公的研究費の管理・監査体制と不正防止計画 機関内の職務権限の明確化 学長は、最高管理責任者として、本学における公的研究費の運営・管理全般を総括及び指 揮監督するとともに、基本方針の策定を行い、最終責任を負うものとする。 副学長は、統括管理責任者として、最高管理責任者を補佐するとともに、その命を受け公 的研究費の運営・管理について具体案の策定及びルール実施状況の確認等を行い、統括する ものとする。 文学部長、経済学部長、社会福祉学部長、短期大学部長及び総合研究センター長は、部局 責任者として、最高管理責任者の命を受け、公的研究費の運営・管理について掌理するもの とする。なお、総合研究センター長は、コンプライアンス推進責任者及び研究倫理教育責任 者を兼務する。総合研究センター長以外の学部長は、コンプライアンス推進副責任者を兼務 する。 事務局長は、経費管理責任者として、最高管理責任者の命を受け、公的研究費の運営・管 理に関する事務をつかさどる。 研究支援課長及び財務課長は、事務取扱責任者として、最高管理者の命を受け、公的研究 費の運営・管理をつかさどる。 研究代表者その他の研究事業の実施を管理する者を事業実施責任者とする。研究者は、 「北 星学園大学 公的研究費の管理監査実施体制に関する規程」第3章〔関係ルールの遵守と不 正使用・不正行為等の防止〕に定められている通り公的研究費に関する法令及び本学のルー ルを遵守するとともに、公正かつ効率的な使用に努めなくてはならない。 適正な運営・管理の基盤となる環境の整備 本学では「北星学園大学 公的研究費の管理監査実施体制に関する規程」を定め、教職員 及び関係部署の事務担当者等への更新した内容を周知徹底する。統括管理責任者である副学 長は、適切なチェック体制が保持できるよう、常に同規程の見直しを行い、必要に応じて規 程改正を諮り、また各学部では教授会等において、規程の遵守に関して周知する体制を確立 する。また、研究活動の信頼性と公正性を確保するため、全学危機管理委員会において「利 益相反マネージメント要領」及び「倫理要項」の中で規程整備等に取り組むとともに、研究 者の研究倫理に反する行為(二重投稿や不適切なオーサーシップ等) 、利益相反及び守秘義務 への理解が促進されるよう努める。研究者は、利益相反または研究倫理に抵触するおそれの ある研究を遂行する場合には、大学危機管理委員長に利益相反自己申告書または研究倫理審 査申請書を事前に提出し、その研究内容について申請・報告をし、その承諾を得なければな らない。各研究データは、一定期間機関管理において保存し、公開可能な状態とする。 情報の周知を確保する体制の確立 本学は、研究活動全般に関する「研究支援課からのお知らせ」及び文部科学省科学研究費 助成事業に係る「北星学園科研費取扱いの手引き」 「科研費FAQ」等を作成し、これらを紙 媒体により配布及び学内教職員ホームページ内において使用方法等を迅速かつ明確に常時周 知できるようにする。また、本学教職員を対象とした学内説明会を毎年度2回開催し、科研 費等の公的研究費への応募者及び採択者に対してその出席を義務づける。コンプライアンス 推進責任者・研究倫理教育責任者を兼務する総合研究センター長、事務管理責任者及び事務 担当者は、公的研究費に関する機関管理の重要性を確認するとともに、公的研究費の使用に 関するルール、不正使用及び不正行為の防止並びに関連法令及び学内関連諸規程の遵守その 他の事項について説明し、教育職員及び事務職員に対してコンプライアンス教育及び研究者 倫理教育等を徹底する。 公的研究費の執行に関するルール相談等については、研究支援課が受け付け、これに対応 する。 調査及び懲戒に関する規程の整備及び運用の透明化 公的研究費の運営・管理に関する不正使用行為、の通報(告発)は、総務課及び研究支援 課において受け付ける。不正使用・不正行為に係る調査の手引き及び運用については、 「北星 学園大学 公的研究費の管理監査実施体制に関する規程」に基づき以下の通り定める。 〔調査体制〕 ①調査統括責任者は、統括管理責任者である副学長とする。 ②調査実務責任者は、部局管理責任者である学部長、コンプライアンス推進責任者である 総合研究センター長及び経理管理責任者である事務局長とする。 ③調査担当部署は、事務管理責任者である研究支援課長とする。 ④必要に応じて調査委員会に外部有識者等を参加させる。 〔調査手順〕 ①不正使用・不正行為の初動対応として、不当執行・不正行為の事実を最初に知り得た者 は、当該課長へ直ちに連絡する。 ②当該課長は、現況及び関係書類を保全し、総務課長または研究支援課長へ直ちに連絡す る。 ③受け付けた通報については、財務課長、総務課長及び研究支援課長が対応する。組織対 応報告書については当該課長が作成する。 ④財務課課長また研究支援課長は、事務局に直ちに連絡し、その指示を受け、関係者と面 談・調査を実施するとともに、案件に関する書類を保全し、研究支援課の取り扱いにつ いて確認する。 ⑤事務局長は、公的研究費の不当な執行行為があったと疑われる場合は、全学危機管理委 員会に申立てを行い、統括管理責任者である副学長を委員長とした調査委員会の設置及 び不正内容の調査・解決を要請する。 ⑥通報受理から30日以内に調査委員会を設置し、通報内容の合理性を確認した上で、本 調査の要否を判断する。本調査を開始する場合は、その旨配分機関に報告する。また、 報道や会計監査院等の外部機関からの指摘による場合も、同様の取り扱いとする。 〔状況の把握と対応〕 ①本調査の開始から150日以内に不正行為の有無の認定を行い、認定結果を配分機関に 報告するものとする。 ②迅速な全容解明のため、不正調査の期限は、通報・告発等の受付から210日以内とす る。 ③調査結果の公表まで、告発者、被告発者、告発内容及び調査内容については、調査結果 の公表まで情報漏えいのないよう関係者の秘密保持を徹底するものとする。 ④調査委員会の調査中は、必要に応じて、被告発者等その他調査対象となっている者に対 し、調査対象制度に係る公的研究費の使用の停止を命ずるものとする。 ⑤調査の実施に際しては、調査方針、調査対象及び方法等について配分機関に報告すると ともに、必要な事項について協議する。 ⑥全学危機管理委員会は、調査委員会の調査により、明らかに公的研究費の不当執行及び 不当行為があったと疑われる場合、関係者への面談・調査を実施し、不正の有無及び不 正の内容、関与した者、関与の程度及び不正使用の相当額について認定し、その認定結 果を配分機関に直ちに報告するものとする。 ⑦告発等の受付から210日以内に、調査結果、不正発生要因、不正に関与した者が関わ る他の競争的資金等における管理・監査体制の状況及び再発防止計画等を記載した最終 報告書を配分機関に提出する。期限までに調査が完了しない場合であっても、調査の中 間報告を配分機関に提出する。また、調査の過程であっても、不正の事実が一部でも確 認された場合には、その事実を速やかに認定し、その認定結果を配分機関に報告する。 さらに、配分機関の要請がある場合には、調査の終了前であっても、調査の進捗状況の 報告及び調査の中間報告を当該配分機関に行う。調査への支障その他正当な事由がある 場合を除き、当該事案に係る資料の提出または閲覧及び現地調査に応じる。 ⑧明らかに公的研究費の不当な執行、物品の購入または工事の契約もしくは発注に係る機 器備品または工事等について、その対応策を検討する。また、私的流用等、不正行為の 悪質性が強い場合には、刑事告発その他の法的な手段の必要性について検討するものと する。 ⑨不正の背景、動機等を総合的に判断し、悪質性が強い関係者に対して懲戒処分が必要で あると認められる場合は、「北星学園職員の懲戒に関する取扱要領」及び「北星学園懲 戒処分の基準」に従って懲戒措置を上申するものとする。 ⑩公的研究費の不正使用及び不正行為が明らかとなった場合には(疑いも含む)、不正を 行った者の氏名を含め調査結果を公表するものとする。 ⑪国による調査の結果、研究機関の体制の不備が認められた場合、文部科学省及び同省所 管の独立行政法人から競争的資金の配分を受けている研究活動において不正行為が認 定され、「管理条件」を付されてもその履行が認められない場合、または、競争的資金 の配分を受けている研究活動において不正行為の疑いのある公的研究費の使用が確認 されたにもかかわらず、正当な理由なく調査が遅滞した場合には、配分を受けた間接経 費が削減され、または配分が停止されるなどの措置が段階的に発動されうることを認識 し、その旨を教育職員及び事務職員に周知させ、ガイドラインの履行状況の調査等を実 施するものとする。 ⑫当該課長は、公的研究費の不正使用及び不正行為の対応について事後に検証し、再発防 止策について検討するものとする。 不正防止計画の策定・実施 〔不正発生要因の把握〕 本学では、不正が発生する要因は、研究者個人の意識の問題であるとともに、研究機関に おける研究費の管理体制の問題であると捉える。研究者は、研究者個人が獲得した私的資金 であるとの誤った認識を持ってはならず、国税を原資とする公的研究であることを自覚しな ければならない。また、研究者にとって、高等教育機関に勤務する者として社会的責任を自 覚し、倫理観を持って研究活動に携わることが重要であると考える。意図していなくても結 果として不正が起こる可能性があるという認識のもと、組織全体で不正行為を防ぐ環境を整 えていくことが重要であると考え、不正が発生する要因について把握するよう努める。 公的研究費の適正な運営・管理活動 本学のすべての教育職員及び事務職員の意識の向上を図るため、学内説明会等でのコンプ ライアンス教育の受講の義務化と受講の管理(誓約書の提出を含む)を徹底する。 ①公的研究費の執行に係る諸手続きは、本学における個人研究費の取扱い及び各公的研究費 の使用ルールに準じ、本学の定める公的研究費の管理監査規程に基づき適切に行うものと する。 ②管理責任者はもとよりすべての教育職員及び事務職員に対して、公的研究費の不正使用及 び不正行為についてのコンプライアンス教育を徹底し、不正使用及び不正行為に係る不適 切な経理その他の処理が行われていないかどうかを確認するために個人別の調査を定期的 に実施するものとする。 ③ルールの例外的な処理は、実態との乖離を招く恐れが強いことから原則これを認めない。 やむを得ず認める必要がある場合には、例外的な処理の指針を定め、その手続きを明確に した上で、各担当部署等と連携して処理を行い、その方法を記録に残すものとする。 ④年度末等、特定の時期に公的研究費の支出が集中しないよう、年度にわたる計画的な研究 実施を定期的に呼びかけるものとする。 ⑤本学の定める消耗品以外の物品の購入については、部局管理責任者の決裁を得た上で、各 担当事務部署により発注、検収及び台帳管理を行い、購入された物品の所在を明らかにす る。なお、発注者と検収者は、それぞれ別の事務担当者が行うものとする。 ⑥消耗品の購入については、領収書、明細書等の提出を徹底し、研究支援課による検収等を 適切に行うものとする。 ⑦データベース・プログラム・デジタルコンテンツの開発・作成、機器の保守・点検等、特 殊な役務に関する検収については、実効性のある明確なルールを定めた上でこれを運用す るものとする。 ⑧最高管理責任者は当分の間、不正な取引に関与した業者への取扱いについて大学評議会に 諮った上で、取引停止その他の処分を決定するものとする。 ⑨旅費については、出発前の必要書類を提出し、最高管理責任者または部局管理責任者の決 裁を事前に得なければならない。その支出については、事実確認を適正に行った上で執行 処理をするものとする。航空機を利用する場合には、搭乗券・半券等の提出を義務づけ、 学会プログラムまたは出張報告書の提出により事実の確認を徹底する。なお、研究者申し 出により航空券代、交通費等を、私費あるいは他の経費と一部合算して使用するような場 合もまた、搭乗券・半券、領収書等の出張の実態を把握できる資料等の提出を義務づけ、 事実確認を徹底するものとする。 ⑩ 一定期間継続して雇用する非常勤雇用者については、研究支援課で一元的に管理するもの とする。研究支援課は、非常勤雇用者の雇用状況等について具体的な勤務実態の把握をす るよう努めるものとする。 ⑪アルバイト学生への謝金については、当該研究者、アルバイト学生及び研究支援課の事務 担当者の3者による面接を行い、勤務状況及び実態の確認を行うほか、勤務表による労働 日、時間、勤務内容及び勤務実態の把握をし、事実確認を適正に行うものとする。 点検活動 公的研究費の使用に関して、担当部署である研究支援課と防止計画推進部署である運営財 務点検委員会との連携により、効果的な内部監査及びモニタリングを実施する。内部監査で は、公的研究費採択者の10%にあたる人数を全体から抽出し、現物確認、証拠書類の確認 等を行うとともに、事務処理方法の見直し・点検を行い、改善等を図る。監査結果について は、研究費の適正な執行に対する理解を深めるために、学内外へ公表するものとする。また、 研究費の執行について、業務運営における個別モニタリング等の実施を通じ、本学全体の視 点からの点検及び検証に努める。 不正防止計画の見直し 不正防止計画は、最高管理責任者たる学長の下で定期的に点検・評価を行い、より効果的 な不正防止活動の実施に向け、不正防止計画の見直しを定期的に行うものとする。 附 則 この規程は2015年4月1日から施行する。 研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン 最高管理責任者 (学長) 運営・管理全般を総括運営・最終責任者 指揮監督・基本方針の策定 状況報告 統括管理責任者 (副学長) 最高管理責任者を補佐しその命を受け運営・管理について 統括する実質的な責任と権限を持つ 具体案の策定・実施状況の確認 状況報告 部局管理者責任者 (学部長、短期大学部長) ※総合研究センター長はコンプライアンス推進責任者・研究倫理教育責任者、 総合研究センター長以外の各学部長はコンプライアンス推進副責任者となる 最高管理責任者の命を受け運営・管理について掌理する 具体案の実施・ルール等指導 状況報告 経費管理責任者 (事務局長) 最高管理責任者の命を受け 運営・管理に関する事務をつかさどる 具体案・ルール等実施運営管理事務 状況報告 事務管理責任者 (研究支援課長) 最高管理責任者の命を受け事務処理をつかさどる 研究者 ルール全体像の周知 事務職員等 部局等 研究活動の不正行為への対応ガイドライン 最高管理責任者 (学長) 不正防止計画の実施 運営・管理全般を総括運営 研究活動の不正に関して最終責任者 状況報告 不正を発生させる要因の把握および不正防止計画の策定 状況報告 統括管理責任者 (副学長) 最高管理責任者を補佐し、研究活動上の不正に関して 統括する実質的な責任と権限を持つ 状況報告 不正防止計画の実施指導 部局管理責任者 (学部長、短期大学部長) ※総合研究センター長はコンプライアンス推進責任者および研究倫理教育責任者、 総合研究センター長以外の各学部長はコンプライアンス推進副責任者となる 研究活動の不正防止について掌理する 不正防止計画の実施ルール等指導 状況報告 経費管理責任者 (事務局長) 研究活動の不正防止に関する事務をつかさどる 不正防止計画推進部署 (運営財務点検委員会) 内部監査・モニタリングを管理する 不正防止計画具体案等の実施ルール等の指導 状況報告 内部監査・モニタリング 実施指示 状況報告 事務管理責任者 (研究支援課長) 研究活動の不正に関する情報を受け、各学部長事務責任者、部局責任者、不正防止計画推進部署 とともに、研究活動の不正防止に関する管理・運営や事務を適正に行うための必要な措置を取る 内部監査・モニタリング実施、学内説明会等でのルール等の指導を行う 科研費用 文科省・学振様式代替 (様式) 平成 年 月 日 科学研究費助成事業(科研費) の使用にあたっての確認(誓約)書 北星学園大学 学長 殿 (自 署) 私 は、平 成 年度の 科 学 研 究 費 助 成 事 業 (科 研 費 )により研 究 を遂 行 するにあたり、補 助 条 件 ・交 付 条 件 、取 扱 要 領 及 び執 行 ルール等 の関 連 規 程 の内 容 を理 解 し、これ を遵守いたします。 また、科 研 費 が、国 民 の貴 重 な税 金 で賄 われて いることを十 分 認 識 し、公 正 かつ効 率 的 に使 用 す るとともに、コンプライアンス及 び研 究 者 としての行 動 規 範 を遵 守 し、研 究 において不 正 行 為 を行 わな いことを約束 いたします。 なお、それらに反 した場 合 は、処 分 と法 的 責 任 を負うことも理 解しています。 さらに、間 接 経 費 が交 付 される研 究 課 題 につい ては、補 助 条 件 ・交 付 条 件 、北 星 学 園 大 学 におけ る競 争 的 資 金 等 に係 る間 接 経 費 の取 扱 に関 する 規 程 に従 い、入 金 後 、速 やかに本 学 に譲 渡 し、学 長にその手続き等を委 任します。 公的一般/受託研究兼用 (様式) 平成 年 月 日 公的研究費の使用にあたっての確認(誓約)書 【教員用】 北星学園大学 学長 殿 (自 署) 私 は、平 成 年度の 公 的 資 金 による研 究 を遂 行 するにあたり、研 究 費 使用ルール等を理解し、これを遵守いたします。 また、これらの経 費 の全 部 または一 部 が国 民 の 貴 重 な税 金 で賄 われていることを十 分 認 識 し、公 正 かつ効 率 的 に使 用 するとともに、コンプライアン ス及 び研 究 者 としての行 動 規 範 を遵 守 し、研 究 に おいて不正 行為を行わないことを約 束いたします。 なお、それらに反 した場 合 は、処 分 と法 的 責 任 を負うことも理 解しています。 公的一般/受託研究兼用 (様式) 平成 年 月 日 公的研究費の使用及び取扱いにあたっての 確認(誓約)書【職員用】 北星学園大学 学長 殿 (自 署) 私 は、平成 年度の公 的研究費の使用及び取扱いについて、本学の諸 規程や各研究費の補助条件を理解しこれを遵守い たします。また、公的研究費を公正かつ効率的に 使用するとともに、研究において不正行為を行わな い研究環境の整備に努めることを約束いたします。 なお、不正を行った場合は、本学や配分機関の 処分及び法的な責任を負うことも約束いたします。
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