。北海道の大きな山に登れた事を感謝します。 (島田) 5
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